山白朝子のレビュー一覧

  • 死者のための音楽

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    ネタバレ

    様々な時代に跨って描かれる、恐ろしくて切ない物語。
    お気に入りは、表題作の「死者のための音楽」。全編を通して親子の対話で描かれている作品。この世じゃなく、あの世のでもないどこか別の世界で行われているかのような会話に惹き込まれてしまいました。

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    2018年07月22日
  • エムブリヲ奇譚

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    シリーズ第2作『私のサイクロプス』を先に読んでしまったので、本作(第1作)に遡って読んだ。基本的には耳彦と和泉蠟庵の道中記で、第2作のメインメンバーである輪が一話のみ登場する。

    人情味、ユーモア、ホラーのバランスが素晴らしい。
    弱者に対して、ほのかな、あたたかい情愛が積み重なっていく過程を描くのがうまいと思う。
    耳彦と和泉蠟庵の掛け合いも息がぴったりで、クスッと笑える。
    人の交わりの温もりを描く一方で、肉親を犠牲にしてでも生き伸びようとする人の本能も炙り出す。美しさと醜さが同居して、双方を引き立てている。
    「正しい文章」というのとは少し異なり、時々ねじれを感じるが、繊細な感情を汲み取って、は

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    2017年04月19日
  • エムブリヲ奇譚

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    主人公の和泉蠟庵の設定が、方向音痴、わりと空気読(ま)めない、体力は鬼、しかしながら小柄、最終的に禿を気にし始めた時点でもう脳内配役が確定いたしました(……。)
    そして長髪などという全くありがたい設定です。
    大変けしからん。

    耳彦は山田孝之さんが似合いそう。
    濱田岳も合いそうだけれど蠟庵とバランス取れなさそう。

    とはいっても実写じゃなくアニメ向きの話ではある。
    ライトといえばライトか。

    「ラピスラズリ幻想」の構成が好き。
    しかし、繰り返すことはどちらかというと呪いに近いものも感じる。
    それが故の結末なのだろうと思う。
    何かを満たせば何かが満たされない。苦しい。

    「〆」はなんとも言えず後

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    2023年04月16日
  • エムブリヲ奇譚

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    すばらしいです。旅本作家の和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦の二人組が旅先で奇怪な出来事に出会う連作怪異譚。上品で無駄のない筆致でつづられる奇怪で美しい怪異譚は、人が生きる上で生じる様々な暗い感情を悲しく切なく浮かび上がらせる。でも決して暗すぎることはない。マイペースな和泉蠟庵の迷い癖はすでに呪いのようなもので、また、それに付き合う耳彦はお世辞にも立派な人間とは言えず常に弱さをさらけ出している。この二人のとぼけた性格とやり取りが、和やかで優しい余韻を残してくれる。また、二人の存在が怪異譚を閉じずに常に未来に開いてくれている。
    九編ともほんとうに見事な出来で、怖さの質もみな異なり、予想つかない展開もあり、

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    2016年07月03日
  • 死者のための音楽

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    面白かった~。さすがです。乙一さんの別名作品です。
    でもやっぱり乙一さんの色です。独特の空気感です。どの短編も印象的だけど、一番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」かな。恐さと切なさが入り混じった何とも言えないストーリーでした。

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    2014年03月05日
  • 死者のための音楽

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    どの作品も、風景描写と情景の美しさが際立ちました。
    特に「鬼物語」があまりにも美しく、涙が出そうでした。
    読み終わった後のあとがきで初めて、ある作家さんの別名義であると知り…考えたけどわからず調べ、なるほど!!と。言われれば納得。

    美しさ、儚さ、切なさ、何度でも読みたい作品集です。

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    2013年12月15日
  • スコッパーの女

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    「終焉を告げる小説家」
    「小説講師の憂鬱」
    「シンクロニシティ」
    「青軸卿」
    「スコッパーの女」
    小説家をモチーフにした短編集。

    前書きから吸引力があり、陰鬱で濃密な山白氏特有の闇世界へと一気に引き込まれた。

    どの短編も完成度が高いが「シンクロニシティ」は、イヤミスとホラーの境界を巧みに横断しながら、読者の感覚をじわじわと侵食していく恐怖表現が秀逸。

    表題作「スコッパーの女」では、文章から匂いを読み取ることができる女性という設定でインパクト大。

    山白氏が描き出す唯一無二の暗黒世界は強烈な中毒性を持ち読後に独特の余韻を残す。

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    2026年03月19日
  • スコッパーの女

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    あぁ、やっぱこれだよ。こういうのが好きなんだ。

    決して文学賞にノミネートされるような作品じゃない。
    本屋大賞のように、誰にでもおすすめできる本でもない。

    けれど、どっぷりと暗黒の深淵を覗き込みたい人には
    まるで底なし沼のように引き込まれる作品だ。
     

    『スコッパーの女』山白朝子

    小説家が「奇人変人」が多いというのは、よく聞く話。

    そんな小説家や出版関係者たちが集う
    アイデア交換会(アイデアの原石を交換し合う会)で
    収集された奇妙なエピソードを、小説の形にした作品集。



    ◆終焉を告げる小説家
    物事の終焉を【深さ】として見ることができる小説家。
    ある日、彼は鏡に映った自分に【深さ】

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    2026年03月14日
  • 私の頭が正常であったなら

