山白朝子のレビュー一覧

  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    【収録作品】
    小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫)
    山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫)
    恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫)
    小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫)
    澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫)
    岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫)
    辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫)

    粒ぞろいと思う。

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    2024年05月18日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    小野不由美と山白朝子は既読でした。
    私は影牢よりこっちが好きでした(向こうも面白かったけど)。好きな作家さんばかりだし、作品によってガラッと雰囲気が変わり面白いです。
    特に辻村深月「七つのカップ」は短いながら印象に残るお話でした。

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    2024年03月21日
  • 私の頭が正常であったなら

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    乙一の別名義作品とのことで、少し不気味な題名に惹かれて読んでみたけど期待してたようなテイストのものではなかった。
    3作目まではあまり自分にハマらずイマイチかもと思いながら読んでたけど、その後の作品は全部好き。
    怖さを与えつつその中にも切なさを感じるお話や心が暖かくなるようなお話があって、確かにこれは乙一だと思う。

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    2024年02月25日
  • 私の頭が正常であったなら

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    旅行の移動時間で読める本を探して手に取った作品。解説を読み、著者が作家・乙一氏の別名義と知り、小さな驚き。広義の意味でホラー小説にカテゴライズされるであろう短編集だが、その内容はバラエティに富んでいる。本格ミステリーのロジックでホラーやSFを描く「世界でいちばん、短い小説」や「酩酊SF」も読ませるが、東日本大震災を背景とした「トランシーバー」やグリーフケアが題材の表題作など、子供の死に関する物語が多いのが今作の特色と言えよう。少年と少女の交流を描く「首なし鶏、夜をゆく」のラストシーンが心に切なく沁み入る。

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    2024年02月21日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    2010年代の発表作を中心に選ばれた現代ホラー短編7選
    小野不由美、山白朝子、恒川光太郎、小林泰三、澤村伊智、岩井志麻子、辻村深月のラインナップに期待して読み進めましたが・・・
    ホラーよりファンタジーな感覚の作品が多かったです。
    ちょっと怖かったのは小野不由美と澤村伊智(さすが!)かな??
    辻村深月は完全に「ツナグ」の世界観でした。悪くはなかったけど・・(^_^;)

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    2024年01月18日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    ネタバレ

    「子供を沈める」
    いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。

    被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。

    被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。

    もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越え

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    2024年01月15日
  • 小説家と夜の境界

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    山白さんは怪談のイメージなので今回はちょっと雰囲気違うかも。ここまででなくても変わり者がたくさんいらっしゃるのでしょうね。

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    2023年12月03日
  • 私の頭が正常であったなら

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    人間の哀しさや強さが描かれていた。色んな形での救い。祈り。特に最後に配置された「おやすみなさい子どもたち」は、全部を読んできたからこそ、そうだったらいいなあと思う。安らかであってほしいと。

    「布団の中の宇宙」がいちばん好き。私もこの素敵なお布団ほしいよ。
    「酩酊SF」は条件付きの限られたタイムトラベルが、小さな世界での不思議だからこそ夢があった。バッドエンドなのは置いておき、現実でもこんなこと起きててほしー。

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    2023年10月16日
  • 小説家と夜の境界

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    ネタバレ

    【収録作品】墓場の小説家/小説家、逃げた/キ/小説の怪人/脳内アクター/ある編集者の偏執的な恋/精神感応小説家

    小説を「書く」ことにまつわる奇譚。

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    2023年09月24日
  • 小説家と夜の境界

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    中田永一さんはキュンで
    乙一さんはグロくて
    山白朝子さんはひたすら怖いという印象。
    これも、安定の怖い。
    連作短編集で、どれも良かった。
    自分で骨折とか、え?
    小説を書くために骨折を体験するほど、切実なのか?
    小説家という存在は、目に見えない内面の部分に、歪みを抱えている者が多い。
    精神面の欠陥、あるいは破綻した人格、それらによって普通の生き方をできなかった人間。
    リモート怖い。
    見えないものが(猫)画面に映るの怖い。
    チーム!だよね。チームで小説を書いている作家、いると思ってた。
    スターシステム→同じ絵柄のキャラクターを俳優のようにあつかい、様々な役柄で作品に登場させる表現スタイルのこと。

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    2023年07月24日
  • 私の頭が正常であったなら

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    夏の夜にちょうど良い、少し怖いけど怖すぎないホラーという感じ。

    特に最後のお話は、1人1人に産まれてから死ぬまでずっと天使が寄り添ってくれてるというお話で、何だかほわっと暖かく終わって後味が良い。

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    2023年07月11日
  • 小説家と夜の境界

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    ネタバレ

    小説家が小説家のことを書くっていうところから面白い。

    その経験をしないと書けない小説家
    墓場の小説家 怪談話を書くために最後は墓場で筆跡するという異常さ。

    親が金に目を眩んで息子を見張りながら
    とにかく数多く小説を書かせる小説家、逃げた

    誰からも好青年と言われてた彼は残虐な嗜好をもちそれを小説にする キ
    彼の異常な小説は出版社のせいと決めつけ息子を監禁し、洗脳させファンタジーを書かせることにしたが結局は脳内の残虐さは失われてなくて
    残虐な小説を書かない代わりに、動物の命を奪うようになる。

