津原泰水のレビュー一覧

  • バレエ・メカニック

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    ネタバレ

    九年前に海辺で溺れ、大脳の機能を失い脳幹のみが機能し生存している理沙。
    東京各所にて、七本肢の巨大蜘蛛が目撃されたり、
    高速道路で津波に遭遇されたりなどの現象が起きる。
    理沙の父の木根原は担当医の龍神から、これらは理沙の夢想が引き起こしているという話を聞き、起きている現象に心当たりを覚え動き出す。

    第一章バレエ・メカニックは理沙の父親木根原サイド、
    第二章貝殻と僧侶は理沙の担当医龍神好実サイド、
    第三章午前の幽霊はチルドレンとなった山岸外起夫サイドで構成されている。
    読み進むにつれていったい誰の語りなのかと不思議さが増していったが、なぜかその不可解さが読み進めさせているような気がした。

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    2014年08月12日
  • 11 eleven

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    心の奥の混沌とした暗闇の中から何ものかを取り出して、陽の当たる場所にさらしたような、あるいは胸にあいた風穴から欠落したしたものを丁寧に掬いあげて提示したような、そんな短編集でした。フィクションをリアルな物語として捉えられるのは、誰もが心の奥底に混沌とした部分を秘め持っているからなのでしょうネ。文学のジャンルを超えた、とても味わい深い一冊でした。

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    2014年07月30日
  • 11 eleven

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    怖いのと怖くないのと。SFなのか、ホラーなのか。両方なのか。まぁ、そんな区分をあえてしなくてもいいかな、と思える短編集でした。

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    2014年07月18日
  • 11 eleven

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    読んでいて後味の苦さが残る短編集。
    解説を読むと、あらゆるジャンルの小説にチャレンジしている触れ込みだが、これのせいで逆に何を伝えたいのかがよくわからない短編集だった。
    しかし、前半の数作はなかなか面白かった。

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    2014年05月21日
  • たまさか人形堂物語

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    人形店を継ぐことになったとはいえ、澪はド素人。
    そこに人形マニアの冨永君がやってきて、更には
    謎の職人の師村さんも参加して、人形の修復業として
    なんとか店を続けることができた。
    人形の薀蓄もさることながら、そこに込められた思いを
    敏感に感じ取りながら修復を試みる。
    まさにプロの仕事。
    こういう修復師の話って結構好きかも(o^o^o)
    続編の文庫落ちを待ちます♪

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    2014年05月18日
  • たまさか人形堂物語

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    零細人形店を継いで、人形修理店を始めた主人公。タイトル通り人形がテーマで短編6話。想像してたよりミステリー色が強く、登場人物のキャラも立ってて面白く読めたけど、文章が時々わかり辛かったな〜。続編あるみたいなので気になる。

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    2014年05月11日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    なんだろうか。

    話が急に飛んだり、意味が分からない会話がでてきたりとなかなか読みにくい部分があった。

    物語の雰囲気は嫌いじゃないんだけど。

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    2014年02月23日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    前作が素っ頓狂な姉妹の話というイメージだったのに、今作は女同士の友情+男友達の友情でした。逆回しの演出が辛い。

    もう一冊予定があるそうなので、じんわり待つ。

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    2013年09月29日
  • バレエ・メカニック

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    たとえ不可抗力であったにせよ、ちょっとした不注意や油断が、自身を含め、多くの人の人生を狂わせてしまうということは、往々にしてありがちなことだと思います。超現実的で不条理な世界観や、作中で繰り広げられるパニックに眼を奪われがちですが、これは人生を踏み外してしまった人々の想念が織り成す、救いのない悲しい物語です。読み始めると、どんどん深みにはまり込んでしまいますよ。

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    2013年07月07日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    津原泰水さんが「津原やすみ」名で少女小説家として活躍していた頃の作品と聞いて、あまり食指が動かず読むのを後回しにしていたのだが、さすがに津原さん、やっぱり面白かった。きっちり作り上げられた世界とキャラクターを堪能した。ジャンルの性格上、人物像がやや極端ではあるけれど、気になるほどではなくてむしろ楽しめる。もう一冊も続けて読むことにしよう。

