朱雀門出のレビュー一覧
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非日常的なのに実際起こってしまいそうな怖さのある、じわりと不気味な怪談詰め合わせ。
語り手(地の文)のスタンスがこちらを怖がらせようというよりは「こないだ知人から聞いたのですが……」と世間話をするようなノリなのが、妙にリアリティを感じる……。
出てくる体験者のほとんどが別に特別なことをしたわけじゃなく、普通に過ごしてる日常の延長で怪異に出会ってるのも、「次はお前だ」感強くてぞわぞわ。
正統派怖い話な「血プリン」「かおるちゃん」「呪殺寺」あたりも名作だけど、世にも奇妙な物語なら泣ける話枠だったりシュールギャグ枠だったりしそうなあまり怖くない話群も個人的にだいぶ好きです。 -
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怪奇な体験談を取材し続ける朱雀門出の最新怪異録。
盆に船を出してはならない禁忌を好奇心で破った男が語る海の記憶『妹が死んだ時の海亀』他、怪談を65話収録。
不気味なホラー短編集。初読の作家さんなんですが、実話怪談のジャンルになるのかな。
バン! と派手に怖いというよりは、正体がわからない不気味さがずっと続く感じです。久々に会った友人に、最近なんかあった? とか聞いたら聞かせてくれそうな、不思議でちょっと嫌なリアリティ。
登場人物の仮名が、あいうえお順で機械的に名付けられているのも無機質でなんか不気味でした。
個人的には、表題作の『妹が死んだ時の海亀』と、『ハカデウタエ』『呪った帰りだった -
Posted by ブクログ
龍彦先生が浮世離れしているせいか、もしかしたら先生が怪異なのかもと、いつ好青年から豹変して主人公のまりかを絶望させるか、途中までドキドキしながら読んでしまった。
1話目の首ざぶとんは、人の心の闇を見せられしょんぼり。信じてたのに…。
2話目のトモダチは、確かに男の言う通りなところもあるけど、逆に友達からそこまで求められたら果たして答えられるのかと思う。自分だって時には自分自身を裏切ったり、やらなければいけない事を明日の自分に押し付けたりするんだから、相手のそんな部分も含めて友達だと感じるなら、それでいいのではと思ったのだけど。
3話目のひじりは、考えたり話したりすると引き寄せてしまうと言う事 -
購入済み
ショートショート怪談
ショートショート怪談である。ショートショートだからまずはオチの部分の切れ味が生命線なのだが、まずまずのレベルの作品が多い。怪談につきもののグロテスクな場面が比較的少なめなのがいいかな。読み手の好みもあるだろうが、もう少し精選してもいいかなと感じた。
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Posted by ブクログ
色々な作家さんの実話系。
実話『系』なのは、本当なのか違うのか…。
香月さんの話は、これによってあの話ができた? と
ものすごく分かりましたが。
実話…実話だったら恐ろしいですが
現実は小説や漫画よりも恐ろしい…。
1月に死ぬと7人連れて行く、は言い伝えだと思ったら
結構最近の話だったのにびっくりです。
目的だった辻村さんは、占い師。
不確かな言い方をしたりして、当てはまる事を
占われる人間自身に探させる。
とはいえ、本当にそう言われてしまったら
驚きを通り越してぞっとします。
それ以外の話は特に…というよりも
お話のような感じで、実話っぽくなかったです。
漫画はすごく分かりやすかったで -