津原泰水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お仕事小説というか人形小説?
3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半。
入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与された。
祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿。
祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思うが、特に人形に詳しいわけではない。
社員第一号の富永くんは、人形マニア。
気楽な勤めぶりだが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのボンボンらしい。
富永くん作のテディベアも人気を博すようになる。
「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていくが…?
修理をメインにやっていくことに -
Posted by ブクログ
津原氏の小説は今作で二度目だ。
前作に漏れず「独特の世界観」を構築する筆力は健在だ。
作品名を読んで大体予想はつくと思うが、本作は人形店が舞台だ。
様々な理由で持ち込まれる人形に纏わる依頼を、ひょんなことからお店を継ぐことになった「澪」を筆頭に、才ある押しかけ従業員富永君と、一級品の技術を持つ謎多き職人「師村」さんの助けを得て解決していく。
人形というのは不思議な性質を兼ね備えているものだ。持ち主の人生や、辿った歴史をまるで「記憶」しているかのようにその身に刻んでいる。
そのミステリー性を十分に生かしつつ、物語に組み込んでいくプロットに読者は魅入られるだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってあとがきで男性作家さんだと知ってびっくり。
タイトル買い&衝動買いの本はあんまり先入観を持ちたくないので、あらすじをさっと眺めるくらいで本編に入ってしまうので(今回著者名すら注視しなかった…。
しかも出るまで紆余曲折だったのですねぇ。
直前までドールズシリーズを読んでいたので、骨董・アンティーク系の話だと良いなぁと思って手に取ったのが切っ掛けでした。
ううーん、まさかラストでそんなことになるとは!
続きがあるなら楽しみに待ちたいと思います。
この人の本なら他のも探してみようかな。
それからの為に再読。
独特のテンポだよなぁと今更ながらに思うなど。
とっとっとっと、前のめりに読ま -
Posted by ブクログ
潰れかけの祖父の人形店を継いだ主人公。
そこになぜか腕利きの職人と人形マニアが住み着き、様々な人形にまつわる謎が引き寄せられてくる…
人形といえば、澁澤龍彦でハンス・ベルメールを知り、四谷シモンへと続いていくのが自分としてのひとつの流れ、それとは別にたまたま個展へ観に行ったのが三浦悦子。この人は、ベルメールの直系だろうか。かなり精神的にしんどい表現ではあったが。
もうひとつは内田善美。漫画家で現在は既に活動していないが、この人の「草迷宮・草空間」は市松人形が主人公。
自分としては人形はどうにも重たく、身近には置きたくないけれど、人形に関わる本は結構読んでしまう。この本もタイトルに惹かれた部