あらすじ
剣道界で神童と呼ばれながら、師である祖父の死をきっかけに竹刀を握れなくなった天才剣士・天智。彼の運命を変えたのは、一人の少女との出会いだった。高校に入学したある日、天智は体育館の前で不思議な音を耳にする。それは、木製の槍で突き合う競技、槍道の音だった。強引でマイペース、だけど向日葵のように明るい同級生・里佳に巻きこまれ、天智は槍道部に入部することになる。 槍道部では、里佳のほかにも個性豊かな部員達が天智を待っていた。剣を置いた少年は今、夏の風を感じ、槍を手にする。第19回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作!
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Posted by ブクログ
剣道ではなく槍道という新しいスポーツでの開拓に、胸を打たれました。こういう切り込みかたがあるのかと感心しました。
キャラクターそれぞれの葛藤がしっかりと描かれつつ、青春時代の輝きを描いていた作品だと思います。
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槍道の細かなルールや、設定が作り込まれていて物語に引き込まれました。
槍道部のアットホームな雰囲気にも癒され、爽やかな青春を楽しめました。
主人公の心の中の葛藤がさまざまな場面で描かれ、それを周りの人に影響を受けながら乗り越えていく姿が印象的でした。自分も槍のように真っ直ぐな人になりたいと思いました。
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「夏」「学園」「青春」の3要素が揃った時点でいともたやすく単位を与えてしまう楽勝科目こと僕です。
いやもちろんその3つが含まれているからといって手放しに誉めたりはしませんけど、この作品は表紙からして趣味にピッタリと合う好きな小説でした。自分も学生時代は部活動の魅力を味わってきた経験があるので、勝った負けたが絡んでくるスポーツ(正確には武道?)は読んでいて気持ちがいい。それでいて活発で可愛い女の子まで出てくるんだからもう。
この作品の主人公は「真っ直ぐ」であろうとすることを志す過程で左右にふらついたり、過去の自分に囚われて歪んだりしながらも周りに支えられて直線を描くわけだけど、やっぱりまず「そうありたい」と強く思うことが大切なんだと改めて感じ入った。
優しくない人が優しくなりたいと決意して、一生懸命優しい人の真似をして、それが偽善だとか色々言われたりするかもしれないけど、それでも続けていけばいつか本当に優しい人になれるんだ、みたいな。
バガボンド懐かしいな。何巻から読んでないのか覚えてないけど胤舜カッコいいよね。また読まねえと。
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もうこんな青春することないんだろうなー、と思いながらひたすらページをめくりました。
自分も高校時代は部活のことしか考えてなくて、そんな環境に自分が置かれていたことが本当に幸せなことだったんだなと思います。
まぁとにかく登場人物が本当に眩しすぎる。キラキラしてすっごく羨ましい!
槍道部のみんなが個性的で、すごく読みやすかったかな。他のも読みたくなる感じ。
庭さんの絵もかわいい!
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剣の道から槍の道へ。
高校生のひたむきさが
真っ直ぐな一本の槍に表れるようです。
登場人物がみんなキラキラしてて、
眩しすぎて直視できません(笑)
そして後書きで知った事実、
槍道って、無いんだね…。
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自分自身の弱い所を認めるのは簡単じゃないし辛いこと。
それでも立ち向かっていくことは誰にだってできる。結果はどうあれ挑戦していくことこそに意味があり自分自身を見つめる結果になると思う。
「強さを焦るな」
簡単なようで簡単じゃないとてつもなく深い言葉だ。
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あとがきの最初の3行を読んで「だまされた!」と、思いました(笑)。槍道って実在してないんだ…。
物語は、ストレートに『青春!』って感じで、とっても楽しく読めました。難しいことを考えたくない時や、活字にブランクがある時にオススメ。読後はとってもさわやかな気分になれます♫
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剣道の名人を祖父にもつ高校生のお話。自分もそれなりに強く、小中では優勝経験も幾度かあった。父の仕事の都合上、転校が多く、その都度部活に勧誘され、もてはやされるが、すぐにレギュラー奪われた子達から妬まれるを繰り返していた。
