中西輝政のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仕事をしていて難問に直面したときに大切なのは、その問題の本質は何かを素早く把握することです。これができてしまば、解決できる問題なのか、だめと思われる場合にはどんな対策をとるべきかが自ずと分かってきます。
しかし実際に難しいのは、本質を見抜く技術だと思います。この本では、そのための技術を大きく6つの観点から解説しています。本に書かれている技術は私の経験ではそのまま適用しても効果が少ないと思っていますが、そのエキスを理解して(本質を理解して)自分のアレンジを加えて今後の社会人生活に活用していきたいと思いました。
特に印象に残ったのは、ユダヤの法則にある「全員一致の決定は無効」(p184)というものでした。
以下はためになったポイントです。
・自虐的にしか自分を見れないのは、自分を映す鏡(歴史観)が歪んでいるからである(p21)
・日本人がまずやらなければならないのは、全ての考え方に安易な「人間愛」をの世界を持ち込まないようにし、1つのテーマに最低3つの仮説を立てること(p34)
・難しいことを難しく言うのは簡単だが、難しいことを易しく言うには、相当深くそのことを知らなければできない(p41)
・3つの仮説を考えるポイントとしては、「作用反作用=動あれば反動あり」、「慣性=動き出したら止まらない」、「鹿威し=突然バランスを失って局面の大転回がおきる」である(p53)
・3という数は、印象に残りやすく脳を落ち着かせる作用がある、「正反合」という考え方は、ある命題に対してまず肯定し、その否定を媒介として、より高いものに思考を発展させるもの(p55)
・人生で迷ったときの決断するポイントとして、「自分がおもしろいと感じるほうを選ぶ」、理屈や条件をもとに「おもしろい」と推測されるものを選ぶ(p81)
・日本においてバランスが崩れている現象として、「物と心のバランス」、「進歩と伝統のバランス」「個人と共同体のバランス」がある(p100)
・世界には「論理」を優先する民族と、「感性」で行動する民族がいる、歴史的には論理思考をするゲルマン民族(北ヨーロッパ)のほうが、発展や効率という面で優位に立っている、一方で日本人は、感覚が鋭敏で反射や直感で行動を選べるが、時にはとんでもない間違いを犯す危険性がある(p107)
・正しいこと(真理)と、効率的なこと(論理)の両者がそろわないと世界は成立しない(p113)
・海外の圧倒的に多くの水は硬水だが、日本の軟水はカルシウム含有量が少ない、そのため日本人は「せっかち」で、縄文時代から1万年以上、木の実を食べてきた民族であり海外の国々とは違う(p119)
・日本独特の風土(非常に温暖、自然の宝庫、水が豊富)は、日本に独自の文明を築かせた、風土は文明をつくり、文明は人間の考え方や心のパターンを決定づける(p129)
・ヨーロッパは、ノルマン人によるイングランド支配のように、外からやってきた民族が現住民族を征服し、社会の上層部を占めたという千年の歴史があり、人種的にも遺伝的にも一般大衆とは異なる、一方日本は遺伝子がお互いに混ざり合っていて階層ができない(p154)
・日本では2、3世議員が多いというが、欧州では10代続く国会議員がざらにいる(p155)
・ブッシュ政権は「日本占領の成功」が大きなヒントだと言っていたのに、その時とは異なって、旧フセイン政権の警官・公務員をすべて失業させた(p164)
・あまり見事な「反論の余地のない議論」は、「先に結論ありき」だと疑うべき(p179)
・ユダヤ人がサバイバルのために身につけてきた歴史の大教訓は、何かを決める際に、全員一致の決定は無効となり、議論をやり直す必要があるというもの、その根拠として全員一致とは、誰一人として真剣に考えていない証拠であると看做すから(p184)
・イギリス型の情報戦は、予算も少なくピンポイントの情報収集を行った、それに対してフランスは総花的に情報収集を行ったので、イギリスの弱点を素早く見つけられなかった、これがアフリカ植民地をイギリスに奪われたことに繋がった(p202)
・世の中の変化は大きく2つのパターンがある、1)規模は大きくないが、突発的に変化がわかるもの、2)ソ連型の崩壊のように大規模な変化で、事前に予兆があるもの(p211)
・アメリカ政府は1935年に長期人口予測(1965年に人口は3分の2)を行ったが、第二次世界大戦が始まると出生率が上がった、イギリスは20世紀初頭に出生率が大きく低下して、14例の人口予測を出したが、完全に外れている(p216) -
Posted by ブクログ
情報をさまざまな側面から把握する必要性を感じた。
・ある人間について知ろうとするときは、その人の育ちに関する情報を集める
・新聞の小さな記事にこそ、真実が含まれている(大きく取り扱いたくないが報道はしなければならない)
・メディアリテラシー
・背後で何か進行している」を前提にする
・相手が隠そうとしているものと読む(何ら前後関係がないことが進行始めたらそれは目くらまし)
・どっちつかずの情報は一見優柔不断に見えるが情報としては信ぴょう性が高い。(1か0かの情報はわかりやすいが真実ではないことが多い)
・経済情報は尺度として利用する(国家観、政治観なしの経済論議は実らない)
・個人情報(個人に関する情報、個人が持っている情報)を活用する。
・情報は地味処理思考ではいかせない。人間が操っている以上ウェットな部分を認識して戦略的に活用するべき。 -
Posted by ブクログ
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「迷っている状況に耐えられず、安易に答えを出そうとし始めたら、破滅が近づいている証拠だ」(…)この処世訓は、情報に対する姿勢にも当てはまります。115
