廣嶋玲子のレビュー一覧
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【2024年184冊目】
送り人。死者を黄泉の国まで導き、成仏させる役割を持つ人々。親族を皆殺しにされた後に生まれてきた少女・伊予は、送り人である真由良に育てられる。ある日、森の中で手負いの狼を見つけた伊予は、感情のままに動き、死者を蘇らせる禁忌である――「蘇り」をしてしまう。
急にオタクの片鱗を見せるんですけど、NL、BL、GL、ツンデレ、三角関係、近親相姦、いずれも匂わせと感じるか直接的と感じるかは読んだ人次第ですが、以上の要素が詰め込まれているファンタジー小説であると感じました。要素多くね?
知人Bに勧められた本としては4冊目なのですが、相変わらず私の琴線にはあんまり触れないので多分 -
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ネタバレナルマーン年代記シリーズの外伝的短編集。青の奥関連の話が多めかな。なんともほっこりとした読後感の作品ばかり。もっといろいろな話が読みたい。
1. 絹の都の姫君
イシュトナール2世の統治下にあるナルマーンの都の一つ,絹の都ハタリース。その領主イフメドの後継者を巡るお家騒動
2. 小さな眷属の憂い
配偶者を得ず,子も成さずに長年過ごしてきた青の王ラジェイラを可愛そうだと思った青の眷属ワスラム。しかし幸いの虫アッハームから意外な秘密を教えられる。
3. 白の悪だくみ
白の王はある日,自分の目の一つを体に持つ少女アイシャの悲しみを知り力になってやりたいと考える。
4. 赤の贈り物
赤の王は -
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シリーズ4作目。
本作も6遍の物語で構成されている。
ブラッドストーンの物語は、無駄と見える中にも大事なことが詰まっていることを教えてくれる。
想像力や、冒険は、将来の役に立たないと切り捨てられるべきものではない。
遊びが無駄なんて、立派な人間が言うことじゃない。
机の前のものだけしか見ない人間に、広い世界を知ったり新しいものをうみだすことは難しい。
アレキサンドライトは、プライドとは何かを考えさせる。
「嘲りすらも味方に変えられる強さを持て」と励ます言葉は時に辛い。
そんなに私は強くない、そう思う時もある。
けれども、強さは頑強さだけではない。
しなやかに、たおやかに、緩やかに、美しく。 -
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今回も6つの物語。たたりめ堂のよどみが銭天堂の紅子にライバル心を燃やす。
テストの点数を上げたい雄太は銭天堂で「ヤマ缶詰」を買ったがその帰りにたたりめ堂に呼び込まれ「ずるずるあげもち」を食べさせられる。
いじめられている洋介は銭天堂で「ウルフまんじゅう」を食べるが・・・。
徹夜仕事をしている健司は、銭天堂の「眠り貯金箱」でいつも元気な紀子に秘訣を聞くが、手に入れたのはたたりめ堂の「眠れませんべい」だった。
夏美が買ったのは家来になってくれる「ゴブリンチョコチップ」だったが、思った通りになるのだろうか?
銭天堂で買った「歯磨きナッツ」がまた欲しくなった誠一はたたりめ堂の「虫歯あられ」を買って -
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今回もプロローグとエピローグ以外に6つの物語。古銭にはあまり興味がないのだが、虹子さんは貴重な硬貨を集めているのだろうか?
やはり私には紅子さんが笑うセールスマンのように思えて仕方がない。
獏ばくもなか、留守電々シール、絵馬せんべい、しわとり梅干し、兄弟だんご、ミイラムネの6つの駄菓子がふしぎな物語を紡ぐ。この6つの中で私なら絵馬せんべいは試してみたいと思った。
それぞれ、人間の欲望を叶えるお菓子を買うのだが、真っ当な使い方が求められる。限りないものそれは欲望。たたりめ堂のよどみと紅子が相対するのも面白い。これからの展開が楽しみになる。 -
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シリーズ3作目。
6個の宝石、鉱石の物語。
アクアマリンの物語は、海賊が登場する。
悪役である海賊の船長の名は「血染めのウルジー」、副船長は「ベラミス」。
その名前に、漫画『ONE PIECE』を思い起こす。
奪われたアクアマリンはどのような力を発揮するのか。
強すぎる力は何をもたらすのか。
短編ながら夢中になる。
フローライトは暴君としてその名を残すネロ皇帝と、彫刻家ラミウスの物語。
暴君のために私を使わないで、と嘆く石の心と、皇帝の命に従わなければ死ぬことがわかっている彫刻家と。
さて、どうやってこの状況を打開するのだろう?
石言葉や和名なども物語の最後に必ず記される。
図鑑や博物館 -
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めちゃくちゃ怖いぞ!
ほとんど全部の物語がバッドエンド!
「お試しチケット」を使って遊びに行こう、なんて、絶対にダメ!!
知らない人から物をもらっちゃだめーっ!
「地獄コースター」は自業自得、だよね。
だけど……。
走馬灯の中で見えたあの記憶は、心の中で引っかかっていること。
怖いな、と思った瞬間にちゃんとそれと向き合わないと。
さてさて、あなたがわくわくして並んでいるそのコースターは本当に乗っても大丈夫?
