濱野大道のレビュー一覧

  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    イギリス湖水地方で、600年以上に亘り代々牧羊を営み続けてきた家庭に生まれた著者の半生。夏、秋、冬、春と4つの章立てで構成されている。祖父や父に学び、恐らく著者の幼い子供も同じく、他の選択肢なく羊飼いを生業とすること(その繰り返しが600年間継続している)、時に過酷な自然環境、生き物の生死、生き物の血や体液が日常にある生活、子供たちに当たり前のように体験させる著者の考え、などが、取り立ててドラマチックではなく淡々と描かれている。
    是非とももう一度読みたい。

    またまた読んだ。なせだか、読みながらいつも思い浮かべるのは、上高地の山小屋の人々。先祖(といっても上高地の山小屋はまだ三代目とか四代目で

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    2020年01月31日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

    一般市民に対する集団監視とは?

    一般市民に対する盗聴、盗撮の拡大による実害は、最近ネット上で散見する『集団ストーカー』というものにも関係しているのでは?と思っています。この本でのスノーデンファイル序文には次の文章が記載されています。 『・・・社会から爪弾きにされた若者が 軽微な違反を犯し、世界最大の監獄制度の中で耐え難い結果に苛まれようと、私たちは社会全体として見て見ぬふりを決め込んでいます・・・』 そして2014年、NBCニュースで のスノーデンのインタビューでは『・・・he called it ,could get inside your thought process・・・』と言っています。

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    2017年03月29日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    ネタバレ

    ◆英ジャーナリズム発、日本論on性犯罪◆

    ●日本のメディアと警察組織と犯罪・事件の課題。
    イギリスのメディアと家族生活の課題。
    それらがコンパクトにまとめられている 。

    個人的におもしろいのは、
    イギリス人ジャーナリストの目を通して描かれる
    日本の社会の風俗と解釈である。

    日本の裁判制度や警察機構に対し、
    想像力の欠如した犯罪と向き合う組織だと喝破。
    「お巡りさん」と「ビーポ君」にイメージされる
    親しみやすい権力組織としての警察機構。

    外国人の体験する”ガリバー体験”と
    日本の遠慮と礼儀正しさという文化。

    ●とりわけ、在日朝鮮人社会と
    水商売の実態と日本の性文化の記述は
    興味深

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    2016年11月12日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    知ってるようで知らない事件。
    人が死んでも自分の欲求を止められない恐ろしさ。
    イギリス人のCAだから動いたという警察の差別意識。
    明るみに出ない事件はもっともっと多いはずだと思うと、心底ウンザリする。

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    2016年11月03日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    2000年7月、六本木でホステスとして働いていた元英国航空の客室乗務員ルーシー・ブラックマンが、突然消息を絶った。失踪当初から事件を追い続けた英紙《ザ・タイムズ》の東京支局長が、日英豪関係者への10年越しの取材で真相に迫る。
    この内容は、すごい取材ですね。
    著者がイギリス人ってビックリするぐらい日本を描いてる。
    事件物を読むと、ほんと警察は信頼できない事ばかり。
    でも一億円には驚きました。

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    2016年09月21日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    社会人としてのキャリアの大半を東京で過ごしている1968年生まれの英国人記者によるルーシー・ブラックマン事件に関する記録。

    単なる犯罪・裁判記録というより、多くの関係者に対するインタビューを中心とする緻密な調査を時系列で再構築することで、サスペンスやミステリーを読んでいるかの錯覚に陥る。

    ルーシーの父母・妹弟、親友たちの確執については、決して片方に肩入れすることなく、中立に書いている。

    在日朝鮮人としての織原の出自についても詳述。著者が織原の弟と対面するシーンは手に汗握る。

    織原はルーシーブラックマンの準強姦致死については無罪となっているものの、その他の準強姦致死と準強姦については有罪

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    2016年02月22日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    知らないうちに監視されてた。何も自由はない。真のジャーナリズムに裏打ちされた全現代人必読書ではないだろうか。

