津原泰水のレビュー一覧

  • ブラバン(新潮文庫)

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    懐古小説。高校卒業後20年以上経って吹奏楽部のメンバーをもう一度集めてブラスバンドを復活させる話。登場人物が多い。誰が誰やらわからない。マニアックな音楽の話と薀蓄と思い出がバラバラに配置される。一度読んだだけではわからない。

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    2019年06月23日
  • 11 eleven

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    11個の話が入ってるから「11」。ジャンルは幻想小説?スティーブン・キングの息子ジョー・ヒル「20世紀の幽霊たち」と似ている。神経や肉体を損傷するような話が多く、少し辛い。
    「追ってくる少年」2回読み返した。犬と臓器が交わるとさらっと書いてあって怖い。
    「テルミン嬢」1人の女性と大洋や宇宙との交感ってよくあるパターンだけど、これだけ痛みがあるのは珍しいかも。
    「土の枕」これ好きです。読み返してもしみじみする。

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    2018年10月20日
  • バレエ・メカニック

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    奇妙なタイトルに惹かれる。1920年代の前衛的な人間の出てこないバレエを創造した芸術活動から借りたシュールな作品。

    9年前に昏睡状態に陥った理沙の脳内活動と現実の東京がリンクしてくる。バラードを思わせるタイトル作から第3章までの構成。タイトル作はとてもシュールで面白いのですが、だんだんテクノロジー的なわかりやすいお話になってくる。自分的にはそんな説明的にならなくても良かったかな。

    猛暑のなかでシュールなバラードを読みたくなってきたぞ。

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    2018年07月21日
  • エスカルゴ兄弟【電子特別版】

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    4/5は楽しめた。
    のっけからジェットコースターのような
    展開に目が回りついていくながやっと
    中盤には落ち着き楽しみやワクワクが増えていく。何より作品中出される料理や飲み物がどれも美味しそうで欲しくなる。
    もちろんエスカルゴも。
    楽しくて美味しそうな本。
    一言で言うならソレだと思う。
    最後が自分的には納得がいかない。
    もう一度読むと腑に落ちるのだろうか…

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    2017年02月26日
  • エスカルゴ兄弟【電子特別版】

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    ぐるぐる、ぐるぐる。
    なんか色々食べたくなった。エルカルゴにはそれほど惹かれないけど、讃岐・伊勢・稲庭のうどん比べはしてみたい。

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    2016年12月03日
  • たまさか人形堂それから

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    たまさか人形堂の続きです。
    ここでは人形修復の話だけではなく、持ち主の人形への思いと
    修復師の思いと拘りと、関わる人たちの思いが混じりあう。
    今回も、リカちゃん人形や創作人形、髪が伸びる市松人形、
    小田巻姫にチェコのマリオネット、金属のボルトとナットのみで出来た人形や、
    マネキンも登場して、しつこくない蘊蓄に溜息ですよぉ。
    一番興奮したのは小田巻姫。
    北森鴻さんの陶子堂シリーズばりに、狸の化かしあいが勃発!
    こういう変な緊張感はたまりませんね♪
    冨永さんの帰りを待ちながら、続きを待ちます。

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    2016年12月01日
  • エスカルゴ兄弟【電子特別版】

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    新聞の日曜版にある書評欄で見つけた。ふだんはあまり日本の小説を読まないので、どんな小説を書く人なのかも知らなかった。読んでみる気になったのは、作品のモチーフがエスカルゴと伊勢うどん、という点にある。エスカルゴの養殖については隣の市のことなので前から知っていた。三重県という極めて地味な地方都市でエスカルゴの養殖なんか手掛ける奇特な人がいるなんて、という程度の認識でしかなく、興味はあったが、現地を訪ねることもしなかった。

    エスカルゴ自体は好物で、パリでも食べたし、英国女王御用達の鳥羽のホテルでもいただいたことがある。まさか、あれも全く別物のアフリカ・マイマイだったのだろうか?本物のエスカルゴを養

