津原泰水のレビュー一覧
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好きな世界でした。面白かったです。
幻想的なホラーもあればSFもあり、色とりどりでした。
「五色の舟」「クラーケン」「テルミン嬢」「土の枕」が特に好きでした。
「五色の舟」は見世物小屋の家族と件という要素も、物語の行く末も、お話に漂う物悲しさと美しさも好きです堪らなく。薄暗く混沌としたあの頃の様子も。
「クラーケン」のラストの行動、主人公の女の気持ちがわかります。「あとは魔の領分だった」というラストの言葉選びも素敵。
「テルミン嬢」、深海の巨大な悲しみってなんだろう。。でも、海は悲しみという気がします。
「土の枕」はひとつだけほぼ実話という一篇なのですがすごい…ひとりの男の劇的な人生。他人の名 -
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難しくて疲れました。難しいというのは、物語が難解という意味でもあり、何が本質かを見つけるのが容易でないという意味でもあり、伝えたいことついて考えるのが難儀という意味でもあります。多くの作品が、脳が認識する現実世界が本当の世界なのかという疑問に沿って書かれているため、言葉そのものさえ本来の意味ではないような錯覚さえしてきて、構成も内容も脳みそに侵食してきて、ぐったりしてしまうのです。でも、だからこそ、評価されたのだろうと思います。記憶に残る短篇集です。
解説は、解説して欲しかった作品に全く触れていなかったので残念でした。分かりやすいものにしか触れていないようでしたので読みませんでした。
「土 -
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ひきこもり専門のカウンセラーが、クライアントのひきこもりたちと協力して「不気味の谷」を越えるCGを作っちゃう、ていうお話。
作者と元々の出版社との間にゴタゴタがあっていろいろと話題になったんだけど、そういうの関係なく、純粋に読んでて楽しい本だと思う。
ていうか、夢中になって読んでしまった(^^)
登場人物みんな魅力的なところがすごく好きで、特にひきこもりたちをサポートする伝説のハッカー、ロックスミスがお気に入り。
ロックスミスの正体は結局わからないままだから、勝手にコンビニ店員の白雲(はくうん)さんだと妄想して、セージとのラブストーリーを脳内で展開( ´ ▽ ` )♡ -
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お墓参りの往復に文庫本を持って出て、面白くて一気読みしました。没頭していて気付いたら終点駅に到着していました。こんな事は滅多にありません。終点駅が最寄駅でよかったです。帰宅後も続きを読み、翌日には読み終えました。ものすごくおもしろかったです。
万人受けするタイプの、物語の構成に重きのある、メッセージが伝わりやすく共感しやすい、テンポの良い、小説です。
津原さんは初めて読んだのですが、伊坂幸太郎さんや恒川光太郎さんや佐藤正午さんと同じタイプの作家さんです。ページを捲る手が止められなくなります。
津原泰水さんにハマったので他の作品も読んでみようと思います。 -
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津村泰水・原作、近藤よう子・漫画。
第二次世界大戦終盤の日本。
不思議な一座が旅をする。
或る者は両脚がなく、或る者は侏儒。或る者は半身を失った片割れで、或る者は関節が逆についた脚を持つ。或る者は両手を持たず、聾唖である。
血のつながらない彼らは「家族」として暮らし、見世物興行で糊口をしのぐ。
彼らの住処は粗末な舟。
ありあわせのとりどりの色の布で覆われた五色の舟に、異形の五人が暮らしていた。
「父」であり、かつての名女形である雪之助は、あるとき、「くだん」の化け物が生まれたという噂を聞く。
人と牛のあいのこであるその化け物は、牛だけれども人の顔を持ち、過去のことも未来のことも、本当のこと -
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期待以上に楽しめたエンターテイメントだった。強引な部分もあるが、流れのテンポが良いのが心地よい。
書籍紹介サイトから
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主人公は、出版社に勤務する柳楽尚登、二十七歳。ある日、社命でカメラマンの実家を訪ねた尚登は、自然界の螺旋=ぐるぐるに魅せられたそのカメラマン・雨野から、ある計画を聞かされる。立ち飲み屋をエスカルゴ料理メインのフレンチレストランに変える、ついては、シェフは尚登だ、と。要するにワンマン社長から、問答無用の出向というか、実質上のリストラをされたのである。
かくして、尚登の人生そのものもまた、ぐるぐるし始める。三重にあるエスカルゴの養殖場で、“本物”の -
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再読
2巻で反省している通りミステリらしいミステリ
解説の通りチェスタトンや泡坂作品のような
気づけばなぜそう思えなかったのか納得の謎解きが秀逸
言うまでもなく文章も素晴らしい
2013/11/23
もとは1994年から95年に
講談社ティーンズハート(十二国記のホワイトハートの前身)からでた作品の改作
つまり少女向けライトノベルにおけるミステリであり
赤川次郎作品てきなおもむきの
殺人事件がおこるが陰湿さはあまりなく
探偵役の主人公一行は事件にまきこまれても泰然としていなければならないふう
ミステリに詳しくない目から見ても事件内容は相当変わっているが
登場人物の奇抜は決してそれに劣らない
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幻想短編集というべきか。
誰も、孤独をかかえ、ひっそりとでも大事に生きようとしている。それなのに、誤ったり踏み外したり、翻弄される。それが人間ってものだからな。
娘を亡くした父親の戸惑いと、悲しみが、「延長コード」の重さに象徴されている。感情をほとんど出してないのに、延長コードが切なく表している。
グレードデンに魅入られて、救われると同時に、結局は救われない女の話「クラーケン」
何かに依存することは、弱さだ。だがそれがどうしても必要な時もある。そして、それだけで救われないことも多々ある。
弱さと儚さと孤独と、そういうものの中に美しい瞬間は存在するのだろう。
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語り手の他片(たいら)は赤字続きのバーを営む中年男性。
そんな彼のもとへある日一人の女性がたずねて来る。
「披露宴で皆で集まって吹奏楽を演奏してほしい」と依頼したのは高校吹奏楽部の元メンバー、桜井。
桜井の一言がきっかけとなり、他片は今は散り散りとなった吹奏楽部のメンバーに再結成を呼びかけるが……
物語は語り手・他片の回想に沿ってすすむ。
吹奏楽部のメンバーはいずれも個性的。
登場人物はのべ数十人。吹奏楽部は大所帯、楽器の数だけ個性がある。
音楽小説であり青春小説であり八十年代ーグロリアス・エイティーの風俗小説である。
中年の他片が吹奏楽部で活動した過去を振り返る形で綴られる物語は、青春真っ