山白朝子のレビュー一覧

  • スコッパーの女

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     乙一さんの別名義の1つ、山白朝子名義の新刊である。全5編で200p以下とボリュームは少ない。乙一名義の『さよならに反する現象』を思い出す。

     前書きによると、出版界の風習として、アイデア交換会なるものがあるという。ここに収録された全5編は、乙一さんが収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものだという。まあ乙一さんだけに、嘘でしょうね。

     「終焉を告げる小説家」。詳細には触れないが、彼には【深さ】が見えるという。読者の立場ではありがたくないその能力、作家としては武器になるのかどうか。彼は作家をやめても、その能力で令和の世をしぶとく生きていくだろう。

     「小説講師の

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    2026年04月23日
  • エムブリヲ奇譚

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    ネタバレ

    連作短篇集。
    旅本の作者である和泉蠟庵が、お供(荷物持ち)の耳彦を連れて実際に旅をするのだが、旅先で毎回不思議なことが起こる。

    「エムブリヲ奇譚」が特に気に入った。いっこうに大きくならないが、女の腹の中にいなくても生きていられる胎児。この胎児は耳彦によって結構雑に扱われるのだが、最終的には女の腹へ入れられ、すくすく成長し、やがて産まれる。不気味だけど、心がスっとする気持ちの良い話だった。妊娠を経験して思ったのだけれど、腹の中に宿った時点で、赤子はもう可愛くてしようがないものなのだなぁ。たとえ人間らしい形になっていなくても、可愛いのだ。奇跡だ。

    「地獄」は、本当に救いようがない話だ。こういう

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    2026年04月08日
  • スコッパーの女

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    小説家と小説にまつわる怖い話。
    そもそも「アイデア交換会」なんて本当にあるのか?そこからもう創作なのか?

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    2026年03月23日
  • スコッパーの女

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    「終焉を告げる小説家」
    「小説講師の憂鬱」
    「シンクロニシティ」
    「青軸卿」
    「スコッパーの女」
    小説家をモチーフにした短編集。

    前書きから吸引力があり、陰鬱で濃密な山白氏特有の闇世界へと一気に引き込まれた。

    どの短編も完成度が高いが「シンクロニシティ」は、イヤミスとホラーの境界を巧みに横断しながら、読者の感覚をじわじわと侵食していく恐怖表現が秀逸。

    表題作「スコッパーの女」では、文章から匂いを読み取ることができる女性という設定でインパクト大。

    山白氏が描き出す唯一無二の暗黒世界は強烈な中毒性を持ち読後に独特の余韻を残す。

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    2026年03月19日
  • スコッパーの女

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    あぁ、やっぱこれだよ。こういうのが好きなんだ。

    決して文学賞にノミネートされるような作品じゃない。
    本屋大賞のように、誰にでもおすすめできる本でもない。

    けれど、どっぷりと暗黒の深淵を覗き込みたい人には
    まるで底なし沼のように引き込まれる作品だ。
     

    『スコッパーの女』山白朝子

    小説家が「奇人変人」が多いというのは、よく聞く話。

    そんな小説家や出版関係者たちが集う
    アイデア交換会(アイデアの原石を交換し合う会)で
    収集された奇妙なエピソードを、小説の形にした作品集。



    ◆終焉を告げる小説家
    物事の終焉を【深さ】として見ることができる小説家。
    ある日、彼は鏡に映った自分に【深さ】

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    2026年03月14日
  • 私の頭が正常であったなら

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    『Wi-Fi幽霊』からこちらに。
    面白いタイトルの本だなと思った。
    単行本で読みましたが、装丁や目次の文字が斜め印刷だったり、世界観のこだわりを感じました。

    表題の『私の頭が正常であったなら』は主人公は悪くないのに落ちていくさまが可哀想だった。
    理不尽な悪意をぶつけられて、正常に生きていける人がどれだけいるのか。少し頭が壊れていたからこそ助けの声が過敏に届いたのか。

    一番面白かったのは『世界で一番、みじかい小説』かな。文章は短い訳ではなく、普通の短編で、幽霊が見えても、何故現れるのかを冷静に検証しようとする妻のキャラクターが面白い。

