津原泰水のレビュー一覧
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ブラバン小説というと…「楽隊のうさぎ」とか、現役中高生を主役にしたものが思い浮かぶ。
でも、これは「その時」から遠く離れた大人からの物語。
着実な人生を歩む者、消息不明の者、そして死んでしまった者。
それぞれの人生が重なり合って、複雑な色合いが見える。
現役のブラバン中高生が読んだら…あまり面白いとは思ってくれないかも。
バンドを舞台にするだけに、登場人物が多く、また時間が交錯するので、うっかり読むとすぐにわからなくなる。
自分よりもちょっと上の世代がモデルなようだ。
ほぼ同世代の方が読んだら、その時代の空気を思い出せて、また別の面白がり方ができるのかもしれない。
私もブラバンで「弦バス」 -
Posted by ブクログ
幻想、SF、ホラー、文学など11話の作品を収録した短編集。
自分が今まで読んだことのない物語たちでした。短編それぞれが多種多様なジャンルをまたいでいる、というのもありますが、それに加え文章もそれぞれの短編の味を最大限に引き出すため、それぞれに工夫が加えられている、そんな風に思いました。
そうした短編たちばかりだったので初読での評価が非常に難しい、というのが正直な印象…。自分の理解の範疇を越えているように感じた短編もいくつかあって、あらためて小説の世界は広いのだな、と感じました。
そんな中印象的だったのは、異形の家族がたどり着く新たな運命を描いた「五色の舟」。幻想的かつ圧倒的な物語 -
Posted by ブクログ
ネタバレ九年前に海辺で溺れ、大脳の機能を失い脳幹のみが機能し生存している理沙。
東京各所にて、七本肢の巨大蜘蛛が目撃されたり、
高速道路で津波に遭遇されたりなどの現象が起きる。
理沙の父の木根原は担当医の龍神から、これらは理沙の夢想が引き起こしているという話を聞き、起きている現象に心当たりを覚え動き出す。
第一章バレエ・メカニックは理沙の父親木根原サイド、
第二章貝殻と僧侶は理沙の担当医龍神好実サイド、
第三章午前の幽霊はチルドレンとなった山岸外起夫サイドで構成されている。
読み進むにつれていったい誰の語りなのかと不思議さが増していったが、なぜかその不可解さが読み進めさせているような気がした。
読