【感想・ネタバレ】日本人としてこれだけは知っておきたいことのレビュー

あらすじ

なぜ日本人は戦前を否定するのか? なぜ「歴史」を社会科で教えるのか? 日本人に天皇は必要なのか? ――六〇年前の敗戦をきっかけに、明治も江戸も古代までも全否定する奇妙な歴史観が、この国を支配してきた。しかし、近現代世界はいま大きく変動している。戦争の真実を物語る史料も公開されはじめた。「この国のかたち」を描くために、私たちはいま何をすべきか。まず第一に、日本を考えるにあたってすべての「結節点」である「あの戦争」の意味を考えないわけにはゆかない。次に、「終戦」という嘘、「自主憲法」という嘘、「憲法九条が平和を守った」という嘘、「戦後の民主化が高度成長を促した」という嘘、「国際化」という嘘……積み重ねられた「戦後の嘘」を打ち捨てなければならない。さらに、「天皇」と「心」を日本文明の核心として捉えることで、日本人のアイデンティティを、真正面から問いなおさなければならないのである。

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Posted by ブクログ

戦後、私たちが喪ったものはあまりにも大きい。公教育でばら撒かれる歴史の捏造。歪められた皇室観。反日を是とする風潮。護憲派の偽善。私たちの「常識」は、すべてGHQの洗脳の産物である。ここから抜け出さないと日本民族は滅んでしまうのではないかと肩を落とす本。しかし、近年、ヴェノナ文書に代表される機密文書の公開が進み、真実がそのヴェールを脱ごうとしている。かつてケネディはこう国民に訴えた。「国家が国民に何かを為すことを期待するのではなく、国民が国家に貢献できることを考え行動して欲しい」と。真実が白日のもとにさらされつつある今日、日本人が自律して行動する時にさしかかっている。彼が問いかけたように。ただ、一連の情報公開で彼が容共主義者と暴かれないことを祈るのみである。余計なお世話だが。

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2014年09月04日

Posted by ブクログ

日本は一国一文明。世界中の文明論者が日本文明を文明のひとつに数えている。
騙すより騙されろと子供に教える国。
日本ではきれいとかきたないとかいう美的感覚に基づいて自らの行動を律している。

何度でも読みたい本です。
日本人である幸せを感じます。

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2014年02月12日

Posted by ブクログ

天皇制、戦後の米軍の日本人教育について、学校の歴史では教わらなかったことが、詳しく書かれている。

我々日本人はもっと日本の歴史の勉強をしないといけないといけない。

若い世代の人たちにも、ぜひこの本を読んでもらいたい。

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2012年02月02日

Posted by ブクログ

日本人でありながら日本に対して否定的な意識を持っている人にこそ一読して欲しい内容。多少極端とも見える表現もあるかもしれませんが共感できる指摘だと思います。

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2011年06月04日

Posted by ブクログ

2014年の夏休み図書として購入。
以前より国際関係分野で著名な中西氏の視点での日本人論を読んでみたいと思っていたのだが、予想通り、従来の歴史学的・比較文化的アプローチとは違った切り口での持論展開で非常に興味深く読むことができた。

多くの歴史家や学者が指摘するように、やはり本書においても大東亜戦争後に大きく日本の姿が変わってしまったというところを基軸に論考が展開されるが、論点が面白い。

まずは何故日本人は戦前を全否定するようになったのかという問いかけを出発点に、いかにして戦後に三大勢力(GHQ、左派マスコミ・知識人、霞が関官僚)によって日本の姿が歪められたのかということについて持論が述べられていく。
特に戦後日本はこれらの勢力による壮大な「社会主義の実験場」であったと指摘しているところが興味深い。
当時のアメリカにおいてさえ、社会主義者や共産主義者が数多く存在し、敗戦国日本で革命を起こし、理想の国家を創りあげようと暗躍していたというのである。

このような事実が判明する理由として、中西氏の「歴史は60~70年周期で大転換する」という持論にも関連するが、ある歴史的事象から60年程度の時間が経つと、当時極秘とされていた機密文書が少しずつ公開され事実が浮き彫りになってくるために、世代間の主観的な思い込みによる言い伝えが時間とともに薄まることも手伝い、より客観的に当時の歴史的事実を知ることができるようになるからだと述べている。