    有名な作家は実は覆面作家で山奥に小説を書かせる工場のようなものを作り、そこでたくさんの小説を産む

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    2023年06月27日
  • 私の頭が正常であったなら

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    夫婦の前に表れた見知らぬ男の幽霊、首のない鶏を愛でる少女、異空間に繋がる布団、亡くなった息子の声が聞こえるトランシーバー…
    不可思議な物語たちは、作者らしい残酷さもありつつ、早朝の様な寂しさと救いの光が差し込むような柔らかさを感じさせる終わり方のものが印象的だった。

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    2023年03月31日
  • 死者のための音楽

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    どれも面白かったが、設定された時代が少し古いものが多くてあまり好みではなかった...かな。
    「鳥とファフロツキーズ現象について」が1番好きだった。
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    死にそうになるたびに、それが聞こえてくるの――。手首を切った母が搬送された病室で、美佐は母の秘密を知る。幼い頃から耳が不自由だった母は、十歳のときに川で溺れて九死に一生をえた。その後、川底で聞いた不思議な音楽を追い求める。夫に先立たれ、一人で美佐を育てた母。彼女に贈られた、美しい音楽とは。表題作「死者のための音楽」ほか、人との絆を描いた怪しくも切ない七篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。

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    2025年04月14日
  • 私の頭が正常であったなら

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    実は初めて、乙一さんの作品読みました
    ちょっと悲しいような、切ないような世界観が強い
    そんな作品だなぁと感じました。
    他の小説もそんな感じなんだろうか…

    "子供を沈める"で、過去の自分の罪と
    いかにどう向き合うか?と言う葛藤と
    ラストの流れがとても良かったです。

    あとは、最後の"おやすみなさい子どもたち"
    はリアルとファンタジーが混ざり合う
    私好みの作品でした

    前半のお話たちは
    スラスラ進まず、先を読みたい❗️とは
    ならなかったんですが
    "子供を沈める"以降は
    スピードアップしてとても
    世界に入って読めました

    この辺りの感想は

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    2022年07月09日
  • エムブリヲ奇譚

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    ネタバレ

    『私のサイプロクス』よりおぞましい内容が多かった。
    続編の輪は人生何度目だったんでしょう?
    地獄には行かないで、何度でも蝋庵や耳彦と旅をする人生を選んで欲しいです。

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    2022年04月09日
  • 私のサイクロプス

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    本棚の三つ前にある「エムブリヲ奇譚」の続編。
     
    旅本作家、和泉螂庵。
    荷物持ち、耳彦。
    の2人旅に前作「エムブリヲ奇譚」で登場した輪という女性が加わり、3人旅になった。
    あいもかわらず天才的な蠟庵の迷い癖のおかげで不可思議な世界に足を踏み入れてしまう一行。
     
    9編の短編集。
    残念ながら人数は増えたが、パワーダウンしているように見受けられる。
    つまらなくはない。
    ただ、前作が良すぎたのだろうか。
    もっと、もっとと期待してしまう。
    とてもおいしい定食を食べた後に、普通の定食を食べたような気分。

    好きなシリーズなので次回作も出してほしいな。

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    2022年03月06日
  • 私の頭が正常であったなら

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    初見の時タイトルで少しギョッとしたが、切なくも希望が持てる話だった。全体的に暗く辛い話で始まるが、最後には仄かに光が見えます。

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    2022年01月05日
  • 死者のための音楽

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    二年振り以上に帰省。フェリーで十五時間。
    電波も来ない、途中下車できない状況は自分にとって読書に最適。
    ゆらゆらと波に揺られながら、暗い海を眺めつつ手に取った一冊。
     
    怪談、というよりファンタジー短編集。
    とんでもなくすばらしいわけでもなく、つまらないわけでもない。
    表題作も良かったが、「鳥とファフロッキーズ現象について」のほうが良かった。
    読後、乙一作品の「しあわせは子猫のかたち」をなぜかおもいだしました。

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    2022年01月04日
  • 死者のための音楽

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    怪しく、切なく、淡いしっとりとした情緒のあふれる短編集。話のジャンルとしては怪奇系の小説なのですが、それぞれの短編ごとに描かれる、死と様々な愛の形が、大仰でもなく、どこか静かに、染み入るように語られていきます。
    その語り口が織りなす空気感と、情緒が生々しい話であっても、どこか静謐で幻想的な雰囲気に物語を変えていく印象を持ちました。どことなく恒川光太郎さんっぽい雰囲気があるかも。

    収録作品は7編。一番印象的だったのは、生き物を黄金に変えてしまう廃液を流す工場を描いた「黄金工場」
    語り手である少年と年上のお姉さんの淡い交流と、人間の欲であったり嫉妬であったりが、残酷かつ寓話的に描かれていて印象的

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    2021年05月05日