濱野大道のレビュー一覧
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スノーデンが著者に接触するところから現在(当時)に至るまで、時間を追って物語風に記されているので話にどんどん引き込まれました。最初TVでこのニュースを見たとき、とても表に出てきそうもない情報を暴露するとはなんて勇気のある若者だ、それにその事が色々な妨害もなく(屈せず)世間に出てきたなと衝撃を受けた事から、詳しい詳細に漠然と興味がありました。アメリカNSAが個人の通信の全ての情報(インターネット閲覧情報•電話通話記録等)を漏らさず取得しようとしていた事は驚きです。言われていたように、要注意人物や主要人物はそのターゲットになりうるという認識はありましたが、反政府的な芽を摘むという意味でも一般市民余
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この問題は解決済みと言えるのだろうか。勇気ある告発、正義感に対し、国家はあまりにも冷酷で強力だ。しかし、この問題は、国民全体の不利益のみならず、次のような事が考えられないのだろうか。例えば、情報の政治利用。時の権力者が、敵対者の情報を入手し、そのことにより政争を有利に運べる場合、政党の転覆が困難なばかりか、自らの立場も危ういのでは。政治エゴの観点からも野放しにして良いはずはない。つまり、ターゲットとなり易いのは、一般市民よりも著名人だという論拠には、理があると考える。では、本来反対すべきは、野党では無いのか。
国家シギントには、プライバシーの権利から反対する。まさに、共産主義社会の体である。 -
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スノーデン氏から著者へ接触があったのは2012年。この告発により、オバマ政権下でのアメリカ市民への盗聴が大きな話題になった。2008年に出版されたティム・ワイナー氏の「CIA秘録」では、CIA設立時から各総理大臣の対応が詳細に書かれている。そこにはオバマ政権も含まれているが、市民への盗聴は、なにも彼の政権下でのみ行われたことではない。「CIA秘録」は機密解除された内部文書をもとにした情報であり、出版当初は大変話題になったそうだ。
それから数年の時を経て、より多くの人がスマホを持ち、インターネットを使用するようになり、情報に触れる機会が増えた。そこでスノーデン氏の告発が一番インパクトのあるタイ -
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進化心理学という人間の進化の過程から、私たちの心がどのように形作られたのか書かれた本。
時々、その結論は急では?と思うところもあったりしたけれど、色々な実験も出てきて面白かった。
最後に、進化心理学の観点から見た「楽しい人生にたどり着くための10ステップ」もまとめられていて参考になったかも?
個人的なツボはここ。
前段階として、進化にとって重要なのは「繁殖」。
それは性交したいという欲求と産んだ子を愛おしく感じる性格を与えた。子どもを産み育てることは人生の満足度に大きく影響する、と書いたうえで以下。
それは、子育てのために日々やるべきことが楽しいという意味ではなく(往々にして楽しくない)、子 -
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未解決事件の解決に人生を捧げる科学捜査官ポール・ホールズによるノンフィクション自叙伝。
1990年代に大学卒業後、毒物検査官になり、その後科学捜査官に転職し、様々な凶悪事件の捜査に関わっていく様子が綴られる。未解決事件の解明に没頭するあまり、うまくいかないプライベートも赤裸々に語られる。DNA解析が本格的に犯罪捜査に用いられる過渡期の内幕を知ることができる。
アメリカでは今も2000人ものシリアルキラーが活動中だそう。科学技術の発達は事件解決の助けとなる一方で、犯罪そのものをより高度・複雑化させるだろう。心身をすり減らしながら未解決事件の解明に奔走する捜査官には頭が下がる。 -
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ぼくが考えた最強の民主主義の実現について。
ちょっと揶揄する言い方で申し訳ないが、民主主義とはこうあるべきで、その民主主義を阻害するしているのはこれだという。
民主主義、それも、多民族民主主義が絶対正しくて、そのシステムによって生み出されるものについては一切評価していない。
言ってるのは、アメリカの民主主義。
理想に燃えた野蛮人による深みのない人工実験国家として成立したアメリカ。
その、世界最初の成文憲法であり、最初の民主主義とか吠えとるが、要は理想と妥協の産物。
彼らがやりたかったのは政治ではなく政局。権力を握るためには握らせないためには何でもする。そんな感じやん。
なんでこいつら、「 -
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酷いモンだね。知ってたけど。
一九八四の世界が、まさにIT技術の進化によって実現されつつある。しかも、こいつ犯罪起こす確率高いから、拘束される世界。
まあ、まじにやると、このお国がまず隔離されるはずなんだがな。
なんでここまでやるのかと思うんだが、おそらく、盗賊が易姓革命と正当化してきた文化なのだからではないかと思う。
正当化であって「正統」でないことを判ってるんだろう。
油断すれば、ひっくり返される「正当性」。
俺たちは正しい。なぜなら、「勝った」から。
正しいゆえに、従わないことは、「悪」である。
異論は認めない。
異論は悪であり、正当を脅かすものだから。
幸せは、個々人にあるもので -
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自己と他者の間にある絶対的な壁をどう乗り越えるかというのが、この作品の主題。
人は相手を信用するよう初期設定されているというトゥルースデフォルト理論。人の感情は、表情に如実に現れるという透明性の嘘を暴く誤謬。飲酒によって目の前の経験が見えなくなる近視理論。行動と場所が密接に関連しているという結びつき理論。小難しい理論を並べたが、この本にはそれらのモデルとなるエピソードがそれぞれ挿まれるので、その話により理解できる。
しかし本著が最もこだわった黒人女性のケース。この話からの学びは何だろう。サンドラ・ブランドは、車を運転中に方向指示器の合図を出さなかったとして警官に止められた。警官は車から出る -
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すごく重く深い本でした。
アメリカで白人警察官が黒人女性を路上で逮捕するという2015年に起きた事件を元に、数々の実在の犯罪や事件を取り上げて検証していきます。
スパイやテロ犯罪など日本で普通に生きている私とかけ離れたことも多く、悲惨な事例もあり読み進めるのがつらかったりしましたが、それを取り上げることで最初にあげた事件の真実を考えることにつながるという納得の展開でした。
「私たちの予想どおりに相手が行動しないこと」と思い込みから生まれる誤解や悲劇。
日常生活にもあることだと思います。
「見ず知らずの相手とコミュニケーションを取ることのむずかしさ」
最近社会での他者への批判や誹謗中傷がひどく -
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Posted by ブクログ
世界的企業での潜入ルポ。
内容としては、徹底したコスト管理の上で、世間的弱者にあたる移民をゼロ時間契約で搾取するなど、差し詰め現代版の奴隷のような図式にも捉えられる内容が赤裸々に語られていた。
そして本著は「人生とは、必然的にどちらか一方が他方の上に立とうとする、拮抗する力のあいだのせめぎ合いなのだ」と、締めくくられた。
最後のこのフレーズ、なんかすごい考えさせられるなー。
確かに、人生って常に選択の繰り返しだよね。だけど出来れば第三者の思惑の中で上下の優位を決めるような選択ではなく、一個人の想いの中で並列に選択できる環境でありたいよねって、自問自答してみる。 -