津原泰水のレビュー一覧

  • たまさか人形堂物語

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    古い人形屋。綺麗で変わり者の青年に、訳ありの職人。そして店長。
    すごく好きな要素がつまってる。
    少し暗い、ドロドロした人形を巡るミステリー。

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    2013年07月07日
  • バレエ・メカニック

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    シュールレアリスムに始まりサイバーパンクで終わる。
    発売当初から感想や書評を読んでも、どんな話かさっぱりわからなかったけれど、実際読んでみて、これは読まなきゃわからないな、と思った。
    様々なところでシュールレアリスムとかサイバーパンクとか言われていて、実際各章を取り上げるとそういう分類になると思うけれど、すべて読み終わったときの印象は、綺麗な話だな、ということだった。
    抽象的な表現だけど、私の内にある言葉では具体的に表すのはとても難しい。内側にある言葉で表そうとすると、そういう表現になってしまう。
    たぶん個々のキャラクターについて書けば、それなりに具体的な書き方もできるだろうし、個々のキャラク

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    2013年01月05日
  • 綺譚集

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    泰水好きだなーもー!
    綺譚集は過去の短編を集めた作品だそうですが、やっぱり冒頭の三部作が秀逸。「天使解体」「サイレン」「夜のジャミラ」のインパクトたるや・・・特に個人的にはジャミラですね、ついうっかり何度も読み返しちゃう。
    「脛骨」も好きです。かわいいよね! 他にある意味印象深いのは「聖戦の記録」。うわぁ、ってなります。
    津原さん好きは「11」の前にいったんこちらを読んでいただきたい!おすすめ!

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    2012年11月21日
  • バレエ・メカニック

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    読み始めは耽美的な小説かと思ったけれど、モーツァルトしか流れなくなるカーラジオ、過去へのトリップなど、次第にSF色が強くなって独特な幻想小説が創られていた。マルドゥック~のプールかな??とかチルドレンとかいろいろ聞き覚えがあったけれど、立ち上る世界観にやられたので☆5。

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    2012年11月16日
  • バレエ・メカニック

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    津原泰水のサイバーパンクSF。全3章からなっており各章は独立しているがつながりがある。文章は一文一文考えて置かれている印象。「君」を主語とする二人称の部分もあり読みづらく感じる部分もあるかもしれない。よく考えて、文章であらわされるものを想像しながら読んでいくとおもしろい。

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    2012年09月23日
  • たまさか人形堂物語

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    主人公がおじいちゃんから受け継いだ人形修復屋さんを舞台にいくつかの短編。
    それぞれの物語もおもしろかったし、人形に関する蘊蓄も興味深かったし、終わり方も途中で読めたけど希望どおりの結末で☆4つのうえに、出てくる男性陣がみんな変人でそれぞれにいい男だっていうとこでさらに☆1つ追加(笑)。芸術家でもあり職人でもありって、もう私のツボに入りまくりでしょう!!

    この作者の本を他にも読んでみようっと。

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    2012年09月15日
  • バレエ・メカニック

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    感想を書くのが難しい…
    描かれている世界が、自分の想像範囲をはるかに超えていて、なかなか理解できないまま最後まで進んでしまったが、理解できないにもかかわらずページを繰る手は止まらない。
    山尾悠子のように、創造された世界と現実との開きが大きいだけなら、もっとスッと読み物として入ってくると思うのだが、津原泰水は、この世界と地続きでいながら、ねじれたりぶれたりしているような、気持ちの悪さが加わる。でも、決して心地悪くはない気持ち悪さなんだけど。

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    2012年06月05日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    ネタバレ

    もともと少女小説のレーベルで出版していた作品を、作者自ら改稿した青春ミステリ。収められている3編は、古びているということはなく、それでいて津原さんのテイストが味わえる秀作ばかり。個人的には『ようこそ雪の館へ』が好みでした。また、『大女優の右手』には、尾崎翠の『瑠璃玉の耳輪』も出てきて、面白かったです。

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    2012年05月14日
  • バレエ・メカニック

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    久々にSF読んだなと思いました。
    詩的で、混沌としていて、メカニカルで、破滅的で、タナトス&エロスもあって、読みごたえがありました。
    もう何冊か、この作者の書いたものを読んでみたいなと。

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    2012年05月10日
  • バレエ・メカニック

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     前衛芸術家、木原の娘は事故で9年間昏睡状態にある。
     彼女は、都市を巻き込んで夢を見る。

     読みながらずっと小松左京の「ゴルディアスの結び目」と萩尾望都の「バルバラ異界」を思っていた。眠り続ける娘の夢が共通だからといえばそれだけなのだが、それだけじゃないように感じていた。

     眠りは、ある種の<死>だ。
     
     その<死>の中で、「生きている」ということを探し続ける父親の姿は、普遍であり、愛情深いものだ。が、「夢」はそれを拒絶していく。
     娘の主治医、龍神はそれを目の当たりにして、自身の喪失にうちのめされる。

     もう決して手にできないものだからこそ、人は求めずにいられないのだ。
     その当た

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    2012年05月01日
  • たまさか人形堂物語

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     祖母の形見の人形店を継いだ主人公。
     人形マニアと、凄腕の職人の三人で、修理専門の人形店として営業中。

     修理として持ちこまれた人形とそれを取り巻くミステリー短編集。
     *毀す理由
     *恋は恋
     *村上迷想
     *最終公演
     *ガブ
     *スリーピング・ビューティ

     一口に人形といっても、様々でそれに対する知識というか、含蓄に圧倒される。といっても、それが嫌みではなく、本当に人形が好きなんだというその気持ちになごむ。が、それを引きだしているのは、押しかけ従業員で人形マニアの富永くんなんだが。
     店主である澪はリストラされたOLってことで、祖父母の思い出は大事にしてるけど、だからといってそんな

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    2011年10月10日
  • 綺譚集

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    【天使解体】私を置いてずんずんと進んゆく。ずんずんと解体されてゆく。

    【玄い森の底から】
    美しくしなやかなことばにくらくらくら。

    【聖戦の記録】闘え!戦え!