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    2016年11月14日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    中学高校の頃 感じたものをなんとなく思い出させてくれたような。楽器ほとんどやらないけどやる時の気持ちとか。まわりの男と女の子に関わる気持ちとか。そう なんとなく思い出させてくれたような。大人になってからのもどかしさとかも。ちょっとせつないです。

    そう ジョンレノン。確かに亡くなるまでは堅かったようなイメージ。スターティングオーバーのアルバムから急に神に祀り上げられたような。気にもかけてなかったのに。人材とタイミングってのも音楽には必然なのかも。

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    2016年08月15日
  • たまさか人形堂それから

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     人形堂の主になった元OLと、店にもちこまれる人形たちの話の第2弾。

     まぁ、ほかの面々が個性的すぎるので、主人公はこうじゃないとダメなんだろうけど、彼女にはいらっとさせられることが多くてww

     彼女の成長記でもあると読めば、さもありなん、ではあるのだけど、でもなぁ。

     今回は、束前氏が素敵でした。
     あまり人にいえない類の人形を作っているのだけど、仕事に対するプロ意識がすごい。
     職業に貴賤はない、っていうのを体現している。

     個々のエピソードはよかったし、全体的に面白いんだけど、なんかもやっとした感じになるのは…。
     単に主人公が好きじゃないから、ってだけか??

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    2016年07月03日
  • たまさか人形堂それから

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    ネタバレ

    ゆるやかにつながりを持つ連作短編集。長編とも呼べる。

    物語の含む柔らかさ・温かさ・厳しさも勿論だが、特筆すべきは「会話」の緩やかさ・鋭さ。
    こいつらの丁々発止をいつまでも聞いていたいと思える。
    個人的には漱石→奥泉光→津原泰水の水脈が見えた。

    「香山リカと申します」
    「髪が伸びる」
    「小田巻姫」
    「ピロシキ日和」
    「雲を超えて」

    エピローグ「雲を越えて」。
    かつて自分が書こうとして挫折した小説のことを思い出して、心地よく敗北宣言を胸に刻む。
    2冊の中に2冊以上のボリュームが篭っているからこそ、この章の深みが味わえる。
    (カラックス「ホーリー・モーターズ」の結末が取ってつけたものでないのも

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    2016年06月24日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    ネタバレ

     グレン・ミラーが終わったので僕は『アルルの女』をかけた。すっかり酔ってしまった風情の笠井さんが僕をつかまえていう。「他片くん、ビゼーはええねえ・ビゼーの曲は優しいねえ」ビゼーを優しいと感じる、あなたが優しいのだ、と僕は思った。

     顔を上げると、父は亀岡さんと話しこんでいた。僕のかかえている楽器を指し、あれはコピー商品ではないのか、なぜ他社の楽器をコピーするのかなどと不粋なことを訊いている。
    「あれは一つの完成形なんで、もはや改良の余地がないんですよ」と亀岡さんは無難に答えていた。「ヴァイオリンやピアノは、いまあ全部同じ形でしょう」
    「ほいでもこうして見たら、エレキはずいぶん色んな形がありま

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    2018年12月25日
  • 五色の舟

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    津原泰水の原作、もうあまり細かく覚えてはいないのだけど、並行世界の移行の装置としての「くだん」というSF的なアイデアの新鮮さが強く印象に残った記憶がある。
    今回、近藤ようこの漫画を読んでみると、たしかに同じ物語なのに、まったく異なった色彩で見えてきて、まさに「くだん」によって違う世界に運ばれたみたいだ。幻のように消えていくような世界(それが私たちの生きている歴史)の中で、いわゆる「畸形」として放逐された5人が創りあげる「家族」の力強さが、くっきりと焦点を結んでくる。あちらの世界に行ったふたりが、この失われた世界を想っているラストシーンは、自分の足元が不確かになるような不思議さ。おもしろい。

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    2015年11月17日
  • バレエ・メカニック

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    かーなーり難しい本。この一文はとても美しいが果たして意味はあるのか、そう考えながら読んだらきっと面白くないと思う。言葉のリズム、芸術的イメージの膨らみこそがこの小説の醍醐味であり、物語とはそれを演出する器に過ぎないと解釈する。

