濱野大道のレビュー一覧

  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    著者はイギリス人だが、日本の事もよく分かっており、綿密な調査の元に書かれている。
    事件自体は当時ワイドショーで大騒動になっていたはずだが、あまり記憶に残っていない。
    著者自身のあとがきが感慨深い。

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    2019年03月05日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    今、みんなが優しくない。
    意見の異なる相手を敵とみなして、相手を叩きのめそうとする。
    その背景には、そうしなければ自分のいる場所や、自分自身がないがしろにされる、失われる、そういう気持ちがあるのではないか。

    アメリカで民主主義が衰え始めているというのは、
    トランプさんが大統領になってからをみている人には、
    感覚的に「そうだよね」と同意が得られることだと思う。
    しかし本当のところ、アメリカの民主主義の衰退は、
    トランプさんが大統領になるかなり前から始まっていた。
    そしてそのことの起こりは、
    時を経るにしたがってさまざまな人種から支持を集めるようになった民主党に対して、
    相変わらず白人キリスト教徒からの支持が中心となっている共産党が危機を覚えたからだという。

    彼らが感じている危機には二種類あって、
    一つはその勢いが加速して民主党の支持者がどんどん増えると、単純に共産党の支持者が減って票が集められなくなるというもの。
    そしてもう一つは、白人キリスト教徒こそがアメリカ人と考えている人たちにしてみれば、アメリカが失われるということだ。

    よくテレビのニュースで、「アメリカを取り戻せ」みたいにシュプレヒコールしてるのみていて、不思議に思っていた。
    私にとってアメリカは、色んな人種の人たちがいて、貧富の差はあれど、みんなが自由に生きれる国だと思っていたからだ。
    実際、ニューヨークをブロードウェイ沿いにずっと歩いて行くと、色んな人に出会って、生活水準もさまざま。
    でもみんな誇りを持っていそうに見えた。

    でも、アメリカ人の中にはそういう感覚じゃない人もいるのだ。
    人種という考え方がとても根強いのだ。
    本書を読むと、差別という考えはもう当てはまらないように思った。
    自分たちの立場、安全を守ってくれる(と思っている)人種。
    なまじ、白人の人は以前は他の人種の人たちよりもデフォルトで優遇されていた時代があったものだからなおたちが悪い。
    トランプさんなんてまさにその時代を知っている人だし。

    そんなわけで、アメリカの民主主義衰退の背景には、未だ解決されない人種問題が身を潜めている。
    それが引き起こす「自分たちを守りたい」と思う気持ちが、相手を叩きのめそうとする行動に変わってしまっているのだ。
    本書で繰り返し提言される柔らかいガードレールを揺るがしているのはそんな人の中の気持ちだと思う。
    これを読むと、大声で脅迫している政治家たちが、ブルブル震えてキャンキャン吠えている子犬に見えてくる。決して侮れない子犬だけど、ちょっとかわいそう。

    日本も、日本の民主主義は何なのかちゃんと考えないといけない。
    今の日本は緩やかな独裁と言っても良いのではないかと思えてきた。
    ずーっと、自民党の独裁。
    国民も特にいいと思ってるわけじゃないけど、誰もイヤだと言わないから続いてる。
    日本の野党の人たちは、打倒安倍って言うけど、そこに自分たちのアイデンティティを求めないでほしい。
    日本という国を良くする政治家でありたい、という気概をもっと持って欲しい。
    その気概があって、きちんと勉強しているなら、対立することを目的にしてはもっと悪くなるだけだということが分かるはずだ。
    前に進まなくてはいけない、そこで叩き合ってる暇はない。

    アメリカの民主主義が衰退しているのは、ある意味必然だった。
    まだ解決していなかった、人種の垣根をどうしていくかということが残っていたからだ。
    だから、ここを乗り越えてもっと強い民主主義を作るチャンスでもある、めっちゃ難しいと思うけど。

    日本にはきっとまた違う問題がある、日本は日本でオリジナルの課題に自分たちで臨まなければいけない。
    それが何かはまだわたしには分からないけど、
    でもそれはみんなでやることなんだ。
    誰かがやってくれることではない。