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    2026年03月02日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    「SEVEN ROOMS」と「神の言葉」だけは読んだことがあって、乙一さん作品の中でもかなり印象に残っていました。もともと乙一さんの主人公達の内面やストーリーの描き方がとても好きで…だから、不条理で残酷なことがあっても、ただ嫌な気持ちになるだけではなくて作品に魅力を感じるんだろうなと思います。
    全体的にそんな感じがしましたが、「Wi-Fi幽霊」「呵々の夜」はいわゆる怖い話…のような印象でした。
    山白朝子さんは"1人アンソロジー"でしか読んだことがなかったんですが、それ以外の本も読んでみたくなりました。

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    2026年02月24日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    全体的に期待していたより面白かった。
    ただ表題作の『Wi-Fi幽霊(書き下ろし)』だけはイマイチだったかな…。こういうモキュメンタリー的なのは乙一さんには求めていないので、個人的には微妙。表紙もイマイチ。黒単色でシンプルにホラー傑作選のがいい気がする。

    あとの作品は傑作選だけあって面白かった。
    ■乙一名義作品
    『階段』
    『SEVEN ROOMS』
    『神の言葉』
    『Wi-Fi幽霊』

    ■山白朝子名義作品
    『鳥とファフロッキーズ現象について』
    『〆』
    『呵々の夜』
    『首なし鶏、夜をゆく』
    『子どもを沈める』
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    山白朝子って誰?…と思ったけど、なるほど。

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    2026年02月09日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ホラー、ミステリ評論家の千街晶之さんがセレクトした、乙一と山白朝子の傑作選!

    階段
    SEVEN ROOMS
    神の言葉
    鳥とファフロッキーズ現象について

    呵々の夜
    首なし鶏、夜をゆく
    子供を沈める
    Wi-Fi幽霊

    全9作
    「階段」と「Wi-Fi幽霊」以外は読んだ事あったけど再読。
    でもほぼ内容忘れちゃってるので 初読みみたくめっちゃ楽しめた!
    そんななか、「SEVEN ROOMS」だけは めちゃくちゃ衝撃的で印象に残ってたけど、やっぱり今読んでも ひぇ〜〜っ!と強烈なインパクトでした。
    1番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」 かな。
    ゾッとするけど、優しくてせつなくてうる

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    2026年02月08日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    今回読んだ短編集で初めて読んだのは「子どもを沈める」、「死神と旅する女」、「お祖父ちゃんの絵」、「七つのカップ」だった。どれもそれぞれ違う種類の怪談でバリエーション豊か。楽しめました。個人的に好きなのはシュマシラ、死神と旅する女、七つのカップです。最後の七つのカップはどこかほっこりして、でもどこか不思議に感じる話でした。良かったです。

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    2026年01月07日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    乙一作品で一番好きかも知れないseven roomsが入っているのが嬉しい一冊。相変わらずじっとりとあっさりが良いバランスで楽しめる。表題作はホラー展開はベタだけどAIとのやり取りを絡めている進め方がなんか好みだった。

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    2025年12月21日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    乙一さんの過去作品を久しぶりに読む機会になった。階段、セブンルームズ、神の言葉、はさすが乙一作品、、、再読でもたまらんかった。
    山白朝子作品、書き下ろしWi-Fi幽霊は、うーむ。。

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    2025年12月14日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    短編9作品のうち6作品が既読だった。
    でも読み返してみても怖面白い。

    幽霊話は表題の書き下ろしのみで、基本はリアル犯罪事件に乙一先生らしい不可思議テイストが加えられています。

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    2025年11月18日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ネタバレ

    ホラー短編集。そのうちのいくつかは過去作を再掲してたので「読んだことある本をまた買ってしまった?」と思いかけた。それはさておき、表題作が一番良かった。AIと幽霊という一見相反するようなテーマを融合させた上で恐ろしい話に仕立て上げる作者に敬意を払いたい。

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    2025年10月17日
  • 死者のための音楽