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イギリスは王様でもスパイ罪は訴追されます。たとえば、ピューリタン革命のとき処刑されたチャールズ一世は、歴史の教科書では、議会と対立して、議会の権限を侵して絶対王政に向かおうとしたから殺されたとされていますが、王はじつは、国家反逆罪で処刑されたのです。フランスと通じてフランス軍を援軍に送ってもらって、議会を制圧するという陰謀を進めていたから、とされています。27
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村山政権で、社会党から官房長官になった野坂浩賢という人物がいます。彼が政界引退後に語ったところによると、社会党は、「自衛隊と日米安保を受け入れる代わりに、首相自ら明確に侵略戦争を謝罪することに反対しないのならば、自民党との連立に加わってもいい」という交換条件を出したのです。それにやすやすと乗ったのが、自民党でした。(…)すでに国際法上完全に片づいている問題について二十一世紀に入っても、日本はひたすら謝り続け、足元を見られ続ける羽目になったのです。97
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イスラエルはよく知られた情報大国ですが、デンマークも、国は小さいながらも、じつは情報大国です。ドイツは冷戦時から中国との関係を重視しており、中東から中国にもまたがる地域で隠れた形で深いレベルの中独情報協力を続けてきました。とくに有名なのは、パミール高原にロシアの通信を傍受する施設をドイツの連邦対外情報庁が中独共同で運営してきたことです。(…)中国市場でアメリカ以上の成功を収めているこれらの国は、中国の政府筋、情報筋と密接な協力関係を築いているのです。115
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ロンドンの空港でも、「専門は国際政治学だ」と答えると、必ずといっていいくらい、「ロンドン滞在中の住所をここに書け」とか、「どんな研究でイギリスに来たのか?」としつこく尋ねられました。イギリスの友人にその話をしたら、「イギリスに入国する外国人が国際政治学をやっているなんていったら絶対ダメ。荷物を調べられるのは当たり前だよ」といわれたのを覚えています。(…)こんなところにも、日本人の情報音痴ぶりが表れています。相手国の「関心の構造」がどうなっているかを知らなすぎるのです。175
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Posted by ブクログ
ネタバレ保守派である著者が、戦後体制、戦時中、天皇制について簡単に解説した本。
第一章で解説している戦後体制(主に教育面)に批判的なのはある程度予想が付いたが、面白いのは戦時中について述べた第二章である。
アメリカやイギリスが日本軍を恐れたのは「國體護持」を掲げて自己犠牲を厭わない点にあった。そして、戦後体制はそんな日本の力を削ぎ、日本を社会主義の実験場にしようという目的があったと述べている。この件を読んで、戦後の日本は憲法9条に見られるような平和主義の実験場にもなったのではないか。
他には、日本が「大東亜共栄圏」とか「五族協和」、「八紘一宇」というスローガンを掲げてアメリカやイギリスを相手にしたことが誤りである、という記述が気になった。これは中国のように中華思想を持つ国が大人しく日本の掲げる「アジア連帯」に従うことはない、という著者の考えに基づくものである。
著者の信条に賛同するかどうかは別として、保守派・右派の基本的な考え方を知るのには適した本である。人によってはすでに知っていることが多いかもしれないが。 -
Posted by ブクログ
そんなことを言われたら、読んでみようか、と思ったんだけど、
内容は右寄りの1つの思想だと思いました。
自分は戦争を本当に全然知らない。
いつも言ってる気がするけど、歴史でも近代をやる頃には、
学年末になっており、怒涛の勢いで授業するから覚えてない。。。
なので、書いてある内容で、知らないことがたくさんありました。
日本の外交や、中国との関係など、かなりうなずけるところもあります。
また、戦後の戦前~戦中否定の後ろ向き責任論視点によって、
日本人というのがあいまいになって、事なかれ主義なのも確かにあります。
しかし、知らない歴史に関して、日本贔屓のことが多く、
日本がしたことは?っていう部分が抜けてる感じでした。
しかも言い方が断定的で、そこはまだ明らかになってないんじゃ?
って思ったりしたんですが・・・研究者じゃないから知らないけど。
また、左批判が多いのもちょっと。
世代的にそういう知識や経験がないので、左右の対立を元に書かれても、
しっくりこない。もう少し客観的事実だけで書いてほしい。
そんな自分は英米的な事実主義の中道派というのになるのかしら。
新聞は嫌いで読まないけど、思想や記事がというより、
拡張員と関わりを持ちたくないからだし。
天皇に関しても、すっかり日本の象徴としてインプットしているので、
神道というのもいまいちしっくりきません。日本人が無宗教だと思はないけど、
1つの宗教を信仰したり共有したりしているという感覚は薄い。
そんな平和ボケ育ち、無知の自分。 -
Posted by ブクログ
日本人の心の在り方の理想像として、吉田松蔭・岩倉具視・大久保利通・伊藤博文・桂太郎・児玉源太郎・小村寿太郎・乃木希典をあげ、彼等の『誠・志』の素晴らしさを、著者の視点(特に乃木将軍については司馬遼太郎の見解とあい反した意見(美化?))で分かりやすく解説しています。
この本は、先ず第一章と最終章を読んでから、中身を読むとより著者の主張が理解し易いのでは…と思いました。
この本は、今の日本人に掛けている(特に政治家や官僚)日本人の持つべき資質について、歴史を振り返って述べている点が良いと思います。
ただ、私のように近代史をあまり知らずに読むと、歴史的背景を理解するのに時間が掛かります。