GHQが後の共産主義国との争いに備えるべく、新たな憲法の草案を作成したり、その後日米安保条約や日米地位協定を、日本の独立と引き替えに締結したということはよく言われることだが、その裏には共産主義者や社会主義者の影響も少なからずあったということは、確かにある程度の時間が経った現在だからこそ見えてくることなのであろう。

ゾルゲ事件はあたかも特別なことであったかのように国内では取り上げられているが、実は旧ソ連のスパイ諜報網などは各国の共産党と連携しながら戦前から世界中に張り巡らされており、日本においても政界やマスコミだけでなく、その触手は軍部にまでも及んでいたというのだから、いかに世界中が諜報活動に躍起になり、次の覇権を狙おうとしていたのかが、今日になったからこそ見えてくる。

とにかく、このような事実が過去に存在し、かつその影響が今日まで続いていることを認識した上で、従来の「あの戦争は間違っていた」「戦前の日本のような国になってはいけない」的な偏った自虐史観ではなく、今一度「正しい歴史認識」というものを再考する必要があるのではないだろうか。

また中西氏は日本の天皇制にも言及し、天皇の必要性を他国の王制と比較しながら述べていることも一読に値する。
万世一系の重みを今一度理解し、GHQに権力を削ぎ落とされながらも現在まで一心不乱に国民の平和と安寧を祈り続けている皇室の本当の価値を再認識すべきだと強く主張している。
そういった意味で、近年左派マスコミが声高に叫ぶ「開かれた皇室報道」は間違っていると警鐘を鳴らしており、これには天皇・皇后両陛下をスマホで撮り、それだけでなくその画像が何の躊躇もなくSNSに投稿されることにものすごく違和感を感じていた自分も強く賛同した。

やはり皇室は日本にとって特別な存在なのであり、戦後世界であってもそれが否定されたり軽んじられるものでは決してないということを、戦後70年になろうとしている今こそ、その尊さとともに後の世代に伝えていかなくてはならないであろう。

本書の最後では、「文明国としての日本」という観点から、日本人の“心”について述べている。
戦時中にアメリカの文化人類学者であるベネディクトが書いた「菊と刀」が、長らく欧米人における日本人論のスタンダードとされてきたが、あれは日本を統治占領するための戦時研究の一環であったことは現在では明白である。
しかしながら、いまだに日本文化の特徴を「ここがヘンだよ日本人」のように、半ば自虐的に報道されていることもまた事実であり、非常に違和感を感じざるを得ない。

やはりそれは、戦後の偏った教育が原因であるとともに「日本は文明国である」という意識がまだまだ低いからなのだろうが、過去はどうあろうと事実は事実として受け止めつつ、日本という“国のカタチ”を正しく次の世代に伝えていくのが現代の大人の役割なのだと、本書を読み終わって実感した次第である。

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2020年01月29日

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戦後レジームからの脱却が謳われる今日において、一読に値する書。戦前を見つめ直すに当たっての、いや日本という国を再度捉え直すきっかけとなるものだとおもう。知らず知らずのうちに、教育に打ち込まれた自虐史観においての恐怖と、今まで脈々と受け継がれてきた日本人の在り方を考えさせてくれる。

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2017年09月06日

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『実際、九条からは無数に「言葉の嘘」が派生しました。日本軍を「自衛隊」と言い換え、歩兵を「普通科」と言い換え、戦車を「特車」と言い換えた。駆逐艦を「護衛艦」と言い換えたのなどは、ただただ馬鹿馬鹿しいというしかありません。

つまり、戦後の日本は、真実そして根本にある問題から目を逸らそうとする、いわば「その場しのぎ」の精神構造から始まってしまったわけです。そして、問題の直視を避けて「嘘の上に嘘を上塗りする」傾向は、その後も延々とくり返されることになります。』

政治、宗教、ジェンダーに関してはSNS上では沈黙するに限るが、最近話題の分野について、教養として保守系の論客の意見も読んでみました。

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2015年07月03日

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日本人として、もっと正しい(偏りの無い)歴史観を持つべきだと感じた。あまりにも戦後のアメリカの占領政策で、骨抜きにされた印象を持った。

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2015年05月25日

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文字通り、日本人として知るべきことを記した一冊。

丁度終戦記念日のこの時期に読んだのだが、著者の論説は世間的には右寄りと言われるものだが、頷ける部分が多かった。
改めて天皇制、そして日本の国体のあり方について色々と考えさせられた。

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2018年12月03日

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入門書としてはいい感じ。
天皇および皇室の存在についての正しい理解と、神道を軸とした日本文明の理解が深まった。
『菊と刀』の存在は大変罪深いものと思う。というより浅はか。
日本文明を守り、継承する波に参加していきたい!!

