津原泰水のレビュー一覧

  • たまさか人形堂物語

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    お仕事小説というか人形小説?

    3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半。
    入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与された。
    祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿。
    祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思うが、特に人形に詳しいわけではない。

    社員第一号の富永くんは、人形マニア。
    気楽な勤めぶりだが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのボンボンらしい。
    富永くん作のテディベアも人気を博すようになる。
    「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていくが…?
    修理をメインにやっていくことに

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    2012年04月21日
  • バレエ・メカニック

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    アニメ化してほしいな。
    おじさんばかりが、観念としての1人の少女を巡ってわたわたしているばかりの話だけれど、大蜘蛛とか馬車とか、きっととても絵になる。
    できれば造形家のおじさんのダンディさ、30%増しくらいで。

    キャラクタがすごく素敵です。
    ドードーが最初から最後まで愛おしい。

    幻想小説に慣れていない人には読みにくいかも。

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    2012年04月08日
  • たまさか人形堂物語

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    「奇譚集」や「蘆屋家の崩壊」みたいな幻想小説の色がかすかに見えるのだが、ほっと心温まる部分もあり、ひとつひとつ楽しんでじっくり読んだ。
    店主の澪と職人2人の間の距離に、お互いを思いやる「本当の大人のあり方」が感じられて心地よかった。続編希望。

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    2012年03月19日
  • バレエ・メカニック

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    折り重なる言葉、混濁と混沌のサイバーパンク!
    津原泰水の新たなる一面を読ませてもらった感じ。
    四谷シモンの人形が配された表紙がとても印象的。
    作家本人が装丁しているとのこと、これも結構珍しい。

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    2012年03月18日
  • たまさか人形堂物語

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    津原氏の小説は今作で二度目だ。

    前作に漏れず「独特の世界観」を構築する筆力は健在だ。

    作品名を読んで大体予想はつくと思うが、本作は人形店が舞台だ。
    様々な理由で持ち込まれる人形に纏わる依頼を、ひょんなことからお店を継ぐことになった「澪」を筆頭に、才ある押しかけ従業員富永君と、一級品の技術を持つ謎多き職人「師村」さんの助けを得て解決していく。

    人形というのは不思議な性質を兼ね備えているものだ。持ち主の人生や、辿った歴史をまるで「記憶」しているかのようにその身に刻んでいる。
    そのミステリー性を十分に生かしつつ、物語に組み込んでいくプロットに読者は魅入られるだろう。

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    2012年02月27日
  • バレエ・メカニック

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    3章から成る、第1章。
    冒頭から混乱しっぱなしの脳みそに、なぜか意識の右上の方から「パプリカ」のアニメーションが流入。
    歯止めの利かない超現実にワクワク、たまらない。
    第2章からラストへのサイバーパンク。私の脳も補完して欲しいってくらい超ハード。
    重厚なるレイヤーは無視して表層だけ掬い取る。
    しかしながら、本筋は一貫して明確で、せつなくて胸打たれる。

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    2012年02月25日
  • たまさか人形堂物語

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    2011/10/19:津原泰水さんの作品は初めて読みました。小さな人形店と人形に関わる人を巡る短編集。もし続編が出るのでしたら読んでみたいです。

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    2012年01月13日
  • たまさか人形堂物語

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    人形の持つネガティブな面(気持ち悪さ、怖さ)よりも、ポジティブな面(かわいさ、人間性、パートナーシップ)の魅力が満載。たまさか人形堂で働く3人の登場人物を中心に短編形式で物語が進行する。

    話が進むにつれ、3人の素性や人となりが描かれるにつれ、どんどん3人が好きになっていく。

    短編ごとの読後感が圧倒的に爽やかだったり、水滴の滲みのような不思議な後味だったり、小さい頃の「世にも奇妙なアメージング・ストーリー」や初期の「世にも奇妙な物語」を観た時の「不思議な話を聴き終えた」という感覚が蘇った。

    良作だと思います。

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    2012年01月06日
  • 綺譚集

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    短編15作。
    残忍な言葉を綴る、美しい日本語に惑わされ、猥雑で俗悪さを嫌悪し、内臓を鷲掴みされたような気分の悪さに慄きながらも、頁を捲る。
    つい、こっそり盗み見してしまうような。

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    2011年11月01日
  • 綺譚集

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    ネタバレ

    ホラー幻想小説。若干のグロエロ含み。短編15本。

    万人にはお勧めしないけれど、江戸川乱歩が好きな方や、この表紙の絵にピンと来て、以下の文字の並びが琴線に触れた方は是非ともご一読の上、私と握手をお願いします。握手だけ、言葉はいらない。

    綺 幻 妖 黄昏 境界 惑乱 美醜 狂気 蠱惑 紅湿 憂愁

    感想としては蛇足ながら、短編15本全て文体が違う上にどれも美しい文章という離れ業も楽しめることも1点付け加え。

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    2011年10月10日
  • 綺譚集

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    ネタバレ

    三浦しをんの三四郎…から。面白かった。短編集。こういうの好き。ホラーのような幻想小説のような。かなり死や性をフューチャーしてるので、グロテスクな部分もあり。短い話も混ざっているのもいい。この人の本、他にも読んでみようかな。

