あらすじ
「人間創りに参加してほしい」カウンセラーのJJは年齢性別さまざまな4人の引きこもりを連携させ、あるプロジェクトを始動する――!
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Posted by ブクログ
初めて読む時は先が気になって急いで読んでしまうので気づかなかったことが多い。今回はゆっくり読んでいて、読みながら気になったことを調べつつ読み進めた。登場人物たちのハンドルネームは聖司と芹香からきていると思い込んでいたが、スカボロー・フェアの歌詞からであった。この歌を知っているつもりでいたが、ネットで訳詞と解説を読んで『parsley, sage, rosemary and thyme』の意味やこのイギリス民謡の内容に、ああそういうことだったんだと感服した。作者の意図とは全く違うと思うが、偽善やエゴであったにせよ、こういう形の社会貢献をしてみたいと思った。
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面白かった。作家と出版社の関係で物議をかもした作品。文庫化されて良かったと、率直に思った。
引きこもりのカウンセラーをしている男が4人の引きこもり(ヒッキー)とあるプロジェクトを始める。そのプロジェクトが意外な方向に動いていく。結末はある程度予想がついたのだが、ちょっとしんみりさせられる
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ひきこもりたちとカウンセラーが組んで
いくつか仕事をしてみる話
ひきこもりという現代社会な素材を
いかにキャラクタ属性として表現するかという
少し前の電撃文庫にありそうなライトノベルのつくり
それをこの作者の火力で仕上げた作品
ひきこもりに対して現在的な見方とかがあるわけではなく
何も解決していなくとも
この話の登場人物たちはひとつ達成したここちになることで
めでたく終わる
肩透かしなはずなのにそうあまり感じさせない幻想性が
作者の技と思わせる読後感
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ひきこもり専門のカウンセラーが、クライアントのひきこもりたちと協力して「不気味の谷」を越えるCGを作っちゃう、ていうお話。
作者と元々の出版社との間にゴタゴタがあっていろいろと話題になったんだけど、そういうの関係なく、純粋に読んでて楽しい本だと思う。
ていうか、夢中になって読んでしまった(^^)
登場人物みんな魅力的なところがすごく好きで、特にひきこもりたちをサポートする伝説のハッカー、ロックスミスがお気に入り。
ロックスミスの正体は結局わからないままだから、勝手にコンビニ店員の白雲(はくうん)さんだと妄想して、セージとのラブストーリーを脳内で展開( ´ ▽ ` )♡
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お墓参りの往復に文庫本を持って出て、面白くて一気読みしました。没頭していて気付いたら終点駅に到着していました。こんな事は滅多にありません。終点駅が最寄駅でよかったです。帰宅後も続きを読み、翌日には読み終えました。ものすごくおもしろかったです。
万人受けするタイプの、物語の構成に重きのある、メッセージが伝わりやすく共感しやすい、テンポの良い、小説です。
津原さんは初めて読んだのですが、伊坂幸太郎さんや恒川光太郎さんや佐藤正午さんと同じタイプの作家さんです。ページを捲る手が止められなくなります。
津原泰水さんにハマったので他の作品も読んでみようと思います。
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え、ここで終わるのかよと思わず声が出そうになった。
曲者揃いのとあるプロジェクトの顛末を追いかけているが、これがまあ本当に一筋縄ではいかないし良い意味で狐につままれたような気持ちになった。
ネットを介しているのでその辺の展開やスピード感はとても早い。これは騙しているのか、それとも? こんな作品もあるのかと驚くばかりだ。
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早く寝なきゃ、なのにページを繰る手が止まらない。あぁ今夜も夜更かしだ…。
久しぶりにそんな読み方が出来た。
軽快だけど軽過ぎず、適度に読みやすい文体。
変に道徳的過ぎないのも好ましい。全ての登場キャラクター達に純粋な意味でのハッピーエンドは無い。それぞれに甘辛ミックスな現実がある。
だけど最後には一筋の希望の光が。
スレてしまった大人でも心が温かくなる、爽やかな青春冒険譚。
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いわゆる「ひきこもり」を、全く弱者として扱わない。
誰もが特別で、トライする限り可能性は無限にあると、肩ひじ張らずに示してくれる。
読み終わって感極まり泣いた。
超同調社会の現代の日本で、この本の出版が立ち消えになっていたら、厭世観が加速するところだった。
早川が出版してくれてよかった。
