あらすじ
米ソ冷戦とその終結は、世界が錯覚したまやかしだった。古典的な戦争の再来といえるロシアのウクライナ侵略が照射した「欧米」対「中ロ」の構図。慌てて安保三文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を改定した岸田政権の抑止力強化は間に合うのか? 表題「偽りの夜明け」(False Dawn)は晴れ渡る朝、輝かしい新時代の到来という希望が無残に砕かれた現状を表す。戦後の平和は幻影にすぎず、日本と世界は「暗黒の淵」か「真の夜明け」かの瀬戸際にある。国際政治学の重鎮が放つ待望の最新評論集。 〈目次〉第一部 「偽りの夜明け」に警鐘を鳴らして――二〇一〇年代 第一章 トランプ時代の日米関係――その危うさ 第二章 中国と日本の百年マラソン 第三章 平成日本衰亡史 第四章 眼前にあった自立への「追い風」 第二部 見え始めた本当の夜明け――「歴史の吊り橋」を渡る二〇二〇年代 第五章 戦後七十五年の日本は合理主義の精神に目覚めるとき 第六章 米国の難局と「責任ある保守」の時代 第七章 インド太平洋に浮かぶ世界新秩序 第八章 価値観を重視する「新しい現実主義」を 第九章 「ポスト・プーチン」の世界秩序
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Posted by ブクログ
続編が読みたい。
グローバル化が反転している!え、そうなの。
戦争の根本原因にワシントン軍縮会議での外交政策の失敗!え、そうだったの。
平成は産業の空洞化が進み過ぎた時代、呪われた時代!確かにそのとおり。
アメリカの現実主義は約束反故と背中合わせ!トランプはまさに現実主義だ。
中国には常に理性で対処!
安倍談話、70年談話の過ち!何が過ちなのか今ひとつ理解できないが。
分断こそ民主主義の最大の敵!トランプがやろうとしていることは正に過ちであって、このままでは内部から侵されていく。
Posted by ブクログ
冷戦後から2020年に至るまでの特に日米中ロの情勢の推移がわかる。
【概要】
●2010年代の日米関係、日中関係
●日本の衰退、平成の「失われた30年」
●2020年代の世界秩序
●新しい現実主義
【感想】
●冷戦後の世界秩序についてまとめられている。著者が持つ日本の危機感がよくわかる。
●著者の前著から引用部分のみが書かれているなら読みやすいが、所々に書名で書かれている点が読みづらく残念である。
●書かれている危機を脱しなければならないのはよく理解できる。そのためには若い人たちに教育しなければならず、その機会を設ける必要があると感じた。既に歳を取って自分の考え方が確立した政治家や官僚に言っても何も変わることはないからである。