津原泰水のレビュー一覧

  • 赤い竪琴

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    淡々と静かな恋愛小説。
    時々息苦しくなるけど、読み終わった後も、所々読み返して余韻に浸りたくなるような小説でした。

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    2013年08月04日
  • 綺譚集

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    悪夢を見て、そこから抜け出せないでいるような、日常から一瞬にして異界へ引きずり込まれてしまうような、奇妙な話ばかりを集めた短編集です。不条理、頽廃と狂気、淫靡で猟奇的、グロテスクで残酷、懐かしさと喪失感、倦怠と恍惚、猥らで無垢、虚無と絶望、失望と冷笑、憎悪と未練、醜悪と哀切、そして美・・・死と背徳の匂いが付き纏うこの種の作品に、つい惹きこまれてしまうのは、ここに描かれているのが人間の業、本性、本質だということを、無意識に感じてしまうからなのではないでしょうか?〝奇譚〟ではなく、〝綺譚〟という文字を使っているところが味噌ですネ。幻想文学という括りでは、収まりきらない一冊でした。

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    2013年05月12日
  • たまさか人形堂物語

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    元少女小説作家さんらしい作品。少女小説というジャンルは(控え目に言うと)どちらかといえば好きなジャンルなので、あとがきに、次回作をにおわせるニュアンスがあるのはとても嬉しい。

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    2013年04月10日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    うーん、こう来るか。学園連作ものだと思って読み始めたら、冒頭でいきなりパンチを食らう。これは切ない。時をさかのぼって行き着く卒業の日の場面が胸にしみる。青春小説としての傑作の一つだろう。

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    2013年03月22日
  • たまさか人形堂物語

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    もともとホラー畑からこの作者に入ったが、むしろこういった作品の方が断然面白い。
    短編連作としての上手さが光っている。

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    2013年03月01日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    ネタバレ

    若干行きあたりばったりだった前作品集と較べ、構成もまとまりもぴかいち。
    レクイエム・フォー・あの頃。
    レクイエム・フォー・摩耶。
    それがぐっとくるのだ。
    「高潔に生きる」。

    また最後の一文でぐいと別の方向を向かせる作者の腕も冴える。

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    2013年02月24日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    ネタバレ

    読み終わってから涙が出た。
    話が遡って進行していくことで、より彼女たちの友情の深さがより感じられた。
    ラストの祀島くんは最高。

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    2014年01月18日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    再読。

    冷えたピザはいかが
    ようこそ雪の邸へ
    大女優の左手

    それぞれ「なぜ」が追及される。
    軽妙な掛け合いがやはりよい。

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    2013年02月18日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    お葬式から遡ることで存在感存在の大きさがわかる。
    最後のシーン、美しいですね。


    次が文庫書き下ろしだとうれしいなぁ

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    2013年02月07日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    殺人者は何故現場で冷めたピザを食べたのか? 雪の密室に残されたダイイングメッセージには何故ルビがふられていたのか? 舞台で亡くなった女優の右手は何故切り落とされたのか? ホワイダニットに満ちた謎の物語。
    読む前は何故かペダンチックな重い物語だと思い込んでいましたが、読んでみると軽快なユーモアミステリに属する物語でした。元々は少女小説として発表されていたのだとか。洞察力と直感力と空想力、探偵に必要な力を各キャラクターに配分し展開していく様は面白いです。「何故」に焦点を当てるホワイダニットは地味な印象を与えますが、このキャラクター小説的展開でそれも補っているのかと。続きも出ているようなので要チェックですね。

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    2013年01月31日
  • バレエ・メカニック

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    1章を読み終わった先に、麻薬のような読書体験が待っている。
    紙の上に精緻に写し取られた夢の世界。悪くない。

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    2012年11月06日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    全体のバランスや構成の美しさという点では今ひとつか。テーマは万人にFitできるもの、いくら惜しんでも、いとおしくても、そのままの形では二度と残らない。でも何かしら共通の記憶(この場合は、いっしょに音楽をやっていたこと)のキーがあれば、そのキーを取り戻すことで、人生を二度以上、何度でも生きることができる可能性がある。

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    2018年10月14日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    小学校でちょっと齧っただけだったけど、楽しかったブラバン時代を思い出した。ブラバン時代に限らず、その後の学生時代・部活動生活と重なるところがあり、とても懐かしく思えた。

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    2019年06月22日
  • たまさか人形堂物語

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    ネタバレ

    他の津原さんの作品とは趣きが異なる内容で、
    ほのぼの感がある平和なお話(人死んでたりしますが・・)でしたが
    とっても面白かったです。

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    2012年05月12日
  • バレエ・メカニック

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    シュルレアリスムとハードSFの融合。
    大脳を失った植物状態の少女。その機能を都市が肩代わりするという発想を、津原泰水の筆力をもって幻想的に描いた秀作。
    作家のファンには当然お勧めの一作でありますが、本作がなんとしてもハードSFである点は了解しておいた方がよいと思われます。
    「五色の舟」のような、SF要素を備えた幻想小説ではなく、特に物語終盤では、ガチガチの近未来設定が何の断りも無しに専門用語の羅列でもって雪崩れてきます故。

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    2012年04月25日
  • たまさか人形堂物語

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    悲しい、つらい、そこはかとなくマイナスな雰囲気を漂わせつつも、
    とても後味のよい、胸に抱きしめたくなるような短編集。

    後書きに、続編を考えているというような言葉がありました。
    読むのがとても楽しみです。

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    2012年04月16日
  • たまさか人形堂物語

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    お仕事小説というか人形小説?