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    2011年09月21日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    元々が少女小説ということもあってか、個性的なキャラクター同士の軽妙なやり取りが愉しく、仄かな恋心がくすぐったい。雪に閉ざされた洋館、怪しげな住人、死体消失といったミステリ的なガジェットに加え、『瑠璃玉の耳輪』まで登場するのも嬉しい。HowやWhoよりもWhyに重点を置いた謎解きもなかなか見事。
    お気に入りは「大女優の右手」。

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    2011年09月20日
  • たまさか人形堂物語

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    ネタバレ

    読み終わってあとがきで男性作家さんだと知ってびっくり。
    タイトル買い&衝動買いの本はあんまり先入観を持ちたくないので、あらすじをさっと眺めるくらいで本編に入ってしまうので(今回著者名すら注視しなかった…。
    しかも出るまで紆余曲折だったのですねぇ。

    直前までドールズシリーズを読んでいたので、骨董・アンティーク系の話だと良いなぁと思って手に取ったのが切っ掛けでした。
    ううーん、まさかラストでそんなことになるとは!
    続きがあるなら楽しみに待ちたいと思います。
    この人の本なら他のも探してみようかな。

    それからの為に再読。
    独特のテンポだよなぁと今更ながらに思うなど。
    とっとっとっと、前のめりに読ま

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    2016年02月19日
  • たまさか人形堂物語

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    凄く魅力ある設定です。
    主人公3人のキャラクターも良いし、脇役の束前も(ちょっとやり過ぎの感じはありますが)なかなか。何より修理中心の人形店が舞台と言うのが良いですね。
    ただ、発生する事件の幾つかはどこかガサガサした感じで、その設定を十分に生かしきれてない様に思えます。最初の「毀す理由」や「恋は恋」はともかく「村上迷想」は狂信の上での殺人ですし、「最終公演」は余りにやり過ぎの感があります。もっとしっとりした抒情的なストーリーの方が、この設定に合うと思うのです。
    でも、なかなか良いですよ。
    続編も出そうなので、期待します。

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    2016年07月30日
  • たまさか人形堂物語

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    潰れかけの祖父の人形店を継いだ主人公。
    そこになぜか腕利きの職人と人形マニアが住み着き、様々な人形にまつわる謎が引き寄せられてくる…

    人形といえば、澁澤龍彦でハンス・ベルメールを知り、四谷シモンへと続いていくのが自分としてのひとつの流れ、それとは別にたまたま個展へ観に行ったのが三浦悦子。この人は、ベルメールの直系だろうか。かなり精神的にしんどい表現ではあったが。
    もうひとつは内田善美。漫画家で現在は既に活動していないが、この人の「草迷宮・草空間」は市松人形が主人公。

    自分としては人形はどうにも重たく、身近には置きたくないけれど、人形に関わる本は結構読んでしまう。この本もタイトルに惹かれた部

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    2011年08月16日
  • 綺譚集

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    15編の短編集。
    2作品目まで読んで、今回は合わないかと思ったが、3作品目から帯の瀬名氏のコメントのとおり彼岸に連れ込まれたようだ。

    この狂気の世界を愉しみ、美しいと感じる自分をどうかとも思ったが、抜け出すのにちょっとした努力が必要だった。

    この方の発想というか、感覚というかそれをまた作品にまとめ上げる力にとても惹かれます。

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    2014年03月23日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    「なぜ事件は起こったのか?」に焦点を当てた推理小説。
    女子高生3人組+男1名が解決に挑むわけですが、気負いしてない雰囲気が心地よい。
    読みやすかったです。

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    2010年02月24日
  • 赤い竪琴

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    淡々と、ストーリーも会話も心理描写もとにかく淡々と、という表現がピッタリくるような小説だが、あれよあれよという間に物語に引き込まれてしまったという、なかなかに不思議な作品。
    「マエストロ」と似ている、というわけでは別にないのだが、楽器職人というキーワードからはちょっと連想されるところもあり、また、主人公2人のラヴストーリーが篠田節子っぽいと言えなくもない。
    結局は、津原泰水氏の筆力が圧倒的だということだろう。
    ラストシーンにつながる終盤の流れは、個人的にイマイチかな。

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    2010年02月23日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    「絶対に追いつけない幻影を追って走り続けた人生だ。あんな婆さんになってさえ、酔うと自分の右手を見つめ、贋物だと云って泣いた。なあ彩子ちゃん、そろそろ本物にしてやろうじゃないか」(本文より)

    大女優の右手が好き。動機が切ない。

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    2009年10月18日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    短編集でシリーズもの。新ジャンル文学ミステリ。冗談は置いておき、面白かった。(たぶん)ミステリ小説なのに、ミステリ部分に対する執着をあんまり感じない。謎から答えまでの道のりが短いのが理由か。

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    2009年10月07日