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そんな曰くがあるとは知らなかった~「人間創りに参加してほしい。不気味の谷を越えたい」ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉は、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムという、年齢性別さまざまな4人の引きこもりを連携させ、「不気味の谷を越える」プロジェクトを持ちかける。「プロジェクト」はコンピュータプログラムや動画サイトを使用したもので、疑心に駆られながらも外界と関わろうとする4人だった。「アゲハ」プロジェクトからセージとJJは外され、故郷の地にUMAを出現させるプロジェクトも立ち上げた。ローズマリーのシステムをハッキングするジェリーフィッシュというハッカーが現れ、アゲハのゲームをクリアすると、見ただけで吐き気と頭痛が止まらなくなる映像が出現し、感染するものが跡を絶たなくなった。ジェリーフィッシュは竺原の弟で正真正銘の天才で、施設に入所しているが、それを養う大きな費用を必要とする竺原は、脳腫瘍を抱えて時間に限りがあったのだ~これは正真正銘のネタバレですね(テヘ)
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4人のひきこもりと凄腕ハッカーらを奇妙なプロジェクトに参加させ翻弄するカウンセラーJJ。
ストーリー展開はテンポよく軽妙で予測不能かつ牽引力がある。
なにげないしぐさや細部の描写がすばらしくドキリとした。
『11』を読んだときにも感じたのだが、文体に著者特有の「読みにくさ」を感じるのはぼくだけだろうか。
Posted by ブクログ
20190814
ヒキコモリ支援カウンセラーのJJが集めた四人の引きこもり、パセリ、セージ、ローズマリーにタイムは、JJの提案したプロジェクトのためそれぞれの仕事をすることになる。JJの目的は、そして、4人の引きこもりの未来は。
新書版の社長のツイッターが問題になり、出版社が変わって発刊された作品。出てよかった!あいかわらずのシャープなテンポと甘すぎない展開、でも希望のある未来。4人は結局JJに踊らされた部分はあるが、踊って見て良かったと思っているだろう。続きがあればいいのに、でも絶対ないんだよな、でもそれもいいんだよな、と思える作品。
Posted by ブクログ
幽明志怪シリーズやたまさか人形堂シリーズ等で
幻想系の作家さんのイメージだったのですが
これは普通に引きこもり達に才能を見出した
カウンセラーJJが、4名を連携させて
ハッタリ同然のプロジェクトを始動させる。
疑心暗鬼に囚われたり、偶然巻き込まれたり
予想外の影響が出たりとハラハラするものの
その過程で見えて来るものもあって
やはり津原作品は面白い。
でも、やっぱり幻想系が一番好きです。
Posted by ブクログ
あとがきによると「賑やかな孤立」とでも称すべき情感がこの作品に通底する、世界中の現代人が共有している、普遍的な感覚と思われているとのこと。
私が作品を評価するなんてたいそうな見識や豊かな情緒、多彩な表現力があるわけでもないのだけれど、感情的に私的な感覚でいえば、毎日毎週毎月毎年読み返したい、という激情はなく、何年か後にふと、フレーズや情景を思い出して、読み返したくなる予感がする、といった書籍でした。
幻冬舎騒動なんてのは読み終わってから初めて知ったのだけれど、早川書房の文庫版の帯、《この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます。》なんて今日日言う人がいるのかという驚きと、口だけのパフォーマンスかという疑惑の気持ちと、面白半分、興味本位で購入したのは間違いないけれど、読後感はそう悪いものではなかったですよ、と未来の自分へ綴りたい。〈続けろ!〉
Posted by ブクログ
ちょっと胡散臭い心理カウンセラーと引きこもりのクライアント達は、ヴァーチャルアイドルを作ったり、UMAの噂を流したりとなかなか活動的です。出版にあたって幻冬舎といろいろあったようですが、作品は普通に面白いですね。
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掴みはとてもスピーディーで面白かった。
早々と内部の離反があったり、仲間の誰が信用できるのか、竺原は何者なのか、ハラハラしながら読んだ。
ヒッキーの男性キャラ二人があまり書き分けられていないので混乱する。
引きこもりたちがそれぞれの特技を活かして、世に一矢報いるというのは面白いのだけど、私の読解力が及ばないらしく、後半は何がなんだかわからなかった。
消化不良。
みんなの正体が明らかになるようなオチはないんですね。ちょっと残念。
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テンポが速いのか、私と合っていないのか、ところどころ置き去りにされてしまった。竺原は人を喰った人間だが、その魅力なくして彼らをまとめることはできないだろう。現実に彼と組む友人たちもまた個性的で好もしい。
