朱雀門出のレビュー一覧
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とにかく表題作がめちゃくちゃ面白い!
『妹が死んだ時の海亀』凄いの一言。異界へつながるはなしはよだれ出る笑
人魚に殺まされるって意味不明すぎて怖い。
実際にリアル友だちは舟に一緒に乗っていてとかなるとほんまに御盆に海に出るのは危険ってことだと思う。
あと『顔面扉』もかなり好み。異界へ行って戻ってきたけどそこも(本当の世界)なのかどうかわからない。
『P山』は一も二も異界からの干渉としか思えない。『カエルの荷台と口のないケモノの頭』『人攫いはリアカーで』妖しさ満載すぎる。『気付かぬクズ手袋』軍手は落ちていても絶対拾ってはいけません。前に読んだ実話怪談ととてもリンクする。『石という模様がある石』これも昔から石は拾ったらあかんってなんとなく思っていることと重なるなぁと思う。『ポケット』誰もいない何もない部屋に貼られた紙に書かれたポケットと言う文字に符合してポケットのなかに入っていたビー玉を管理人さんに渡すとその次の日からその管理人さんは連絡がつかなくなったということは異界に連れ去られたのか。ビー玉は目印なのか?
本当に世界は創らなくたってフシギに溢れてる。 -
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ネタバレ島本まりかはフリーター。華道教室の先生・磯部龍彦と共に怪談蒐集を始めるが、様々な怪異に見舞われる。
京都を舞台とした連作短編集。
「首ざぶとん」
おざぶ…おざぶ…という声が聞こえるという「おざぶあな」。まりか達は軽い気持ちで足を踏み入れてしまう。最後まで気が抜けない怖い話だ。
「トモダチ」
携帯を通じて会う約束をすると、邪魔してくる怪異。まりかが目をつけられるわけがわからなくて怖い。そういう怪異なのだから仕方がないか。そしてこれで本当に終わったのかがわからないのも嫌な感じである。
「ひじり」
近所の連続放火事件を調べていると、「ひじりに関わるな」と警告をうける。「ひじりに興味を持ったら、ひじりがこっちに興味を持ちよるんや」と。それでもひかないでいると、また不審火が起こる。何が目的なのかわからないし、ひじりに関わる何かも描写されるが、正体は不明のまま。
「羊を何度も掘り出す話」
タイトルそのままの話。いつの間にか穴を掘らされ羊の化け物を見る…という。他の3編に比べると1番平和的に解決している気がする。 -
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日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちがまとめて読める短編ホラーアンソロジー。
日本ホラー小説大賞30周年記念、受賞作がまとめて読めるホラーアンソロジーです。
既読の作品は曽根圭介『鼻』のみで、ほぼ初読みでした。
どれも面白かったですが、個人的に気に入った作品をいくつか。
まずは田辺青蛙『生き屏風』。屏風に取り憑いた奥方の相手を頼まれる妖鬼の話。全く怖くはないです。怖くはないですが、緩やかに共存する人と妖のいる世界観や、奥方の気高さ、妖気と奥方の友情など、心温まる素敵な話。
朱雀門出『寅淡語会録』は、町会館で見つけた地域の古い怪異が載った本から始まる話。御当地怪談、因習、民俗学など色々考えながら楽しめておもしろいです。完全オリジナルなのか、アイデア元の怪異があるのか分からないですが、語られる怪異もあまり聞いたことがなく、かつ本当にどこかに伝わってきそうなリアリティがあり興味深い。
吉岡暁『サンマイ崩れ』。精神科の病院を抜け出してボランティアに行く「僕」の話。
オチに意外性があり良かったです。心を病んだ「僕」の、常に追い詰められているような語り口も、息苦しさがあって良い。
ワタナベさんいい人。 -
