【感想・ネタバレ】DOUBLES!! ―ダブルス― 4th Setのレビュー

あらすじ

先輩たちにとっての引退試合となる都立戦。そこでの重い敗北を引きずったまま、駆たちの夏は終わっていく。そんな中迎えた秋。悔しさを抱えたままがむしゃらに練習に挑む藤ヶ丘高校テニス部だったが、部内にはどこか険悪な空気が漂っていた。部長の立場に悩み、部員たちと衝突する駆。エースの役目に拘り、孤立を深める琢磨。自身の無力をかみしめる直也。そして空回りする三人に言葉をかけられず悶々とする涼。フジコーテニス部、まさかの崩壊危機!?

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Posted by ブクログ

いやあ、青春だなあ。
実に青春。
まさに青春。

青春物語の書き手である(最近はそれ以外も多いけど)作者の面目躍如な巻。
第一巻では題名どおり、曲野と進藤のダブルス二人が主人公だったのだが、4巻目の今巻ではテニス部2年男子4人のみんながそれぞれ主人公の青春群像劇になった。

テーマは前進だろうか。
もしくは成長。
夏の大会の敗北を引きずって、なんともギクシャクとしたテニス部の面々が、修学旅行という一つのブレイクを挟むことによって、再び前進していく姿。
そしてラストはやっぱり試合で締めくくるという王道展開。
みんなのテニスに掛ける熱い想いが実に清々しい。
いやあ、青春だねえ。
うん、楽しみました。
来年の夏が待ち遠しいね。

ラストのtea breakで、この物語にはめずらしく恋バナになるのかなと思って期待したんだけど、え?なに?
進藤、腕に怪我?
それって、まずくない?
よし次巻だ次巻だ。

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2018年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙イラストがすっごくいい!
ちゃんと靴を揃えて、脱いだ靴下も靴の中に入れている進藤に、意外にも靴を揃えない曲野。
進藤の右腕のリストバンドの日焼け、ふたりがそれぞれ食べているアイスの種類のちがい。曲野はスイカバー好きなんだ、意外!
アイスを持ってる逆の手、それぞれ違ってるのもいい。進藤は部長としての練習ノート、曲野はエースとしてのテニスボール。
今まではテニスしてる姿のイラストが主だったけど、4巻の表紙はすごいリアルな男子高校生っぽさが見えてよかった!

進藤たちの代が部の主軸になる時代の4巻。今まではやっぱり進藤&曲野に物語の焦点が当たっていた印象だったけど、ここにきて「藤ヶ丘高校硬式男子テニス部」の4人それぞれの物語が見れてよかった。

「かつてタクの背中を追いかけていた頃、どれだけ走り込んだと思っている。今差根気勝負で根を上げるようなら、一年前に退部している。」と考えることができる新海がいい。器用貧乏と表現されていたけれど、なんだかんだでとっても泥臭くなれる人間。
それに試合中、あれだけ見下していた過去のある進藤の、走って打ってのプレースタイルを思い出して、認めて、「じゃあおれもそうするか、と思う」と思える新海の成長がいい…!
加えて、「試合前は、こいつと当たるなんて不運だなと思っていた」新海が、試合中「こいつと当たれてよかった」って思えるあたり、ちゃんと強くなってる…どんどん成長していく…すごい…の気持ちでいっぱいになりました。

森も泥臭くていい〜! 我を持つことに消極的、自分の意志で行動することに慣れていない人間が、「俺はきっと、後悔したいんだ。」「全力で後悔するために、全力で最後までやり抜きたいのだ。」と思えること、ものすごく素敵だなと思いました。

次で最後!ものすごくさみしい……けど、彼らの最後の夏をちゃんと見届けます。


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2025年04月30日

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