    政治の場で見えていることは、世の中の縮図でしかないんだ。
    下らないな、ダサいなって国や政治のことを思う時、
    それは私たちがそうだってことなんだ。

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    2019年01月30日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    トランプ政権のことが書かれているのに、まるで日本のことが書かれているようだった。こんな時代になるとは思ってなかった。

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    2019年01月15日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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     自制と寛容の規範は”柔らかいガードレール”として機能していた。
     独裁主義的な自制を欠いた行動(①民主主義的ルールを拒否、②政治的な対立相手の正当性を否定する、③暴力を許容・促進する、④対立相手(メディアを含む)の市民的自由を率先して奪おうとする)に政党や支持者が迎合することで、相互寛容が破られ民主主義が破綻していく。
     ヘンリー・フォードやチャールズ・リンドバーグが民主主義の安全装置(門番)により排除されていたとは驚きだった。

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    2019年01月13日
  • ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学

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    音楽が心理と密接にかかわっていることが分かって面白かった
    好きな音楽を聴くとやる気がアップするそうなので今後試してみたい
    短期記憶のマジカルナンバー7

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    2018年10月02日
  • プーチンの世界―「皇帝」になった工作員―

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    プーチンは、西側の指導者との接触が少なく、その動機や思惑を理解できてない。欧米がロシアを封じ込めようとしており、その手段は軍事以外の方法(民主化運動の支援等)で行われていると考えている。プーチンはロシアの国益のためには、欧米の弱点を探し、欧米のリーダーや市民を脅すことをやる。
    プーチンのこれまでやってきた事は、この本の見方でほぼ説明できると思う。また、トランプのロシアゲートについても、いかにもやりそうと言え、ますます疑念が深まった。今更だが、エリツィンの頃に支援の手を差し伸べて、もっとうまく西側に取り込んでいればこんな事にはならなかったのではと思う。

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    2018年05月15日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    2000年に起こったルーシー・ブラックマンさんの失踪事件。失踪当時から事件を追い続けていた「ザ・タイムズ」の東京支局長・リチャード・ロイド・パリーが10年越しの取材を経て書いた犯罪ノンフィクション。

    ルーシーさんの親族はもちろん、友人、知人、東京のバーでのお客、そして犯人として逮捕された織原城二とその親族など…ルーシー事件に関わる全ての人々に丹念にインタビューし、構成している。

    この著者にしかできない構成力と内容は、読んでいくうちに引き込まれて黒い闇を覗き込んでしまったような恐ろしさを感じてしまった。

    そして衝撃的な裁判の行方。
    無期懲役にして無罪。
    そして織原の控訴と上告。

    ルーシーさんの父親が織原から受け取った「見舞金」。
    裁判後のルーシーさんの家族の思い。
    事件に関わった人々のその後。
    裁判が終わった後もその闇は深いということをこの本を読んで改めて知った。

    読み終わった後に色々な意味で「後味の悪い、だけどそれが現実」という、残酷で衝撃的な印象が強く残っている。

    ここまでの事件にどっぷりつかって取材しながら常にフラットに事件を見ようとする著者のすごさを感じる一冊。

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    2018年01月28日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    ワーズワースやベアトリクス・ポターが愛した湖水地方で代々羊飼いを生業としてきた著者とその一族を語る。
    湖水地方の春夏秋冬とともに、羊飼いの仕事を綴りつつ、祖父母から父母・著者とその家族の日々を綴る。

    学問など何ぞや、羊飼いとしての経験と知識こそ最も信頼される社会。著者もまた、幼いころから祖父について回り羊飼いのノウハウを体験で学んだ。進学することなど考えてもみない、ちょっと乱暴な仲間たち。そして何よりも頼りになる先祖伝来の羊飼いの知恵。そんな環境の中、著者は祖父・父と続く羊飼いの道を歩む。
    そんな中でも、母親の配慮で本を読む楽しさは知っていた。そして、進学の道を進んだ妹たちと自分を比べても、何の遜色もないことを知り、羊飼いとして父親と対立したときに大学進学を選ぶ。大学以前の学校教育を中退していた著者であったが、その知識と体験でオックスフォード大学に入学を果たす。大学なんかに行く変わり者、と少し笑われながらも大学教育を受けたことは、この著書を始めとする著者の現在の活動の大きな転換点と言えるのでは。

