津原泰水のレビュー一覧

  • ブラバン(新潮文庫)
    ブラバン小説というと…「楽隊のうさぎ」とか、現役中高生を主役にしたものが思い浮かぶ。
    でも、これは「その時」から遠く離れた大人からの物語。
    着実な人生を歩む者、消息不明の者、そして死んでしまった者。
    それぞれの人生が重なり合って、複雑な色合いが見える。
    現役のブラバン中高生が読んだら…あまり面白いと...続きを読む
  • 11 eleven
     幻想、SF、ホラー、文学など11話の作品を収録した短編集。

     自分が今まで読んだことのない物語たちでした。短編それぞれが多種多様なジャンルをまたいでいる、というのもありますが、それに加え文章もそれぞれの短編の味を最大限に引き出すため、それぞれに工夫が加えられている、そんな風に思いました。

     そ...続きを読む
  • 11 eleven
    五色の舟
    なんなんだこれは
    不思議な読後感

    延長コード
    これも不思議な話。結局何が言いたいのか・・・

    追ってくる少年
    う〜ん

    微笑面・改
    これ好きかも

    琥珀みがき
    なんとなく好き

    キリノ
    これは嫌い
    読み辛い
    〜的アトモスフィアってなんだよ


    これは怖い

    クラーケン
    なんか気持ち悪い...続きを読む
  • バレエ・メカニック
    九年前に海辺で溺れ、大脳の機能を失い脳幹のみが機能し生存している理沙。
    東京各所にて、七本肢の巨大蜘蛛が目撃されたり、
    高速道路で津波に遭遇されたりなどの現象が起きる。
    理沙の父の木根原は担当医の龍神から、これらは理沙の夢想が引き起こしているという話を聞き、起きている現象に心当たりを覚え動き出す。
    ...続きを読む
  • ルピナス探偵団の当惑
    女子高生三人組と主人公の想い人である博識男子高校生が事件の謎を解くミステリ短編集。日常の謎ではなく、解くのは殺人事件です。コミカルなキャラクターが青春してますが、文体は軽すぎず謎も魅力的。

    「冷えたピザはいかが」
    謎が面白い。導入のためかキャラ紹介が長めかな。
    「ようこそ雪の館へ」
    ムード満点の館...続きを読む
  • 11 eleven
    心の奥の混沌とした暗闇の中から何ものかを取り出して、陽の当たる場所にさらしたような、あるいは胸にあいた風穴から欠落したしたものを丁寧に掬いあげて提示したような、そんな短編集でした。フィクションをリアルな物語として捉えられるのは、誰もが心の奥底に混沌とした部分を秘め持っているからなのでしょうネ。文学の...続きを読む
  • ブラバン(新潮文庫)
    中学の時に吹奏楽部にいたので練習風景などが目に浮かび微笑ましかった。
    パート練習とか懐かしい。
    物語はそんな青春時代の話だけではなく
    現実を知った大人の部分も書かれていました
    よかった
  • 11 eleven
    怖いのと怖くないのと。SFなのか、ホラーなのか。両方なのか。まぁ、そんな区分をあえてしなくてもいいかな、と思える短編集でした。
  • ブラバン(新潮文庫)
    高校時代は吹奏楽部。40代になった彼等は様々な場所で生きている。部活時代のエピソードと今の話が絡みあって語られる。何をするにも熱があった、勢いがあった。それとは違う何かが今は彼等にある。そして次の局面が見えてくる。
    どこの言葉だろうと思いながら読んでいて、うん?広島かな?と思っていたら作者は広島出身...続きを読む
  • 11 eleven
    読んでいて後味の苦さが残る短編集。
    解説を読むと、あらゆるジャンルの小説にチャレンジしている触れ込みだが、これのせいで逆に何を伝えたいのかがよくわからない短編集だった。
    しかし、前半の数作はなかなか面白かった。
  • たまさか人形堂物語
    人形店を継ぐことになったとはいえ、澪はド素人。
    そこに人形マニアの冨永君がやってきて、更には
    謎の職人の師村さんも参加して、人形の修復業として
    なんとか店を続けることができた。
    人形の薀蓄もさることながら、そこに込められた思いを
    敏感に感じ取りながら修復を試みる。
    まさにプロの仕事。
    こういう修復師...続きを読む
  • たまさか人形堂物語
    零細人形店を継いで、人形修理店を始めた主人公。タイトル通り人形がテーマで短編6話。想像してたよりミステリー色が強く、登場人物のキャラも立ってて面白く読めたけど、文章が時々わかり辛かったな〜。続編あるみたいなので気になる。
  • ルピナス探偵団の当惑
    なんだろうか。

    話が急に飛んだり、意味が分からない会話がでてきたりとなかなか読みにくい部分があった。

    物語の雰囲気は嫌いじゃないんだけど。
  • ルピナス探偵団の憂愁
    前作が素っ頓狂な姉妹の話というイメージだったのに、今作は女同士の友情+男友達の友情でした。逆回しの演出が辛い。

    もう一冊予定があるそうなので、じんわり待つ。
  • バレエ・メカニック
    たとえ不可抗力であったにせよ、ちょっとした不注意や油断が、自身を含め、多くの人の人生を狂わせてしまうということは、往々にしてありがちなことだと思います。超現実的で不条理な世界観や、作中で繰り広げられるパニックに眼を奪われがちですが、これは人生を踏み外してしまった人々の想念が織り成す、救いのない悲しい...続きを読む
  • ルピナス探偵団の当惑
    津原泰水さんが「津原やすみ」名で少女小説家として活躍していた頃の作品と聞いて、あまり食指が動かず読むのを後回しにしていたのだが、さすがに津原さん、やっぱり面白かった。きっちり作り上げられた世界とキャラクターを堪能した。ジャンルの性格上、人物像がやや極端ではあるけれど、気になるほどではなくてむしろ楽し...続きを読む
  • ルピナス探偵団の憂愁
    本格学園ミステリの続編。前作もしっかり本格推理していましたが、今作は加えてキャラクターの人間性が更に掘り下げられています。メインキャラクターの一人の葬儀というショッキングなイベントから遡り、徐々に登場人物の人間像が見えてくる構造は見事。ただ、前作から続くユーモアも健在で、肩肘張らずに楽しめます。
  • ルピナス探偵団の憂愁
    時計が逆回りしていく間に、起こった数々のたわいないことが、高潔に生きようとした少女を輝かせる。なんて悲しい効果だろう。
  • ルピナス探偵団の当惑
    私が楽しむとしたら、ミステリとしてではなくキャラクター造形に重きを置くかな。男性陣2人がかわいいです。
    三作目も記述が進むにつれ、犯人がどんどんキャラクターとして目立ってくるし、最後の方はちょっとぞっとしたくらい。

    どの編も推理自体は無理があるような。。
  • バレエ・メカニック
    シュールレアリスム小説から探偵小説、最後はSFへ。
    しかし、最終章のような人とのつながりが希薄になった世界においても、心の一部が欠けた人達が、誰かを求めて彷徨う物語であるのは変わらず。