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ひろさんに教えていただいた本です。
ひろさん素敵な本をありがとうございます!
私、ドラえもんを見くびっていました。
ドラえもんで、凄い相聞歌が作れるのですね。
ドラえもんだからじゃなく、歌はどこにでも転がっているということかもしれません。
素材は何であれ、優れた歌は詠めるのですね。
この本には穂村弘さんが本名の辻一郎で参加していて何首か歌が載っているのも楽しかったです。
穂村さんだけやはり他の方とカラーが違う気がしました。
○青空の入道雲はそれはもう配色としてドラえもんです(辻一郎)
○あの頃はどこでもドアがなくたってどこでも行けるぼくだったのに(みうらしんじ)
○自転車で君を家まで送ってたどこでもドアがなくてよかった(仁尾智)
○その台詞本当だって確かめるためにタイムマシーンが欲しい(平賀谷友里)
○ドラえもんあの人好みの顔にして!そっから先は自力で頑張る(三玉小春)
○ドラえもん話を聞いてそばにいてひみつ道具は出さなくていい(麦ちよこ)
○ドラえもんどんな道具を使ったの初めて見たよこんな夕焼け(神田奈々)
○僕たちが今進んでいる方向の未来にドラえもんはいますか(仁尾智)
○大丈夫タイムマシンがなくなってもあの日のことは忘れないから(加藤千恵)
○3秒で眠れるのび太であるように今日の世界を眠らせていく(辻一郎)
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ドラえもんをテーマにした短歌。ドラえもんを知ってるから笑えたりぐっときたりする。ドラえもんっていないからいいんだと思う。夢物語。でもそれを心に抱いているということがどうにもならない現実を生きる力になるのかもしれない。
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短歌の先生が初めて買った歌集は枡野浩一さんの本だったとのこと。
角川短歌賞を最高得点だったのに受賞できなかったことで結社が中心となっている短歌界に対する屈折した想いがあるらしい。YouTubeでもそのあたりを語っている。
こちらはみんながご存じドラえもんをテーマにした短歌。かんたん短歌blogか雑誌『ぼく、ドラえもん』に投稿された約3600首を掲載。
冒頭に1ページずつイラストを添えて112首の紹介、ドラえもん短歌の秘密を枡野さんがQ&A方式で解説されている。
青空の入道雲はそれはもう配色としてドラえもんです
(うわあ、青空を眺めたらドラえもん!空を見るたび思いだしちゃうね)
いつのまに私をのび太にしてしまうあなたは罪なドラえもんです
(あまーい!と言いたくなる素敵なラブラブカップルの間柄ですね)
スネ夫って粋な髪型してるよな感じで言うと「司」に似てる
(ははは、イラストがまた良い!着眼点が凄い、本当にスネ夫が司に見えてくる)
目の前にどこでもドアがあったならそれを理由に会いに行きたい
(会いたい思いをどこでもドアに託す切なさが伝わって好き)
もう少し素直になれと言う上司スネオになれと聞こえる私
(このちぐはぐさがお互いの職場内でのズレを象徴していて素晴らしい)
好きだった貴方は今の貴方じゃない タイムマシンで過去に行きたい
(フォークソングにでもなりそうな恋愛の歌)
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ドラえもん愛が溢れてる。
ドラえもんやアイテムものも面白いけど、個人的には脇役をメインにしたものがツボ。
中学に はいり変声 期をむかえ
剛田たけしの 歌に深みが (篠田 算)
表紙もすてき。その一首も。
青空の 入道雲は それはもう
配色として ドラえもんです (辻 一郎)
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歌人枡野浩一氏選による「ドラえもん」がテーマの短歌作品集。
作者は全国の短歌を愛する人々。
「ドラえもん」というだけでワクワクしてしまうこの感じ。
私たちのDNAにいつの間にか刷り込まれたドラえもん愛。
「ちょっといい気に
なってたな
忘れてた
私のくせに
のび太のくせに」
あ~!いい!とてもいい!!
