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『第1感』『天才!』などの世界的ベストセラーを送り出してきたグラッドウェルが、多様な実例と鋭い洞察力によって、人間の性質の暗い側面に関する定説の誤りを暴き、「他者といかにつきあうか」という人間の根源的な営みに新しい光を当てる。他者と出会う機会がかつてなく多い時代における必読の書!
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Posted by ブクログ
面白い!国際スパイ、伝説の米ドラマ『フレンズ』など、論拠とするエピソード描写が映画のように鮮やか。全体の構成は、筆者のそれ自体シンプルな主張を、少しずつ緻密に裏付けていく仕様で、頭の整理には少々労力がいる(他の方が書いていたように、訳者あとがきがだいぶん助けになった)。長さと複雑さを、エピソードの推...続きを読む進力で読ませる感じ。
とてもおもしろい。知らん人々を推測するというのはやはりむずかしいわねえ。しかし情報量が多くて読むのにけっこう苦労した。読書家向きていうか。
自分がよく知らない人と話すときに、どうすればよいかー。 物語調に進んでいくこの本は、黒人女性が些細な理由(車線変更時にウィンカーを出さなかった)で違反切符を切られるところから始まる。 女性は投獄され、獄中にて自殺した。 この事実は、アメリカ中に拡がり、 世間は黒人に対する差別だ、偏見に満ちた警察...続きを読む官だ、と声を荒げたが、事実はそれほどにも単純なことなのだろうかと、著者は問いかける。 もっと根源的な、 「知らない人に対するコミュニケーションの誤り」 が、関わっているのではないか。これが改善されなければ、きっと再び同じ悲劇が起こるだろうと。 さまざまな事例をもとに、知らない人に対しての人間のふるまいに触れていく。 「デフォルトで相手を信用する」「その人のことを知れば知るほど判断を誤る」そして、「結びつき」。 この事例から学ぶことは多い。 私たちは、知らぬうちに相手を単純化して、顔を見れば全てがわかると思い込む。 そして、悪いことが起こるのは、環境のせいではなく、そこにいる人間のせいである、と。 先入観だったり、偏見だったりを、丸ごとひっくり返してくれる一冊でした。 この本で学ぶべき大切なことは、ほんの数行で終わるかもしれません。 しかし、この事実を咀嚼する為には、この分厚い本に立ち向かうべきだ、と思います。 知ることと、それを理解することは、全く違います。 同じことを再び繰り返さないためにも…。
日本ではノンフィクション版の村上春樹と言われるベストセラー作家のマルコムグラッドウェル。 多くの事例をもとに、なぜ人は他人を誤解したり、決めつけてしまったりなど、正しく理解できないのかを明快でわかりやすいストーリーテリングで示してくれた本。 サンドラ・ブランドに起きた一つの悲劇を簡単な見方をするので...続きを読むはなく、多くの事例から他人に対する理解の難しさ複雑さをパズルが組み合わさっていくように、その深い洞察から示唆してくれるのは読んでいて非常に気持ち良いものであった。
人はなぜ他人のことを正しく理解できないのか、採用面談でも相手のことを正しく理解できないとこが多い。人は必ずしも自分が想定したリアクションをしないということが原因なのだろうが、ではどうすればいいのか。会わずにデータだけから判断すれば良いのかもしれないが、相手の客観的データは入手困難な場合が多いしやはり...続きを読む難しい。謙虚に見かけでは分からないことを肝に命じるしかない。
今まで会って話せばわかると思っていたけど、却って会ったからこそ難しくなることもある。判断にはいろいろな影響があることを知つておけてよかった。
自己と他者の間にある絶対的な壁をどう乗り越えるかというのが、この作品の主題。 人は相手を信用するよう初期設定されているというトゥルースデフォルト理論。人の感情は、表情に如実に現れるという透明性の嘘を暴く誤謬。飲酒によって目の前の経験が見えなくなる近視理論。行動と場所が密接に関連しているという結びつ...続きを読むき理論。小難しい理論を並べたが、この本にはそれらのモデルとなるエピソードがそれぞれ挿まれるので、その話により理解できる。 しかし本著が最もこだわった黒人女性のケース。この話からの学びは何だろう。サンドラ・ブランドは、車を運転中に方向指示器の合図を出さなかったとして警官に止められた。警官は車から出るように命じたが、彼女はそれを拒み、警官の対応はエスカレートする。 黒人への偏見?挙動に対しての過剰反応?素直に車から出れば良い、と先ずは思う。彼女は身体や精神の問題を抱えながらも、生活を何とか立て直そうとしていたところ。新しい街に引っ越し、新しい仕事を始めるところだった。逮捕された彼女は取り乱して泣き続け、3日後に自殺した。 アメリカの世論は彼女に対して同情的だ。確かに、警察はやり過ぎた。しかし、彼女が問題を抱えていたなんて、だから警官の指示に従わなくて良いなんて事があるだろうか。そして、自殺されても、そこまで感情移入してのケアはできない。それぞれの巡り合わせの悪さだ、と思うが。 どんな理論を並べようと、私はあなたにはなれない。世論は、人ごと。同情も、人ごとだ。その人の精神や肉体の保有者ではないのだから、他者を知るなんて事は、部分的にしか出来ない。
すごく重く深い本でした。 アメリカで白人警察官が黒人女性を路上で逮捕するという2015年に起きた事件を元に、数々の実在の犯罪や事件を取り上げて検証していきます。 スパイやテロ犯罪など日本で普通に生きている私とかけ離れたことも多く、悲惨な事例もあり読み進めるのがつらかったりしましたが、それを取り上げる...続きを読むことで最初にあげた事件の真実を考えることにつながるという納得の展開でした。 「私たちの予想どおりに相手が行動しないこと」と思い込みから生まれる誤解や悲劇。 日常生活にもあることだと思います。 「見ず知らずの相手とコミュニケーションを取ることのむずかしさ」 最近社会での他者への批判や誹謗中傷がひどくなっているようにみえますが、やはり原因はこのような、自分は正しい、相手がこうしないのはおかしいと思い込んでしまうことなのではないかなと感じました。 「私たちは、見ず知らずの相手の心の内を読み解く能力に限界があることを受け容れなくてはいけない。」 「われわれに必要なのは抑制と謙虚さだ。」
人に出会う。人間は人に出会うとまずは他人を信じてしまうという癖がある。そして、人の考えは顔色や態度を見たら分かるという「透明性」の誤謬があるという。人は複雑で簡単に分かるものではない。う~む、それならどうしたらいいのかな?どれぞれのトピックは面白かったけど、他者とどう付き合ったらいいかという結論はで...続きを読むていないようだけど…。
マルコム・グラッドウェルの新刊は、他人とのコミュニケーションの難しさを語った一冊。ビジネス書というよりはノンフィクション小説に近い内容(400ページ超とかなり長い)、 2015年に発生した、黒人女性が車線変更時に方向指示器を出さなかっただけで白人警察官に逮捕され、自殺した事件の本当の原因を、さまざま...続きを読むな事例を通して解明していく。中でもキューバのスパイが長年CIAの中枢に潜入していて、誰もスパイだと気付かなかったという事例は、ショッキングだが、簡単に他人を信用してしまう人の思考など学べることも多かった。
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