    3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半。
    入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与された。
    祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿。
    祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思うが、特に人形に詳しいわけではない。

    社員第一号の富永くんは、人形マニア。
    気楽な勤めぶりだが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのボンボンらしい。
    富永くん作のテディベアも人気を博すようになる。
    「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていくが…?
    修理をメインにやっていくことにしたため、持ち込まれる人形にまつわるエピソードは多彩。

    昭和初期、アメリカから親善のために贈られたという、いわゆる青い眼のお人形。
    実は「青い眼の人形」の歌は、親善使節を送る企画よりも前に作られたので、キューピーのことだった。
    親善のために贈られたのは、アメリカで募金により購入された一万数千体にのぼる色々な人形だから、青い眼には限らなかったそう。
    といった豆知識も色々。

    「毀す理由」
    顔だけがひどく毀れた人形を持参した若い女性。元の写真と、持ち主の顔はそっくりだった…
    30年ぐらい前の古い人形なのに、何故?
    しかも、毀したのは本人らしい。どのように修復すべきなのか?

    「村上迷想」
    村上市での雛祭り。
    旧暦の雛祭りの日まで一ヶ月飾られている伝統ある雛人形をめぐって。
    旧家のミステリ。

    「最終公演」
    チェコの人形芝居の名人の話。
    大国に支配された時代でも、人形芝居は母国語での上演が許されたので盛んだったとか。
    パラフ劇団を主催するパラフ氏は奔放な想像力を駆使して、自由な公演を行っていた。その最終公演とは?

    「ガブ」
    人形浄瑠璃の人形の頭をめぐって、師村の過去が…?!
    ああいう人形って、着物の下には身体がないんですね…
    彫刻と人形との違いといった話題で、たとえば彫刻家は耳を量感で捉えるので耳には穴がない。人形作家は耳を生身に似せるので耳の穴を作る、とか。師村氏の語る仲の良い人形作家の弁なのですが。

    「恋は恋」
    富永くんが友人から預かったのは、ラヴドールという等身大のドール麗美。
    ウェブサイトで一目惚れして貯金して買ったそうだが。
    友人はカメラが趣味で、ちゃんと恋人もいるという。
    亀裂の修理を依頼した所、メーカーのキャプチュアから束前という社長がやってくるが、この型は基本姿勢を誤った失敗作なので直せないという。
    まだ開発途上なのだ。
    新しいタイプのボディに交換することは出来るが、安くはない。

    かなりトーンの違う話が入っています。
    気分が変わっていいけど、期待と違うと感じる人もいるのかな?
    お人形にかける熱意は、一貫していますね。誰がどこに力点を置くかの違いかな。
    なぜ、人は魅せられるのか…
    お人形は広く大好きなので、面白かったです。
    私が特に好きなタイプの人形の話は全く出てきませんけど~確かに普通すぎて小説にはなりにくいと思うけど。
    続編もあるそうなので、楽しみ。

    この作品は2009年1月発行。
    著者は1964年、広島市生まれ。89年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。
    97年、現名義で「妖都」を上梓。幻想小説の旗手として注目される。
    2006年、自身の高校時代に材をとった「ブラバン」が話題となる。

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    2012年04月21日
  • バレエ・メカニック

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    アニメ化してほしいな。
    おじさんばかりが、観念としての1人の少女を巡ってわたわたしているばかりの話だけれど、大蜘蛛とか馬車とか、きっととても絵になる。
    できれば造形家のおじさんのダンディさ、30%増しくらいで。

    キャラクタがすごく素敵です。
    ドードーが最初から最後まで愛おしい。

    幻想小説に慣れていない人には読みにくいかも。

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    2012年04月08日
  • たまさか人形堂物語

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    「奇譚集」や「蘆屋家の崩壊」みたいな幻想小説の色がかすかに見えるのだが、ほっと心温まる部分もあり、ひとつひとつ楽しんでじっくり読んだ。
    店主の澪と職人2人の間の距離に、お互いを思いやる「本当の大人のあり方」が感じられて心地よかった。続編希望。

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    2012年03月19日
  • バレエ・メカニック

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    折り重なる言葉、混濁と混沌のサイバーパンク!
    津原泰水の新たなる一面を読ませてもらった感じ。
    四谷シモンの人形が配された表紙がとても印象的。
    作家本人が装丁しているとのこと、これも結構珍しい。

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    2012年03月18日