本を開いて一番最初にふれる短歌。
ここで心をがっしりつかまれた。
いつでも手元に置いておきたい。
ちょっと元気が出ない時、心疲れた時にページを開けばきっと力がわいてくるはず。
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我が家の鉄板ドラえもん。
今でも毎週録画している。
小二の息子どころか中一の娘まで、食事時になるとその録画を見ながら食事しようとするほど好きな模様。
自分も『ドラえもん』は好き。
のび太の度重なる浅はかさにはほとほと飽きれかえるのだが、変な方向に頭の回る道具の使い方だったり、弱々しさの芯にある優しさはもはやハードボイルドと行っても良いほどの生き様で、ドラえもんじゃあないけど、やっぱり放っては置けない嫌いになれない存在。
そんなのび太を中心とする、ひみつ道具の魅力、ドラえもんとの信頼関係、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんたちとの友情で溢れる世界観にリスペクトを寄せた短歌達。
現実世界の一場面にそっと『ドラえもん』の世界を重ねることで、いい具合に真意がぼかされたり、おかしみが加わったり、言葉の深さが増したり、逆に大人感が出たり。
これほどまでに影響力のある漫画だったのか。
短歌はその真意を読み取るのが難しいものも多く、歌集や雑誌を読もうにも自分的には結構パワーが必要で、尻込みして最近読めていなかったのだが、すっと頭に入ってくる上におもしろさやひねりを備えたこの作品集はとても良かった。
次は『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』あたりを読んでみようか。
○テスト期間終わってみるとなぜだろうドラえもんの絵うまくなってる
○ドラえもんよりも好きだといっただけなんでそんなにうれしそうなの
○君とした「ひみつ道具でどれが好き?」みたいな話ばかり思いだす
○奥さんがどこでもドアを持ってたらあたしたちもう会えなくなるね
○どこでもないここにいたいと気付くだけ何度どこでもドアを開けても
○あやまちはムードもりあげ楽団が変にムードをもりあげたせい
○空港でチェックにかかりポケットの中身を全部出すドラえもん
○ドラえもんビッグライトで胸だけを大きくするってことはできるの?
○ドラえもん話を聞いてそばにいてひみつ道具は出さなくていい
○大丈夫タイムマシンがなくってもあの日のことは忘れないから
○「ドラえもんがどこかにいる!」と子供らのさざめく車内に大山のぶ代
「さよなら、ドラえもん」の名シーンもなんか短歌っぽく感じてしまった。
ぼくだけの力で、きみにかたないと・・・ドラえもんが(安心して)帰れないんだ!
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現代短歌の背伸びしない感じ、のびのびした言葉の並びが好きだなぁと思う。それぞれの心の中に住んでいるドラえもんが、それぞれの思い出と温度で31
文字で表現されていて面白かった。
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可愛いなーみんなに読んでほしいなー(∗ˊᵕ`∗)
目の前に どこでもドアが あったなら それを理由に 会いに行きたい
自転車で 君を家まで 送ってた どこでもドアが なくてよかった
この2つめちゃくちゃ好き(ˊ˘ˋ*)♡
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そろそろ今年最後が見えてきたので、今年最後になっても
いいかなな本をと思い手に取りました。
(多分もう1冊は読めそうだが)
本の説明には「全国から続々と寄せられた」て書いてるので
てっきりたくさんの方の短歌が載ってるのかと
思いきや、同じ名前が多い。
選者様が偏ってるのなら嫌だな…と思いかけましたが、
どうもほとんどがセミプロ歌人もしくは歌人として
デビューされた方みたいですね!
