濱野大道のレビュー一覧

  • 詐欺師をはめろ 世界一チャーミングな犯罪者VS.FBI

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    この人物をチャーミングと言うならば、この言葉はなかなか難しい。
    実在した詐欺師と二人の潜入捜査官との話である。
    人の心理を読み、人を操ることに長けたこういう人間は恐ろしいの一言に尽きる。
    最後に逮捕後、捜査に協力する様子が描かれるが、他人の指揮下で大人しくしていたのは、多分健康状態に問題があったからだろう。
    潜入捜査も手法としては危険なのだということが良くわかる。

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    2021年04月25日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    【感想】
    この本を読んでいるとき、通信傍受に関する事件が日本国内でも発生していた。

    LINE株式会社が自社のサーバーを中国に置いており、LINEに登録されている日本人の個人情報やプライベートな会話を、システム管理を委託していた中国企業の技術者が閲覧可能な状態にあった。その後同社は中国からのアクセスを完全に遮断し、サーバーを日本国内に移すことを発表している。

    このニュースを見て、私は、「今さらなんだ」という感想を抱いてしまった。LINEが個人情報を外国に流していることなど周知の事実であり、それを割り切りながらサービスを使っていたのではなかったのか、と考えてしまったのである。

    そして同時に、

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    2021年04月14日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    人に出会う。人間は人に出会うとまずは他人を信じてしまうという癖がある。そして、人の考えは顔色や態度を見たら分かるという「透明性」の誤謬があるという。人は複雑で簡単に分かるものではない。う~む、それならどうしたらいいのかな?どれぞれのトピックは面白かったけど、他者とどう付き合ったらいいかという結論はでていないようだけど…。

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    2021年04月10日
  • 駅伝マン 日本を走ったイギリス人

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    イギリス人から見た日本におけるスポーツの立ち位置、在り方を通じて日本人論としても読める一冊。学生やアマチュアにおいてはスポーツとは人間形成の一環であり、努力、忍耐が必要とされ、和を尊び「チームの為に」目標とする箱根駅伝で燃え尽きる長距離ランナーの現状。
    なぜ日本でここまで駅伝人気があるのか、半年間の日本滞在でよく考察されていて非常に面白かった。
    駒澤大学の大八木監督も登場するが、駅伝名物「男だろー!」の発破は西洋人から見ると翻訳できない日本独特の観念だろう。
    この本が書かれた2014年からは科学的根拠に基づいたトレーニングや調整方法が取り入れられ変わってきている部分も多いけど、スポーツとは愉し

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    2021年03月03日
  • 正義の行方 ニューヨーク連邦検事が見た罪と罰

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    著者は2009年オバマ大統領に任命され、2017年にトランプ大統領に罷免されるまで、連邦検事としてインサイダー取引、麻薬取引、武器売買、ギャング・組織犯罪、サイバー犯罪、マネーロンダリングなど、ニューヨーク州における刑事・民事事件の捜査・訴訟において指揮をとってきた。格差と分断がひろがる社会のリアル人間模様にみる現代の「罪と罰」を通して、司法の立場から、ひとりの人間として「正義とは何か」「正義はどこへ向かうのか」と真摯に読者に問いかける。
    かなり厚みがあり読み終えるまでに結構時間を費やしました。正直アメリカと日本では裁判制度も量刑の重さも全く異なる(そもそも日本では銃犯罪はほとんどないし)ので

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    2020年10月11日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    アメリカの度を越したぶりを内部告発し、大きなニュースとなり一躍名が広がった元NSAとCIAに勤めたスノーデン。ジャーナリストである著者が彼から受け取った多くの機密文書とともに、告発に至った経緯を綴る。定番のやりとりなんかはスパイ映画さながらで、これがリアルに行われていたのだからなおさらドキドキ。US政府やマスコミによるキャンペーンの実情や大手通信会社とのつながり。監視にかけられている税金額もすごい。みんなが知っておくべきことだと感じた。