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    2013年03月22日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    本格学園ミステリの続編。前作もしっかり本格推理していましたが、今作は加えてキャラクターの人間性が更に掘り下げられています。メインキャラクターの一人の葬儀というショッキングなイベントから遡り、徐々に登場人物の人間像が見えてくる構造は見事。ただ、前作から続くユーモアも健在で、肩肘張らずに楽しめます。

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    2013年03月03日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    時計が逆回りしていく間に、起こった数々のたわいないことが、高潔に生きようとした少女を輝かせる。なんて悲しい効果だろう。

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    2013年01月22日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    私が楽しむとしたら、ミステリとしてではなくキャラクター造形に重きを置くかな。男性陣2人がかわいいです。
    三作目も記述が進むにつれ、犯人がどんどんキャラクターとして目立ってくるし、最後の方はちょっとぞっとしたくらい。

    どの編も推理自体は無理があるような。。

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    2013年01月20日
  • バレエ・メカニック

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    シュールレアリスム小説から探偵小説、最後はSFへ。
    しかし、最終章のような人とのつながりが希薄になった世界においても、心の一部が欠けた人達が、誰かを求めて彷徨う物語であるのは変わらず。

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    2012年10月02日
  • バレエ・メカニック

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    不安で不吉な暁の夢のような今作。
    混沌としている。
    でも嫌いじゃない。

    後半、走り読みしてしまった。
    いつかまたゆっくり読み返したい。

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    2014年01月07日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    ネタバレ

     全体的になんだか懐かしい空気で読んでいた。解説を読んで、なるほど中学の時に夢中だったコバルト文庫的だったんだ!
     登場人物がとにかくいい。主役集団だけでなく、出てくる人々が楽しい。
    とぼけた雰囲気の会話も楽しいし。数々の雑学。
    化石探しとかやっちゃうかも。 

    「これまで見えていたものが見えなくなる喪失感と、これまで見えなかったものが見えてくる解放感、この相反する状態が同時に起こる幻惑的瞬間に立ち会う事、それこそ良質な推理小説を読む醍醐味なのだ」(解説より)
    犯人が最初にわかっていてもとても楽しめた。

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    2012年08月02日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    連作ミステリ短編集。


    これが少女小説として出されてたのがすごい。少女小説=少女の成長と初恋ってイメージがあったけど、探せばおもしろい作品があるのかなあ。

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    2012年03月05日
  • 綺譚集

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    綺麗だと感じた話は「脛骨」だけ。どの話も構想はおもしろいのですが文体がいまいち・・性に合いませんでした。上を求めたらキリがないのですが、「奇」と「綺」を求めるのならおすすめしない。

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    2012年02月18日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    ネタバレ

    思ったより読んでる人が多いな。何かの本の裏に書かれてて借りた物。3つの短編集。ちょっと長めの。ティーンエイジャー向けにしてはちょっと難しいというか。少し昔の時代設定で、凜とした感じがする。元女子校、というのも影響してるのか。キャラはみんないい。やっぱり毒舌のキリエが一番好き。きりみたいだな。化石ばかりの祀島君も好き。登場人物紹介の京野摩耶のところ、「さして取り柄のない美少女」って摩耶は怒るべきだ。

    2015.12.21
    再読。この続編の感動を知っている私は、初回よりもとても楽しめたと思う。でもちょっとトリックが難しいよな。本格的で。ほんと、みんな大好きだ、と思う。これが津原やすみ時代に書いた

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    2015年12月21日
  • 綺譚集

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    たまたま『蘆屋家の崩壊』が水に合い、この本に手を伸ばしてみました。
    うん、これ、ダメな人いるだろうけどね。何も知らない人には最初の短編『天使解体』はキツくないだろうか。でもここでウットリするか、回れ右するか、ふるいに落とせるのかもしれません。私は前者。とんでもなく壮絶な状況なのに、頭が麻痺して“それ”に神秘性を感じてしまったのです。まんまと私も狂ってしまったのでしょう。そして中毒性があるようです。
    一言で表わすと、「ちょっと変な酔いかたをするから止めておいたほうが良いのだけれど、こっそり飲みたい」酒のような。いや、それではまだ軽すぎるな。

    『奇談』・『奇譚』・『綺談』でなくやはり『綺譚』集が

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    2012年01月09日