あらすじ
入部当初は何をやっても噛み合わなかった凸凹コンビ・駆と琢磨も、今ではお互いに信頼し合う、掛け替えのないダブルスのパートナーに。そして季節は春。二年生となり、先輩としてテニス部を引っ張る立場となった二人。次期部長候補に任命されて燃える駆だったが、今年の新入部員は一癖も二癖もある問題児ばかりで課題は山積み。一方、琢磨は弱点を克服するためのメニューをこなしていくうちに、致命的なスランプを発症してしまう。しかもその不調は、どうも駆の存在が原因らしく……。フジコーテニス部に新たな波乱が訪れる!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み終わって、とってもよかった……の気持ちがじわじわとくる3巻。本当によかった。
男女テニス部、どちらもキャラクターやキャラ同士の関係性がとっても素敵。特に今回は、男子部員の心情がそれぞれにしっかり描かれていてよかった!
ここにきてやっと、進藤駆のイメージがつかめた気がする。ただがむしゃらにひたすら頑張る熱血男子ではなく、ちゃんと自分であれこれ考えることができて、そして実行できる人。悶々と考え込んでいるシーンが多かったからか、進藤がとってもリアルに感じた。
「誰かの支えがある。誰かの助けがある。それを受け取れる人間が、たぶん部長だ。」
この考えに行きつける進藤がとってもいい。中学時代人を信用することを怖がっていたあの進藤が、「一人で背負い込むことはできない」と思えたことが、本当によかった。
曲野の葛藤もよかった!
藤村との関係性もかわいくていいし、新海との関係も、お互いにお互いを信用している感じ、とってもいい。
「人は誰かになることはできない。でも、何かになることはできる。」
「まずは認めるところからなのかもしれないな、と思った。「進藤駆は、ライバルだ」と。」
この展開がとってもいい。綺麗。本当によかった。
登場人物みんなリアルでいい!
みんなそれぞれ思うことがあって、それをひとつひとつ悩んで、乗り越えていけるようにがんばってるところが素敵。
先輩になった進藤たちが今後どんなテニス部をつくっていくのか、4巻もたのしみ!
Posted by ブクログ
駆と琢磨のダブルス物語第3弾。
今回は大まかには駆視点と琢磨視点の話+女子トーク。
駆の話は二年になった彼らと後輩との関係が大きなテーマ。
いやまだ三年の先輩はいるはずなのだけど、そこは完全に割愛しててちょっとビックリ。
でもまあ、分かりやすくはある。
駆が問題児の後輩に掛ける言葉がなかなか的確で、あの駆が成長したんだなあと、感慨深い(笑)
いや確かに、良い先輩に巡り合って来たものね。
そしてその後輩の声援で駆が試合でのメンタルを立て直す場面はさすが青春物語、自然にグッとくるものがある。
琢磨サイドの物語は、それこそ彼の成長の物語。
駆をライバルと認めることで自らもさらに成長するその姿。
そこにはいつも互いに競い合う試合がある。
これぞスポーツもの、部活モノの醍醐味。
お約束だけでど、やっぱり良いね。
さて次は三年になるんだろうか。
そうしたら最後の大会での熱戦かな。
期待してる。
Posted by ブクログ
次期部長、新入生、嵐がやってくる。
琢磨、駆だけでなく、森や涼の視点も加わって、それぞれの想いが伝わってくる。違う個性を持つメンバーだから、それぞれの役割を果たす。いいチームだと思う。琢磨の未熟なところ、駆の自分では気付いていない強み。短編で女子テニス部の藤村真緒のエピソードも。琢磨と藤村のコンビがなかなか好きです。
部活動の部長ってどういうポジションかというのは、色々な意見があると思いますが、行き先を示す人。一番前に立っているわけではないかもしれない。でも、みんながその人を見ている。前にいても、後ろにいても。そう、どんな人も、一人で全部できるわけではないから、誰かが支えてくれる。テニスは、たとえシングルスであっても、一人で強くなってきたものじゃない、と言える駆だから、部長候補なのだと思う。