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    2020年08月26日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    マルコム・グラッドウェルの新刊は、他人とのコミュニケーションの難しさを語った一冊。ビジネス書というよりはノンフィクション小説に近い内容(400ページ超とかなり長い)、 2015年に発生した、黒人女性が車線変更時に方向指示器を出さなかっただけで白人警察官に逮捕され、自殺した事件の本当の原因を、さまざまな事例を通して解明していく。中でもキューバのスパイが長年CIAの中枢に潜入していて、誰もスパイだと気付かなかったという事例は、ショッキングだが、簡単に他人を信用してしまう人の思考など学べることも多かった。

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    2020年08月21日
  • 黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

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    リンゼイさんの事件と大分混同していた。あれ、犯人は逃げてた人じゃなかったっけ、みたいな。
    でも、ずっと恐ろしい事件だった。

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    2020年08月17日
  • トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~

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    とても良い本。人間がなかなか他人を理解できない事を事実に基づいてきちんと説明している。これを読むと、むしろ人に会う方が間違った判断をする気すらしてくる。人間の本質を新鮮な視点から説明しているが、社会への処方箋にはなっていない。

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    2020年07月24日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    イングランド北西部、湖水地方の羊飼いの暮らしがどういったものであるかを回顧録的に綴ってくれている一冊。
    自身、だいぶ昔に湖水地方でないがイギリスを旅したときの電車からの風景、透き通った青空の下、木々の少ない一面牧草地の広大な丘があってそこに沢山の羊が放牧されていた風景をふと思い出しました。

    私は日本の畜産農家の下で生活したことがないので、完全に想像の域であるが、日々の生活や人間関係など、日本のそれと結構近いものがあるんじゃないかなって想像してしまった。
    コントロールできない自然現象との戦いに泥臭い人間関係、でも都会の生活より圧倒的に人間らしさを感じれる、そんなことを読んで思い考えました。

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    2020年01月11日
  • 詐欺師をはめろ 世界一チャーミングな犯罪者VS.FBI

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    原題が「Chasing Phil」なので、するすると間一髪でたくみに逃げていく詐欺師をFBIが追うという、プリ夫さんの映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」みたいな話かな?と思っていたら、まったく逆だった。FBI捜査官が詐欺師にあっちこっち連れまわされて飲まされまくるという話だった。
    タイトルは、chasing っていうより dragged by の方が正しいんでは?

    この事件の捜査が行われたのは1970年~80年初頭、ってことで、先に読んだ「花殺し月の殺人」の頃の、カウボーイの延長のようなFBI(1920年代)と比べれば、もう十分に「現代」だな、と思って読み始めたけれど、二人の捜査官が

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    2019年12月19日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    ネタバレ

    本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。

    審判を抱き込む
     公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
     裁判所を支配する
     メディアの買収
    対戦相手を欠場させる
     対立している相手を操作、逮捕、投獄、訴訟
     実業家を標的にする
     文化人を抑圧する
    ルールを変える
     選挙区の変更
     投票の制限
    「危機」を訴えてこれらを正当化する

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    2019年09月18日
  • 駅伝マン 日本を走ったイギリス人

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    広島県三原市 冷たい手を掖に挟み、校舎の壁際で時間を潰しているよりはずっと愉しそうだった。 参加者としてではなく、見学者としてレースを見ていると、いつも同じ思いが頭をよぎる。何故、自分は参加していないんだろう? 誰もその牙城を崩し崩すことことは出来ない 上尾シティハーフマラソン 拙速な判断は避けたかったが 世界で最も深いバイカル湖の湖畔に坐ってアイスクリームを崩し食べたり ウラジオストク到着時間までのカウントダウンが始まっていた 未知の場所を探索する方法としてランニングを愉しんだものだ どんな事にも効果覿面だと話す彼は うやうや恭しくお辞儀し 促した 夜のしじまが一層増した気がした すうけい崇

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    2019年01月02日
  • ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学

