津原泰水のレビュー一覧
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必読。ただその一言です。
名手・津原泰水の手になる短篇「五色の舟」(短篇集『11』所収)、そのコミカライズですね。
見世物一座の少年、和郎を語り部とする本作は、原作からして傑作といえるものでした。津原泰水一流の高密度な文体を見事に視覚化した本書もまた、原作に勝るとも劣らない素晴らしいものです。
いずれも何かしらの欠損を抱えながら、互いに「家族」として日々を過ごす見世物一座の人々。彼らが出会う、未来を予言するという化生「くだん」。そして和郎が見る「五色の舟」の夢……あくまで静かに語られる物語の末に和郎たち家族が迎える運命は、幸福でいながら喪失感に満ちています。
わけても終盤のモノローグ、そ -
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シュールレアリスムに始まりサイバーパンクで終わる。
発売当初から感想や書評を読んでも、どんな話かさっぱりわからなかったけれど、実際読んでみて、これは読まなきゃわからないな、と思った。
様々なところでシュールレアリスムとかサイバーパンクとか言われていて、実際各章を取り上げるとそういう分類になると思うけれど、すべて読み終わったときの印象は、綺麗な話だな、ということだった。
抽象的な表現だけど、私の内にある言葉では具体的に表すのはとても難しい。内側にある言葉で表そうとすると、そういう表現になってしまう。
たぶん個々のキャラクターについて書けば、それなりに具体的な書き方もできるだろうし、個々のキャラク -
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前衛芸術家、木原の娘は事故で9年間昏睡状態にある。
彼女は、都市を巻き込んで夢を見る。
読みながらずっと小松左京の「ゴルディアスの結び目」と萩尾望都の「バルバラ異界」を思っていた。眠り続ける娘の夢が共通だからといえばそれだけなのだが、それだけじゃないように感じていた。
眠りは、ある種の<死>だ。
その<死>の中で、「生きている」ということを探し続ける父親の姿は、普遍であり、愛情深いものだ。が、「夢」はそれを拒絶していく。
娘の主治医、龍神はそれを目の当たりにして、自身の喪失にうちのめされる。
もう決して手にできないものだからこそ、人は求めずにいられないのだ。
その当た -
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祖母の形見の人形店を継いだ主人公。
人形マニアと、凄腕の職人の三人で、修理専門の人形店として営業中。
修理として持ちこまれた人形とそれを取り巻くミステリー短編集。
*毀す理由
*恋は恋
*村上迷想
*最終公演
*ガブ
*スリーピング・ビューティ
一口に人形といっても、様々でそれに対する知識というか、含蓄に圧倒される。といっても、それが嫌みではなく、本当に人形が好きなんだというその気持ちになごむ。が、それを引きだしているのは、押しかけ従業員で人形マニアの富永くんなんだが。
店主である澪はリストラされたOLってことで、祖父母の思い出は大事にしてるけど、だからといってそんな -
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『バレエ・メカニック』から読みはじめた私としては、津原泰水ってこんな作品も書けるんだーと、ちょっと意外。
まったく毛色が違うけど、すごく好きな作品。
祖母の遺品として出てきた夭折の詩人の日記を孫・耿介に渡しに行く暁子。楽器職人である耿介はお礼に赤い竪琴を渡す。それを自宅に持ち帰る暁子。
翌日、暁子は耿介に恋をしていると気づく。
ここで、暁子と一緒に耿介に恋できるかどうかで、この作品の評価が分かれそうなんだけど、私は耿介の登場から完全に目にハートマークがついてました。
でも、よく読むと、耿介の容姿につてはまったく触れられてないのよ。
なのに、「この人好き」って思えるってどういうこと?
私 -
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このルピナス探偵団は元々1994、95年に講談社X文庫TEENS HEARTから『うふふルピナス探偵団』『ようこそ雪の館へ』の2冊が発売された。その後著者は少女小説家を卒業してしまったのだが、その後その2冊分を大幅に改稿し(『うふふルピナス探偵団』は「冷えたピザはいかが」と改題されている)+もう一編「大女優の右手」を書き下ろし、原書房ミステリー・リーグから『ルピナス探偵団の当惑』として2004年に単行本化された。今回はその原書房で単行本化されたものの文庫化である。X文庫版も、原書房版も読んだのに、また買って読んでしまった。普段なら文庫で756円なんて高い!!と思ってしまう私ですが、元々の文庫が