津原泰水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
津原泰水の原作、もうあまり細かく覚えてはいないのだけど、並行世界の移行の装置としての「くだん」というSF的なアイデアの新鮮さが強く印象に残った記憶がある。
今回、近藤ようこの漫画を読んでみると、たしかに同じ物語なのに、まったく異なった色彩で見えてきて、まさに「くだん」によって違う世界に運ばれたみたいだ。幻のように消えていくような世界(それが私たちの生きている歴史)の中で、いわゆる「畸形」として放逐された5人が創りあげる「家族」の力強さが、くっきりと焦点を結んでくる。あちらの世界に行ったふたりが、この失われた世界を想っているラストシーンは、自分の足元が不確かになるような不思議さ。おもしろい。 -
購入済み
五色の舟
発売当初から、ずっと、読みたくて読みたくて、でも、手に入らなくて、電子図書でやっと
購入できました。もう、何回読み返したか、わかりません。これからも、わかりません。
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Posted by ブクログ
かけがえのない青春時代、とはよく言いますが、時を経て振り返るときになればあえてそれを実感するもの。当時は今を生きるだけで精いっぱいだった。そしてそれで良かった、そんな時代。大人になったらそんなわけにはいかないから、そのがむしゃらに打ち込んでいたモノがあったあの頃がとても眩くも感じられる。
…そういうことをほろりほろりと思った、ブラバンに打ち込んだ高校生時代と現代を行き来しながらつづられるかけがえのない日々の物語。
広島弁の温かみが味わいがあって良かったですし、シニカルで容赦もあんまりない25年後の現在の人々の姿もかえってリアルで親近感もあります。
みんなその時その時一生懸命に日々を生きていて、 -
Posted by ブクログ
ブラバン小説というと…「楽隊のうさぎ」とか、現役中高生を主役にしたものが思い浮かぶ。
でも、これは「その時」から遠く離れた大人からの物語。
着実な人生を歩む者、消息不明の者、そして死んでしまった者。
それぞれの人生が重なり合って、複雑な色合いが見える。
現役のブラバン中高生が読んだら…あまり面白いとは思ってくれないかも。
バンドを舞台にするだけに、登場人物が多く、また時間が交錯するので、うっかり読むとすぐにわからなくなる。
自分よりもちょっと上の世代がモデルなようだ。
ほぼ同世代の方が読んだら、その時代の空気を思い出せて、また別の面白がり方ができるのかもしれない。
私もブラバンで「弦バス」 -
Posted by ブクログ
幻想、SF、ホラー、文学など11話の作品を収録した短編集。
自分が今まで読んだことのない物語たちでした。短編それぞれが多種多様なジャンルをまたいでいる、というのもありますが、それに加え文章もそれぞれの短編の味を最大限に引き出すため、それぞれに工夫が加えられている、そんな風に思いました。
そうした短編たちばかりだったので初読での評価が非常に難しい、というのが正直な印象…。自分の理解の範疇を越えているように感じた短編もいくつかあって、あらためて小説の世界は広いのだな、と感じました。
そんな中印象的だったのは、異形の家族がたどり着く新たな運命を描いた「五色の舟」。幻想的かつ圧倒的な物語 -
Posted by ブクログ
ネタバレ九年前に海辺で溺れ、大脳の機能を失い脳幹のみが機能し生存している理沙。
東京各所にて、七本肢の巨大蜘蛛が目撃されたり、
高速道路で津波に遭遇されたりなどの現象が起きる。
理沙の父の木根原は担当医の龍神から、これらは理沙の夢想が引き起こしているという話を聞き、起きている現象に心当たりを覚え動き出す。
第一章バレエ・メカニックは理沙の父親木根原サイド、
第二章貝殻と僧侶は理沙の担当医龍神好実サイド、
第三章午前の幽霊はチルドレンとなった山岸外起夫サイドで構成されている。
読み進むにつれていったい誰の語りなのかと不思議さが増していったが、なぜかその不可解さが読み進めさせているような気がした。
読