あらすじ
その夏、恵太が死んだ。 幼いころからずっと恵太と一緒に育った美穂と、仲良しグループだった大輝、舜、莉乃たちは、ショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。 そんなある日、美穂たちの前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。 「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」 戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。 旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への秘めた想い。嘘。嫉妬。後悔。恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とは――。 隠された想いを巡る、青春ミステリ。
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Posted by ブクログ
仲良しグループ5人の内
恵太が
夏休みにキャンプで行く予定の山中で
事故にあって亡くなった。
恵太と幼馴染みの美穂が
現実感のないまま過ごしていたら
亡くなった恵太にそっくりなケイが現れて
突然現れたらそりゃ驚くよ。
しかも
恵太の最後の願いを叶えて欲しい
その為に恵太が亡くなった山にきて欲しい
ってまだ死を受け入れられてないのに
ちょっと残酷な気もする。
そして
恵太の願いを知りたいし叶えたいから
数日かけた旅が始まったんだけど
その途中で恵太との心残りというか
恵太に恨まれてると思う出来事が各々にあって。
でも
恵太の記憶を持っているケイが
誰も知らなかった思いを伝えていくから
蟠りが少し解消されて
全員揃って旅を続けられたんだよね。
嫉妬や後悔、嘘なんかがいくらあっても
結局は恵太のことを大切に想う気持ちは
何も変わらないって
本当にかけがえない関係だと思った。
最終的に
恵太とケイの最後の願いが
美穂を助けて欲しいって分かったんだけど
その時点ではにゃ?ってなった。
恵太は美穂と一緒に山に来てて
恵太は崖から落ちて亡くなってしまったけど
美穂は奇跡的に崖の途中に引っ掛かって助かった。
だから
恵太は美穂を助けることを最後に願った。
そうなると
旅をしてた美穂は何者?ってなるけど
美穂は恵太と山に来る前に
自分のドッペルゲンガーを残して
家族や友人を心配させないように
ドッペルゲンガーが日常生活を送っていた。
最後の展開に
大切な人を想う気持ちとか友情とか
人として大切なことを感じたなぁ。
Posted by ブクログ
評価 4.1
それぞれの視点で描かれる後悔や葛藤をファンタジーの要素で補ってるのは面白かった。それぞれの悩みも誰もが経験したことのある感じなのが共感できる。最後の方はご都合主義感否めないけどとても面白かった。天沢夏月先生の作品の中ではサマーランサーより面白かった。
Posted by ブクログ
初めてミステリ小説を読みました。
この本の魅力は登場人物の視点になって物語を読み進めることができることや伏線回収がすごく、読んでいて一度考えさせられるなと思いました。また、人間とかかわることについて改めて考えさせられる本だなと思いました。是非一度手に取って読んでみる価値はあると思います。
Posted by ブクログ
これは、後悔を抱えた少年少女たちの、一夏の冒険物語。