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内容はとても面白いと思う。読みやすくはあるが、私が好きな文体ではないので、時々んん?となることが。皆、役割がある。ハッピー過ぎないラスト、とても良かった。
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元々、著者の綺譚集が大好きで、他のも読んでみたいなと思ったときに、表紙とタイトルのキャッチーさに惹かれて買っておいた。
サクサク読めた、面白かった。
私も以前、積極的に外に出るのが難しい時期があって、その時にこういうことがあったら、今とはまた違った人生を歩んでいたのかもな、なんて思った。
引きこもりが問題とか言われるけど…彼らには彼らなりの理由があるし、作中のビッキーズのように、才能がある人だっている…だから、竺原の様なカウンセラーがいてもいいんじゃないかなとも思った。
引きこもり問題って、結構ナイーブな面があるけど…この話は明るくて楽しかった。
詐欺師だーとか言われていた竺原の来歴と、最後を知ると…ちょっとしんみりしてしまった…。
ただ、ビッキーズのみんなのドタバタで明るい(?)未来が、〈続けろ!〉から想像出来て、ちょっと楽しい気持ちになった。
綺譚集とは全然違う…他のも読みたいと思った。
Posted by ブクログ
あくまで個人的な解釈だけれど、この本は「引きこもりの人たちが勇気や希望、生きがいを見出だし、未来に進んでいく」ことがメインテーマなんだと思う。
多彩な人物たちに食えない男・カウンセラーの竺原が絡み、様々な事案が発生し、これは良いことなのか?悪いことなのか?と疑心暗鬼にさせ、先の展開が知りたくてついついページをめくる手が早くなっていく。
後半は急いで読み過ぎたのか、なんだかしっくりこないまま終わってしまった。
再度じっくり読み返してみたらまた評価も違ってくるかな?
Posted by ブクログ
なんだか不思議な気持ちになった読み終わりでした。
好きな作家さんもTwitterのFFさんもみんな読んでいた話題の本ってイメージで、この本が売れなかったら編集者を辞めるという帯のフレーズが印象的な一冊。
個々の特性を活かしてプロジェクトを成し遂げるっておもしろいなぁって思いながら読みつつ、わからないところもちょくちょく転がっている感じです。
Posted by ブクログ
前半、唐突に話が展開していくなと思ったら、後半はとっちらかってきて追いつくのがやっと。作品じゃないところでの一悶着でハードル上がっちゃったのがもったいない。
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ひきこもり支援センダーの笠原はひきこもりの人達を集めてプロジェクトを立ち上げようとするが様々な問題が立ち上がるが、大きな事業を成功させる。ひきこもり達のそれぞれの思いと悩みが軽妙なタッチで描かれている小説。
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初津原。一時期世間を賑わせた(?)作品。途中までは石田衣良氏の「アキハバラ@DEEP」っぽいなぁと思ってたんですが——最後はもう、良く分かりません。ヒキコモリたちをシェイクして世間を騙す物語…だったんでしょうか。でも、面白かったですよ(^^ 星三つ半。
Posted by ブクログ
引きこもり賛歌、とまでは言わないが引きこもりたちが主人公のまとめのもとにことを成す物語。
世の中には様々な能力(含才能)を持った人がいるが、それが社会にフィードバックされるにはそれを引き出す人が必要、という現実も感じる。主人公と引きこもりたちは幾つかのプロジェクトを始め完遂し、その中で成長を見せていく。
PJはどれも現代風で、これを4年前に書いていたのは慧眼と思える。PJそのものの結果が少しふわっとしてるのは残念。イギリス民謡「スカボローフェア」がフィーチャーされているのも個人的には好み。
Posted by ブクログ
カウンセラーの主人公の1人が、クライアントのヒキコモリにハンドルネームと役割を与え、社会を動かすようなプロジェクトを進行させる。前半に比べて後半は散らかった印象。映像化すると分かりやすいかも。
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「あとがき」によると雑誌に「八割がたを連載したのち、結末までを書き下ろして単行本として刊行した」そうですが、急に物語を無理やり締めくくったような感じがするのは、そのためかな。それこそ8割くらいまでは面白かったんだけど。
Posted by ブクログ
話題になった作品であり、非常に期待して読み進めた。期待を裏切られたわけではないが、特別な魅力を感じることはできなかった。
4人のひきこもりが1人の人間を創り上げていく。リアルの世界ではなく、ネット上の話である。ただその真の目的は明らかにされず、その目的にワクワクしながら読み進めていくことができる。会話のテンポも良く、一つ一つのセリフにも重みを感じる。さらにひきこもり達が外の世界との関係を徐々に作っていく過程も面白い。しかし、肝心のプロジェクトの内容や作成過程、そして最終目的があっと言わせるようなものではなく感じた。ネット世界やIT用語に弱いせいかもしれないが。