天沢夏月のレビュー一覧
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公立高校のテニス部に属するテニスの成績優秀な川木が、スカウトされてアメリカのプロテニス養成施設へ留学するという。
その話を聞いた同じテニス部の同級生たちが、どのように思い、どのように川木と向き合うのか。嫉妬や憧れ、はたまた恋愛など今まで思っていたことを交えながら、部員5人の川木に対する思いをぶつけていきます。
爽やかな青春小説の中に泥臭さも入った青春群像劇でした。
内容としては、5人の部員それぞれにスポットを当てて、川木に対する思いが描かれています。時折、川木の心情もちょこちょこ描いていて、物語に深みが増していました。
ダブルスの相手として、マネージャーとして、部長としてなど様々なポジション -
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『ずっと三人でさ、変わらないでいようね』
ある日、正体不明の本音メールが届いた。そのメールによって関係が脆く壊れてしまう…
面白がるように心に傷をつける。
友達の本音を知ったとき、あなたは何を思いますか?
なぜそんなものが届いたのか?
友達との関係を見直す青春物語。
ぜひ学生さんに読んで欲しい作品。
青春だったなぁ。
みんなの気持ちもわかるし個性もあるし。
三人って不思議な数だよね。
一人は気楽。誰にも気兼ねしないし誰にも迷惑かからない。
二人は対等。すべての感情がお互いにしか向かないから、そこで世界が完結する。
でも三人は…ちょっとアンバランスだよね。二人だったら完結するはずだ -
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ネタバレ泣ける物語。恋人が死ぬ、タイムトラベルっていう物語は王道だけど、心に刺さる。心臓の障害を抱える恋人に対してどう接すればいいのか自分でもわからないかなぁ
無口だけど、娘のことを誰よりも考えている透子の父にまた感動した。透子は未来の成吾がどう諭しても少女を助けて死ぬ未来を選んだんだろうなと考えると切なく思う。
終わりの成吾の心情の変化が自分とは違い理解できず、少しついていけなかったのが残念だった。
高校2年生の夏にひとつ上の恋人、葵透子を海で喪った主人公の渡成吾は、高校を卒業し、上京から2年後にしてはじめて故郷を訪れる。透子の家を訪れ、昔のままになっていた部屋に入ると、昔透子と交わし -
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あーこれは切ないなあ。
でも、最後は少し救われた気持ちになれてホッとした。
それでも……とは思うけど。
死んでしまった彼女がなぜか生き返ると言うファンタジー設定から始まる物語。
過去と現在が交互に語られるんだけど、その中に作者が仕込んだ伏線が見事。
いやあ、すっかり騙されていた。
それにしても物語の中の二つの恋は、どちらも叶わないのだな。
だけど、想いはちゃんと伝わって切ないけれど納得できた。
そしてこれは再生の物語なのだ。
そういう意味では二人の男の子を同時に救いに来た奏音は尊いな。
ただ個人的には、このところ作者の物語は大切な人が亡くなる、もしくは亡くなっている設定が多くてちょっと不 -
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なんという王道の青春物語だろう!
ただ、それは青春の煌びやかさとは正反対の、苦悩や僻みや後悔という負の感情とそれからの解放の物語だけど。
事故死した友人そっくりの幽霊(ドッペルゲンガー)が現れて、4人の仲間が友人の最期の願いを叶えるために旅に出るという展開。
それぞれが故人に対して持つ葛藤を幽霊が解いて行く様は、もしかして彼は友人たちにちゃんとしたお別れをさせるために来たのかと思えた。
もちろんそういう面もあるのだろう。
けれど、ラストの展開には、まさかと思った。
そこでもう一人いたとは!
ちょっとビックリ。
ただ、ラストをこう言うふうに持ってきたために、そこまでのテーマがズレたと感じて違和 -
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作者曰く「タイトルの月が入っているシリーズ」の自分的2冊目。
いわゆる難病話。
前回読んだ月シリーズも難病話だったけど、個人的には少し苦手。
人が亡くなって終わる話はやっぱりきつい。
題材的には、記憶がどんどん思い出せなくなっていくという、これまでも割とよく扱われるお話。
なので何となく展開は読めたのだけど、一つ作者に見事に騙された。
冒頭、少女の自殺のシーンから始まって本編のヒロインがその彼女だと思っていた。
でも途中で別人だとわかって、じゃあ、どうなるんだろうと。
それでも暗い予感がひしひしと感じられて次を読み進むのに胸がドキドキと苦しくなった。
そしてラストで明かされる真実。
あー、そ -
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ははあ、そういうお話だったのか。
21グラムはもちろん魂の重さのこと。
つまりは幽霊が未来からやってくる話なのだけど。
幽霊の彼女の願いは、彼だけが助かることだった。
なぜ彼女は自分が助かることを望まなかったのか?