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    短編集。
    表題作は肌に合わなかったが、他は全部気に入った。
    特に、巨鳥と暮らす少女の話が良かったな。
    助けた鳥が、少女を大切に思うあまり、行き過ぎた行動に出ているところは怖くもあり、種族を超えた愛をも感じた。

    また、生き物を廃液で黄金に変えてしまう工場の話は、途中まで神秘的な気配を感じていたが、ラストは欲に塗れた人間の末路という感じで、話の急変ぶりに驚いた。工場が閉鎖する前に大きな黄金を手に入れたいと考えた母親の思考はすぐ読めたものの、彼女を駆り立てた理由には全く気づかず、これもまたびっくりした。憎い相手を消して富も得るとは…人間って強欲だな。

    他にも、井戸の中で暮らす女の話や、行ったこと

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    2025年10月06日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    【鳥とファフロッキーズ現象について】は鳥の恩返しが切なくも、少し温かい気持ちになって思わず涙。【呵々の夜】は怪談話なんだけど、どこかズレてて面白かった。新作は、怖かったけどAIが、主人公のパートナーとして、すごく頼もしく思えた話。 引き続き、乙一関連の書籍は読んでいきたい。

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    2025年09月23日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    乙一/山白朝子のホラー短編集。
    非常に久しぶりの、それこそGOTH以来なので20年以上読んでなかったことに衝撃を受けた。

    どことなく残酷な世界だけど、ラストは切ない作品が多いイメージだったが、今作はがっつりと怖い。それも人間的な怖さから、理解不能なモノへの怖さなど、バリエーションも豊富。

    おすすめは「階段」と「Wi-Fi幽霊」。
    「階段」は、どこにでもある階段が非常に怖く思える、目を背けたくなるほどの嫌な話。
    「Wi-Fi幽霊」は、まさかのAIがバディの私立探偵風な作品。
    読後感がいい作品ばかりとは言えないが、手堅いホラーが揃った良い短編集。

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    2025年09月04日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ネタバレ

    乙一さん、山城朝子さんの短編集で他のアンソロジーや短編集に入っているのもあります。私は最初と最後の話を目当てに読書。

    最初は暴力的なお父さんに怯える姉妹の話。乙一さんは肉体的な暴力だけじゃなくて、精神的な暴力の支配とか影響を書くのが上手いと思う。読んでて痛々しくてつらかったです。(褒めてます)
    そして乙一作品に出てくる姉もしくは姉的な存在って強いイメージ。困ってる人を支えてくれる立場で出てくるなーと。姉妹はこれから上手く生きていけるのかな、生きてほしいな…というラスト。

    Wi-Fi幽霊の方は野良Wi-Fiにアクセスしてから怪奇現象に見舞われる主人公の話。中盤でお母さんと電話してる時の場面が

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    2025年07月20日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    久しぶりに乙一の新作本をタイムリーに購入して読めました。
    過去作はほとんど読んでいたと思いましたが、「階段」という作品は初めてでした。父という絶対的存在、ルール、家族構成とそれぞれの距離感など自分と重なる部分があり少し胸が痛みました。1番印象強いです。
    他、新作を除く乙一名義の作品はどれも読んだものばかりですが当時読んでいた時からお気に入りだったお話だったので、またこういう形で読み返しできて満足でした。
    WiFi幽霊ですが、私はすごく面白かったです。読んでいて怖さもあるんだけど、この主人公なら救いがありそうな感じ。最後に収録されていましたが、後味のよいもので締められていて良かった。

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    2025年07月11日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    山白朝子名義を含む乙一のホラー短編を集めた短編集。唯一の書き下ろし作品「Wi-Fi幽霊」を除き、すべて過去に発表されたものです。乙一ファンの私にとっては既読の作品が多かったのですが、結構内容を忘れていて、新鮮な気持ちで楽しめました。

    中でも「Seven Rooms」は、初読時の強烈なインパクトが忘れられない一編で、再読してもその緊張感と構成の巧みさに引き込まれました。

    新作の「Wi-Fi幽霊」は、主人公とAIの対話を通じて不思議な謎を解き明かしていく物語。乙一もついにAIという現代的テーマに踏み込んできたかと、時代の移り変わりを感じさせる興味深い作品でした。

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    2025年06月18日