天沢夏月のレビュー一覧
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ヨンケイ(四継)とは,陸上競技の100×4リレーのこと。
100メートル走の記録を0.1秒縮めるのは,並大抵のことではないが,ヨンケイのリレーの技術次第ではもっと大きな秒差を縮めることができる。
ヨンケイはチームワークが重要な鍵を握っているのだ。
東京都島しょ部,伊豆諸島の大島にある,渚台高等学校。
高校の規模が小さく,慢性的な人数不足であった渚台高等学校に,転入生が。
陸上部に入り,短距離走の選手が4人となったので,顧問の佐藤先生からヨンケイをやらないかという提案があった。
だが,チームワークは最悪,タイムも当然遅いものだった。
小説は4つの章で構成され,それぞれヨンケイ -
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うわー、これはまた王道の青春物語。
分かっていても泣かされた。
拾った楽器に憑いていた女の子の幽霊の願いで吹奏楽部に入部する女子高生のお話。
部活ものでありながら主人公がある意味傍観者なのがちょっと新しい。
この手の話はおおよそ展開が読めてしまう訳だけど、にもかかわらず、やっぱり胸が震わされた。
もちろん自分が部活物が好きということもあるのだけど。
さすが青春物語の書き手である作者。すごく良かった。
最近作者の作品は暗い話が多かったけど、そう、こういうお話を読みたかったんだよ。
途中、コンクールが始める前にもしかしてここで紫乃がいなくなってしまうかもしれないと思ってドキドキしたけど、そ -
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ウオー、大団円だよ!
高校3年間の部活物語をよくぞ描き切ってくれた。
テニスバカ達の熱い熱いサイコーの物語をありがとうと言いたい。
前巻ラストでの駆の怪我を受けて前半は彼の心の葛藤が描かれて不穏な雰囲気。
目標を失って、テニスを諦めかけて、でも諦められなくて、追い詰められたその時に、彼の背中を押すのは、やっぱりテニスの仲間なのだ。
でも、前半のそんな葛藤を忘れるくらい、後半の怒涛の試合ラッシュがすごかった。
しかも、インターハイが終わって、最後の都立戦が始まるっていうところでのタイトルコールだよ。
いやあ、盛り上がるなあ。
サイコーだよなあ。
そこから始まる三日間の試合は、どれ一つとって -
Posted by ブクログ
いやあ、青春だなあ。
実に青春。
まさに青春。
青春物語の書き手である(最近はそれ以外も多いけど)作者の面目躍如な巻。
第一巻では題名どおり、曲野と進藤のダブルス二人が主人公だったのだが、4巻目の今巻ではテニス部2年男子4人のみんながそれぞれ主人公の青春群像劇になった。
テーマは前進だろうか。
もしくは成長。
夏の大会の敗北を引きずって、なんともギクシャクとしたテニス部の面々が、修学旅行という一つのブレイクを挟むことによって、再び前進していく姿。
そしてラストはやっぱり試合で締めくくるという王道展開。
みんなのテニスに掛ける熱い想いが実に清々しい。
いやあ、青春だねえ。
うん、楽しみました -