濱野大道のレビュー一覧

  • 津波の霊たち 3・11 死と生の物語

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    12年前の震災で児童74人が津波の犠牲になった大川小の悲劇と、遺族による県・市を相手取った訴訟の行方を、外国人ならではの視点で追ったルポ。特徴的なのは、幽霊目撃、憑依など被災地に頻発したという心霊現象にも着目している点。地元住職が主宰する移動傾聴喫茶「Cafe de Monk」の活動を初めて知ったが、最後に語られる除霊のエピソードには心が痛んだ。

    どれだけ時が経っても、当事者にとってあの悲劇の幕が閉じることはない。遺族の中にも忘れたいと願う人と、忘れてはいけないと思う人がいて、そこに葛藤が生じ、一つの結論で片付けられなくなる。誰かの是は誰かの否でもある。一枚岩に見えるグループの中でさえ、個々

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    2023年03月12日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    2017年のトランプ大統領の登場で、民主主義の危機を感じた著者らの思いが込められた本だが、フランコ、ヒトラー、ムッソリーニの時代から、マルコス、カストロ、ピノチェトを経て、プーチン、チャベス、エルドアンまでの事例から、正統な選挙で選ばれた人が、次第に変貌していく過程を精密に検証している.アメリカ合衆国では憲法だけでなく、相互的寛容と自制心の二つの規範が長く踏襲されてきたことで、民主主義が守られてきたと総括しているが、トランプがそれを無視する行動を批判している.日本を振り返ると、大丈夫かなと感じることが多くなっている.

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    2023年03月01日
  • アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~

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    イギリス国内の話だったが、日本でも同様に格差が広がっていると思う。
    イギリスほど移民が多くは無いが、この本に登場するポーランド人のような、ベトナム人等の外国人と、日本人の中でも悲惨な状況での労働が放置されていると思った。

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    2022年12月12日
  • 2020-2030 アメリカ大分断 危機の地政学

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    建国の父はアフリカ人は人間以下の存在だと位置づけ、合衆国憲法に五分の三条項が書き込まれた。経済的、政治的な利便性を優先した。

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    2022年11月20日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    ひつじ好きとしては読まねばならぬと思っていた本。

    湖水地方を「夢の場所」として描く作家たちに反感をおぼえる若い頃の著者。まあわからなくもない…大切なのは、そのあと、「本当の」湖水地方について書こうと考えたこと、だと思う。言葉にするのって、本当に大事。

    仕事はぜんぶ祖父に教わったという。そうやって受け継がれていくことがある一方で、家族というものはままならないなあと思う。
    母親が冷蔵庫に貼ったマグネットに「つまらない女性の家は汚れひとつなくピカピカ」と書いてあったというのが、とても、とても…そのマグネットほしい!

    ところで、冬はひつじを羊舎に入れたらダメなのかな…過酷…
    羊飼いの杖かっこいい

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    2022年11月14日
  • われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

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    『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。
    表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根本となるという。確かにそれはそうだと納得した。簡単にいうと、小さな集団を作り、他の部族との交流を最小化することで病気をもらわず生存確率を上げることができ、自然と言語や宗教も局所化する。
    日本は島国であった上に温帯だが湿気も多く病原菌が繁殖しやすいので村社会を形成しやすい民族を進化させたのだろう。

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    2022年11月05日
  • アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~

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    現代の貧困や分断についての、潜入ルポ。今の世界の主要産業を牛耳るビジネスは、不運や偶然のせいで、その仕事しか選べない人々を「搾取」することでなりたっていることを、読者と臨場感を共有することで明らかにしようとする、伝統的な手法。

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    2022年09月14日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    日本ではノンフィクション版の村上春樹と言われるベストセラー作家のマルコムグラッドウェル。
    多くの事例をもとに、なぜ人は他人を誤解したり、決めつけてしまったりなど、正しく理解できないのかを明快でわかりやすいストーリーテリングで示してくれた本。
    サンドラ・ブランドに起きた一つの悲劇を簡単な見方をするのではなく、多くの事例から他人に対する理解の難しさ複雑さをパズルが組み合わさっていくように、その深い洞察から示唆してくれるのは読んでいて非常に気持ち良いものであった。

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    2022年08月05日
  • 詐欺師をはめろ 世界一チャーミングな犯罪者VS.FBI

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    人生の3つの原則。やりたいこと、得意なことをやる。それと同じくらい重要なのは誰とやるかを把握すること。それが分からない場合は慎重になるべきだ。

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    2022年02月13日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    人はなぜ他人のことを正しく理解できないのか、採用面談でも相手のことを正しく理解できないとこが多い。人は必ずしも自分が想定したリアクションをしないということが原因なのだろうが、ではどうすればいいのか。会わずにデータだけから判断すれば良いのかもしれないが、相手の客観的データは入手困難な場合が多いしやはり難しい。謙虚に見かけでは分からないことを肝に命じるしかない。

