津原泰水のレビュー一覧

  • 五色の舟

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    どことなく「七瀬ふたたび」のラストシーンを別のモチーフで展開させたような作品。原作者の後書きにもあるように
    「W3」の変奏曲としても読めそう。

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    2014年04月30日
  • バレエ・メカニック

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    こういうのSFっていうのかな?SFの定義ってよくわかんない。ゆーたらガンダムもおジャ魔女も全部SFじゃね?みたいな。でもこういうのSFっていうんだろうなー。サイエンス・フィクション。サイエンス・ファンタジーとかでもいいんじゃないの。

    初っ端からぶっ飛ばしてて最初こそ???だったけど、変調子な雰囲気にどんどん嵌ってった感じ。作中で出てくる絵画やら曲やらはほとんどわからなかったので、わかっている人は尚楽しいのだろうな、とも思うがわからなかったからよかったようにも思う。ビートルズもよく知らないからなあ。そういう諸々キーワードを無固形に受け止めていたからだらだらっと読めたんじゃないかとも思う。

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    2013年11月09日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    高校生が探偵役のミステリ。
    2編は、ライトノベルとして1994年から95年にかけて発表されたもの。
    全面改稿されたということですが、キャラ設定はそれらしい感じですね。

    吾魚彩子(あうおさいこ)はルピナス学園の生徒で、かなり普通の女の子だが、やや直観力に優れている。
    姉の不二子が刑事で、彩子はたまたま密室殺人の謎を解いてしまったことがあるため、強引な性格の不二子に何かと協力させられるようになっていた。
    博学な祀島龍彦にあこがれて告白するが、姉のせいで誤解されてしまう‥?
    この祀島、化石マニアで何事につけても知識は豊富だが、乙女心にはまったく疎いのでした。

    彩子の親友はボーイッシュで度胸がある

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    2013年09月07日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    どのキャラクターも個性があふれ、行動に一貫性があるので、読んでいて戸惑うことがない。
    推理を楽しむというより、津原泰水の流れる文章を楽しむ感じ。この本も、「奇譚集」、「蘆屋家の崩壊」、「バレエメカニック」も…どれも全く雰囲気が違っていて、全く別人の作品を読んでいるような気にさせられる。”臭い”文章ではないのに、どこか古風な感じがして、それでいてキレがある…そんな印象。間違いなく好きな作家のひとりだ。

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    2013年08月25日
  • 赤い竪琴

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    淡々と静かな恋愛小説。
    時々息苦しくなるけど、読み終わった後も、所々読み返して余韻に浸りたくなるような小説でした。

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    2013年08月04日
  • 綺譚集

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    悪夢を見て、そこから抜け出せないでいるような、日常から一瞬にして異界へ引きずり込まれてしまうような、奇妙な話ばかりを集めた短編集です。不条理、頽廃と狂気、淫靡で猟奇的、グロテスクで残酷、懐かしさと喪失感、倦怠と恍惚、猥らで無垢、虚無と絶望、失望と冷笑、憎悪と未練、醜悪と哀切、そして美・・・死と背徳の匂いが付き纏うこの種の作品に、つい惹きこまれてしまうのは、ここに描かれているのが人間の業、本性、本質だということを、無意識に感じてしまうからなのではないでしょうか?〝奇譚〟ではなく、〝綺譚〟という文字を使っているところが味噌ですネ。幻想文学という括りでは、収まりきらない一冊でした。

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    2013年05月12日
  • たまさか人形堂物語

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    元少女小説作家さんらしい作品。少女小説というジャンルは(控え目に言うと)どちらかといえば好きなジャンルなので、あとがきに、次回作をにおわせるニュアンスがあるのはとても嬉しい。

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    2013年04月10日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    うーん、こう来るか。学園連作ものだと思って読み始めたら、冒頭でいきなりパンチを食らう。これは切ない。時をさかのぼって行き着く卒業の日の場面が胸にしみる。青春小説としての傑作の一つだろう。

