羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

小説・文芸
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太陽が輝き、羊たちが山で気ままに草を食む夏。競売市が開かれる秋。羊を死なせないよう駆け回る冬。子羊が生まれる春。羊飼いとして生きる喜びを、湖水地方で六百年以上つづく羊飼いの家系に生まれた著者が語りつくす。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー

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羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    羊飼いだけでなく農業をする人たちに
    尊敬を通り越して畏敬の念を覚えてしまう
    すごく大変だけど素晴らしい人生
    写真は殆どないのだけどハードウィック種の羊を
    想像しながら読む かわいい
    こういう生き方や考え方がいつまでも残って増えていったら 地球ももっと良くなるのだろうなと思った

    0
    2025年07月10日

    Posted by ブクログ

    自然の描写を読んで想像するだけで清々しかった。

    羊飼いと聞くとのどかなイメージがあるけど、実際の仕事はとてもハードだ。
    体力的にもハードなのはもちろん生き物の生死に触れるという点から精神的にもハードだと思う。

    また品評会や、仲間との腹の探り合いなど、人間らしい力が試される場面があることも意外だった。

    また、その中で観光産業や、工業化にも言及しており、伝統と商業を両立することの難しさも感じた。
    昔から変わらない風景というのは、なかなか難しいけどあってほしいと思う。

    著者が羨ましいと感じる点は、自分のしたいこと、すべきことが幼い頃からわかっていて、それに向けてまっすぐ努力してきたということだ。
    私もいつか著者のようにそれ以外にないと思えるようなことを見つけて取り組んでみたい。

    謝辞では心が温かくなった。
    普段触れることができない湖水地方の羊飼いの生活を垣間見れて心から嬉しい。

    0
    2019年08月28日

    Posted by ブクログ

    イギリス湖水地方で、600年以上に亘り代々牧羊を営み続けてきた家庭に生まれた著者の半生。夏、秋、冬、春と4つの章立てで構成されている。祖父や父に学び、恐らく著者の幼い子供も同じく、他の選択肢なく羊飼いを生業とすること(その繰り返しが600年間継続している)、時に過酷な自然環境、生き物の生死、生き物の血や体液が日常にある生活、子供たちに当たり前のように体験させる著者の考え、などが、取り立ててドラマチックではなく淡々と描かれている。
    是非とももう一度読みたい。

    またまた読んだ。なせだか、読みながらいつも思い浮かべるのは、上高地の山小屋の人々。先祖(といっても上高地の山小屋はまだ三代目とか四代目で湖水地方の600年には程遠い)から引き継ぎ、美しく、厳しい自然と向き合う。先祖から引き継いだ生業であるけど、その場所は自分たちの所有する場所ではない(国立公園)。先祖から一家総出で守ってきたけど、多くの観光客が勝手に通り過ぎる。場所を守るために、厳しい言葉も通り過ぎる人々に投げかける。義務を守りながらも、多くの観光客は通り過ぎるだけ。

    0
    2020年01月31日

    Posted by ブクログ

    ピーターラビットやワーズワースを読んで憧れて、旅行したときには景色の美しさに感動した湖水地方、そこでの羊飼いの暮らしが描かれている本だというので興味深く読んだ。
    「羊飼い」という言葉にはなんとなくのどかな印象があるが、実際は、当然のことながら厳しい。しかし著者は、家業だから仕方なく継いだのではなく、好きだから自分で選び、誇りを持って続けているということが伝わってくる。
    ビアトリクス・ポターは湖水地方の景観を保全するためには、ハードウィック種の羊での農場経営が重要だと考えていた。著者はそれを実践している人たちの1人だ。ワーズワースは湖水地方を独自の文化と歴史が根づく場所と考え、訪問者もそれを理解しなければ訪問者自身がこの地を特別たらしめるものを消し去る負の力になってしまうと主張していたそうだ。著者も同様で、農場経営は著者自身の生活のためというだけでなく、独自の文化と歴史、美しい景観を守るために自分が果たす役割だと考えている。ピーターラビットや詩を軽く読んだだけでは読み取れていなかったことを、この本を読んで理解できた。
    著者の半生が描かれているが、時系列ではなく、章立ては季節ごとになっている。農場での仕事は季節ごとにやることが決まっており、天候や羊の状態によって調整はするものの、基本的には同じことをコツコツと、何百年も前から続けてきたし、これからも続けていく。そんな書き方でいながら、著者が子どもの頃から今までどんなふうに生きてきたのかがちゃんとわかるようになっているのもおもしろかった。