    伝統的な羊飼いの暮らしを綴り、ともすれば迷惑ともなる観光客のふるまいや、口蹄疫で羊や牛を処分しなければならなくなったことなど、深く考えさせられる。
    ウィットに富む語り口の中に、自然や動物を育てる生業の厳しさを強く感じさせる。
    ジーンとしてしまう場面、多々あり。

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    2017年10月01日
  • プーチンの世界―「皇帝」になった工作員―

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    戦略家としてだけでなく、様々な顔を持つプーチンの研究本。読み応えのある、お勧めの1冊。これを読むと、「では、プーチンの弱点とは何か」を深く考えさせられる。

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    2017年08月27日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    羊飼いの暮らしは、”牧歌”じゃない。全然牧歌じゃない。

    イギリス湖水地方と言えば、牧草地帯の美しい四季、ピーター・ラビットなどを思い浮かべ、のどかで豊かな自然の中での暮らしに憧れる、観光客にも人気の場所だ。
    でもそこには(どこでもそうだが)、観光客が見ている面とはまた違う日々の営みがある。

    何世代にも渡る経験と知恵があってこその羊との暮らし、プライド、美しくも過酷な自然、その前にあっては手だても虚しく涙を飲むばかりの口蹄疫。。。

    読み終えると、筆者の充足とプライドに、爽やかな気持ちになった。

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    2017年04月14日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    美しい景観とロマンチックなイメージのイギリス「湖水地方」だが、19世紀にワーズワースによって見出され、20世紀後半に観光地化が進むまでは、外部との交流が少なく、夏の間は山腹の共有地で羊を育てる昔ながらの伝統的な牧畜地域であったらしい。そして、そのようなファーマーの生活を今も続けている著者が、自然相手の厳しい羊飼いの暮らし、彼らの誇りと喜び、そして、自分たちが過去から未来へと連綿と続く鎖の一部であるという実感について、彼の家族史を含め、リアルかつ生き生きと描いている。かなり厚い本ではあるが、読むに連れて面白くなり、どんどん惹き込まれていく。
    ピーターラビットの作者であるベアトリクス・ポターが自分の農場の羊と一緒に写っている写真も載っているが、写真や図版はほとんどなく、残念ながら、風景、各種の羊、農場の施設や農機具などのイメージがあまり湧かない。牧畜と縁の薄い生活を送る我々には、言葉だけの説明では、ディテールが必ずしも正確に理解できないという点は、率直に認めざるを得ない。

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    2017年04月08日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    「日本の犯罪率の低さの本当の理由が、警察の管理能力に起因するものではなく、国民のおかげであることはあまりに明らかだ。警察の能力が高いからではなく、日本人は常に法を守り、互いに敬い、暴力を忌み嫌うのだ。」

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    2017年03月05日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
    米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
    インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

    本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整理としても一読の価値があると思う。
    サイバーセキュリティの問題は、IOT化が進むにつれて、益々、脚光を浴びてくるだろうし、情報の取り扱いの考え方自体をコペルニクス的発想の展開を以って変えていかないと、解決の糸口が見つけられないような気もする。(それが何かは全く見当がつかないが)

    以下引用~
    わが国(米国)の憲法の起草者たちは、幸福の追求のために望ましいい条件を確保することを保障し、人間の精神性や感情、知性の重要性を認めた。彼らは、物質的幸福は人生の痛みや喜び、充足の一部でしかないことを認識し、合衆国国民の多種多様な信条、思想、感情、感覚を保護することを求めた。政府との関係においては、誰からも干渉されない権利を国民に付与した。
    (最高裁判所判事ルイス・ブランダイス)