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    2016年02月04日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    六本木、日本で唯一ガイジンであることを忘れられる場所。外国人と遊びたい外国人、外国人と遊びたい日本人、そして日本人=外国人目当ての女性と遊びたい外国人の男が集まる街。そこで目立つ3つの集団は主に客引きのアフリカ人、六本木ガールズと呼ばれる外国人狙いの日本人女性そしてダンサーやストリッパーやホステスとして働く若い白人女性たち。行方不明になり後に遺体が発見されたルーシー・ブラックマンも短い間だったがその中の一人だった。

    普通の女の子だったルーシーは一般的な美人ではないがかなりの長身と見事なブロンドで目立つ存在だった。お嬢様学校になじめずシティの銀行で働くと儲けた金は使うことと言うシティの掟に染ま

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    2016年01月24日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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     これに星5を付けることに、心理的な抵抗がある。
     英国から日本に来た若い女性が行方不明になり、家族がやってきて探してくれるように訴える。
     やがて捜査が進み、女性は遺体で発見される。

     この、実際に起きた事件が特異なのは、家族が、事件解決に向けて戦略的な動きを見せた、ということのように思える。よくテレビや報道で見るのは、被害者の家族は、うなだれ悲しみ、涙を流しながら訴える姿である。しかし、被害者の父親は、日本の警察の捜査状況に不安を感じ、どうやったらメディアがこの事件を取り上げるかを計算し、行動した。
     だからこそ、この事件は大きく取り上げられ、当時のイギリスのブレア首相から日本に申し入れ

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    2015年11月05日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    六本木のクラブで働いていたイギリス人女性が行方不明になり、三浦半島で遺体となって発見された事件。今となっては、この程度の記憶しかなく犯人の名前すらすぐに思い出せない。

    犯人は在日韓国人の織原城二。在日韓国人であることを日本のマスコミが報じたかどうかも記憶が曖昧だ。
    事件は、2000年に起きているが、2007年に市橋達也がイギリス人英語教師リンゼイ・アン・ホーカーさんを殺害した事件と混同しがちである。

    本書は被害者となったルーシー・ブラックマンさんの親の生い立ちまで遡り、家族関係も綿密に取材している。犯人の織原城二についても詳細な取材をしていて日本のジャーナリズムとの違いを見せつけられた感が

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    2015年07月31日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    あのルーシー・ブラックマン事件。私は家族で並んで記者会見している図を覚えていて、父親が頑張っているのだなと。

    その父親の、行動力が無ければわからなかった事実、警官があれだけ動かなかっただろうし、ブレア首相まで事件解決を日本に要請することも無かったのだろう。その類まれな行動力と、一方で、到底品行方正とは言えない日本での行動、犯人の男から多額の賠償額をもらい、クルーザーを買ってしまう非倫理的といえるようなことをしつつも、第2のルーシーを作らないためのNPOを成功させてもいる。えらい複雑な人格にくらくらとしてくること必定。

    裁判結審まで10年以上かかっていたとは知らなかった。
    関係者全ての状況が

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    2015年07月15日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    [大都会の沼地に、足を取られて]「六本木でホステスとして働く元英国航空の客室乗務員のイギリス人女性が、突如謎の失踪ーー」。世紀末を控えた日本でスキャンダラスに報じられたルーシー・ブラックマン事件の内幕と関係者の心の内を探ったノンフィクション作品。一次資料や関係者の資料を基にしながら、事件に潜む数々の謎に迫った一冊です。著者は、「ザ・タイムズ」紙のアジア編集長・東京支局長を務めたリチャード・ロイド・パリー。訳者は、ときに涙しながら本書の翻訳作業を完成させたという濱野大道。原題は、『People Who Eat Darkness-The True Story of a Young Woman Wh

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    2015年06月12日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    政府による通信の無差別監視。実際に行われていたという話には暗澹とした気持ちになります。しかもアメリカがやるとなれば世界的な影響があります。インターネットのインフラも、人気のあるサービスもアメリカに集中しているわけですし。

    スノーデンは日本のNSAにデルの社員として派遣されていた時に、機密情報のリークへの気持ちを強くして行ったようですが、日本で何を見たのかがきになります。「それまでより高次元の監視上の機密」「無人機によって殺される運命にある人々の監視映像を見たこともあります」等記述はありましたが。

