藤子・F・不二雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著名人10人が『ドラえもん』を通してメッセージを伝えるという本。
企画(というのかな?)が面白いし、著名人10人が私のミーハー心をくすぐる面子ということもあって、すぐ「読んでみたいな」という気持ちになりました。
私にとって印象に残ったのは、辻村深月さん「ぼくよりダメなやつがきた」の章。のび太の気持ちとリンクして、身悶えするような感覚にまでなるほど物語に入りこめたし、多目くんのリアクションの素直さや清らかさに感嘆してしまいました。
この作品に対する辻村さんのメッセージもステキで、ラストで描かれるのび太と多目くんの真の友情という考え方もいいなあと思えました。
10人のメッセージは、それぞれ独立した短編のようになっていて読みやすいし、ラストの漫画「りっぱなパパになるぞ」でまとまっていく構成も面白かったです。 -
Posted by ブクログ
哲学的なのに、ストーリーのおかげで、ふとした時に反芻できる手軽さがいい。
「ミノタウロスの皿」は、カフカの「掟の門」を意識していると思った。最後の方で、門番と、老けた主人公が描いてある。無謀なことに挑戦するも、しないも自由だと思う。門の前で人生を棒に振るより、この主人公のように、肉を食べてもいい。社会も人も不条理だよねというメッセージだと思った。
「ボノム 底抜けさん」私も仁吉さんと似ている。暴言だって嫌味だって、その人がその行動に至る原因があり、それは、満ち足りた世界では起こりえないと思っているから。その人が、我慢した結果、他人に当たってしまうと思ったら、大抵のことは流せる。でも、全て高い視点から見守れるのは、この世のものではないと思う。今、人間という動物なのだから、本能が邪魔をして全てを許すことはできないと思っている。人間は神様にはなれない。無理やりなろうとすれば、まともな人としての幸せはないと思う。