どうりでレベルが凄いわけだ。
選者様のコメント(桝野さんなので〼)が
ホロリとくるような余計なお世話なような(笑)。
ところで、選ばれてる中に「東貴博さん」とかも
混じってますが(笑)。
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【本の内容】
ぼくたちみんなの共通語=「ドラえもん」の仲間たちや、ひみつ道具を詠み込んで作る歌、それが、「ドラえもん短歌」。
若者に圧倒的支持を受ける歌人・枡野浩一の呼びかけに、全国から続々と寄せられた、傑作の数々。
「ドラえもん」×「短歌」という言葉のひみつ道具を駆使し、みんなの今の想いを詰め込んだ、待望の文庫決定版。
[ 目次 ]
第1章 ぼくたちのドラえもん
第2章 のび太となかまたち
第3章 ぼくたちのひみつ道具
第4章 そこにいるドラえもん
第5章 ねえ、ドラえもん
第6章 さよなら、ドラえもん
[ POP ]
ドラえもん短歌とは、『ドラえもん』のキャラクターやひみつ道具を詠み込んだ短歌のこと。
世代を超えて愛されている名作漫画がテーマで、言葉づかいも難しくないけれど、「僕たちが今進んでいる方向の未来にドラえもんはいますか(仁尾智)」など、世界の見方が少し変わるような歌が並んでいる。
ある歌が採用されるまでの推敲(すいこう)の過程も面白い。
「僕たちが今進んでいる方向の未来にドラえもんはいますか(仁尾智)」など、歌人の呼びかけたお題「ドラえもん」のもとに集まった短歌は、誰もがいちどは夢みた「あんなこといいな」の世界、親しみのあるキャラクター、といった共通言語が、私性と普遍性とを取りもつ。
単行本未収録作品も増補。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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すごく良かったです。ドラえもんがみんなから愛されてることが良くわかりますね。ジンとしたり、ぷっと笑えたりして、心がほっこりとする短歌集です。学生だった頃を思い出したりして、笑みがこぼれました。だれでも必ずお気に入りが見つかるはず。
私は
「自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった」
「大丈夫 タイムマシンがなくっても あの日のことは忘れないから」
が好きでした。
全部目を通してからは、気が向いた時にパッとページを開けて「今日の歌」的な読み方をして楽しんでます。今日はコレか…みたいな。
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「ドラえもん 話を聞いて そばにいて ひみつ道具は 出さなくていい」
この詩がいちばん心に残った。
時が経てばまた違ったふうにとらえているだろう、それがいい。
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ドラえもんを知らない人はいないし、登場人物のキャラクターや物語の設定もかなりの人が知ってる。
しかも「ちびまるこちゃん」「サザエさん」と違ってSFファンタジーでもあるから想像を刺激される。
どの短歌もよくできている。
小学生にもわかるし(恋愛がらみの歌以外)。
もっとたくさん読みたいという気持ちになった。
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読売新聞の編集手帳に取り上げらており、興味を持った。確か「自転車で 君を家まで 送ってた どこでもドアが なくてよかった」が載っていて強く惹かれた。
中身は短歌が吹き出しの中に書かれている。
一番気に入った短歌は「」タケコプター 操縦法を 知らなくて ママは空から もどってこない」。
最後の解説があたたかい。ほっこり。
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ああードラえもんに会いたいなぁ・・・
良い子じゃないドラえもんや大人なドラえもんも出てきます。
ドラえもんはやっぱり、みんなのドラえもんなんだなぁ・・・
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「ドラえもん」って言葉はズルい。
聞くだけで頭の中にぱあっとイメージが広がるもの。
一般の方が詠んだ「ドラえもん」をテーマにした短歌を、歌人の枡野浩一さんが選んだ本、『ドラえもん短歌』。
短いからするする読めて、でも不思議に胸にじんわり沁みて、もう1度読み返してみたくなる。
ドラちゃん、みんながこんなにもキミのことを想っているよ。
僕たちが 今進んでいる 方向の 未来にドラえもんはいますか(仁尾 智)
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先日訪れた藤子・F・不二雄ミュージアムで見つけた一冊。
表紙のソラの青色がとても印象的で、手に取ってしまいました。
様々な人が様々なドラえもんの想い出を、ウタにこめています。
決して飾ることはないその言の葉たちが、染み入ってくるようでした。
ドラえもん
話を聞いて
そばにいて
ひみつ道具は
出さなくていい
どれも素敵でしたが、あえて選ぶとすればこの一首。
ドラえもん、ソラとクモの配色なんだなぁ、、とあらためて。
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どらえもん短歌ということで、
さらっと読めてしまう。
何度も読み返すと、それぞれの良さが改めて見つかったり、
前の時には特に意識しなかったものが
次の時には違って見える。
その時その時でいろいろな読み方ができる。
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ドラえもんが居たらなぁ。。。って思った事ないですか?
私はあります!