山から転落し、命を落としたケイタ。ケイタのドッペルゲンガーであるケイが、ケイタの死を悲しむ親友たちの前に現れる。ケイは頼み込む。ケイタの望みを、未練を、叶えてやって欲しいと。詳細は、ケイタが亡くなった山に隠されているという。戸惑いながらもケイタの親友たちは、山へと向かうことを決意する。
Posted by ブクログ
登場人物達の恋というより、愛を深く感じることができたと思います。
登場人物の言動が物語が進むにつれてつながっていくのが面白いと思いました。
見返しの絵にあるような入道雲や、空の青が何度も流れてきて、夏の美しさと青春を感じました。
最後は予想外の結末で驚きました。
Posted by ブクログ
一人一人の心に秘めた気持ちなどがしっかりと描かれていてとてもいいなと思った
しかし後半になるに連れて内容がすぐに理解しにくい場所もあったのが残念だった
Posted by ブクログ
シンプルに面白かった。"家出"を出発点にした、一夏の冒険。甘酸っぱい恋愛模様もあり、ドッペルゲンガーという非現実的要素もあり、なんだかファンタジックな物語。
死にたいと思ったこと、ある?この一言でケイタが抱えていたものの大きさがわかって、切なかった。
Posted by ブクログ
【どうかこの世界から消えたとしても、僕の傍にずっと居て】
友達の死から始まった少年少女達の苦い後悔の夏が始まる物語。
親友が居なくなって、哀しみに沈む彼女の元に現れた真夏が見せる白昼夢。
確かに死んだ彼と瓜二つの面影を持つ親友と共に恵太の足跡を辿っていく。
そして、仲間同士だったのにも関わらず、自分達は様々な感情を隠して付き合っていた事に気付く。
消えた恵太と共に歩き出す旅路。
秘め続けた罪悪の後悔は、彼の死を通して顕になる。
いくら悔いた所で取り戻す事など叶わないが、どうかこれからも美穂達の心の中で生き続けて欲しい。
Posted by ブクログ
ケイタ、ミホ、タイキ、シュン、リノは同じ高校の仲良しグループ。その高校の夏休み直前、ケイタが行方不明になり、キャンプで行く予定になっていた山の中で死体となって発見されます。ショックで立ち直れずに夏休みを過ごしていたそんなある日、ケイタとそっくりで幽霊のような存在のケイがミホの前に現れます。ケイはケイタの死んだ場所まで一緒に来て欲しいと頼みます。戸惑いながらも、ミホ、タイキ、シュン、リノの4人は歩いてケイタの足跡を辿って行きます。その中で、それぞれがケイタに対しての嫉妬や後悔などの想いを語ります。そして目的地に着いた4人は、意外な結末を迎えます。
このお話の中で、4人の少年たちが好奇心から線路づたいに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険を描いた映画「スタンド・バイ・ミー」が登場します。ケイタの死んだ山までの道のりは、まさしく、ひと夏の冒険で、そこで語られるエピソードが苦くて切ない青春時代を思い起こしてくれます。
Posted by ブクログ
登場人物それぞれの視点、さらにそこに綴られた各々の苦しみ等。自分としては『完全なる第三者』の状態で物語を読めた感じがします。
ラストの展開には驚きの一言です!エンド的にはトゥルーエンド?なのかな?(´・ω・`)
Posted by ブクログ
なんという王道の青春物語だろう!
ただ、それは青春の煌びやかさとは正反対の、苦悩や僻みや後悔という負の感情とそれからの解放の物語だけど。
事故死した友人そっくりの幽霊(ドッペルゲンガー)が現れて、4人の仲間が友人の最期の願いを叶えるために旅に出るという展開。
それぞれが故人に対して持つ葛藤を幽霊が解いて行く様は、もしかして彼は友人たちにちゃんとしたお別れをさせるために来たのかと思えた。
もちろんそういう面もあるのだろう。
けれど、ラストの展開には、まさかと思った。
そこでもう一人いたとは!
