あらすじ
昔も今も、人は宝石を身につけ、大切にします。それは、装飾としての美しさと、宝石のもつパワーや魔力に惹かれるからでしょう。本書には、魔石館に横たわる、水晶、ルビー、ベゾアール石、猫目石、ムーンストーン、トルコ石、オニキス&アメジスト、珊瑚といった宝石たちが登場します。それらは、過去にさまざまな主人の持ち物になり、いろいろな経験をしてきました。本書は、そうした宝石たちの知られざる8編の物語を紹介するものです。魔法使いの水晶玉を盗んで有名になったハキーム、山羊の胃から出てきた石を持つ奴隷アッバ、旅人を守る石を持って旅に出たトニオ……。ある時は、宝石の呪いに苦しみ、ある時は宝石の力に命を救われるなど、宝石との関わり方で、人は不幸になることも、幸せになることもあるのです。いろんな時代・地域の、不思議なお話がスリリングに展開する、千夜一夜の物語!
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Posted by ブクログ
物語にするとパワーストーンの意味が物語と共に蘇ってくるのだと知る。名前は知っていても意味は知らないので勉強にもなるし、リフレッシュにもなる今まで読んできた作品全てハズレなしなのでこれからも追い続けていきたい。
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魔石館に横たわるさまざまな宝石達の過去の主人達が体験した物語。宝石との関わり方で幸せになる人、不幸になる人。いろんな時代・地域のお話が読めて面白い。パワーストーンに興味があるので知っている石の名前がたくさん出てきて楽しめた♪
Posted by ブクログ
宝石が持つ様々な物語。
最初、タイトルから誰かが「魔石館」なるところを冒険するのかと思ったけど違ったw
最初の水晶の話からぐっと引き込まれた。
若さゆえの奢りから人生を棒に振った青年がちょっと哀れ。
彼に救いがあるといいのに、と思う。
最後の珊瑚の物語。魔石館の主人との出会い。
姉妹たちが再会できますように。
Posted by ブクログ
十年屋のシリーズから好きになり、読みました。古今東西の時代も主人公も違う人々と宝石の話です。宝石と言うよりはパワーストーンが多く出てきます。大人でも楽しめる児童書です。
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銭天堂が人気の廣島さんですが、こちらもまた違う味わいで良きでした。宝石が好きな子はこの独特の暗い雰囲気の中に散りばめられた石それぞれの物語にハマるだろうなー。
Posted by ブクログ
4年から。宝石にまつわる短編集。廣嶋玲子さんの他の中学年の読み物の中では、キャラ寄りの楽しいお話というより、落ち着きのある物語。短編のお話の色が全く違うところが読み応え有り。終わりに魔石館の設定がでてくるので、続きが気になる。
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銭天堂より僅かに上級生向けかな
小学3年生くらいから楽しめるかも
大人が読んでも結構面白い
色んな宝石に関する短編集なのでちょっとした隙間時間に読めるし、児童書だから引き摺るオチでもないし、読み応えはそれなりにある
ベゾアール石が好み
Posted by ブクログ
子供向けなのはわかってるけど、こういった童話風なもの好きです。
鉱石をテーマにした小話集・世界各国、時代も様々。
同じ作家さんで、植物をテーマした本が出てましたが、それの鉱石版って感じでした。こっちの方が話は短い。
最後の珊瑚の話が好きでした。
Posted by ブクログ
宝石にまつわる8つのお話。
「水晶」
魔法使いの弟子ハキームは、修業の辛さから師匠の水晶を盗んで逃げだす。師匠の水晶の力で占い師として富豪となったハキームだったが、ある日水晶がにごりはじめる。
「ルビー」
婚約者に裏切られ、返してほしいと言われたルビーの指輪。新しい恋人に贈ることを妬み、ルビーに呪いをかけたエラ。
呪いは見事に彼らを不幸にしたが、20年後、幸せに暮らすエラの前に指輪があらわれる。
「ベゾアール石」
大貴族ジャッフルの奴隷となり、辛い日々を送っていた奴隷アッバ。ある日山羊をさばいていると胃の中からにぎりこぶしほどもある石を見つける。この石がアッパにもたらしたものとは?
アッパはサヌバ族としての誇りを失わずにいられるのか。
「猫目石」
エジプト。騙されて墓荒らしたちの召使いにされた十歳の少女ティシャ。ある夜、罠や呪いが仕掛けられているという王家の墓に入るよう命じられるが、墓の中で、仲良くしていた猫がティシャの前にあらわれて。
「ムーンストーン」
八歳のアンティースが、祖母のいる田舎で探検した幽霊屋敷。きれいで、でも寂しげな若い女性の幽霊と出会ったアンティースは彼女が示す壁からムーンストーンの指輪を見つけ指にはめる。アンティースがみた幽霊の秘密とは。
「トルコ石」
貿易の都、ヴェネチア。異国への憧れがやまない息子トニオ。彼を心配した母親は、占い師を訪ね、そこで、トルコ石の玉を連ねたブレスレットと、大きな丸いトルコ石が一つはまったブローチを渡される。トルコ石は旅人を守る石だということだが、果たして息子は無事に旅を終えられるのか。
「オニキスとアメジスト」
インドの都ベナレスに住む貴族の娘、アーリヤー。アーリヤーは大きな屋敷に住み、何不自由なく暮らしていたが、両親が喧嘩ばかりしていることに心を痛めていた。ある日一人の老僧から、父のオニキスがはめこまれた腕輪と、母のアメジストがはめこまれた耳輪のせいだと聞き、耳輪をこっそり持ち出したが。
「珊瑚」
かつて十人姉妹だったという珊瑚玉、ある華族の令嬢を守り続けてきた珊瑚のお話。
アラビアンナイトのような不思議な物語。
ときに残酷な結末を呼び、時に人を助ける宝石たち。
最後の珊瑚のお嬢さんがどうなったのか、気になるー!
挿絵も素敵。
Posted by ブクログ
8つの石の物語。
水晶、ルビー、珊瑚といったメジャーなものから、ベゾアール石と言った少し変わった石まで。
世界中の国を旅するような物語は、まるで千夜一夜物語。
異国情緒に満ちた、アラビアンナイトの世界が広がる。
少し怖い話も、心優しくなれる話も、それは色とりどりの宝石のごとく。
トルコ石の物語はお気に入り。
羽の生えたように外を飛び回る息子を案じる、母親の気持ちに立つからだろうか。
子供はいつも親から離れようとする。
親はいつも子供を全ての災禍から守ろうとする。
でも、時にはいってらっしゃい、と送り出す勇気も必要だ。
心の中でいつもいつも子供たちの幸せと安全を深く想いながら。
オニキスとアメジストの物語は、視点を変えて物語が結末を迎える。
日本には「言霊」というものがある、と信じられていた。
今も形を変えてきっと文化に息づいているのだろうが、そんな「言霊」の力を感じられる。
幸せで、ちょっと怖い物語。
石には古より力があると言われ、お守りとする人も多い。
地球の凄まじい力の中で生み出された石たちは、次はどんな話を語ってくれるのだろうか。