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    2013年03月22日
  • たまさか人形堂物語

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    もともとホラー畑からこの作者に入ったが、むしろこういった作品の方が断然面白い。
    短編連作としての上手さが光っている。

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    2013年03月01日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    ネタバレ

    若干行きあたりばったりだった前作品集と較べ、構成もまとまりもぴかいち。
    レクイエム・フォー・あの頃。
    レクイエム・フォー・摩耶。
    それがぐっとくるのだ。
    「高潔に生きる」。

    また最後の一文でぐいと別の方向を向かせる作者の腕も冴える。

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    2013年02月24日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    ネタバレ

    読み終わってから涙が出た。
    話が遡って進行していくことで、より彼女たちの友情の深さがより感じられた。
    ラストの祀島くんは最高。

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    2014年01月18日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    再読。

    冷えたピザはいかが
    ようこそ雪の邸へ
    大女優の左手

    それぞれ「なぜ」が追及される。
    軽妙な掛け合いがやはりよい。

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    2013年02月18日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    お葬式から遡ることで存在感存在の大きさがわかる。
    最後のシーン、美しいですね。


    次が文庫書き下ろしだとうれしいなぁ

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    2013年02月07日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    殺人者は何故現場で冷めたピザを食べたのか? 雪の密室に残されたダイイングメッセージには何故ルビがふられていたのか? 舞台で亡くなった女優の右手は何故切り落とされたのか? ホワイダニットに満ちた謎の物語。
    読む前は何故かペダンチックな重い物語だと思い込んでいましたが、読んでみると軽快なユーモアミステリに属する物語でした。元々は少女小説として発表されていたのだとか。洞察力と直感力と空想力、探偵に必要な力を各キャラクターに配分し展開していく様は面白いです。「何故」に焦点を当てるホワイダニットは地味な印象を与えますが、このキャラクター小説的展開でそれも補っているのかと。続きも出ているようなので要チェッ

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    2013年01月31日
  • バレエ・メカニック

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    1章を読み終わった先に、麻薬のような読書体験が待っている。
    紙の上に精緻に写し取られた夢の世界。悪くない。

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    2012年11月06日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    全体のバランスや構成の美しさという点では今ひとつか。テーマは万人にFitできるもの、いくら惜しんでも、いとおしくても、そのままの形では二度と残らない。でも何かしら共通の記憶(この場合は、いっしょに音楽をやっていたこと)のキーがあれば、そのキーを取り戻すことで、人生を二度以上、何度でも生きることができる可能性がある。

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    2018年10月14日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    小学校でちょっと齧っただけだったけど、楽しかったブラバン時代を思い出した。ブラバン時代に限らず、その後の学生時代・部活動生活と重なるところがあり、とても懐かしく思えた。

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    2019年06月22日
  • たまさか人形堂物語

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    ネタバレ

    他の津原さんの作品とは趣きが異なる内容で、
    ほのぼの感がある平和なお話(人死んでたりしますが・・)でしたが
    とっても面白かったです。

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    2012年05月12日
  • バレエ・メカニック

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    シュルレアリスムとハードSFの融合。
    大脳を失った植物状態の少女。その機能を都市が肩代わりするという発想を、津原泰水の筆力をもって幻想的に描いた秀作。
    作家のファンには当然お勧めの一作でありますが、本作がなんとしてもハードSFである点は了解しておいた方がよいと思われます。
    「五色の舟」のような、SF要素を備えた幻想小説ではなく、特に物語終盤では、ガチガチの近未来設定が何の断りも無しに専門用語の羅列でもって雪崩れてきます故。

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    2012年04月25日
  • たまさか人形堂物語

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    悲しい、つらい、そこはかとなくマイナスな雰囲気を漂わせつつも、
    とても後味のよい、胸に抱きしめたくなるような短編集。

    後書きに、続編を考えているというような言葉がありました。
    読むのがとても楽しみです。

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    2012年04月16日