あらすじ
なぜ日本人は戦前を否定するのか? なぜ「歴史」を社会科で教えるのか? 日本人に天皇は必要なのか? ――六〇年前の敗戦をきっかけに、明治も江戸も古代までも全否定する奇妙な歴史観が、この国を支配してきた。しかし、近現代世界はいま大きく変動している。戦争の真実を物語る史料も公開されはじめた。「この国のかたち」を描くために、私たちはいま何をすべきか。まず第一に、日本を考えるにあたってすべての「結節点」である「あの戦争」の意味を考えないわけにはゆかない。次に、「終戦」という嘘、「自主憲法」という嘘、「憲法九条が平和を守った」という嘘、「戦後の民主化が高度成長を促した」という嘘、「国際化」という嘘……積み重ねられた「戦後の嘘」を打ち捨てなければならない。さらに、「天皇」と「心」を日本文明の核心として捉えることで、日本人のアイデンティティを、真正面から問いなおさなければならないのである。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
なぜ日本人は戦前を否定するのか?
なぜ「歴史」を社会科で教えるのか?
日本人が天皇を必要とする理由は?
―六〇年前の敗戦をきっかけに、明治も江戸も古代までも全否定する奇妙な歴史観が、この国を支配してきた。
しかし、近現代世界はいま大きく変動している。
戦争の真実を物語る機密文書も公開されはじめた。
「この国のかたち」を描くために、私たちはいま何をすべきか。
積み重ねられた「戦後の嘘」を打ち捨て、日本文明の核心を捉えることで、日本人のアイデンティティを真正面から問う。
[ 目次 ]
第1章 歪められた自画像(なぜ日本人は戦前を全否定するのか 戦後の嘘 戦後の悲しき真実 戦後六〇年、いまこそ覚醒のとき)
第2章 あの戦争をどう見るべきか(日露戦争をどう見るべきか 日本はなぜ大東亜戦争に突入したのか)
第3章 日本人にとっての天皇(天皇―世界に類なき君主 なぜ日本人は天皇を必要とするのか 天皇を戴いて歩み続けるために)
第4章 日本文明とは何か(戦後日本人を呪縛した『菊と刀』 日本文明―この独自なる文明 この国の「心のかたち」)
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[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
保守派である著者が、戦後体制、戦時中、天皇制について簡単に解説した本。
第一章で解説している戦後体制(主に教育面)に批判的なのはある程度予想が付いたが、面白いのは戦時中について述べた第二章である。
アメリカやイギリスが日本軍を恐れたのは「國體護持」を掲げて自己犠牲を厭わない点にあった。そして、戦後体制はそんな日本の力を削ぎ、日本を社会主義の実験場にしようという目的があったと述べている。この件を読んで、戦後の日本は憲法9条に見られるような平和主義の実験場にもなったのではないか。
他には、日本が「大東亜共栄圏」とか「五族協和」、「八紘一宇」というスローガンを掲げてアメリカやイギリスを相手にしたことが誤りである、という記述が気になった。これは中国のように中華思想を持つ国が大人しく日本の掲げる「アジア連帯」に従うことはない、という著者の考えに基づくものである。
著者の信条に賛同するかどうかは別として、保守派・右派の基本的な考え方を知るのには適した本である。人によってはすでに知っていることが多いかもしれないが。