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ネタバレホラー小説大賞の集成1は、私には合わなかったため、期待せず読んだ。(1と2同時に買ってしまったので)
でも、こちらの本はおもしろかった。「サンマイ崩れ」と「鼻」は、オチに驚いた。「トンコ」は、オチが切なかった。「生き屏風」はオチにほっこりした。「寅淡語怪録」は謎が多かった。(でもおもしろかったと思う)「穴らしきものに入る」はオチに笑った。
■サンマイ崩れ 吉岡 暁
→ワタナベさーーん!!なんて素敵なご老人なんだ。元々いい人だったんだろうね。
たまたま出会った「僕」のために、川を渡ってくれたんだ。てっきり、「僕」に悪霊か何かでもついているのかと思った。
自殺未遂直後の記憶が全くなかったこと。ボランティアに来たと言ったのに、警察も役場の人も、何も言わなかったこと。アキやんは、ワタナベさんをあやしい、気をつけろと言うばかりで、僕には何も悪態をつかなかったこと。いつもは出る病気の症状が、何故かワタナベさん相手には出なかったこと。
正直、文字も多いし、精神病を患っている「僕」
視点では、読むのに苦労した。早く読み終わりたいと思いながら、1週間くらいかけて読んだ。
でも、オチがすっごくよかった!!!!ワタナベさんの優しさに心打たれた。
わざわざ病院を抜け出してボランティアに来た「僕」も、優しい人だったのかな?
■鼻 曽根圭介
→どっちもどっちだね。通り魔が、ヒビノを襲わなかったら、こんなことにはならなかったのか?
救国青年団の制服=私立の高校の制服?
厨二病かよ〜。
ヒビノといっしょにいた女は誰なんだ?それも自分の想像?
どれが妄想でどれが真実なんだ!?
■トンコ 雀野日名子
→トンコは人間から逃げているわけではなく、きょうだいたちの声がするほうへ移動している。
豚は自分が食べられることに気づいているのかな。生姜焼きを見て、自分のきょうだいだって分かるのかな。
場長が、トンコのかつてのきょうだいだった生姜焼きを丁寧に扱う様子はよかった。
この話に出てくる人間はなんか嫌な感じ。公園でジャーキー(トンコのきょうだいだった)を巡って喧嘩した飼い主とか、豚を見たと子どもに報告されただけで、子どもが襲われそうになったと保健所にクレームいれる母親とか、なんか醜いと思った。
トンコは、きょうだいたちの思い出がたくさんあり、きょうだいたちを求めて移動する様子が切ない。
■生き屏風 田辺青蛙
→正直、ホラー小説か?と思った。怖い要素は何一つなかったような気がする。登場人物が、鬼と屏風に憑いた幽霊だから、一応ホラーなのかな?
最後は、ふたりいっしょになってよかった!友情だね!
■寅淡語怪録 朱雀門 出
→謎が残る。主人公は、本に選ばれたってことなのかな?
結局、ぼうがんこぞうって何なの!?死体生け花の煉瓦屋敷とは!?
世の中のどこかにありそうな話ではあるけど、謎が多すぎる。。
■穴らしきものに入る 国広正人
→笑って読んだ。主人公の穴への執着には脱帽。他にはどんな穴に入れるんだろう。
酸素ボンベは爆発するのかな?家が火事になったりする?主人公の遺体はコンセントサイズのままなのか?保険金は下りる?
そもそもこれはホラー小説なの?主人公が穴ライフを満喫する姿はなんだか微笑ましかった。 -
Posted by ブクログ
小説が小説であるために削ぎ落とし穴を埋め整えざる得ない、世界にある歪みや傷、答えの出ないわからなさ不条理、あるいは“間違い”、そういうものをそのまま描く、描けるのが実話怪談、というような気がしている。小説でも、稀に垣間見れるそれらに出逢うと嬉しくなってしまうけれど、ここにはそれだけが淡々と静かにただあって、居心地が悪いしやっぱり怖い。それでも読んでしまう。読みたくなる。文章で表現するアートで今いちばん面白いのは実話怪談だ、と言い切るには色々と読んでいないものが多いけれど、それでもこれはとても魅力的な言語によるアートだと思う。めちゃくちゃおもしろい。