山白朝子のレビュー一覧

  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
    小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。

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    2024年02月28日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。

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    2024年02月22日
  • 私のサイクロプス

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    結構なグロさの物語が続くのに、文章の抑制された柔らかさのおかげか、どの作品もどこか切なく懐かしいような余韻が残る。
    耳彦がすっかりいじられ役として定着しているのが楽しい。
    特に好きなのは、昔話のような雰囲気でとても切ない「私のサイクロプス」、途中ハッとする仕掛けがある「死の山」、耳彦と湧水のほのかなロマンスが良い「星と熊の悲劇」。

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    2023年11月25日
  • 私の頭が正常であったなら

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    乙一氏の別名であると知り、読んでみた。
    とても面白い。
    題名の「私の頭が正常であったなら」
    同じ親としてとても悲しく、共感もでき、特に好き。

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    2023年07月29日
  • エムブリヲ奇譚

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    フォローしている方々が次々に読んでいて、じわじわ読みたくなってきていた乙一さん(山白朝子という筆名もあるんですね!)をついに読む。
    結果、とっても好みだった!奇妙さと切なさが絶妙なバランス。

    『湯煙事変』『顔無し峠』『「さあ、行こう」と少年が言った』の少し温かみのある切なさが、特に好きだった。
    グロ多めの『〆』『地獄』も、怖いもの見たさで読み返したくなる。

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    2023年04月14日
  • エムブリヲ奇譚

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    作者の前作は正に怪談だったけれど、こちらはお伽噺のような連作集。
    収録作品の中では「地獄」が好き。幽霊よりも、人間の狂気の怖さがいい。しかし、続刊を読むのはいつになることやら。

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    2023年02月26日
  • 私のサイクロプス

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    旅本作家の和泉蝋庵、荷物持ちの耳彦、版元の娘輪の3人が旅をしながら様々な怪異に遭遇する物語。
    登場人物それぞれ個性があり、3人の関係性も心地よく読んでいて癖になる

    サイクロプスやハユタラス、河童などをモチーフにした物語もあれば、民間伝承や御伽噺の様な、どこかで触れたことがあるような物語もあり、それら全てが、幻想怪奇で切なく美しくグロテスクに綴られる短編集。
    久しぶりにもっと読みたいと思えたシリーズです。

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    2023年02月07日
  • 私の頭が正常であったなら

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    山白朝子と乙一と中田永一は同一人物だという知識を得て、その3人のアンソロジー本で山白朝子を知ってすごく好みのタイプだと思っていた。
    そう思ってから初めて読んだ彼女(と呼んでもいいのか)の短篇集は、やはりとても好みだった。

    乙一はホラー系で中田永一は恋愛系で山白朝子はミステリ系…みたいなざっくりとしたジャンル分けのイメージだったのだけど、この短篇集は全体を通して、微ホラー+微ミステリ+人間ドラマみたいな印象。ハートフルではないけれど考えさせられたり、浮世離れした設定なのに妙に現実味があったり。
    8篇収録されているけれど、どれも同じくらい面白くて印象にも残った。

    一番ぞっとしたのは「子どもを沈める」。学生時代にいじめに加担した過去を持つ女性が主人公。同じくいじめをしていた同級生3人が次々自分の子どもを殺してしまうという事件を起こし、そのうちの1人から「殺してしまった自分の娘の顔が生田目頼子そのものだった」という手紙が主人公の元に届く。生田目頼子とは、自分達がいじめて亡くなってしまった同級生で、そしてその手紙を受け取った時、主人公は身籠っていた。
    呪いというものは本当にあるのか、それともそれぞれの中にある罪悪感が呪いを生むのか。
    表題作はとても辛くて悲しい物語だけど、主人公の生きる力も同時に感じる。

    1冊で色んな要素を感じられたし、読み物としてシンプルにとても面白くて、あっという間に読み切ってしまった。装丁も好み。

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    2022年05月16日
  • 私の頭が正常であったなら

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    ものすごく哀しくて
    ものすごく切ないけど
    ものすごくあたたかい短編集。

    どの話も全部好きだったけど、
    「トランシーバー」「私の頭が正常であったなら」
    が特に良かった。

    さすが乙一。

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    2022年04月25日
  • 私の頭が正常であったなら

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    たまたま手に取った本だったが、読んでよかった。8つの短編集。忘れっぽい私は短編集だと気に入った話以外、内容が飛んでしまいがちだけど、この本は全て記憶に残っている。
    どの話も残酷だったり悲しい出来事からの展開が多いけど、読み終えた時には小さな光を感じる。何度も涙が出て鼻をグズグズさせながらページをめくった。大切なもの、大切な人を失った喪失感は計り知れない。苦しみながらそれでも人は強く生きていく。

