天沢夏月のレビュー一覧

  • 拝啓、十年後の君へ。

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    ああ、これはいい!
    最近お気に入りの青春物語作家の天沢さん。
    そんな天沢さんの本作は、青春物語として百点満点の出来だと思う。

    小1のクラスで書いた「十年後の自分への手紙」、いわゆるタイムカプセルが十年経って郵送で順繰りに送られていく展開。
    もうタイムカプセルなんて言う題材からして青春だなあと思う(笑)
    だって、その手紙にはある種の郷愁と想いが付いてくるもの。

    別々の6人を主人公にした短編連作なのだけど、ある話に別の話の主人公がちょこっと顔を出したりして少しずつ繋がっている遊び心のある構成。
    さらに最初の主人公と最後の主人公には特別の縁があり、ラストで二人が再会することで綺麗にお話の円環が閉

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    2017年02月15日
  • 吹き溜まりのノイジーボーイズ

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    うん、よかった。
    なんとも清々しい青春物語。
    読後感サイコー。
    順不同で作者の本を読んでるけど、これはデビュー2作目。
    これまでで一番好きかも。

    本作も作者得意の青春物語。
    音楽バカでとことん諦めの悪いヒロインのアキが、先生に頼まれて吹き溜まりのヤンキーたちとブラスバンド部を作る話。
    登場人物の誰もが挫折や屈託を抱えていて、いわばこれは彼らの再生の物語だ。

    アキのキャラクターが凄くいい。
    いろんな不安や迷いはありながらも好きな音楽のためなら決して逃げずに頑張れてしまう。
    でもそれは前向きと言うよりもむしろ、諦めたくない、もう後悔したくないという後ろ向きの感情が原動力。
    そのことが吹きだまり

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    2016年10月18日
  • 拝啓、十年後の君へ。

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    この本の初版発行は6月25日ですが,表紙通り春を感じさせる作品でした.一概に恋愛小説ということはできませんが,そういった側面が大きかったように思います.登場人物の6人,それぞれに個性があって,それぞれに物語があるので,作者(天沢夏月さん)はどんな人生を歩んできたんだろうと気になりました.

    十年前の自分を考えてみて,自分は十年先のことなんて考えていなかっただろうなってそう思います.この登場人物たちの高校での状況は,自分の分岐が違えばそうなっていたかもしれないようなものばかりです.だから,自分がこんな状況ならどうするだろう?自分は前を向いて歩けるだろうか?そう思いもしました.

    本を読んでいると

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    2016年08月22日
  • DOUBLES!! ―ダブルス―

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    うん、やっぱり王道って面白い。

    『なぎなた男子』を読んで気になった作者を読む2作品目。
    個人的好みの部活モノで、しかも題名からして王道展開を予想させる本作。
    いやあ、ほんとに青春王道そのもので、やっぱりこう言うのって大好き。

    『ダブルス』とか『バッテリー』とか題名見ただけで、これは二人の登場人物が反発しながらも、本当の○○になっていく物語なんだろうなと予想が付く。
    それがスポーツの勝負が絡んだ青春物語ならば、これはもう面白くないはずがない!
    ここではテニスのダブルスの、互いにダブルスにトラウマを抱える高校生二人がちゃんと互いを信頼して、"ダブルス"になるまでを描いて、い

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    2016年06月25日
  • サマー・ランサー

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    「夏」「学園」「青春」の3要素が揃った時点でいともたやすく単位を与えてしまう楽勝科目こと僕です。
    いやもちろんその3つが含まれているからといって手放しに誉めたりはしませんけど、この作品は表紙からして趣味にピッタリと合う好きな小説でした。自分も学生時代は部活動の魅力を味わってきた経験があるので、勝った負けたが絡んでくるスポーツ(正確には武道?)は読んでいて気持ちがいい。それでいて活発で可愛い女の子まで出てくるんだからもう。
    この作品の主人公は「真っ直ぐ」であろうとすることを志す過程で左右にふらついたり、過去の自分に囚われて歪んだりしながらも周りに支えられて直線を描くわけだけど、やっぱりまず「そう

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    2016年03月18日
  • 思春期テレパス

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    二人の男の子、1の女の子 という3人組がいた。彼らは女だとか男だとか関係なく仲が良かった。
    この関係が変わる事なく続いていくと思っていた。


    ―ある一通のメールが届くまでは・・・

    そこから彼らはそれぞれの想いを知っていくことに
    なる。

    そんな少年少女たちの話

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    2015年09月26日
  • 吹き溜まりのノイジーボーイズ

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    さわやかな青春もののストーリーでよかった。
    不良たちが予想以上に素直だったが、終盤で音楽をやりたかった動機が判明してからの展開が熱かった。
    ノイジーボーイズのその後も各登場人物それぞれクラスに溶け込んでハッピーエンドというのも良い気持ちにさせてくれた。
    夏目の告白はこっちが恥ずかしくなった。

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    2015年02月10日
  • サマー・ランサー

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    もうこんな青春することないんだろうなー、と思いながらひたすらページをめくりました。

    自分も高校時代は部活のことしか考えてなくて、そんな環境に自分が置かれていたことが本当に幸せなことだったんだなと思います。

    まぁとにかく登場人物が本当に眩しすぎる。キラキラしてすっごく羨ましい!

    槍道部のみんなが個性的で、すごく読みやすかったかな。他のも読みたくなる感じ。

    庭さんの絵もかわいい!

