われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

炎上、フェイクニュース、格差社会…ヒトの残念な習性は太古から備わる生存戦略が理由だった!?

数百万年前から続く人類の「心の進化」をひもとき、現代人の幸せのヒントを提示する話題の書!

人類は、絶望に突き動かされ発展した。

われわれの進化した心理は、幸せとそれを追い求めることと密接に絡み合っている。つまり豊かな暮らしを送るということは主として、進化の命令にしたがうということなのだ。
――本文より

気鋭の心理学者が明かす人間の「進化と幸せ」の知られざる関係――

進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略
○ホモ・サピエンスの生き方に現代で一番近いのは、マフィアや麻薬カルテルである。

○心の機能が生まれてからほどなく、人類がはじめて嘘をついた日が訪れた。
○暴力レベルの高い文化では、礼儀正しさのレベルも高いことが多い。
○われわれが遠くの人より近しい人の成功を妬む理由とは?
○IQの高さは必ずしも仕事の成功につながらない。
○多く人が自分のルックスを「実際より20%増し」で考えている。
○自信過剰は対人関係に大きな利益をもたらす。
○情報収集が偏っていればいるほど、人は説得力を増す。
○偉大なイノベーションを起こす人ほど“非リア充”ある。
○ヒトは未来に目を向けて現在を無視する傾向がある。
○なぜわれわれは「いつも」幸せでないのか?
○高齢になってからの孤独は喫煙よりもはるかに危険である。
○「モノよりコト」が理にかなっている理由とは?
○過度の幸せは経済的な危機につながることがある。
○男子はなぜリスクを冒すのか?
○危険な男は女子にもてる?
○出会い系サイトで出会ったほうが離婚しない?

進化心理学とは、進化がどのように人間の遺伝子を作り上げ、それが我々の心をどう形作ってきたのかについての物語である。

◆目次より

はじめに
遠い祖先の考えや行動について知る方法/氏(ルビ:うじ)か育ちか?

[第1部 われわれはどのようにヒトになったのか]
第1章 エデンからの追放
ディクディク・ヒヒ戦略/ライオンに石を投げつける/集団行動の心理学/集団行動がもたらした認知革命/
わたしたちをヒトにした社会的跳躍(ルビ:ソーシャル・リープ)

第2章 出アフリカ
直立歩行/ホモ・エレクトスからホモ・サピエンスへ/
複雑な社会的関係のために必要な大きな脳/心の理論/教育と学習のための心の理論/
心の理論と社会的操作

第3章 作物、都市、王様――農業シフトがうながした心の進化
農民の心理/私有財産/私有財産と男女不平等/
政府だけでなく、階級、搾取、奴隷を生み出した農業/村から都市へ/インターネットによる回帰
第4章 性淘汰と社会的比較
性淘汰/セクシーであることの意味とは?/(社会の)相対性理論

[第2部 過去に隠された進化の手がかり]
第5章 ホモ・ソシアリス――社会的なヒト
社会的知性/自制心の進化/自制心を超えて――大きな脳の社会的利益/自信過剰の社会的利益/
自己欺瞞は自信過剰のためだけにあらず/自己欺瞞の効果

第6章 ホモ・イノバティオ――革新するヒト
社会革新(ルビ:ソーシャルイノベーション)とは何か?/社会革新仮説

第7章 ゾウとヒヒ――道徳的・非道徳的なリーダーシップの進化
ゾウとヒヒ/ゾウ型・ヒヒ型のリーダーシップ/事例研究――ハッザ族とヤノマミ族/
ヒヒ型リーダーの出現と不平等/小規模な社会から大規模な企業へ/
道徳的リーダーシップを生みだす方法

第8章 部族と試練――進化心理学と世界の平和
集団間ではなく集団内で協力するように進化したヒト/集団同士の関係をぶち壊す相対性/
自己欺瞞的な偽善者に進化した人間
[第3部 過去から未来への跳躍(ルビ:リープ)]
第9章 進化はなぜ人間に幸せをもたらしたのか
なぜ人間はいつも幸せではないのか?/幸せと健康

第10章 進化の命令のなかに幸せを見つける
幸せへの進化的ガイド/幸せと生き残り/協力と競争/幸せと学び/幸福、性格、成長/
現代世界の落とし穴/楽しい人生にたどり着くための「10の簡単なステップ」

おわりに

謝辞
原注・参考文献

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年07月24日

    ちょっと分厚くて引くけど冒頭のシラミ3種から始まる実験・データ・解釈は人に話したくなるようなものばかり。文中紹介される本も読みたくなるものばかり。本筋自体はこの手の本(進化心理学)が好きな人にとって目新しくは無いかもだけど他の本との親和性もあって楽しくスラスラ読める本。10の提言も素直で終わり方もす...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月25日

    進化心理学の見地から、人類の進化を通して獲得としたヒトの知性、心理を検証していく。
    チンパンジーとの枝分かれ、森からサバンナへの移動から詳細に説明されていて、興味深く読める。すべての考察が様々な検証や心理実験から導かれているので、納得しながら読み進められる。
    やはり社会心理学より、進化心理学の方がど...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年11月15日

    ヒトの進化と生存戦略を社会心理学・進化心理学観点から述べている。
    暴論でまとめると、ヒトに永遠の幸せは訪れないらしい。
    本が厚揚げくらい分厚い。
    男女の違いにも触れており、特に好きなものが
    男性はひどいセックスをしたことよりも機会を逃したことを後悔するが女性は逆である という一文です。
    男性は繁殖に...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月24日

    進化心理学に基づく知見をわかりやすく説明している。
    性淘汰により進化した私たちが無意識に縛られている思考方法、行動原理は、知っておくべき基礎的な素養であると受け止めました。
    第3部は特におすすめ。
    進化心理学の知見から、永続的的な幸福感を得にくいように人間はできていること、幸福や真の満足感を得るため...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年02月13日

    1部4章を中心に読んだ。ニンゲンの進化を遺伝子学の観点から考察。中でも性淘汰の話は、興味深い。より強い遺伝子を残すためにメスは「質を伝える正直な信号」を見極めるようになる。たとえばそれは、孔雀にとっての派手な柄である。生存のリスクが下がるはずの派手な柄を備えた孔雀のオスはそうでないオスより強く逞しく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年09月26日

    われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略。ウィリアム フォン・ヒッペル先生の著書。人間はどうして嘘を平気でついて、他人を騙して、自分が大好きの自信過剰、自意識過剰になってしまうのか。それは全て人類のこれまでの進化の過程で備わったもの。そう考えれば自分自...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月03日

    ー コロモジラミのDNAの突然変異の数からは、我々の先祖が少なくとも7万年前には裸で走り回るのをやめていたと結論できる。

    ー ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に取り込まれる金属で、主に骨や歯の中に蓄積する。古代人の歯のストロンチウム比が、その地域の岩盤の比率と一致すれば、歯の持ち主は、歯...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年11月05日

    『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。
    表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年09月08日

    我々の脳が進化の賜物であるならば、我々の心理もまた進化の結果である。

    我々が嫉妬しやすく、心配性で悩みが多く、承認欲求を満たしたがる(いいね、が欲しい!)のは、進化の過程で種の維持に有利に働く形質だったからだろう。
    という進化心理学者の書いた本。

    重要なのが、「種の保存に有利である事と、個人の幸...続きを読む

    0

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