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    2015年11月01日
  • ルピナス探偵団の当惑

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    とても面白かったのだけど、主要人物の中に傍若無人に振る舞う人が二人もいると読んでいて疲れる。
    姉だけでよかったのでは?
    意味のわからない箇所がちょっと多いかな。
    ミステリーの謎や雰囲気はとても良いのに残念

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    2015年05月12日
  • 五色の舟

    購入済み

    五色の舟

    発売当初から、ずっと、読みたくて読みたくて、でも、手に入らなくて、電子図書でやっと
    購入できました。もう、何回読み返したか、わかりません。これからも、わかりません。

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    2014年12月17日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    かけがえのない青春時代、とはよく言いますが、時を経て振り返るときになればあえてそれを実感するもの。当時は今を生きるだけで精いっぱいだった。そしてそれで良かった、そんな時代。大人になったらそんなわけにはいかないから、そのがむしゃらに打ち込んでいたモノがあったあの頃がとても眩くも感じられる。
    …そういうことをほろりほろりと思った、ブラバンに打ち込んだ高校生時代と現代を行き来しながらつづられるかけがえのない日々の物語。
    広島弁の温かみが味わいがあって良かったですし、シニカルで容赦もあんまりない25年後の現在の人々の姿もかえってリアルで親近感もあります。
    みんなその時その時一生懸命に日々を生きていて、

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    2014年11月28日
  • バレエ・メカニック

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    SFの中でもサイバーパンクと言われるもの。

    いきなり第1章から語り手の不明瞭さで脳みそをシェイクされる。

    想像力や集中力が途切れると一気においてけぼりをくらう。

    大枠は捉えられるが、詳細がまだつかめない。

    苦手な人は筒井康隆著のパプリカや、妄想代理人(アニメ)を読む(観る)といい。

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    2014年11月11日
  • ブラバン(新潮文庫)

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    ブラバン小説というと…「楽隊のうさぎ」とか、現役中高生を主役にしたものが思い浮かぶ。
    でも、これは「その時」から遠く離れた大人からの物語。
    着実な人生を歩む者、消息不明の者、そして死んでしまった者。
    それぞれの人生が重なり合って、複雑な色合いが見える。
    現役のブラバン中高生が読んだら…あまり面白いとは思ってくれないかも。

    バンドを舞台にするだけに、登場人物が多く、また時間が交錯するので、うっかり読むとすぐにわからなくなる。
    自分よりもちょっと上の世代がモデルなようだ。
    ほぼ同世代の方が読んだら、その時代の空気を思い出せて、また別の面白がり方ができるのかもしれない。

    私もブラバンで「弦バス」

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    2014年11月08日
  • 11 eleven

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     幻想、SF、ホラー、文学など11話の作品を収録した短編集。

     自分が今まで読んだことのない物語たちでした。短編それぞれが多種多様なジャンルをまたいでいる、というのもありますが、それに加え文章もそれぞれの短編の味を最大限に引き出すため、それぞれに工夫が加えられている、そんな風に思いました。

     そうした短編たちばかりだったので初読での評価が非常に難しい、というのが正直な印象…。自分の理解の範疇を越えているように感じた短編もいくつかあって、あらためて小説の世界は広いのだな、と感じました。

     そんな中印象的だったのは、異形の家族がたどり着く新たな運命を描いた「五色の舟」。幻想的かつ圧倒的な物語

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    2014年09月10日
  • 11 eleven

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    五色の舟
    なんなんだこれは
    不思議な読後感

    延長コード
    これも不思議な話。結局何が言いたいのか・・・

    追ってくる少年
    う〜ん

    微笑面・改
    これ好きかも

    琥珀みがき
    なんとなく好き

    キリノ
    これは嫌い
    読み辛い
    〜的アトモスフィアってなんだよ


    これは怖い

    クラーケン
    なんか気持ち悪い

    YYとその身幹
    結局気になってしょうがないという訳か

    テルミン嬢
    そりゃ薬漬けは嫌だろうけれども

    土の枕
    最後は歴史小説
    これは面白い

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    2014年09月06日