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    2022年04月12日
  • エムブリヲ奇譚

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    ああ、いいなぁ、これ。

    まるで期待せずに読んだ。
    この人の作品はハマるときはハマる。
    中には「はぁ?」と首をひねりたくなる著書もあるのだが、今作はすべて良い。
    短編集というものは、気に入ったものが1つか2つあればいいかとおもっていたが、9作品のすべてが好きだ。
    これは自分的には結構珍しい。
     
    時代はいつ頃だろう?
    ざっくりと、江戸と明治のあいだくらいかな。
    今で言うところの、旅行ガイドブックを書くのを生業としている和泉螂庵と荷物持ちの耳彦が各地をまわり、奇妙な体験をする物語。

    まるであの「乙一さん」のような余韻の良さ。
    奇妙で、悲しくて、怖くて、せつない。
     
    ちなみに表題にあるエムブリヲとは、人間の胎児の、まだ赤ん坊の姿に成長する前の状態らしい。
     
    続編も出ているそうなので、ぜひ手に入れようと思う。

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    2023年07月11日
  • 私の頭が正常であったなら

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    山白朝子は乙一の別名義とのこと
    ホラーファンタジーとでもいうのか。
    知らずに(最初に選んだ時は知ってたはずだけど忘れてた)読み始めて、なんだ苦手なホラーかよと思ったが、おどろおどろしいなんてことはなく、最初の話はユーモアもあり、サスペンス要素もあり、最後の話はファンタジーで、ほっこり。
    乙一のおすすめ1位になってた「失はれる物語」を読みたい本リストに入れておいた。

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    2022年02月23日
  • 私の頭が正常であったなら

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    ネタバレ

    淡々と綴られた一つ一つの物語の完成度が高く、どれも楽しんで読んだ。
    ホラーな要素を漂わせ、死を扱っていながらどこか救われる気持ちになる短編集。切なくなるし、悲しくて心が追いつかないものもあるし、泣きたくなる。でも生きていかねばならない気持ちに寄り添い、色んな人生を肯定し昇華させる。そういう慈愛に満ちていると思った。
    表題作とラストの「おやすみなさい子どもたち」が印象に残っているだろうか。生きる者への慰めを感じるいい物語だった。

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    2021年11月21日
  • 私の頭が正常であったなら

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    ホラー、ミステリー、SF的要素の混じった短編集。文章が、とても読みやすく変に文学ぶってなく、映画のように情景が目に浮かぶ。それぞれの話が、全然別のタイプながら展開が早くてひねりもあって、読み終えた後、なるほど、と納得感があった。通勤電車での暇つぶしには最高だった。

    表題作は、特に良かった。今後思い出すと思う。
    そのほか、トランシーバーや、天使や、布団もすごく印象に残った。

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    2021年10月06日
  • 私の頭が正常であったなら

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    面白い
    独特なかんじで、全部面白かったけど、世界で一番、みじかい小説が一番好きだった〜
    他作品見てみたいとおもったら作者乙一さんでびっくりした

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    2021年07月31日
  • 私の頭が正常であったなら

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    蠟庵先生じゃない短編集。どれも喪失の物語で、胸を締め付けられるような息苦しさが常に付きまとっていました(2編ほど毛色の異なるSF短編でしたが。あの小説家は作者なのかな)。だからこそ最後の『おやすみなさい子供たち』がすごく沁みました。
    お気に入りは『首なし鶏、夜をゆく』。タイトルも内容もすごくハマりました。マイク、実在したのか……。

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    2021年06月13日
  • 死者のための音楽

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    ネタバレ

    井戸、鬼、巨鳥の話が個人的に好きだと思いました。
    井戸の中で彼らは今も彷徨っているのでしょうか、自分が普段歩いている地面の下でうごめく影を思い浮かべました。
    鬼の話は、かなりなまなましく感じました。血に濡れたような桜の花弁、鬼の気を引いて異世界へ行ってしまった気弱な弟のことを考えると切ない気持ちになりました。
    最後に、巨大鳥の話。何でも願いが叶うというのも考えものだなあと思ってしまいました。鳥はただ恩返ししたかっただけなのでしょうが。ラストはかなりショックでした。

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    2021年03月08日
  • エムブリヲ奇譚

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    絶妙な非日常感。
    奇妙で不気味な話ばかりだけど、合間に入る耳彦と和泉蠟庵の歯切れのよい会話でクスッと笑えて好きでした。

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    2021年03月05日
  • 私のサイクロプス

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    「エムブリヲ奇譚」を読んだのがだいぶ昔なので内容をあまり覚えていないのですが、耳彦ってこんなに毎回酷い目に遭っていたっけというくらいの仕打ちが延々と続いていました。よく生きているな。
    表題作の「私のサイクロプス」がお気に入り。ラストが残酷でしたが美しかったです。

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    2020年08月11日
  • エムブリヲ奇譚

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    耳彦の話が多かったですね。
    やはり上手い、怪談はかくあるべしというお手本のような作品です。褒めてますからね。最近のホラーは当たりが悪くて(T ^ T)

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    2019年10月07日