ちょっとビックリ。
ただ、ラストをこう言うふうに持ってきたために、そこまでのテーマがズレたと感じて違和感が湧いたのは確か。
そしてやっぱりハッピーエンドが見たかった。
この作品以降、作者は死者からのアプローチ的なお話が多くなるのだけど、個人的にはもっと青春の明るい面を描いた作品を読みたいと思う。
Posted by ブクログ
五人仲良しだったはずが、ある日みんなは仲間のケイタが死んだと知らされました。幼なじみのミホはとても悲しんでいましたが、ある日、ケイタのドッペルゲンガーがミホの所へきました。彼はケイタのやり残した願いをかなえるために手伝ってほしいと言います。
この本を読んでから、いくら仲の良い友達でも、ひみつなどがあり他の人には言えない苦しさもあると知りました。この本はとてもリアルな感情が書いてあり、本当の友達が考えているような書き方でした。
Posted by ブクログ
ドッペルゲンガーが存在するってことの収まりどころが自分の中になかったから戸惑ったけど、あれは幽霊でも違和感なかったと思う。
知ってて言わないケイにはイライラしたけど、4人にはそのスピードが1番伝わるんだろうなとも思った。
ただ、時間が無いならそれを最優先事項にして動けばいいのになんて身も蓋もないことも思った。
Posted by ブクログ
5人組の高校生のお話。
ある日ケイタが家出をしてそのまま帰ってこなくなる。
ケイタのドッペルゲンガー(ケイ)が4人にケイタの願いを叶えてもらうようにお願いする話。
結局ケイタの願いはケイタと共に行方不明になっていた(ミホもドッペルゲンガーを作り出していて気づかれなかった)ミホを助けることだった。
最後のケイタのミホへの遺言は泣ける。
Posted by ブクログ
それぞれが抱える感情が少しずつ表に出ていく様子が伝わってきて,人間関係が希薄になる現代では,この5人(4人と1体?)よりも難しい問題を抱えている人が多いんだろうなと思いました.ちょっと流れがパターン化していた点と,ケイタが良い人過ぎるところが気になりました.最後の締めは,想像もしていないかったので予想外で面白かったです
Posted by ブクログ
友人が亡くなって始まった夏休みに、その亡くなった友人の幽霊が突然現れて、”お願いしたいこと”があるという。主人公たち四人の高校生は、訝しみながらもその幽霊に導かれて、友人の亡くなった場所を目指すのだけど…という物語。
オビには、「隠された想いを巡る、青春ミステリ」とあります。
”青春ミステリ”という文句に惹かれて選んだ本なのだけど、作家さんの年齢を知って驚きでした。既に亡くなっている方や年輩の方の本を読む事が多いので、その若さに。今まで自分が読んだ中では、最も若い作家さんなんじゃないかな。
文章は読みやすいです。
ただ、高校生の一人称だからなのでしょう。地の文が幼いです。自分以外の誰かが読む事を想定して書いた日記、という趣でしょうか。子供の頃は、他人を慮っているようでも結局のところ、自分自身について思考を重ねていくのでしょうから、そういう意味での若さは感じます。なので、若さ故の歯痒さといったものに抵抗のある人は読みにくく感じるかもしれませんね。
ミステリという言葉を聞くとどんな内容を想像するでしょうか?
人それぞれだと思うのですけど、私は”謎が読者を引っ張っていく物語”かなと思います。
「こんな奇妙なことがあるけど何故でしょう?」と作者から提示され、主人公たち(でない場合もあるけど)と一緒に少しずつ解き明かしていく。謎が明かされる瞬間はもちろん、その思考の過程を楽しむのがミステリの醍醐味かなと思うわけです。
ですから、オビに添えられた”青春ミステリ”という文句に、相応の期待をしてはいたのですけど、少々残念でした。「幽霊が出てくると書いてあるのだから察しなさい」と思われる方がいるかもしれませんね。
本作では”お願いしたいこと”が起点となって始まった旅が各人の視点で描かれていくのだけど、「彼は何故死んだのか?もしかして自分のせい?」という体で流れていきます。だから、(各人の)隠された想いを巡ってはいます。でも、読者はそれを測れない。「こんな性格の人なのに、こんなことをするのはおかしい」というような疑問やそれに関する思考を挟む余地がないのです。
また、これは裏表紙にある”意外な結末”に関わるので伏せておきますが、人の行動について気になる部分が数点ありました。結果的にはキレイにまとまっているので、問題ないかと思うのだけど、個人的にはひっかかるのでスッキリしたかったですね。ひょっとしたら私が読み違えているだけかもしれませんけども。
とは言え、これは”ミステリ”として読むと感じる部分ですし、そもそも謎を追いかけて楽しむ物語ではないように思います。どちらかというと青春SF…ですかね。ですので、ミステリファンがユーモアミステリを期待して選ぶのはお薦めしませんけど、逆に殺伐としたミステリを読んで沈んでいる方や、ちょっと不思議な青春小説を読みたい方、十代の頃の懐かしさを感じたいという方にお薦めします。
普段小説を読まない方にもお薦めですね。