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2013年08月21日

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拳骨氏の「日中韓2000年~」と同時に読み進めた。戦後教育で巧みに消されてしまった日本人としてのもっとも大切なこと。戦争に関することだけでなくそれ以前に日本人が建国以来大切にしてきたものまできちんと伝えられてきていなかったことに大きな不安を覚えた。歴史を消された国家はいずれ崩壊する。消されようとしているのは歴史の出来事ではなくルーツに関することだったことになんとも言えない憤りと恐怖を感じる。

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2013年06月18日

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戦争で失ったものは多いけれど、
失った人たちががんばって残してくれたこの国を引き継いで行かなきゃ失った人達に申し訳ないと、思った。
あの戦争はただ、悪い戦争だった。
とだけ思わず、先人が残してくれた日本をもっと誇らしく思わないと。

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2012年02月02日

Posted by ブクログ

タイトルで買った感のある一冊。

僕は小中高といろんな先生に学んできて、
けれど自分で違和感を感じて勉強したりして。

世の中には客観的事実なんてものはないし、
歴史は造られたものでしかなく。

などと思っていたのでこの本の主張は解り易かったです。

しかしながら全面的に受け入れるのではなく、
自分の中で様々な考えや主張をぶつけ合って、
自分の考えを改めて練る必要があるのではないかと思います。

もちろん自分を含め、
最近の日本人は考えることをあまりにも外部に任せ過ぎているように思います。

こういったものでなくても考えさせられるものというものを
右左、硬軟、新旧etc...色々混ぜ合わせて、
知るべきであるし、考えるべきであると思います。

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2011年09月03日

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明治維新前後からの「日本近代史」をベースにし、「近現代世界は60年周期で大変動する」との視点からの見直しを図った内容です。

中西さんご自身が冒頭で「気軽に手にとってもらいたい」と述べられているように、
大学で近代史を専攻していた癖にすっかり門外漢な自分にとっても、非常に判りやすくまとめられています

こうしてみるとやはり、小中高で習ったはずの「社会科の歴史」は不透明であったのかなと思い返してみたり。
まぁ、自分の場合は幸いにして?大学で史学科に進み、「学問」としての「歴史」の良い所も悪い所も体験できましたけども。

で、その大学在学中に、学科の特性として取得しやすかった「教職員資格」をとったりしています(学芸員もですが)。
当然教職に絡んだ講義も受け、きっかけが不純だった割には、そこそこ真面目に受けていた気もします。

そんな講義の中でも印象に残っているものの一つに、教育実習関連の講義がありました(ちょいうろ覚えですが)。
ちなみに自分の教育実習は1998年頃が舞台となっています、、そう考えるともう10年近く昔ですか、早いものです。

大元は「生徒の学習意欲が低下している、授業に対するモチベーションが希薄である」との問題提起に始まり、
そこから「生徒に自ら「考えさせる」には、どうしたらよいか」との問題意識や、教育実習での実践につなげていったと記憶しています。

実際の教育実習については大学の指導教授から「内容はともかく、姿勢が客観化しすぎていて「思い」が伝わらないね」なんて評価を受けています。
実習先の母校(高校社会科でした)の先生からも、似たような評価であったと思います。

当時は「必要性感じれば自らでなんとかするだろ、その時のきっかけ位になればいいや」なんてヒネタ考えでしたから、
妙に教授のその言葉に納得して「やはり教師として「教える」のは性にあわん」なんて結論づけたりしてました。

今にして思えば「教える(た)」ことへの責任感からの逃避、だったのだろうと、そんな事をを考えさせてくれた一冊でした。

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2011年05月08日

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自分の国の歴史を悲観的に捉える日本人が増えてきているなか、もう一度改めて日本の歴史を考え直すきっかけになる良書。
「愛国心を持とう」と言っただけで右だの言われる時代に、日本の中心軸を戻す手助けになる本!ぜひ日本の悲観的な歴史教育から一人でも多くの日本人が解放されてほしいと思う。