    パノプティコン(一望監視装置)
    閉じこまれた者に常に見られているという意識を植えつけ、権力が自動的に作用する状態を作り出す。

    肉体的な安全より上位にある中心的な価値とは、国家をプライベートな領域ー合衆国憲法修正第4条で定義される”身体、家屋、書類、個人資産”-に関与させないことだ。それはこの領域が人生の質を左右する多くの特質ー創造力、探究、親交といったものーのるつぼのようなものだからだ。

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    2016年12月27日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    外国人記者が書いた本の中では
    とても中立的で抑えた筆致だった。
    正直市橋事件と最初勘違いしてたくらいだけど、
    事件のことはうっすら覚えている。
    良いも悪いも人はなかなか一面からしか見えないから難しいけど、
    フェアであろうとする記述にはいろいろ考えさせられた。

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    2016年06月09日
  • 駅伝マン 日本を走ったイギリス人

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    新刊書から選んだ一冊。
    我々日本人は「マラソンが弱くなった」と嘆いていますが、
    世界から見ると、そうは言えないらしい。

    ランニングクラブに属し、オリンピックの選手にこそ
    慣れないものの、そこそこの記録を持ち、
    マラソンを愛する著者は走るライター。
    (イギリスの新聞「ガーディアン」編集者兼フリーランスのジャーナリスト。)

    世界中の大規模なロードレース、優勝者は
    ケニア人かエチオピア人の超高速ランナーたち。
    誰もがその牙城を崩せない。
    本の著作中2013年当時、最新版世界の男子マラソンの
    100傑のうち、アフリカ出身者以外は6人のみで、
    そのうち5人が日本人。
    女子マラソン100傑のうち、日本人は11人。
    選手の数だけ見れば、ケニアとエチオピアについで3位。

    ハーフマラソンでは日本の強さは、さらにずば抜けている。
    地方都市のあるレース、通常そのゴールの風景は
    優勝をせる第一陣の後は、決まって大差がつくことが普通だが
    日本では違う。
    選手の波が止まらないのだ、その日18人の選手が
    1時間3分未満でゴール。
    2013年イギリスではハーフマラソンで1時間3分を切った
    イギリス選手はたった一人。アメリカ人は21人。
    前述の地方のハーフマラソンで100位の学生のタイムは
    1時間4分49秒。これは、イギリス2013年第8位の記録。

    著者はライターとしてもランナーとしても、そんな日本の
    長距離界に興味を抱く。

    一家揃って、日本に移住を決める。
    しかし、取材を始めようにも、なかなか難しい壁が立ちふさがる。
    日本に来る前、半年間ケニアに滞在し、ランナーたちと練習も共にしながら取材。

    ケニア以後、記録は伸びたが伸び悩み、
    日本でも何かを発見したかった。

    細い糸を繋ぐように、ブレンダン・ライリー、
    河野匡(大塚製薬陸上競技部監督)、
    大串亘(わたる国際陸上競技連盟公認競技者代理人)
    立命館男子陸上部、アマチュア・ランニングチーム『ブルーミング』監督・主催高尾憲司とその仲間たち、
    日本語に堪能な友人マックス、
    子供達の移住先の条件、シュタイナー学校とPTAの友人、
    走ることに真摯な近所の高校生燎平と友人たちを通して、
    日本の長距離界の頂点「駅伝」に行き着く。

    その精神性と、その他の長距離競技との違い、
    果ては練習方法の問題点、などなど。

    長距離特にマラソンや駅伝の、日本国民の注目度が
    こうも他国と違うのはなぜか?
    なぜ、世界記録も越そうかという記録を持ち可能性をもつ
    選手がその後活躍できないのか?
    マラソンに向く体躯の日本人の持つコンプレックス。
    選手にはどう見ても、中距離にその特性が発揮できる選手がいるが
    日本ではいつもまずは「駅伝」のための練習。
    そして、世界の選手が嫌がるロードでの練習量。
    科学的データでなく根性論が未だ残る古い体質(変化しつつある)

    問題点を検証しながら、今を模索する新しい指導者と共に
    自らも駅伝に本気で参加しようと。。。

    「ええっ?」「おぉ〜〜ぅ。。。」
    世界から見ればそうだったんだ。。。
    これだから、ドキュメンタリーは面白い。

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    2016年06月09日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    「NSAは外国人にかぎってプライヴァシーを侵害します。」実際には全員が対象。