剣道に、嫌気が指していたり、祖父がなくったりと慌ただしい中で、同級生の羽山に槍道部に誘われる。その後は、青春高校ストーリー。
少し自分の過去に重なり共感できました。
槍道という競技が、本来はないということをこちらのレビューでしりました。
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大野天智
県立立宮高校一年三組。小学一年にして名だたる小学生大会のタイトルを総なめにした神童。
大野将英
天智の祖父。剣道八段の範士。
羽山里佳
県立立宮高校一年四組。槍道部。
木村
槍道部の先輩。
大庭大悟
槍道部主将。
設楽優衣
槍道部の先輩。
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本を開くと1ページ目に
「1本の槍になれ。」
主人公の天智は、もともと剣道で名をはせた高校1年生、おじいちゃんは剣道の世界では、有名人だった人
しかし、両親は転勤が多く、天智は、剣道によりどころを求めていたが、それが人間関係に亀裂を生むこともあり。。悶々とした日々を過ごしていた。
放課後の体育館で、剣道とは違う、独特な音にひかれ、とびあらを開ける・・
そこで槍道に出会う。
同級生の羽山は熱心に天智を部に誘う。
本人の中の葛藤。
部の先輩にもひかれ入部し、全国槍道選手権を目指してけいこに励む
槍を握った時に、ふとよみがえる剣道の中での自分の立場や葛藤、
集中できないことで、練習中に羽山にけがをさせてしまう。。
大会当日、羽山や先輩に顔を向けられないと悶々とする天智・・・
このまま、皆の前から逃げるのか
葛藤、大会、仲間、熱い暑い、一直線の夏の青春小説
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主人公の挫折が鬱々と描かれた作品。さまざまな小道具によって紡がれる主人公の葛藤は作品全体を通して色濃く表れている。その主人公を支える魅力的なキャラクターたちとの青春。読後感は爽やかで良いものを読んだと息を吐きながら本を閉じた。
Posted by ブクログ
最近お気に入りの作者の自分的三作目は作者のデビュー作品。
いやもう、デビュー作からまったくもって青春王道なんだなあ。
これは槍道部というマイナーなクラブを舞台に元天才剣道男子の復活物語。
『なぎなた男子』を先に読んだので、またマイナークラブの話だと思ったのだけど、実は槍道って架空のスポーツだったとはちょっと驚き。
そのぐらい細部までよく描かれていて実際にあるんだと思ってしまった。
心に傷を負い剣道を諦めた主人公が槍に出会い再び前へと進みだすという王道ストーリーはこれまで読んだ作者の作品にも共通している。
でもやっぱりこういうのはいい!
主人公を引っ張り込んで焚き付けて巻き込んでいくヒロインがとてもかわいい。
まるでやんちゃな少年みたいだ。
その真っ直ぐさと奔放さとそして優しさに主人公同様憧れてしまう。
こんな娘に高校時代出逢ったとしたら、それこそドキドキしただろうなあ。
ただ物語的にはラスト前の主人公が落ち込みから立ち直る場面の心情がもう一つすっきりと胸に落ちてこなかった。
あれは自分を待っている人がいる、自分を信じていてくれる人がいる、という想いからだろうか。
それとも傷つけたヒロインにこれ以上情けない姿を見せられないという想いからだろうか。
ラスト、冒頭の”キセキ”が鮮やかに実現し、物語は綺麗に閉じる。
デビュー作にしてこのクオリティ。
ますます次に読む物語が楽しみになった。
Posted by ブクログ
槍道をそのまま始める話かな~と思ったら、テンジの葛藤の話でした。
どこか「神様のメモ帳」の「アリス」を思わせる、羽山のまっすぐなセリフが、心に残ります。
「ひとつのことを何年もやるのが美学」ではなくて、「やってみてダメだった。でも、今の経験は次に繋がる。次に行く勇気も大事」って考えです。
親と旦那は「ひとつのことを何年もやるのが美学」と思ってる節があって、よく衝突します。
逃げるとか、諦めるじゃなくって、どうやったら自分が伸びるか。が大事だって思わされた本でした。
剣道に生きてきたテンジ。
小さい頃からやっていた剣道は、楽しいものだった。
でも、中学生にもなれば妬みや嫉みに苛まれ、父親の仕事で転向を繰り返して、レギュラーの座を奪ってしまうテンジは、剣道が嫌になっていった挙句、剣道を教えてくれたじいちゃんが死去。
じいちゃんが死んでから、テンジは剣道をやめた。
剣道を辞めてもどこかわだかまりがあって、ある日体育館で竹刀とは別の音に惹き込まれる。
それが槍道との出会い。
槍道と出会って、そのまま槍道をするかと思いきや、剣道で磨り減った心は容易くまっすぐなるわけでもない。
同級生の羽山に、叱咤激励を受けながら、自分と向き合って槍道を続ける。
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面白かった!