    この本では当然触れられていませんが、日本政府がこの件をどう捉えているのか、今後どういうスタンス

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    2015年01月07日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    GoogleもfacebookもiphoneもOfficeも使う気なくすな、これ読むと。
    エドワード・スノーデン氏をアメリカの機密情報を暴露した極悪人と評価するか、NSAの極度のプライバシー侵害を公にしたヒーローと評価するかによって、この本の評価も別れるだろうが。

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    2015年01月05日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    世紀の情報漏洩。「スノーデンファイル」よりも一層具体的で解りやすかった。いまだにgoogleやfacebookを使っているけれど、考えないといけない。米英が国家権力を乱用して政治的障害を不法かつ強引に取り除こうとする様が恐ろしかった。報道機関の多くが腰が引けていて、本来の姿を失っているのも残念。現代社会はあからさまじゃないけれど、大アメリカ帝国と、同様に英語圏である英国連邦のアングロサクソン白人国家4カ国が世界を牛耳っているんだな、と糞面白くない結論に至りました。とっても差別的な世界で怒り心頭。

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    2014年10月08日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)というアメリカ二大情報機関に籍を置いたエドワード・スノーデンの暴露本。
    WEB履歴もメールも電話もメッセンジャーも全てログを取られ傍受されている。そんな時代は普通に来ている。
    国家レベルの秘密情報を扱う機関は国産の機器やサービスを使うことがいかに重要か。
    スノーデンの暴露によって白日の下にさらされた時代を変える実話。
    最高峰の「事実は小説よりも奇なり」を味わえる一冊。ヤバイ!

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    2014年10月06日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    米国のインターネット盗聴を暴露したスノーデン。その情報を得て発表した記者グリーンウォルドによる、事の顛末とその影響を描いたノンフィクション。ロシアに逃れたスノーデンは、米国政府の引き渡し要請や国防観点からの非難があり、いまだ進行中の案件である。情報を渡していた米IT業界の各社についても、秘密情報の保持という点で信用を落としており、これまでのように無条件に信頼を得れらる存在ではなくなっているようだ。

    世界の通信情報を収集するという「PRISM」の存在についてはスノーデン以前から噂にはなっていたものの、自分としては現実のものとも思えずトンデモの類かと思っていた。本書を読み、本当にここまでやってい

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    2014年12月31日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    驚きの事実だ。CIAやFBIが何が入っているかわからないからLenovo製PCを使うなと通達を出したが、それ以上のことをしている。シスコから定期的にルーターの新製品を納めさせ、チップを加えてまた新品にして返してくる。メールアドレスがわかればどんな情報も取得することが出来る。一度でもネットに繋げばマルウエァを埋め込み、たとえPCの電源を切っていても起動させることが出来る。唯一秘密が保たれるは、一度もネットに接続されていないPCだ。こんな事が自由主義、オバマ政権で実施されている。

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    2014年06月29日
  • エリート過剰生産が国家を滅ぼす

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    歴史からモデルや法則を導く書物は数多くあるが、本書もそのひとつ。面白いのは何らかの理由でその数が増えたにも関わらず、エリートのマジョリティに入れなかった者が革命の煽動者になり、そこから国家を滅ぼすことに繋がったという仮説。
    彼らを過剰生産されたカウンターエリートと著者は呼んでいる。スーパーリッチになり損ねた人や科挙の試験に落ち続けた人たちが一般大衆を煽る役割を担っていたというのは興味深いし、そういうことはあるだろうなあと実感する。

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    2025年09月11日
  • エリート過剰生産が国家を滅ぼす

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    その名のとおり、エリートの過剰生産が国家を滅ぼす、ということを述べている本。
    なのだが、細かい議論については正直ついていけなかった。

    筆者は、「複雑系科学者」とのことで、「クオリダイナミクス」=歴史は繰り返す。パターンがある。ということを前提に、今迄の歴史の中で生じた国家の崩壊の要因がエリートの過剰生産にあるということを述べている。

    そして、その前提を元に、今までの歴史を振り返っている。

    のだが、完全に議論についていけなかった自分にとっては、「エリートの過剰生産が国家を滅ぼす」という前提に立って歴史を読み替えている=上書き、しているようで、何となく腑に落ちなかった。勿論、それに対する反論

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    2025年09月07日