あらすじ
僕の前に現れたのは、未来からきた君の幽霊。
梅雨のある日。小学生のすばるは学校の近くで、未来からやってきたという若い女性の幽霊と出会う。アイハラコトナという名を名乗る彼女は、なぜかすばるのことをよく知っていて、「変わらないね、すばるくんは」と微笑んだ。そして彼女はすばるに言った。今日、クラスに相原琴奈という子が転校してくる。でも、その子と仲良くしないでほしいの――。だが、琴奈がすばると同じ飼育委員になったことで、すばるは琴奈と親しくなっていく。
その後も、中学、高校、大学と、成長していくすばるの前に、時々思い出したようにふと現れる幽霊の彼女。相原琴奈の未来が幽霊の彼女だとしたら、相原琴奈は若くして死ぬということなのだろうか――?
メディアワークス文庫デビュー、青春小説の旗手による泣ける青春ミステリー。どこまでも透明(ピュア)なラブストーリー!
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Posted by ブクログ
ははあ、そういうお話だったのか。
21グラムはもちろん魂の重さのこと。
つまりは幽霊が未来からやってくる話なのだけど。
幽霊の彼女の願いは、彼だけが助かることだった。
なぜ彼女は自分が助かることを望まなかったのか?
彼女が死ぬことを知らされた彼はどうして助けられなかったのか?
最初、そんな疑問を覚えたけれど、子供時代から丁寧に綴られる二人の物語を読むにつれ、確かにそれもむずかしかった様に思う。
それでも、お互いにもう少しだけ勇気があれば変わっていたかもしれない。
そうして、悲劇で終わるのかと思わせて、ああ、そうか、そういう話だったんだと思った。
これはいわばよりよい未来を願って何度もやり直すお話だ。
ただ繰り返す人は違っていた。
今度は彼が魂になってタイムトラベルするのだ。
今度は間違わないように。
勇気を出して。
だから、ラストのハッピィエンドにはホッとさせられた。
21グラムの彼女、彼によかったねと言ってあげたい。
そんな優しい物語。
Posted by ブクログ
全体的に少し薄味って感じがしましたが、その分の2人の気持ちの描写がしっかり描かれてたかと思います。
ミステリーというより恋愛小説。
21グラムの想いが伝わってよかったです。