「ミッシングゴーラウンド」なんて、危ない危ない。
大人だって、いや、大人こそ気をつけなければ。
直らないあなたの性格、それのせいで大事なものがミッシング、消えていく。
人を呪わば穴二つ -
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六条教授が怪しげなものを開発したようだ。
前作登場の「相談だんご」の力を転用して、人工知能を作り出した。
それは人を依存させ、判断力を鈍らせる。
ほしい言葉を言ってくれて、間違いが起こらないように先回り。
とても素敵だが、それは、人間が人間らしくある何かを壊してはいないか?
銭天堂の駄菓子は、きちんと注意書きを読まないことで不幸になることもある。
でも、その注意書きを逆手に取って、あえて自分の進みたい道を進もうとする人もいる。
これは珍しい使い方!
しあわせも、ふしあわせも本当は自分次第。
人生って奥深い。
それはまだ、この本の主な対象者の子供達にはまだわからないかもしれないけれど、終わりよ -
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まだまだ六条教授は紅子のことを諦めない。
うーん、しつこい!
だからこそ悪役なのだけれど……。
今回の物語はは怖さ多め?
「相談だんご」は、悩みを聞くよと言いつつ、人の不幸話を楽しむ中学生の少女の物語。
大人になってもこういう人いる、気がする。
頼られるのは嬉しいが、いきすぎると…。
両親が忠告したように、人の気持ちに寄り添うのは簡単なことじゃない。
やっぱりやめる、ができないこともある。
「ごめんラーメン」は小学生のいじっぱりな女の子の物語。
ごめんごめん、じゃ済まないことも世の中にはたくさんあって。
加害者が謝ったんだから被害者は許さなければならない、というのはやってしまった側の傲慢。 -
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今回も6つのショートストーリーとエピローグだ。紅子さんは喪黒福藏のようなイメージだ。やりすぎたり、調子に乗ると酷いしっぺ返しが待っている。しかし、ちゃんと努力したり、真面目に想いを持っていると、幸せになれる。
怪盗ロールパンでの泥棒の秀元は果たしてどっちだ。ドクターラムネキットでは、医者になる夢を持つ5歳の千里はどんな想いだろうか。お稲荷せんべいの目立ちたいがために占いをする早苗の結末はいかに。
ミュージックスナックでの響はなにを求め、どうするのだろうか?しっぺがえしメンコでは、探偵の大輝、その探偵に依頼してきたのは、前作でカリスマボンボンに登場した美容師北島だ。おもてなしティーにおいては、 -
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今回の目次は可愛い。
戦国、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和それぞれの紅子。
ってことは…んん?
紅子さん、一体いつから生きてるの?
よ、妖怪?
「写柿」は怖い話。「押絵と旅する男」や「ドリアン・グレイの肖像」を思い出した。
子供向けだけど、ゾワっとする話。
「景気ケーキ」はバブルの頃の話。
私の親もバブル真っ盛りで公務員になって、周囲に馬鹿にされたらしい。
「わざわざそんな安いとこ勤めるなんて笑」と。
しかしご存知の通り、その後は安定安心親方日の丸、公務員は大人気。
税金泥棒(それしか人々は悪口を知らないらしい)なんて悪口罵詈雑言は日常茶飯事。
堅実は馬鹿みたいだけど、決して恥じることじ -
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紅子の売る駄菓子は幸せになれるとは限らない。
それは使い方を誤ってしまったため。
それから、ちゃんと注意事項を読んだり聞いたりしていないから。
注意書きや取扱説明書、契約書はきちんと読むこと。
適当に「同意」ボタンを押している大人の皆さん?それ、大丈夫?
仕事をしていると、「どこに書いてあるんだよ」「こんなこまけーのよまねえよ」「てめーは読むのか」
と言われますが、書いてあるし読んでますし同意したのはあなたです。
って言うと、「バカかオメーは」って言われるんですけどね、「バカはそっちです」(って言いたい)。
きゃーまた余計なこと言っちゃった!!
「とりあげもち」はちょっとこわーい。欲張りは -
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子供に人気の銭天堂シリーズ。
アニメも好調のようだし、遊園地や映画も。
(映画は天海祐希主演だそうだ。若い頃の母にそっくりで大好きな俳優なのだが、なぜ私は似ていないのだ グチグチ)
久々の続き。前の話なんだったっけ。
そうだそうだ、色々あって銭天堂の商売あがったりだったので、意趣返しするってえ話だ!
以前、ニセ銭天堂の商品で酷い目にあった人たちを救うべく、紅子が正規品をお届け。
「ごまかしボーロ」は、途中まで読むと、不幸虫が出てきてしまいそう。
ごまかしとは、ただの時間稼ぎ。
いつかは本当のことを言わなければいけなくなる。
大人の世界では、すぐ忘れてしまう人も多いようだけれど。
六条教 -
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5種類の石の物語。
今回は何らかの事情で、魔石館に来ることを拒む石たちの物語。
スタロウライトは十字模様のついた石。
いわゆる宝石ではないそうだが、初めて聞いたその名は、とても魅力的。
クリスチャンでなくても、その自然の姿は不思議に感じるし、お守りとされるのもわかる気がする。
スモーキークォーツは渋みのあるグレーがかった水晶。
くじけない心、という石言葉を持つが、この煙水晶は、変わることを面白がっている節があり……。
さてさて、いい方に転がるか、悪い方に転がるか。
ちょっとビターな物語。
ガーネットはお馴染みの赤い宝石。
ルビーに似た(金額だけでいうとルビーよりちょっとお手頃で、私も持っ