    0
    2024年03月17日

    Posted by ブクログ

    “私たちのような家族は長い絆を護りながら、時代を超えてお互い寄り添い続ける。人は生まれて死んでいくが、農場、羊の群れ、昔ながらの家族のつながりはずっと続いていく。”

    土地に染み込んだ家族の記憶、土地の景観を形作った何世紀にも渡る牧畜のシステム。自らはその一部なんだ、自分の後にも続いていく大きな流れに含まれているんだという帰属感が、著者の人生を形作る。
    しかし著者は伝統を重んじて、ただ家業を継いだ訳ではない。

    立派な羊飼いである祖父に憧れた幼少期、農場経営方針で父親と対立し新しい生き方を模索して大学に通う青年期、牧畜を生涯の仕事でと定めて家庭を築き、そして家族経営農場で子供達を育ていく著者の半生記が、夏・秋・冬・春の各章にて湖水地方の情景と四季に応じた仕事の描写に織り交ぜられて語られていく。
    大学やロンドンでの都市生活、ユネスコの観光プログラムアドバイザーとして各国の伝統的農業地域を巡る中で、もはや事業としては成立しなくても、次世代へ牧畜技術を繋ぐことの重要性と湖水地方の牧畜が持つ文化的意義を、著者は再発見していくのだ。

    時制を軽やかに超えることで生き生きと伝わる文章、美しい自然描写など読みどころが多いが、農場での仕事に対する溢れんばかりの愛情と自らの生き方への充足感がひしひしと伝わるところが最大の魅力だろう。
    羊の品評会で賞を獲得するビアトリクス・ポターに対して羊飼い達が敬意を表するエピソードや、著者の人柄が偲ばれる謝辞ー特に子供達への想いーには、ほっこりとする。

    読後に、改めてカバー写真を見る。
    羊の赤い背中や、遠く離れた場所で牧羊犬の活躍を見る人影など、最初に手にした時とは違う視点で美しい風景を見れることだろう。
    清々しい気分で読み終えた。




    0
    2024年01月31日

    Posted by ブクログ

    ひつじ好きとしては読まねばならぬと思っていた本。

    湖水地方を「夢の場所」として描く作家たちに反感をおぼえる若い頃の著者。まあわからなくもない…大切なのは、そのあと、「本当の」湖水地方について書こうと考えたこと、だと思う。言葉にするのって、本当に大事。

    仕事はぜんぶ祖父に教わったという。そうやって受け継がれていくことがある一方で、家族というものはままならないなあと思う。
    母親が冷蔵庫に貼ったマグネットに「つまらない女性の家は汚れひとつなくピカピカ」と書いてあったというのが、とても、とても…そのマグネットほしい!

    ところで、冬はひつじを羊舎に入れたらダメなのかな…過酷…
    羊飼いの杖かっこいいな…角を加工するのとか憧れるよねえ。
    羊毛を売っても利益にならないというのが悲しい。羊毛の活用については言及されてなくて、ちょっと残念。

    著者のTwitterを見ると、高原にひつじの群れ!
    日本では見ない品種のひつじ!
    やっぱりひつじ好きには夢の場所では…と思ってしまう。

    0
    2022年11月14日

    Posted by ブクログ

    まさに「ランドスケープ=風景そのもの!」

    イギリス湖水地方に代々続く羊飼いの四季の営みを綴ったもの。
    美しく豊かな風景がそこに存在するということ。それはつまりその風景を守り維持する生活が根ざしているということ。

    四季を通して羊飼いの過酷な生活が綴られ自然の美しさと厳しさも綴られている。著者のユーモアを交えた文章にどんどん引き込まれる。

    著者は羊飼いの息子として生まれ、後にオックスフォード大学を卒業、現在はユネスコのアドバイザーとしての一面もある(著者紹介より)

    ランドスケープ、里山などの持続可能な開発...
    それらの仕事に携わる人たちにも是非一読してほしい本だと思う。

    目の前にひろががる広大で美しい風景...
    そこには四季があり、生活があり、そしてそれは一夜にしてできたものではなく何世代と途切れなく続いた営みに支えられている...とういうことを忘れてはいけないと思う。そんな一冊であった。
    素晴らしい!