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2011年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
なぜ日本人は戦前を否定するのか?
なぜ「歴史」を社会科で教えるのか?
日本人が天皇を必要とする理由は?
―六〇年前の敗戦をきっかけに、明治も江戸も古代までも全否定する奇妙な歴史観が、この国を支配してきた。
しかし、近現代世界はいま大きく変動している。
戦争の真実を物語る機密文書も公開されはじめた。
「この国のかたち」を描くために、私たちはいま何をすべきか。
積み重ねられた「戦後の嘘」を打ち捨て、日本文明の核心を捉えることで、日本人のアイデンティティを真正面から問う。

[ 目次 ]
第1章 歪められた自画像(なぜ日本人は戦前を全否定するのか 戦後の嘘 戦後の悲しき真実 戦後六〇年、いまこそ覚醒のとき)
第2章 あの戦争をどう見るべきか(日露戦争をどう見るべきか 日本はなぜ大東亜戦争に突入したのか)
第3章 日本人にとっての天皇(天皇―世界に類なき君主 なぜ日本人は天皇を必要とするのか 天皇を戴いて歩み続けるために)
第4章 日本文明とは何か(戦後日本人を呪縛した『菊と刀』 日本文明―この独自なる文明 この国の「心のかたち」)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月20日

Posted by ブクログ

世界が如何に陰謀に満ち満ちていたのか、また満ち満ちているのかがよく分かった。ソ連の諜報の能力、それを活かしきる政治力が強力であったことが改めて分かった。
 天皇を中心とする日本の文化文明は、アジアの亜種ではなく全く異なったものであるという認識をもて、大変誇りに思う。次代の担い手としてきれいな心で受け継いでいきたい。

目次
第1章 歪められた自画像
第2章 あの戦争をどう見るべきか
第3章 日本人にとっての天皇
第4章 日本文明とは何か

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2011年04月04日

Posted by ブクログ

戦場に散った兵士の多くは真面目で優秀なヤツばかりだった。生き残った者たちはそのことを一生悔いていまも生きている。だからモーレツに日本は経済復興を遂げた。まるでその後ろめたさから逃げるようにして。これはひとつの事実で側面であるような気がする。戦争のことは二度と思い出したくない。そう言って会話を避ける老人たちの中には単に戦争の悲惨さを避けているのではなく生きている自分にずっと罪を感じている。これは本人たちにしかわからないことであって日本人として知っておくべきこと。

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2011年09月15日

Posted by ブクログ

これもひとつの考え方として、受けとめる必要あり。全面的に信じてしまうと、それは宗教みたいなものになってしまいます。

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2011年09月09日

Posted by ブクログ

戦時中のことは今まで目をそらしていたけど、日本が開戦に至るまで、共産主義者でソ連からのスパイが開戦をそそのかしていたという話に驚き、もっとこの辺の事実を見なければと思った。
若干天皇崇拝の思想が入りすぎていて違和感があったけど、読んで為になった。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

戦後の歪められた教育について、日本の皇室について、日本の文明についてなどの理解が深まりました。
日本人として、日本を愛する心を忘れずにいきたいと思います。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

日本人の、心の美意識はどこに行ったのか。
戦後、歴史について正しい情報が教えられないことで、壊れて行くものがある。
皇室に重きを置いているとはいえ、幅広く新書容量では薄くならざるを得ないが、それこそ「これくらいは日本人でしょう」という内容。
初めてには良いか。

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2022年01月04日

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●戦後の占領政策、その根幹をなす皇室弱体化や歴史教育が我々日本人に与えた影響がいかに甚大であったかを学べた。

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2018年10月24日

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第1章では、敗戦後の占領政策によって日本人の歴史観が歪められてしまったことが説明されています。著者は、GHQに共産主義者が多く入り込んでいたことを指摘して、とくに冷戦がはじまる1948年頃までは、彼らによる社会主義的政策が推し進められていったと述べています。こうした状況の中で、国民の間にナイーヴな「青い山脈」的理想主義が広まっていくことになりました。やがて左翼的理想主義は崩壊しますが、多くの国民はそれに代わる国家観を持っていなかったため、日本人の精神に「真面目さの崩壊」が起こったと著者は主張します。

第2章は、日本が日中戦争・太平洋戦争へと突き進んでいった経緯を説明しています。幣原喜重郎の「日支友好」の立場は、諸外国の政治的リアリズムを見落としており、このことが日本を危機に追いやったというのが著者の主張です。