彼女が死ぬことを知らされた彼はどうして助けられなかったのか?
最初、そんな疑問を覚えたけれど、子供時代から丁寧に綴られる二人の物語を読むにつれ、確かにそれもむずかしかった様に思う。
それでも、お互いにもう少しだけ勇気があれば変わっていたかもしれない。
そうして、悲劇で終わるのかと思わせて、ああ、そうか、そういう話だったんだと思った。
これはいわばよりよい未来を願って何度もやり -
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青春物語作者の4作目。
いや、この設定はやばいだろう!
友達の本音を勝手に送りつけてくるメールなんて、絶対トラブルになるに決まっている。
しかも返信することでその本音をキャンセルできるなんてやばいにも程がある。
案の定、仲良し3人組はぎくしゃくとして関係性が崩れ、あまつさえ自殺未遂者まで出る始末。
けれどそこで、そのメールが一種の救いに転換する場面はなんともうまい。
最終的にそんなメールが(必要)なくなる結末までよく考えられていると思った。
そんなこんなで楽しく読んだのだけど、でもまあ自分ならそんなメールはいらないな。
確かに、そんな強制手段がなければ分からないこと解決しないことがあること -
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元吹奏楽部の亜希は、担任の平野先生から吹き溜まりにいる生徒たちに吹奏楽を
教えてほしいと頼まれる。
学校の物置と化していた旧講堂には、学校の中でも有名なヤンキー集団
最初は、拒否をする亜希だが、彼らの音楽に対する一途な思いに心打たれ、文化祭を目指して練習を一緒に始める。
熱意があるだけに、どんどん上達するヤンキー集団
しかし、その中でも札付きのヤンキー夏目にお前らrの音楽なんか誰も聞かないといわれ・・・
ひょんなことから、音楽に好意的な在校生も、ヤンキーの音楽と否定的な空気が蔓延し始める
皆、文化祭を前にやる気をなくし・・・
亜希は、ヤンキーたちを奮い立たせ、文化祭のステージに立つために -
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本を開くと1ページ目に
「1本の槍になれ。」
主人公の天智は、もともと剣道で名をはせた高校1年生、おじいちゃんは剣道の世界では、有名人だった人
しかし、両親は転勤が多く、天智は、剣道によりどころを求めていたが、それが人間関係に亀裂を生むこともあり。。悶々とした日々を過ごしていた。
放課後の体育館で、剣道とは違う、独特な音にひかれ、とびあらを開ける・・
そこで槍道に出会う。
同級生の羽山は熱心に天智を部に誘う。
本人の中の葛藤。
部の先輩にもひかれ入部し、全国槍道選手権を目指してけいこに励む
槍を握った時に、ふとよみがえる剣道の中での自分の立場や葛藤、
集中できないことで、練習中に -
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いわゆる難病ヒロイン話。
普通こういうお話は、出逢って恋に落ちてそして永遠の別れで幕を閉じるものだけど、本作では最初からすでにヒロインはなくなっている。
でも、丁寧に過去の二人の道程は描かれるので、そこはいわば定番通りだ。
ただ違うのは、過去のヒロインと繋がった交換日記を手にしたこと。
このファンタジーのために、もしかしたらヒロインを救えるかもしれないという想いが生まれる。
そこがこの物語のカギなのだ。
ただ、そのカギをうまく使えたかというと……どうかなあ?
読み終わって、なんだかもの足らない気分が残った。
それはヒロインが救われなかったからということではなく、たぶん、必死さが足らないからだ -
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駆と琢磨のダブルス物語第3弾。
今回は大まかには駆視点と琢磨視点の話+女子トーク。
駆の話は二年になった彼らと後輩との関係が大きなテーマ。
いやまだ三年の先輩はいるはずなのだけど、そこは完全に割愛しててちょっとビックリ。
でもまあ、分かりやすくはある。
駆が問題児の後輩に掛ける言葉がなかなか的確で、あの駆が成長したんだなあと、感慨深い(笑)
いや確かに、良い先輩に巡り合って来たものね。
そしてその後輩の声援で駆が試合でのメンタルを立て直す場面はさすが青春物語、自然にグッとくるものがある。
琢磨サイドの物語は、それこそ彼の成長の物語。
駆をライバルと認めることで自らもさらに成長するその姿。