    NSAの資料が公開され、アメリカのデータ盗みが明らかになった。外国首相のケータイを盗聴していたのもすごい話だ。

    データの内容ではなくメタデータを集めたのはとても興味深い。つながりを追えば内容もわかるのは面白い。

    メディアが国の従僕であるという批判は、全世界で共通のものだと感じた。

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    2016年05月29日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    キム•ソンジョン 金聖鐘 星山聖鐘そして織原城二、これが15年前に起きた『ルーシー•ブラックマン事件』の犯人であり同一人物である。彼は今無期懲役囚として服役中ではあるがルーシー•ブラックマンへの殺人罪には問われていない。それ以外の女性に対する罪で裁かれたのだ。
    ルーシーへの決定的な証拠はない。が、死ぬ直前まで一緒にいたのは事実。これらの謎、いや織原城二という謎の資産家と織原から見舞金として1億円を受け取ったブラックマン一家の人生を徹底的に調査したルポルタージュ。
    これは日本人ではなく著者であるイギリス人記者だからこそ中立的に調べることができたのではないだろうか。小説としても読み応えのある1冊。

    とにかく織原城二、怖いわ。

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    2016年01月31日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    ルーシー・ブラックマン事件のルポルタージュ。被害者家族、被疑者の生い立ち、六本木事情、日本の警察と司法のあり方。様々な要素を複合的に描き出しており、個別の事件への興味は置いておいて読むに値する一書。
    著者は英国人であり、在日である被疑者(犯人で間違いないと思うけど一応)の生い立ちと立ち位置が日本人が書くものと違い、政治信条的にフラットに書けていることはこうした複雑な題材を取り扱う上で随分とメリットであったと思う。

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    2016年01月12日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    この事件のことは憶えている。犯人が捕まった後に聞こえてきた事件のおぞましさ。悪魔の所業に吐き気がしたが、何となく自分には関わりのない別世界の事と考えていたような気がする。
    でも、本当にそうだったのか?この本を読むと
    今もなお残る謎、ある意味平凡な人間が陥ってしまった闇の世界の存在にただ戦慄する。
    あとがきにもあるように、イギリス人記者の丹念な取材、構成力による読み応えのあるノンフィクション。まさに「事実は小説より奇なり」日本語訳も素晴らしい。

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    2015年11月16日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    事件ノンフィクションには、しばしば下世話なのぞき見趣味を刺激するものがあって、読んでる自分が嫌になってくることもしばしばだが、これは違っていた。被害者と加害者の双方、本人はもちろん家族や関係者のプライバシーにかなり踏み込んでいるけれど、興味本位に暴き立てる感じがなく、こういうのって非常に珍しいと思う。

    著者は、英国「ザ・タイムズ」紙アジア編集長および東京支局長で、滞日20年だそうだ。さすがに日本のことをよく知っているなあと思わされる。繰り返し言及されている、日本の「水商売」のありようとか、警察の捜査や司法制度についての疑問・批判には、若干西欧中心的な感じがあるものの、なるほど「外」からはそう見えるのかと納得するところもある。事件について、「特異な犯人の冷酷な犯罪」という側面にとどまらず、日本社会の一面をあぶり出していく書き方になっていて、そこが優れていると思った。

    これはかなり騒がれた事件だったと思うが、詳しいことは知らなかったので、まずそのドラマティックな展開に驚かされた。犯罪小説そこのけ。でも、ここに登場する人たちは誰一人型どおりではない。特に被害者の父親が、「期待される被害者遺族像」からかけ離れていて、そういえば当時もバッシングの対象となっていた記憶がある。このティム・ブラックマンがもっとも印象的だが、どの人にも、どの家族にも、傍目には窺い知ることのできないそれぞれの「生」がある。多くの人に知られるはずもなかったその姿が、非道な犯罪によってさらけ出されてしまう。二重の恐ろしさを感じた。

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    2015年10月20日