濱野大道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひつじ好きとしては読まねばならぬと思っていた本。
湖水地方を「夢の場所」として描く作家たちに反感をおぼえる若い頃の著者。まあわからなくもない…大切なのは、そのあと、「本当の」湖水地方について書こうと考えたこと、だと思う。言葉にするのって、本当に大事。
仕事はぜんぶ祖父に教わったという。そうやって受け継がれていくことがある一方で、家族というものはままならないなあと思う。
母親が冷蔵庫に貼ったマグネットに「つまらない女性の家は汚れひとつなくピカピカ」と書いてあったというのが、とても、とても…そのマグネットほしい!
ところで、冬はひつじを羊舎に入れたらダメなのかな…過酷…
羊飼いの杖かっこいい -
Posted by ブクログ
『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。
表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根本となるという。確かにそれはそうだと納得した。簡単にいうと、小さな集団を作り、他の部族との交流を最小化することで病気をもらわず生存確率を上げることができ、自然と言語や宗教も局所化する。
日本は島国であった上に温帯だが湿気も多く病原菌が繁殖しやすいので村社会を形成しやすい民族を進化させたのだろう。
他 -
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Posted by ブクログ
まさに「ランドスケープ=風景そのもの!」
イギリス湖水地方に代々続く羊飼いの四季の営みを綴ったもの。
美しく豊かな風景がそこに存在するということ。それはつまりその風景を守り維持する生活が根ざしているということ。
四季を通して羊飼いの過酷な生活が綴られ自然の美しさと厳しさも綴られている。著者のユーモアを交えた文章にどんどん引き込まれる。
著者は羊飼いの息子として生まれ、後にオックスフォード大学を卒業、現在はユネスコのアドバイザーとしての一面もある(著者紹介より)
ランドスケープ、里山などの持続可能な開発...
それらの仕事に携わる人たちにも是非一読してほしい本だと思う。
目の前にひろが -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
はじめに
第1部 スパイと外交官~ふたつの謎
第1章 フィデル・カストロの復讐
第2章 アドルフ・ヒトラー総統と知り合いになる
第2部 デフォルトで信用する
第3章 キューバの女王
第4章 佯狂者
第5章 事例研究 シャワー室の少年
第3部 透明性
第6章 『フレンズ』型の誤謬
第7章 アマンダ・ノックス事件について単純で短い説明
第8章 事例研究 社交クラブのパーティ
第4部 教訓
第9章 テロリストの心の内は覗けるか
第5部 結びつき(カップリング)
第10章 シルビア・プラス
第11章 事例研究 カンザス・シティの実験
第12章 -
Posted by ブクログ
〈かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代の民主主義の死は選挙から始まる〉――アメリカの事例を中心に、民主的に選ばれた代表が「独裁者」になっていく道筋を提示している。
本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。
●審判を抱き込む
公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
裁判所を支配する
メディアの買収
●対戦相手を欠場させる
対立している相手を捜査、逮捕、投獄、訴訟
実業家を標的にする
文 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今、みんなが優しくない。
意見の異なる相手を敵とみなして、相手を叩きのめそうとする。
その背景には、そうしなければ自分のいる場所や、自分自身がないがしろにされる、失われる、そういう気持ちがあるのではないか。
アメリカで民主主義が衰え始めているというのは、
トランプさんが大統領になってからをみている人には、
感覚的に「そうだよね」と同意が得られることだと思う。
しかし本当のところ、アメリカの民主主義の衰退は、
トランプさんが大統領になるかなり前から始まっていた。
そしてそのことの起こりは、
時を経るにしたがってさまざまな人種から支持を集めるようになった民主党に対して、
相変わらず白人キリスト教 -
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