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    2021年06月10日
  • 2020-2030 アメリカ大分断 危機の地政学

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    フリードマン氏の予測として主なものは、「2020年頃に中国とロシアが崩壊分裂し、2040年頃に日米の対立が顕著となり、2050年頃に日本・トルコ同盟が米国との第3次世界大戦に突入し、2070年頃に米国とメキシコの頂上決戦が勃発する」というもので話半分のところはあります。

    とはいえ専門家や専門知への経緯が損なわれていたり、大学の迎合主義に関しては非常に的を得ていますし、アメリカの国としての大局観を知る上ではいい本だと思います。

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    2021年05月10日
  • 津波の霊たち 3・11 死と生の物語

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    時が経つのを忘れて読んだ

    津波から九死に一生を得た人達から聞いた生死のかかった状況下の人々の様子や大川小学校の当事者から聞き取った内容

    どれも表現する事ができない複雑な感情になった、、、

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    2021年03月26日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    今まで会って話せばわかると思っていたけど、却って会ったからこそ難しくなることもある。判断にはいろいろな影響があることを知つておけてよかった。

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    2021年02月13日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    今、民主主義は危機的状況にある。トランプ政権がようやく倒れたのは良かったが、世界的に見ればまだまだ油断はできない。
    選挙は民主主義を護れるのか、日本は民主主義を護れているのか。一人ひとりが考えなくてはならないと思う。

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    2021年02月08日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    犯人から事実を聞きたい気分。

    15年かけて作られた本って考えるとすごい。
    周りの人のいろんな目線もわかるし、外人目線の日本も知れて面白い。

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    2020年10月28日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    まさに「ランドスケープ=風景そのもの!」

    イギリス湖水地方に代々続く羊飼いの四季の営みを綴ったもの。
    美しく豊かな風景がそこに存在するということ。それはつまりその風景を守り維持する生活が根ざしているということ。

    四季を通して羊飼いの過酷な生活が綴られ自然の美しさと厳しさも綴られている。著者のユーモアを交えた文章にどんどん引き込まれる。

    著者は羊飼いの息子として生まれ、後にオックスフォード大学を卒業、現在はユネスコのアドバイザーとしての一面もある(著者紹介より)

    ランドスケープ、里山などの持続可能な開発...
    それらの仕事に携わる人たちにも是非一読してほしい本だと思う。

    目の前にひろが

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    2020年08月23日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1部 スパイと外交官~ふたつの謎
     第1章  フィデル・カストロの復讐
     第2章  アドルフ・ヒトラー総統と知り合いになる
    第2部 デフォルトで信用する
     第3章  キューバの女王
     第4章  佯狂者
     第5章  事例研究 シャワー室の少年
    第3部 透明性
     第6章  『フレンズ』型の誤謬
     第7章  アマンダ・ノックス事件について単純で短い説明
     第8章  事例研究 社交クラブのパーティ
    第4部 教訓
     第9章  テロリストの心の内は覗けるか
    第5部 結びつき(カップリング)
     第10章  シルビア・プラス
     第11章  事例研究 カンザス・シティの実験
     第12章  

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    2020年07月19日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    〈かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代の民主主義の死は選挙から始まる〉――アメリカの事例を中心に、民主的に選ばれた代表が「独裁者」になっていく道筋を提示している。

     本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。

    ●審判を抱き込む
     公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
     裁判所を支配する
     メディアの買収
    ●対戦相手を欠場させる
     対立している相手を捜査、逮捕、投獄、訴訟
     実業家を標的にする
     文

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    2019年04月14日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    著者はイギリス人だが、日本の事もよく分かっており、綿密な調査の元に書かれている。
    事件自体は当時ワイドショーで大騒動になっていたはずだが、あまり記憶に残っていない。
    著者自身のあとがきが感慨深い。

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    2019年03月05日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    ネタバレ

    今、みんなが優しくない。
    意見の異なる相手を敵とみなして、相手を叩きのめそうとする。
    その背景には、そうしなければ自分のいる場所や、自分自身がないがしろにされる、失われる、そういう気持ちがあるのではないか。

    アメリカで民主主義が衰え始めているというのは、
    トランプさんが大統領になってからをみている人には、
    感覚的に「そうだよね」と同意が得られることだと思う。
    しかし本当のところ、アメリカの民主主義の衰退は、
    トランプさんが大統領になるかなり前から始まっていた。
    そしてそのことの起こりは、
    時を経るにしたがってさまざまな人種から支持を集めるようになった民主党に対して、
    相変わらず白人キリスト教

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    2019年01月30日