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    2014年08月19日
  • サマー・ランサー

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    剣の道から槍の道へ。
    高校生のひたむきさが
    真っ直ぐな一本の槍に表れるようです。

    登場人物がみんなキラキラしてて、
    眩しすぎて直視できません(笑)

    そして後書きで知った事実、
    槍道って、無いんだね…。

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    2014年12月06日
  • サマー・ランサー

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    自分自身の弱い所を認めるのは簡単じゃないし辛いこと。
    それでも立ち向かっていくことは誰にだってできる。結果はどうあれ挑戦していくことこそに意味があり自分自身を見つめる結果になると思う。
    「強さを焦るな」
    簡単なようで簡単じゃないとてつもなく深い言葉だ。

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    2014年07月21日
  • 吹き溜まりのノイジーボーイズ

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    ヤンキーが吹奏楽?そんなネガティブなイメージは浮かぶかもしれないけど、この物語で奏でられる音は素敵だ。
    音楽は魔法が掛かるからきっと面白いんだと常々感じます。

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    2014年05月04日
  • サマー・ランサー

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    あとがきの最初の3行を読んで「だまされた!」と、思いました(笑)。槍道って実在してないんだ…。
    物語は、ストレートに『青春!』って感じで、とっても楽しく読めました。難しいことを考えたくない時や、活字にブランクがある時にオススメ。読後はとってもさわやかな気分になれます♫

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    2013年05月16日
  • 君に贈る15ページ

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    短いページ数の中でそれぞれの続きが読みたいと思わせる展開が多く、手軽さもありながら満足感があってよかった。

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    2025年09月01日
  • 君に贈る15ページ

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    今をときめく作家による、15ページずつの短編集。斜線堂有紀の作品で本文最後に「仕掛けが分かった?」と聞かれ、うむむわからん、一番気になりました。わかったことといえば前半の世界狭いうちは使う文字に制限かけてあること、だから、「私」はなくて、「I」。「難しいかもよ」じゃなくて、「むずいかもだよ」。彼の名前は「 」。これは10文字、または空白入れて9文字なのかなぁとかなり考えたけど、思いつかなかった。「しゅうとう」「ねんどう」「ごとう」「うとう」/「しゅうじ」「しゅうと」「しゅんご」「しゅうご」とか?でも適当な名前じゃ意味はないしなぁ…。
    されど世界の終わり 三秋

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    2025年08月31日
  • 吹き溜まりのノイジーボーイズ

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    「自分の気持ちに素直って、なんだかカッコイイ。簡単なようで難しいんだ、自分と向き合うっていうのは。特にわたしたちくらいの年頃って、たぶん素直になれないことの方が多い」(p327)
    それが高校生。それが青春。そんなジレンマだらけの物語。

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    2025年07月27日
  • ヨンケイ!

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    リレーの走る順番通りに一章ごとに主人公が交代する
    一走の受川くんはあんまり感情移入ができず
    二走の雨谷くんで少し乗ってきて
    三走の脊尾くんでこの小説おもしろいと思い
    四走の朝月くんでまた少し感情移入ができなくなった感じ
    でもみんなでインターハイを目指してるのはワクワク楽しい
    どうしても『一瞬の風になれ』と比べてしまうけど…
    良い青春でした!!

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    2025年06月24日
  • 青の刀匠

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    自宅の火事で天涯孤独になってしまった男子高校生が後見人である日本で唯一老齢女刀剣師の元で成長していく物語。

    ※自分で立つことをやめるな。一度座り込んでしまうと立ち上がるのに時間がかかる。立ち止まっても迷ってもいい。立っておけば歩き出したいときに、すぐ一歩、踏み出せる。
    ※失敗を糧に進めばいい。

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    2025年06月12日
  • ヨンケイ!

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    4✖️100メートルリレー。駅伝以上の信頼関係と研ぎ澄まされた感覚が必要なバトンパス。顧問のサトセンが静かで魅力的。

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    2025年05月29日
  • DOUBLES!! ―ダブルス― 4th Set

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    ネタバレ

    表紙イラストがすっごくいい!
    ちゃんと靴を揃えて、脱いだ靴下も靴の中に入れている進藤に、意外にも靴を揃えない曲野。
    進藤の右腕のリストバンドの日焼け、ふたりがそれぞれ食べているアイスの種類のちがい。曲野はスイカバー好きなんだ、意外!
    アイスを持ってる逆の手、それぞれ違ってるのもいい。進藤は部長としての練習ノート、曲野はエースとしてのテニスボール。
    今まではテニスしてる姿のイラストが主だったけど、4巻の表紙はすごいリアルな男子高校生っぽさが見えてよかった!

    進藤たちの代が部の主軸になる時代の4巻。今まではやっぱり進藤&曲野に物語の焦点が当たっていた印象だったけど、ここにきて「藤ヶ丘高校

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    2025年04月30日
  • DOUBLES!! ―ダブルス― 2nd Set

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    ネタバレ

    新海がとってもいいキャラしてる。ただただヒール役としてではなく、ちゃんと共感できるようなバックボーンもあって、すごくよかった。

    試合後の曲野視点の章で、今まで「新海」呼びだったのがちゃんと「リョウ」呼びになってるところが丁寧でいい。

    前作ではダブルスだったが、今回はシングルスが物語の主軸になっている。この物語中で一貫した主張は、
    「シンプルなのがいい。目標も、ボールも、無我夢中で追うのがいい。まっすぐに。目の前のことを、一つ一つをシンプルにやりきるのがいい。間違っていたら、一つずつ正す。それからまた歩き始める。」
    というもの。
    自分ひとりでいろいろと考えて動いてプレーしないといけないシング

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    2025年04月20日