津原泰水のレビュー一覧
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高校のブラスバンド部の仲間が、結婚式でブラスバンド部を再結成して演奏してほしいと言い出した。20年以上たった広島で、仲間を集めることができるのか。
最初に断っておくが、今回の評価は大甘である。
年末年始の読書運が無さすぎて、小川洋子すらのめりこめなかったのだが、久しぶりにのめり込んで読めた1冊。しかしまず表紙をめくって、人名の羅列と思い入れが羅列。あかんやつやーんと思いながら、いつもどおり羅列部分は飛ばして読み始めた。あらすじと人物紹介は読まない。
他片でたいらと読むらしい主人公なのだが、皆元でみなもとと読む同級生と出会ってようやく明かされる。始終この説明不足と後付情報でストーリーは続く -
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まず装丁がびっくりするほど中身に合っていないです。まるで70年代の怪奇小説のような佇まい。これでは書店でジャケ買いする人は皆無に等しいでしょう。
所が、中身はテンポが良くてシュールな成長物語となっております。何故この装丁にしたのか小一時間問い詰めたい。
出版社からリストラに近い出向を命じられ、得意の料理の技術でエスカルゴ専門店の料理人になります。そしてエスカルゴの魅力と周囲の人々の魅力に支えられて、エスカルゴと料理の世界にのめり込んで行く。恋もあるよ。
こういうとよくあるお仕事小説風で「ふーん」で終わりそうなんですが、読んでみるとこれが妙に癖になる文章と台詞回しで、シュールさをまぶしたストーリ -
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ネタバレエロ(生)と死。パンチがあり過ぎて、侵食されて精神をやられています。どの短篇もすごいです。
たとえば恒川光太郎さんの幻想はファンタジー寄りの性善説に対して、津原さんはホラー寄りの性悪説みたいな感じ。この世とあの世の境界線がそこ彼処にあって誰しもに起こり得るっていうのは同じだけど、津原さんの人物たちは特に元々その境界が曖昧な人物(アーティストや子供やトランスジェンダーや精神疾患者など)が多く、敏感ゆえに圧倒的な力で悪とか美とかに飲み込まれてしまう。抗えないし抗うという発想すら持ち得ない。むしろそれが自然なことだと。だから怖い(苦笑)足下がぐにゃりと溶けて恐怖と不安に襲われてしまう。
ただ、美しい -
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20190814
ヒキコモリ支援カウンセラーのJJが集めた四人の引きこもり、パセリ、セージ、ローズマリーにタイムは、JJの提案したプロジェクトのためそれぞれの仕事をすることになる。JJの目的は、そして、4人の引きこもりの未来は。
新書版の社長のツイッターが問題になり、出版社が変わって発刊された作品。出てよかった!あいかわらずのシャープなテンポと甘すぎない展開、でも希望のある未来。4人は結局JJに踊らされた部分はあるが、踊って見て良かったと思っているだろう。続きがあればいいのに、でも絶対ないんだよな、でもそれもいいんだよな、と思える作品。 -
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ベタベタスカスカした今時の青春小説だったら嫌だな・・・とは思いつつ、開いてみます。
「バスクラリネットの死を知ったトロンボーンとアルトサクソフォンは、ちょっとしたパニックに陥った。」という謎の文句から始まるのでしたが、おや、意外に、濃い。
話は、高校時代に「弦バス」として吹奏楽部に入った主人公の、「当時」のドタバタ体験の記憶と、かれらが40歳になり、とあるきっかけでバンドを再結成することになり、各人の消息がだんだん明らかになる「今」とが交互に語られる。
時代の空気感や音楽体験はまさにツボ。
クイーンのギタリスト(ブライアン・メイ)が自作のギターを使っていたとか、ジョン・ボーナム、ビル・ -
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突然実質的クビを言い渡された、調理師免許持ちの編集者のナオノコトノボルこと尚登が送り込まれたのは、ぐるぐる写真家秋彦が開店を目論むエスカルゴレストランだった。
個性的な家族、讃岐と伊勢のロミオとジュリエットなど、人間的魅力のある面々のやり取りが面白い。笑えることをさらっといれてくるのがよい。桜がちょっと何を考えているのかよくわからず、あまり好きに慣れなかった。女性でいうなら梓の方が、何だかんだで大人で格好いい。尚登と秋彦のエスカルゴ兄弟も何だかんだで息があってる。飲食業はそんなに簡単ではなかろうと思いつつ、楽しい気持ちになれる本だった。 -
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ネタバレ幸せになる。
「何かを作る(創る)」ことに対する、著者の深い愛情を感じる。
和洋様々、そしてエスカルゴ!!という馴染みのない?料理の数々。
どれも美味しそうで、もう、食べたい……
うどん対決にも笑ってしまったが、まさかエスカルゴを乗せるとは???
まるっきり発想しなかったレシピなので衝撃。
なお、軍艦巻きが一番食べたい。食べたいったら食べたい。
キャラクターがどれも愛おしく、読者の「コレ!」というツボを押さえている感じもいい。サービス満点。
みんなちょっとずつはた迷惑で、可愛い。
桜というキャラの存外無遠慮なところと、酒豪に笑った。