立原透耶のレビュー一覧
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念願のマイホームを長安に得た主人公が嵌められたのは実現不可能な案件。長年可もなく不可もなく、ただこのまま出る杭ともならずにローンを返すためだけの人生を思い描いていたところに舞い込んだ任務。当初楽な仕事と思っていたのに嵌められた事に気づいた時には時遅し。なんと数ヶ月後には首と胴が離れる予定が立ってしまう。
中国の唐を舞台にした新鮮なライチを長安まで運ぶプロジェクト。唐でライチならいわずとも舞台に上がるべき役者は決まっている。しかし、そんな大物の影を感じつつも話はヒラ官吏の目線から下っ端の苦悩や切なさと共に語られて行く。実現不可能なプロジェクトを前にして家のローンと残されることになる家族を背水とし -
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IIは400年後の三体襲来に人類が足掻く話です。
Iは未知世界の探索みたいな高揚感が常にある感じで、IIも未来の地球危機に現代人がどう足掻く様子が書かれててどちらも最高に面白いです。
本作のキーワードは面壁者。三体人は脳波で直接意思疎通するから思考が筒抜けで、人間では当たり前の隠すって言う概念がない。その性質を使って考え出した策が面壁者。
選出された4人の策略が闘争本能、敗北主義、現実逃避とよく考えられててこれがまた面白い。
地球の運命がたった4人の頭の中だけに託されるって、一見異常だけど、それぐらい混乱しても仕方ない話だなと。
その重圧の中での行動や思惑がいかにも人間味溢れてて、見どころだと -
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ネタバレある異星文明と人類のファーストコンタクトが書かれた内容。
該当の異星文明は人類に対して敵対的で、明らかに優位な文明を持っているほか、文明の成長を阻害する工作を行っていることが分かる。さらには数百年後にその艦隊が地球に到着することが確定する。さあどうしようという所でお話は終わる。
あちこちに撒かれた良く分からない事象がだんだんとまとまってくる辺りが面白い。
ただ素直な感想として、n次元を可逆可能なレベルで行ったり来たりする仕組みを持ってるなら、恒星ぐらいどうにかなるのでは? ならんのか?と思った。
三体上でいくつもの文明が起こったり滅んだりする辺りのやり取りも好みだったのだが、アインシュタイ -
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SFのみにとどまらず幅広いジャンルを包含しつつも、丁寧な書きっぷりで置いてけぼりにならずに楽しめた。
政治が絡む部分はどうしても知識や文化の違いから難解に感じてしまって読むスピードがかなり落ちた。1、2文戻って読み進めることも多くあった。それでも続きが気になるものでね。面白い。科学面も文系にとっては難しいけれど、文脈や会話から何となく分かるようになっているのはありがたい。
文庫本だけの仕様なのかはたまた単行本からそうなのかは存じ上げないけれど、見開きのページが変わるたびに登場人物の名前にルビが振られていたののでかなり助かった。主要人物以外の名前を覚えることはなかなかにハード。キャラの濃さやイ -
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1はそんなに刺さらなかったので据え置いていたのだが、同じような人が2は面白いとレビューしていたので手に取った。確かに面白かった。
400年後の対決に向けてどこにリソースを注ぐべきかという考え方が興味深かったのだが、それをウォールフェイサーに一任するという展開に驚いた。背景を踏まえたとしても現実で考えたらとても採択されるとは思えなかったが、案の定作中でも皮肉られていて苦笑した。おまけに主人公が理想の恋人を妄想したり、果てには妄想の恋人をウォールフェイサー権限で探し出したりして、一体何を見せられているのかという気分にもなった。そりゃ「計画の一部」がミームになるよ。とは言え冷凍睡眠で時間軸が飛ぶと大 -
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ネタバレ本作は、宇宙文明同士の関係を「暗黒森林理論」という形でモデル化し、人類がそれにどう対抗するかを描いたSFだと感じた。特に印象的だったのは、文明の第一目的が生存であり、さらに文明は技術爆発を起こす可能性があるという二つの前提から、互いに先制攻撃を選ぶ方が合理的になるという発想である。ゲーム理論を学んだ経験から、この結論自体はある程度予想できる構造だったが、それを宇宙文明同士の関係に当てはめ、物語の中心原理として描いている点が興味深かった。
羅輯の戦略は、同じ面壁者であるレイ・ディアスの計画と通じる部分が多い。三体文明が圧倒的な技術力を持っているにもかかわらず、宇宙に三体星系の座標を公開するという