あらすじ
高校時代「ルピナス探偵団」を称し様々な事件に遭遇してきた彩子、キリエ、摩耶、そして博学の少年・祀島。卒業から数年後、四人のうち、一人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた三人に残されたのは、彼女が死を前にして百合樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった。探偵団“最後の事件”を描く第1話「百合の木陰」から順に時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」まで、物語は戻らぬ時間への郷愁を紡ぎ上げる。奇蹟のような輝きに満ちた少女探偵の“その後”を描く、〈ルピナス探偵団〉のシリーズ第2作。
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Posted by ブクログ
ああ、本当に大好きで忘れられない物語になった。
過去へと遡る構成、一作目でははっきりしなかった一人一人の個性や良さがさらに輪郭を増す。
あの日の誓いのシーンでもう涙腺がやられる。
素晴らしい青春小説。
絶対一作目から読んでください。
Posted by ブクログ
20190306
「なんだ」とキリエが威勢よく云うので、得意の八つ当たりが始まるのかと思った。
なんだ、なんだ、なんだ、なあんだ
繰り返しながら百合樹の間を歩きまわる。顔を伏しているので表情は見えない。
「会えたんじゃん」(p77)
Posted by ブクログ
再読
ミステリとしても1巻同様楽しめる上に
1巻で紹介されたキャラクタたちの青春小説としても素晴らしい至高の傑作
4編とも文句つけようない結末で完璧というに相応しい
2014/4/13
ミステリだとしても許されないほどに卦体な登場人物だからこそある
不可思議な物語が
作者の申し分ない技術で描かれる
そんじょそこらにない特異な青春ミステリ
読書の楽しさをしみじみ味わわせてくれる
Posted by ブクログ
少し切なく、少しさわやかで、一見ライトノベルっぽくも見えるが、実は力が無いと書けない平易で鋭い文章。
筆者の本は、今は書いていないとおもうけどホラー系ではなく、こっち系のものが絶対にお勧めできる。
Posted by ブクログ
どのキャラクターも個性があふれ、行動に一貫性があるので、読んでいて戸惑うことがない。
推理を楽しむというより、津原泰水の流れる文章を楽しむ感じ。この本も、「奇譚集」、「蘆屋家の崩壊」、「バレエメカニック」も…どれも全く雰囲気が違っていて、全く別人の作品を読んでいるような気にさせられる。”臭い”文章ではないのに、どこか古風な感じがして、それでいてキレがある…そんな印象。間違いなく好きな作家のひとりだ。
Posted by ブクログ
うーん、こう来るか。学園連作ものだと思って読み始めたら、冒頭でいきなりパンチを食らう。これは切ない。時をさかのぼって行き着く卒業の日の場面が胸にしみる。青春小説としての傑作の一つだろう。
Posted by ブクログ
若干行きあたりばったりだった前作品集と較べ、構成もまとまりもぴかいち。
レクイエム・フォー・あの頃。
レクイエム・フォー・摩耶。
それがぐっとくるのだ。
「高潔に生きる」。
また最後の一文でぐいと別の方向を向かせる作者の腕も冴える。
Posted by ブクログ
前作が素っ頓狂な姉妹の話というイメージだったのに、今作は女同士の友情+男友達の友情でした。逆回しの演出が辛い。
もう一冊予定があるそうなので、じんわり待つ。
Posted by ブクログ
本格学園ミステリの続編。前作もしっかり本格推理していましたが、今作は加えてキャラクターの人間性が更に掘り下げられています。メインキャラクターの一人の葬儀というショッキングなイベントから遡り、徐々に登場人物の人間像が見えてくる構造は見事。ただ、前作から続くユーモアも健在で、肩肘張らずに楽しめます。