立原透耶のレビュー一覧
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7人の作家によるホラーアンソロジー第二弾。
編者の三津田信三が、それぞれのテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」とお願いして出来上がった一冊。
澤村伊智「メタ系怪談」
川奈まり子「実話系怪談」
芦花公園「子供の怪談」
菊池秀行「不条理怪談」
立原透耶「中華系怪談」
白井智之「鬼畜系怪談」
三津田信三「民俗学怪談」
高波被害を受けた地域にあった母校の小学校から同窓会のお知らせが届く、芦花公園「またみんなで集まろうねという話」が不気味で好みでした。立原透耶「中華系怪談」は中国や台湾の人から聞いた実話系怪談でテーマかぶっててちょっと残念。白井智之「ロダエネケワルA」は怪談ではないけど、作者らしい胸糞強烈さで異彩を放ってました。
「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」っていうテーマのハードルが高すぎるけど、編者リクエストテーマの書き下ろしアンソロは豪華で面白いので第三夜も期待してます。 -
Posted by ブクログ
「両京十五日」の馬先生の本ということで手に取りました。楊貴妃に生のライチをお届けするプロジェクトX小説とのこと。
読み終わった感想は、そうきたかー。って感じでした。もっと爽快痛快な時代劇を想像していたので、唐の官僚たちのドロドロとした足の引っ張り合いに嫌悪感すら感じました。でも、中国の作家さんが描かれたくらいだから、実際もこんな感じだったのでしょう。勧善懲悪の世界線ではないんですね。
あと、他の著作を読んだ時にも感じましたが、中国の地理や歴史に関する知識がもっとあれば、より楽しめたかなーと思いました。日本人としては平均以上の理解があると思うんですが、中国を母国としている方たちのレベルには遠く及ばないようです。 -
Posted by ブクログ
唐の時代、生のライチを遠方から都まで届けなくてはならなくなった役人の話。
数学が得意な役人である主人公が、プロジェクトXばりに試行錯誤を繰り返し、遥か長安までライチを届けようとする過程が面白かった。無理なプロジェクトを任されたときの感覚がフラッシュバックする人は多いかも。。
また、一見頼りなさそうな主人公が義を重んじるところも良かったし、彼が自分ではどうしようもない力によって不義理を欠かされる描写は、その分つらいものがあった。大円団とまではいかずとも、最後は救いのある終わり方で良かった。
基本的にコミカルな筆致で書かれているが、それでも中国文化の奥深さを感じられた。史記からの引用も分からなかったし、楊国忠が実在の人物であることも後で調べて知った。。十分面白かったが、この辺りの教養がもっとあればより楽しめたのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
池澤春菜さんが出版区でおすすめされていた本。
中国の翻訳本を読むことがあまりないけれど、文字が大きくて安心。
人物や地名、名称が中国なので、翻訳文学としてのとっつきにくさはやはりあるものの、かなりリーダビリティがあり読みやすい。
中国の社畜の話、という前評判の通り。
社畜ではないけど、会社員というか組織で働いたことのある人には刺さりそう。
あらすじとしては、唐の時代の話。楊貴妃がライチを好きだったという逸話があるが、作中でも生のライチを食べたいという。しかも産地指定。
ライチは取ってから3日しか持たない。でも長安までは2500km、どう頑張っても間に合わない。
試行錯誤しながら、どうにか生のライチを届けることはできるのか!?
すごい分かる〜!の箇所が多かった。
・どこもやりたくない仕事の押し付けあいでどんどん下に降りてくる
・大事な決め事が自分不在の会議で決まっていた
・結局、上の人が言ったことが全て。規則は弱者しか守る必要がない……。
・バッファを持たせるあまりに情報が下におりて来るときには数が膨大になっている
最後、どうなるのか。ライチを届けることができるのか。
私は、主人公が最後に楊国忠に訴えた内容で辛くなってしまった……。そういうことの積み重なりでエピローグに繋がるのかもしれない。
主人公自体もずっと辛そうだった。最初はどうにもならないことへの辛さだったけど、後半から上司を優先するあまり仲間や友達と思っていた人を蔑ろにせざるを得なくなっていくところが……。
西遊記事変なども読んでみる予定。