演出と盛り上げ方がうまい著者ですねえ。
物語はまっすぐなボーイミーツガールものです。
よくも悪くも期待を裏切りません。
アニメ的なそれが多いせいか、どのシーンも映像として鮮明にイメージが見えて、まるで一本の長編アニメ映画を観たような感覚です。
どっぷりと世界観に浸かって楽しませてもらいました。
まっすぐな物語という点で、藤田和日郎の「うしおととら」を連想しました。
それにしてもぜひアニメ化してもらいたい。うん。
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表紙の絵がよくて買ったんですがとても読みやすく面白かったです。
あとがきを読んで槍道がないことには
驚きました笑
迷いながらも槍道と向き合うテンジと自分が
重なる部分もあり、一気によんでしまいました。
リカのまっすぐなところがいいなぁと思いました。
個人的には木村先輩がすきです笑
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槍道という架空の武道をテーマにした青春ストーリー。
練習や試合の躍動感と緊張感が素晴らしいのですが、メディアワークスらしいキャラクター重視のバランスになっているのが少し残念。もう一段ステップアップした作品を書いて欲しいです。
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読みやすくて面白かった。
槍道の解説?は、守人シリーズのバルサを思い浮かべてしまったー
青春的なものには今一つ押しが足りない気がしたので星4つで
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初頭の、テンジくんを諭す羽山ちゃんの台詞がキレイゴトにしか見えなくて、その部分はすっ飛ばして読みました。それを除いても、結構面白かったです。
羽山ちゃんを傷つけてポッキリ折れてしまうテンジくんのところから、なんだかんだで奈良にすっ飛んできたり、試合でじいちゃんが言っていた起動がみえて1本とったり、結局3回戦で負けて設楽先輩を除くみんなが泣いちゃうところとか。まさに青春小説って感じ。
季節かぶっているせいか、練習でかいた夏の汗粒がとんでくるようで。
清々しいさっぱり加減で読めてよかった。
Posted by ブクログ
読んでてこっちが照れちゃう様な、爽やかで真っ直ぐで青臭い言葉がポンポン出てくるけど、こういうの嫌いじゃない。
話自体も、剣道で挫折したかつての神童が「槍」と出会い、新たな道で成長していく王道のスポ根で読みやすい。
アニメでも実写でも映画化イケルと思うなぁ。
『頑張った奴が天才なんだよ。それとも君はセンスとか信じちゃう人?』
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爽やかで読みやすい。あとがきまできちんと読むべし。ストーリーに意外性はないけれど、あとがきのはじめの2行でどんでん返し。作者の綿密な設定に騙された。←褒めてるつもり
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槍道という武道に魅せられていく少年の青春ストーリー。
本編を読み終わったあとに「あとがき」の冒頭を読んだときの衝撃がすごかった。不覚にも「マジで!?」と声を出してしまうぐらい。
内容的には剣道でトラウマを抱えてしまった主人公が、槍道を通して成長していく、オーソドックスな青春モノ。
ライトノベル的に内容がそんなに深いわけじゃないけど、あっさりとういうか爽快な読後感で、なんだか前向きになれる。
おもしろさや長さ的に、映画化とかしても成功しそう。アニメ、実写のどっちでもイケるんじゃないかな?最近こういう青春モノの映画ってないから(観てないだけ?)、たまには観てみたいかも。
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西域絡みの設定の無い『コロヨシ』みたいな感じ。青春モノ好きならいいと思う。物語のジャンルとして青春モノが一大派閥を築いているのって、無いモノねだりの典型だからなんだろうか。
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「一夏の思い出」「青春の一時」
そんな言葉が似合う作品でした。
難しいことは一切なし。
わかりやすい設定。
何かに夢中になっている高校生の思考なんてこのくらい単純なのかもしれない。
自分を取り巻くものが『彼らの世界のすべて』なのである。
だからこそ、一生懸命で、悩んで、涙して、成長していくのだろう。
青春なんて一瞬にして通り過ぎてしまう。
そのくらいスピード感のある爽やかなお話であっというまに読めました。
夏の暑さに吹き込む風が心地よい。
そんな小説でした。
Posted by ブクログ
生涯決して忘れないだろう、という思い出は、たくさんあるようで実は少ない。
生きて行くなかで逃げ出したくなることっていくらでもある。でも、どこかで自分と向き合うことができないと。
逃げ出したこともあった…。
苦い経験を少し思い出した。
好きなことは、そのものだけじゃなく、そこにいる仲間、ライバルがいてこそ夢中になれる。
青春剣道物と思って購入。でも、槍もいいな。武道の緊迫感、試合での息が止まる緊張感。
真っ白な入道雲を浮かべた夏空に…。
Posted by ブクログ
槍道って実在の競技だと思ってました。何かリアルだったし、試合にはわくわくさせられて、本当に無いのが不思議なぐらい。少ない部員ながら、みんなキラキラしていて、青春!な感じが良かったです。