津原泰水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ九年前に海辺で溺れ、大脳の機能を失い脳幹のみが機能し生存している理沙。
東京各所にて、七本肢の巨大蜘蛛が目撃されたり、
高速道路で津波に遭遇されたりなどの現象が起きる。
理沙の父の木根原は担当医の龍神から、これらは理沙の夢想が引き起こしているという話を聞き、起きている現象に心当たりを覚え動き出す。
第一章バレエ・メカニックは理沙の父親木根原サイド、
第二章貝殻と僧侶は理沙の担当医龍神好実サイド、
第三章午前の幽霊はチルドレンとなった山岸外起夫サイドで構成されている。
読み進むにつれていったい誰の語りなのかと不思議さが増していったが、なぜかその不可解さが読み進めさせているような気がした。
読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思ったより読んでる人が多いな。何かの本の裏に書かれてて借りた物。3つの短編集。ちょっと長めの。ティーンエイジャー向けにしてはちょっと難しいというか。少し昔の時代設定で、凜とした感じがする。元女子校、というのも影響してるのか。キャラはみんないい。やっぱり毒舌のキリエが一番好き。きりみたいだな。化石ばかりの祀島君も好き。登場人物紹介の京野摩耶のところ、「さして取り柄のない美少女」って摩耶は怒るべきだ。
2015.12.21
再読。この続編の感動を知っている私は、初回よりもとても楽しめたと思う。でもちょっとトリックが難しいよな。本格的で。ほんと、みんな大好きだ、と思う。これが津原やすみ時代に書いた -
Posted by ブクログ
たまたま『蘆屋家の崩壊』が水に合い、この本に手を伸ばしてみました。
うん、これ、ダメな人いるだろうけどね。何も知らない人には最初の短編『天使解体』はキツくないだろうか。でもここでウットリするか、回れ右するか、ふるいに落とせるのかもしれません。私は前者。とんでもなく壮絶な状況なのに、頭が麻痺して“それ”に神秘性を感じてしまったのです。まんまと私も狂ってしまったのでしょう。そして中毒性があるようです。
一言で表わすと、「ちょっと変な酔いかたをするから止めておいたほうが良いのだけれど、こっそり飲みたい」酒のような。いや、それではまだ軽すぎるな。
『奇談』・『奇譚』・『綺談』でなくやはり『綺譚』集が