ドラえもんじゃなくても、どこでもドアがあれば!とか道具の名前が日常生活でふっと出てくる事がありますよね~。
ドラえもんってすごいなと改めて感じた1冊です。
歌人の枡野浩一さんの呼びかけで集まった短歌の中から選ばれた歌が掲載されています。
例えば、
「僕たちが 今進んでいる 方向の 未来にドラえ もんはいますか」
「自転車で 君を家まで 送ってた どこでもドアが なくてよかった」
など。
面白い歌だけでなく、切なくなったり、ほっこりしたり、バラエティに富んでいます。
「分かる分かる~」ってものから、「へぇ~、そんな風に考えるんだぁ」ってものもあって、人によって色んな見方がある事も発見できます。
5・7・5・7・7の限られた文字数でここまで広がるドラえもんの世界。
お勧めです。
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どの短歌からもドラえもんへの愛情が伝わってきてじんわり暖かい気持ちになります。
よく考えてみるとドラえもんって母親みたいに世話焼きな面もあれば、友達同士のような気楽な面もある。
もしかしたらそんな関係こそが作者とっての理想の友情だったのかな。
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いくつになっても忘れないドラえもん。少し前に小1の息子に漫画のドラえもんを買い与えた。持ってる巻を何度も読んでは飽きずに感想を言う。それに真剣に付き合える自分もテレビを観て何度も漫画を読んで育ったから。
本書はドラえもんを題材にした短歌のみがずらりと並ぶ。短歌の事はあまり分からないがドラえもんの事となるとなるほどと感動があるし、情景や心情を思い浮かべて楽しめる。
ひみつ道具ある未来、ない現実のどちらも良し悪しがある。どこでもドアで一瞬で行ける良さ、楽しみの余韻に浸る時間がなく一瞬で終わる帰り道…などなど。
ドラえもんを違った角度から楽しめる本だと思いました。
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2022.10.06
言葉が五七や七五にまたがっている短歌にはあまり惹かれないかも。すぱっと五七五七七でリズムが決まる短歌は気持ちいい。
これだけ様々な切り口で短歌が集まるドラえもんの懐の深さよ…個人的に「ねぇドラえもん」の章が好き。最後の河原涼太郎氏の解説も面白かった。
◎「タケコプターは力学的にありえない」野暮な男と朝焼けを見る 〼あー、夕焼けだったら、とりかえしがついたのに……。
※枡野さんの解説込みですげー好き
◎ドラえもん 話を聞いて そばにいて ひみつ道具は 出さなくていい
◎大丈夫 タイムマシンが なくっても あの日のことは 忘れないから
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表紙が良い。
歌人枡野浩一さんが、ブログで『ドラえもん』を題材にした短歌を募集。それを厳選して藤子氏の『ドラえもん』の絵とコラボした短歌集。
意外に恋愛を思わせる短歌が多い。
小学生にも読めるカンタン短歌だけど、大人だとより苦さや甘さがわかりそうなものばかり。
解説の河原涼太郎さんのエピソードも素敵。
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1冊にカウントするとズルしたような気になるほどすぐ読めます。これの前に読んだ『ショートソング』がとても面白くて、枡野浩一の本を数冊購入。これは彼がブログで募ったドラえもんにまつわる短歌集。「自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった」なんて、ええやんか。短歌をつくるのって楽しいのかもしれない。
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雑誌で紹介されていたので購入。ドラえもんに関する短歌ばかりなので、昔ドラえもん好きだったなあと懐かしく思いながらすぐに読み終えました。子供向け、というよりは、仕事や恋愛経験のある大人向けな感じ。
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歌人の枡野浩一がネットで募集し、選句したドラえもんがテーマの短歌集。
ドラえもんは今もアニメや映画をやっている現役のキャラクターなのだけど、その息の長さゆえに、「かつてドラえもんの読者だった」人たち、あるいは世代がとても多く存在する。
のび太より幼いころからドラえもんに親しんできて、今ではパパより年上なんて人も少なくないだろう。
そういう人たちにとって、ドラえもんは望郷の存在で、過ぎ去ってしまった少年時代の形代のようなものなのではないかと思う。
もちろん今もドラえもんが好きか嫌いかと言えば好きと答える人が多いだろうし、だからこそこんな本ができるわけだ。でも、今の「好き」とあのときの「好き」はどこかが決定的に違うのだ。
あの時のドラえもんはきっと、少なくない人にとってただのキャラクターではなかった。友達や兄弟に近い存在だった。今ではキャラクターの一つとして割り切っているドラえもんは、きっと知らないうちに自分のそばから未来に帰ってしまったのではないか――そんな切ない気持ちが、言葉の端々から伝わってくる短歌があった。
「のび太くんみたいに泣けば君がきて助けてくれると思ってたんだ」
この句に出会えただけでも、買ってよかった本だなぁと思う。惜しむらくは、選者の枡野氏が前書きであまりにもドラえもんを子ども扱いしすぎている点である。ドラえもんは小学生にとって先輩であり兄でもあった。いくらなんでも「文庫本」という言葉くらい知っていよう。