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    前作「響きの科学」で、豊富なブリティッシュ・ジョークと共に音楽を主に音響物理学の観点から解説した著者が、今回は心理学や脳科学の知見から、音楽が人の心理や行動に与える影響を面白おかしく説明する一冊。

    音楽を愛する人であれば、一度は疑問に感じたりするようなことに対して、ちゃんとした理論的説明が行われて、その疑問が氷解していくさまを体験できるのはやはり楽しい読書体験というほかない。ただ、前作に比べると、多少パワーダウンしているような気もしないではない(主に著者特有のブリティッシュ・ジョークの面白さにおいて)。

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    2017年11月19日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    イギリス湖水地方の羊飼いの手記。
    羊飼いというと、羊の大群を引き連れて散歩させて羊毛を刈って生活をしてるのかな、とテキトーな想像をしていたがそれは誤り。
    彼らの生計は育てあげたよい羊を売ることで成り立っている。それを行うにはまた色々なTo Do listがある。親の雄羊&雌羊の最適な組合わせを見つけ、羊が繁殖に専念できるよう環境作りを注意を払う必要。産まれた羊飼いが健やかに育つよう、エサ(干し草)の確保。広大な牧場で羊がどこかに行ってしまわないよう、牧羊犬との連携などなど。
    先代からの伝承を受け継ぎ、時には破壊的な大自然を前にして、羊飼いは日々従事している。
    生と死の場面に何度も遭遇する仕事で

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    2017年09月17日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    発達した今、どれだけの情報が、自由に、自在に操られて、操れるようになっているか。

    プライバシーなんて、もう、ないのかもしれない。

    そんな世界が近い、
    警鐘を鳴らしても、これが進化なのかもしれないなと、危機感薄く、私は思った。

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    2017年08月08日
  • 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

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    英国スコットランド湖水地方の伝統的な手法で牧畜を営む一家の生活史であり、著者の青春記でもある。四季に分かれた章立てで、夏から始まり、冬から明けた春で終わる。自然を相手に生活をする者にとり、春が特別な季節であることが良くわかる。

    牧羊の記録は興味深いけれど、帯に書かれた絶賛調ほどワクワクはしない。
    ハーバード大卒業の著者紹介から、牧羊農家の社会的地位の低さが感じられ、そのギャップが話題なのか、欧米文化での湖水地方に対する憧憬の念がそうさせるのか、読み物としては平凡な印象だ。
    生活史か、青春記か、どちらかに軸足を振っても良かったと思う。

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    2017年06月10日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノーデンさん正義感強いなあ。
    個人的には、別にそんなに悪いことしてる訳でもないので、別に監視されててもいいなあ、それでテロも防げるなら、って思った。笑

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    2017年05月14日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    ネタバレ

     オリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」を補完しようと読んでみた。
     本書の前半は、映画の香港でのシーンそのままだ。本書を読んで、スノーデンの決意、その貴重な情報をいかに効果的に世に問うかに煩悶とする<ガーディアン>陣営の苦悩が良く理解できた。本書を読んで、映画を再度見直したくなった。

     映画ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが実に人間味のあるスノーデン像を演じきっていて、実物以上の好人物と思って観ていたが、本物のスノーデンも実に知的で思慮深く、なにより覚悟が素晴らしい。
     言葉のひと言ひと言が、実に深い!

    「マスメディアの自由闊達な精神の保持とインターネットの自由のために戦ってくださ

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    2017年03月03日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    アメリカのNSAがあらゆる電子情報、通話記録などをなんでもかんでも収集していることを暴露したスノーデン氏のこと、および体制の顔色をうかがうジャーナリズムへの警鐘が記載されている。

    スノーデンから筆者への最初の連絡が2012年12月1日。それからすでに4年以上経過しているが、きっと今でもNSAは情報を集めているだろうし、人々はそれに慣れきってしまっているように感じる。

    ちょうど映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開されているのだが、やはり喉元過ぎて熱さをわすれるんだな、人間は。

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    2017年02月23日