    【約束】なんてうつくしいのだろう。
    私も約束になりたい。なりたいよ。

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    2011年09月03日
  • 赤い竪琴

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    活字で描かれている異性は暗いというか、影のある人に惹かれる。実際にいたら意外とうっとうしいのだろうけど、活字で読むと何だか素敵に思えてしまうのだ。
    で、この作中に出てくる寒川氏がとても素敵。影、めちゃくちゃありまくり。あまり読まない恋愛小説(ってカテゴライズしてしまっていいのだろうか)の中でも1、2を争うくらいに好きでござる。淡々と、でも切ない気持ちにさせられる。

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    2011年05月31日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    津原泰水作品のキャラクターからには、なぜか潔さを感じる。
    どんなに不道徳でも卑俗的でも、すべての登場人物に宿ってる気がする。
    そして相変わらずのネーミングセンスに脱帽。

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    2012年09月09日
  • 赤い竪琴

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    『バレエ・メカニック』から読みはじめた私としては、津原泰水ってこんな作品も書けるんだーと、ちょっと意外。
    まったく毛色が違うけど、すごく好きな作品。

    祖母の遺品として出てきた夭折の詩人の日記を孫・耿介に渡しに行く暁子。楽器職人である耿介はお礼に赤い竪琴を渡す。それを自宅に持ち帰る暁子。

    翌日、暁子は耿介に恋をしていると気づく。

    ここで、暁子と一緒に耿介に恋できるかどうかで、この作品の評価が分かれそうなんだけど、私は耿介の登場から完全に目にハートマークがついてました。
    でも、よく読むと、耿介の容姿につてはまったく触れられてないのよ。
    なのに、「この人好き」って思えるってどういうこと?

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    2010年06月10日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    可愛い話。
    祀島君が好きです。天然でクールって、最高だと思う。キリエのさばさばした性格も大好き。
    初期のタイトルが「うふふ ルピナス探偵団」だったのを知ってもっと好きになった。
    サイコ、好き。

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    2009年12月07日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    このルピナス探偵団は元々1994、95年に講談社X文庫TEENS HEARTから『うふふルピナス探偵団』『ようこそ雪の館へ』の2冊が発売された。その後著者は少女小説家を卒業してしまったのだが、その後その2冊分を大幅に改稿し(『うふふルピナス探偵団』は「冷えたピザはいかが」と改題されている)+もう一編「大女優の右手」を書き下ろし、原書房ミステリー・リーグから『ルピナス探偵団の当惑』として2004年に単行本化された。今回はその原書房で単行本化されたものの文庫化である。X文庫版も、原書房版も読んだのに、また買って読んでしまった。普段なら文庫で756円なんて高い!!と思ってしまう私ですが、元々の文庫が

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    2011年07月20日
  • 11 eleven

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    百年に一度生まれ、未来を予言すると言われる生き物「くだん」。鬼の面をした怪物が異形の家族に見せた世界の真実とは。(『五色の舟』)


    津原泰水さんの短編集。
    幻想的だったりSF風、怪奇小説風だったり、作品によって変わる文調も印象的です。

    個人的に好きだった話は『土の枕』。戦時中の話で、津原さんの母方の血筋の「ほぼ実話」だそうです。こんなふうに誰かと入れ替わったり、もとの戸籍を失ってしまった人なんかもいたのかな。色々と考えるきっかけになり、戦争に関する日が多いこの8月に読んでよかったです。

    『クラーケン』も良かったです。大型犬を飼う女性の話。女性の鬱屈と後に起こるであろう悲劇に思いを馳せずに

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    2025年08月09日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    敬愛する幻想作家津原泰水のミステリ短編集。僕の本来の好みの津原作品ではないものの、登場人物のキャラクターが、セリフが楽しい。本にまとめるにあたって書き足された「大女優の右手」はさすが。僕の推しはキリエちゃん♪ また余裕ができたら、続きも読もう。

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    2025年07月11日
  • ブラバン(新潮文庫)

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     始まった時点で、普通ならヒロインになるだろう存在が死んでるってのはなかなか凝った構成。
     なんのかんので、柏木とか普天間とかとのエピソードが甘酢っぱい感じで、主人公モテモテだよなあ。元ブラバン顧問の先生ともそういう関係になっちゃうし。
     父親にエレキベースを買ってもらうエピソードとか、事故で右腕を失った辻からベースを渡される話とか、バンド経験者にはたまらんな。名言もいっぱい。
     再結成の話なのに、普通なら一番の見せ場になるはずの演奏シーンがないところが斬新。それでいてこれだけ魅力的な話をかけるということに驚いた。作者はホラーの人だと思ってたけど、こういう話を他にも書いているなら読みたいな。

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    2025年05月27日