藤子・F・不二雄のレビュー一覧
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「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
小池さんが最低すぎて面白い。
スーパーマンの人格が悪かったら大変なことになるな、という発想は「ザ・ボーイズ」を思い出した。
「オヤジ・ロック」
タイムトラベルによる世界改変という壮大な世界観に、セールスマンの契約という矮小なテーマが変に混ざり合っていて面白かった。
オヤジ・ロックの部分はどんな発明品でもいいはずなのに、妙にディテールに凝っている上ヘンテコで良かった。
「カンビュセスの籤」
元ネタがあると思ったら無いらしい。
発想もさることながら名前が良いな〜と思った。
「カンビュセス」はアケメネス朝ペルシア王の名前からとっているぽい。 -
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収録話数は11話。
暗くて、怖い話が多かったです。
特に好きなお話は
「コロリころげた木の根っこ」
もの凄い亭主関白の作家をしている夫とその夫からDVを受けている妻、作家の家に訪れた出版社の男の3人のお話。物語の中で時折現れる違和感。最後にその違和感が回収された瞬間、ゾッとしました。
「間引き」
世界の人口が増え続け、食糧が配給制になった日本。そんな日本でコインロッカーの仕事をしている男のお話。ハッピーエンドで終わると思いきや、ラスト2ページで急展開が起こり、その高低差が良かったです。実際に世界人口は今も増え続けていて、食料自給率が世界の中でも群を抜いて低い日本。いつかこの物語のように「間 -
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収録話数は9話。
他の巻に比べて、収録話数が少ないので、1話1話の内容が深かったと思います。
特に好きだったお話は
「ボクラ共和国」
小学生5年生の子ども達が自分たちの国を作るお話です。目的は戦争のない国を作ること。そして、国民になる条件は「他人に思いやりがあること」。現在の世界情勢もあり、とても考えさせられました。
「みどりの守り神」
飛行機の事故で、かろうじて生き残った男女2人。救助を求め、歩き回るが、人や動物にも出会わない。やっとの思いで東京に着くが、そこはビル群が木で覆われたジャングルになっていた。なぜこのような世界になったのか。最後の1ページが明るく終わっていますが、この物語の先 -
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12話収録されていて、どれも面白いです。
特に面白かったお話は2話。
「倍速」
生まれたから何をやってものろまな主人公が「倍速時計」を手に入れ、人よりも何倍も速く動くことができるようになるお話。ドラえもんにも出てきそうな秘密道具のお話ですが、オチがクスッと笑えて好きです。
「親子とりかえばや」
互いの事を理解できない親子が、ある日突然入れ代わり、子どもは親の、親は子どもの1日を過ごすことになるお話。年齢、立場、価値観などバックグラウンドが違えば、理解し合うのは難しいですね。意見が違う相手がいたとしたら、そういう考えもあるんだと、相手の事を少しでも理解しようとする気持ちを持ちたいなと思いまし -
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SF短編コンプリート・ワークス3。
収録話数は、15話です。
どのお話も読み終わった後に、色々と考えさせられるものばかりで、やはり面白いです。
収録されているお話の中でお気に入りなのは
「どことなくなんとなく」。
主人公はある日、白い夜を経験。それ以降、どことなくなんとなく違和感がある生活が始まります。その違和感とは、変わり映えのない毎日で意外性がないこと、そして、思ったことがそのまま現実化してしまうこと。そんな毎日が繰り返されることで、主人公は情緒不安定になってしまいます。
ラスト4ページで、主人公が経験した白い夜とは?そして、違和感の謎が判明します。
他にも、「分岐点」や「大予言」、「 -
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読み終わった後に「えぇ…」という、困惑というか何とも言い難いザラっとした気持ちになるお話ばかりでした。
幼少期にみたテレビアニメやコロコロコミックくらいでしか作品を知らない自分にとって、藤子不二雄といえば”安心して読めるマンガ・観られるアニメ”のイメージがまずあって、それとは別にA先生は「笑ゥせぇるすまん」を描いているけど、F先生は子ども向けのファンタジーを描き続けている。
ずっとそんなイメージを勝手に抱いていたので、たまたま観たNHKのドラマで作品を知って衝撃を受け、その勢いのまま買って読んでさらに衝撃を受けました。
落語っぽいオチが多いのが印象的。
続刊も読みたいです。