第3章は天皇についての解説が、第4章は日本文明論が、それぞれ展開されています。

新書ということもあり、リソースがきちんと示されているわけではないのですが、本書の議論は、戦後60年以上経ってようやく公開され始めた各国政府の史料に基づいて展開されているとのことで、いろいろ興味深いところがありました。ただ個人的には、文明の60年周期説というのは、なかなかその真偽を判じがたい仮説にとどまるのではないかと感じます。

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2014年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 保守派である著者が、戦後体制、戦時中、天皇制について簡単に解説した本。

 第一章で解説している戦後体制(主に教育面)に批判的なのはある程度予想が付いたが、面白いのは戦時中について述べた第二章である。

 アメリカやイギリスが日本軍を恐れたのは「國體護持」を掲げて自己犠牲を厭わない点にあった。そして、戦後体制はそんな日本の力を削ぎ、日本を社会主義の実験場にしようという目的があったと述べている。この件を読んで、戦後の日本は憲法9条に見られるような平和主義の実験場にもなったのではないか。
 
 他には、日本が「大東亜共栄圏」とか「五族協和」、「八紘一宇」というスローガンを掲げてアメリカやイギリスを相手にしたことが誤りである、という記述が気になった。これは中国のように中華思想を持つ国が大人しく日本の掲げる「アジア連帯」に従うことはない、という著者の考えに基づくものである。

 著者の信条に賛同するかどうかは別として、保守派・右派の基本的な考え方を知るのには適した本である。人によってはすでに知っていることが多いかもしれないが。

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2011年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

右寄りの本でした。想像してたのと違う。ただ知識として知らないことが多く、読んでよかった。何事も知らないで否定してはいけないものだなぁ、と感じた、が「終戦の詔書」を原文で載せられて理解できるわけがない。それで都合のよい部分だけ解説して、「~だからこうだ」と言われても納得できる訳がない。

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2011年04月16日

Posted by ブクログ

そんなことを言われたら、読んでみようか、と思ったんだけど、
内容は右寄りの1つの思想だと思いました。

自分は戦争を本当に全然知らない。
いつも言ってる気がするけど、歴史でも近代をやる頃には、
学年末になっており、怒涛の勢いで授業するから覚えてない。。。

なので、書いてある内容で、知らないことがたくさんありました。
日本の外交や、中国との関係など、かなりうなずけるところもあります。
また、戦後の戦前~戦中否定の後ろ向き責任論視点によって、
日本人というのがあいまいになって、事なかれ主義なのも確かにあります。

しかし、知らない歴史に関して、日本贔屓のことが多く、
日本がしたことは?っていう部分が抜けてる感じでした。

しかも言い方が断定的で、そこはまだ明らかになってないんじゃ?
って思ったりしたんですが・・・研究者じゃないから知らないけど。
また、左批判が多いのもちょっと。
世代的にそういう知識や経験がないので、左右の対立を元に書かれても、
しっくりこない。もう少し客観的事実だけで書いてほしい。
そんな自分は英米的な事実主義の中道派というのになるのかしら。
新聞は嫌いで読まないけど、思想や記事がというより、
拡張員と関わりを持ちたくないからだし。

天皇に関しても、すっかり日本の象徴としてインプットしているので、
神道というのもいまいちしっくりきません。日本人が無宗教だと思はないけど、
1つの宗教を信仰したり共有したりしているという感覚は薄い。

そんな平和ボケ育ち、無知の自分。

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2011年04月11日

Posted by ブクログ

はじめの戦争についての章は、予備知識がないと読みづらい。
けれども、日本人にとっての天皇という章で、天皇が日本国民にとってありがたく尊い存在なのだということを感じた。
それだけで、天皇をよく知らない人には読む価値があると思う。

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2011年01月10日

Posted by ブクログ

高校を卒業する時に、校長閣下がお薦めになったご本。安倍首相のブレーンの書いたこの本の中身は、僕にとって危険極まりないものとしか思えなかった。それに文明の分け方とかはハンティントンぽくて拙劣ではないか?

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2011年07月17日

Posted by ブクログ

戦後GHQの戦略により、いかに日本が骨抜きにされたかが分かった。天皇制についてはあまりしらなかったのでとても参考になった。他の読者から右寄りと指摘されているが、左とか右とかはあくまで相対的に決まるものであり確かに日本基準で言えばそのとおりである。

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2011年09月30日

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