中西輝政のレビュー一覧
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中西輝政さんの京大での講義録をまとめた1冊。第一次世界大戦から現在までの世界、政治の見方がわかりやすく紹介されていて参考になる。
ただ、各エピソードが若干断片的な印象なのは、入門コースとして幅広に解説されたという講義の性格上、致し方ないか。
グローバリゼーションの時代が終わり、これからはまた国家の役割が大きな意味を持つようになるという氏の論は、ビジネスを中心に世界を考える目線からは少し遠い響きに感じられるものの、実際に世界秩序を維持しているのは、強国とその周辺国(ここ200年であれば、英米とロシア、ドイツ、フランス、中国、および日本など)というそれぞれ国家であって、決して国連や共同体ではないと -
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タイトルで買った感のある一冊。
僕は小中高といろんな先生に学んできて、
けれど自分で違和感を感じて勉強したりして。
世の中には客観的事実なんてものはないし、
歴史は造られたものでしかなく。
などと思っていたのでこの本の主張は解り易かったです。
しかしながら全面的に受け入れるのではなく、
自分の中で様々な考えや主張をぶつけ合って、
自分の考えを改めて練る必要があるのではないかと思います。
もちろん自分を含め、
最近の日本人は考えることをあまりにも外部に任せ過ぎているように思います。
こういったものでなくても考えさせられるものというものを
右左、硬軟、新旧etc...色々混ぜ合わせて、 -
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明治維新前後からの「日本近代史」をベースにし、「近現代世界は60年周期で大変動する」との視点からの見直しを図った内容です。
中西さんご自身が冒頭で「気軽に手にとってもらいたい」と述べられているように、
大学で近代史を専攻していた癖にすっかり門外漢な自分にとっても、非常に判りやすくまとめられています。
こうしてみるとやはり、小中高で習ったはずの「社会科の歴史」は不透明であったのかなと思い返してみたり。
まぁ、自分の場合は幸いにして?大学で史学科に進み、「学問」としての「歴史」の良い所も悪い所も体験できましたけども。
で、その大学在学中に、学科の特性として取得しやすかった「教職員資格」をとっ -
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ネタバレ[ 内容 ]
本書は、日本の近代史を学び直し、新しい「近代史の常識」と「この国の自画像」を提示する試みである。
「人間が歴史を動かす主人公である」という視点から、吉田松陰と、岩倉具視から乃木希典まで、明治を築き上げた7人の人物を中心に取り上げる。
[ 目次 ]
人間を中心に歴史をつかむ
吉田松陰―この国の未来を守るための戦略
岩倉具視と大久保利通―近代日本を生み出すための謀略
伊藤博文(前編)―現代の霞ケ関が模範とすべき「明治の官僚」
伊藤博文(後編)―世界に恥じない近代立憲国家をめざして
明治の三太郎―日露戦争に挑んだ近代日本の「長男」たち
桂太郎(前編)―近代軍制を確立し、日清戦争に挑ん -
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ネタバレ[ 内容 ]
なぜ日本人は戦前を否定するのか?
なぜ「歴史」を社会科で教えるのか?
日本人が天皇を必要とする理由は?
―六〇年前の敗戦をきっかけに、明治も江戸も古代までも全否定する奇妙な歴史観が、この国を支配してきた。
しかし、近現代世界はいま大きく変動している。
戦争の真実を物語る機密文書も公開されはじめた。
「この国のかたち」を描くために、私たちはいま何をすべきか。
積み重ねられた「戦後の嘘」を打ち捨て、日本文明の核心を捉えることで、日本人のアイデンティティを真正面から問う。
[ 目次 ]
第1章 歪められた自画像(なぜ日本人は戦前を全否定するのか 戦後の嘘 戦後の悲しき真実 戦後六〇年 -
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ネタバレ[ 内容 ]
文明の衰亡は必然なのか?
衰退から逃れる道はないのか?
本書ではローマ帝国、ビザンチン帝国、大英帝国、アメリカ、中国そして江戸時代の日本など独自の世界を確立した大国の興亡の光景を描き出し、その「文明衰退の理」を歴史の教訓から導き出す。
史上、外敵の侵入で滅んだ国はない。
衰退はその国の「内なる原因」によってなされたと著者は論ずる。
世界史的・文明史的視点から、日本の衰退と再生を洞察する「衰退学」の集大成である。
[ 目次 ]
序章 愚かなるオプティミズム
第1章 衰退とは何か
第2章 衰退を考える視点
第3章 大英帝国衰退の光景
第4章 ローマの衰退とビザンチンの叡智
第5章 -
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ネタバレ[ 内容 ]
「対米戦争の目的は何だったのか」、「陸軍エリートはどこで問違えた」等、戦後六十余年、「あの戦争」に改めて向き合った六人の論客が、参戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げる。
「文藝春秋」読者賞受賞。
[ 目次 ]
第1部 座談会・あの戦争になぜ負けたのか(対米戦争の目的は何だったのか;ヒトラーとの同盟は昭和史の謎;開明派・海軍が持つ致命的欠点;陸軍エリートはどこで間違えた ほか)
第2部 あの戦争に思うこと(空しかった首脳会議;八月九日の最高戦争指導会議;私の太平洋戦争観;果たされなかった死者との約束 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