    0
    2020年08月23日

    Posted by ブクログ

    ワーズワースやベアトリクス・ポターが愛した湖水地方で代々羊飼いを生業としてきた著者とその一族を語る。
    湖水地方の春夏秋冬とともに、羊飼いの仕事を綴りつつ、祖父母から父母・著者とその家族の日々を綴る。

    学問など何ぞや、羊飼いとしての経験と知識こそ最も信頼される社会。著者もまた、幼いころから祖父について回り羊飼いのノウハウを体験で学んだ。進学することなど考えてもみない、ちょっと乱暴な仲間たち。そして何よりも頼りになる先祖伝来の羊飼いの知恵。そんな環境の中、著者は祖父・父と続く羊飼いの道を歩む。
    そんな中でも、母親の配慮で本を読む楽しさは知っていた。そして、進学の道を進んだ妹たちと自分を比べても、何の遜色もないことを知り、羊飼いとして父親と対立したときに大学進学を選ぶ。大学以前の学校教育を中退していた著者であったが、その知識と体験でオックスフォード大学に入学を果たす。大学なんかに行く変わり者、と少し笑われながらも大学教育を受けたことは、この著書を始めとする著者の現在の活動の大きな転換点と言えるのでは。

    伝統的な羊飼いの暮らしを綴り、ともすれば迷惑ともなる観光客のふるまいや、口蹄疫で羊や牛を処分しなければならなくなったことなど、深く考えさせられる。
    ウィットに富む語り口の中に、自然や動物を育てる生業の厳しさを強く感じさせる。
    ジーンとしてしまう場面、多々あり。

    0
    2017年10月01日

    Posted by ブクログ

    羊飼いの暮らしは、”牧歌”じゃない。全然牧歌じゃない。

    イギリス湖水地方と言えば、牧草地帯の美しい四季、ピーター・ラビットなどを思い浮かべ、のどかで豊かな自然の中での暮らしに憧れる、観光客にも人気の場所だ。
    でもそこには(どこでもそうだが)、観光客が見ている面とはまた違う日々の営みがある。

    何世代にも渡る経験と知恵があってこその羊との暮らし、プライド、美しくも過酷な自然、その前にあっては手だても虚しく涙を飲むばかりの口蹄疫。。。

    読み終えると、筆者の充足とプライドに、爽やかな気持ちになった。

    0
    2017年04月14日

    Posted by ブクログ

    美しい景観とロマンチックなイメージのイギリス「湖水地方」だが、19世紀にワーズワースによって見出され、20世紀後半に観光地化が進むまでは、外部との交流が少なく、夏の間は山腹の共有地で羊を育てる昔ながらの伝統的な牧畜地域であったらしい。そして、そのようなファーマーの生活を今も続けている著者が、自然相手の厳しい羊飼いの暮らし、彼らの誇りと喜び、そして、自分たちが過去から未来へと連綿と続く鎖の一部であるという実感について、彼の家族史を含め、リアルかつ生き生きと描いている。かなり厚い本ではあるが、読むに連れて面白くなり、どんどん惹き込まれていく。
    ピーターラビットの作者であるベアトリクス・ポターが自分の農場の羊と一緒に写っている写真も載っているが、写真や図版はほとんどなく、残念ながら、風景、各種の羊、農場の施設や農機具などのイメージがあまり湧かない。牧畜と縁の薄い生活を送る我々には、言葉だけの説明では、ディテールが必ずしも正確に理解できないという点は、率直に認めざるを得ない。

    0
    2017年04月08日

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