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    『Wi-Fi幽霊』からこちらに。
    面白いタイトルの本だなと思った。
    単行本で読みましたが、装丁や目次の文字が斜め印刷だったり、世界観のこだわりを感じました。

    表題の『私の頭が正常であったなら』は主人公は悪くないのに落ちていくさまが可哀想だった。
    理不尽な悪意をぶつけられて、正常に生きていける人がどれだけいるのか。少し頭が壊れていたからこそ助けの声が過敏に届いたのか。

    一番面白かったのは『世界で一番、みじかい小説』かな。文章は短い訳ではなく、普通の短編で、幽霊が見えても、何故現れるのかを冷静に検証しようとする妻のキャラクターが面白い。

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    2026年03月02日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    「SEVEN ROOMS」と「神の言葉」だけは読んだことがあって、乙一さん作品の中でもかなり印象に残っていました。もともと乙一さんの主人公達の内面やストーリーの描き方がとても好きで…だから、不条理で残酷なことがあっても、ただ嫌な気持ちになるだけではなくて作品に魅力を感じるんだろうなと思います。
    全体的にそんな感じがしましたが、「Wi-Fi幽霊」「呵々の夜」はいわゆる怖い話…のような印象でした。
    山白朝子さんは"1人アンソロジー"でしか読んだことがなかったんですが、それ以外の本も読んでみたくなりました。

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    2026年02月24日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    全体的に期待していたより面白かった。
    ただ表題作の『Wi-Fi幽霊(書き下ろし)』だけはイマイチだったかな…。こういうモキュメンタリー的なのは乙一さんには求めていないので、個人的には微妙。表紙もイマイチ。黒単色でシンプルにホラー傑作選のがいい気がする。

    あとの作品は傑作選だけあって面白かった。
    ■乙一名義作品
    『階段』
    『SEVEN ROOMS』
    『神の言葉』
    『Wi-Fi幽霊』

    ■山白朝子名義作品
    『鳥とファフロッキーズ現象について』
    『〆』
    『呵々の夜』
    『首なし鶏、夜をゆく』
    『子どもを沈める』
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    山白朝子って誰?…と思ったけど、なるほど。

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    2026年02月09日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ホラー、ミステリ評論家の千街晶之さんがセレクトした、乙一と山白朝子の傑作選!

    階段
    SEVEN ROOMS
    神の言葉
    鳥とファフロッキーズ現象について

    呵々の夜
    首なし鶏、夜をゆく
    子供を沈める
    Wi-Fi幽霊

    全9作
    「階段」と「Wi-Fi幽霊」以外は読んだ事あったけど再読。
    でもほぼ内容忘れちゃってるので 初読みみたくめっちゃ楽しめた!
    そんななか、「SEVEN ROOMS」だけは めちゃくちゃ衝撃的で印象に残ってたけど、やっぱり今読んでも ひぇ〜〜っ!と強烈なインパクトでした。
    1番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」 かな。
    ゾッとするけど、優しくてせつなくてうる

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    2026年02月08日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    ネタバレ

    今回読んだ短編集で初めて読んだのは「子どもを沈める」、「死神と旅する女」、「お祖父ちゃんの絵」、「七つのカップ」だった。どれもそれぞれ違う種類の怪談でバリエーション豊か。楽しめました。個人的に好きなのはシュマシラ、死神と旅する女、七つのカップです。最後の七つのカップはどこかほっこりして、でもどこか不思議に感じる話でした。良かったです。

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    2026年01月07日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    乙一作品で一番好きかも知れないseven roomsが入っているのが嬉しい一冊。相変わらずじっとりとあっさりが良いバランスで楽しめる。表題作はホラー展開はベタだけどAIとのやり取りを絡めている進め方がなんか好みだった。

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    2025年12月21日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    乙一さんの過去作品を久しぶりに読む機会になった。階段、セブンルームズ、神の言葉、はさすが乙一作品、、、再読でもたまらんかった。
    山白朝子作品、書き下ろしWi-Fi幽霊は、うーむ。。

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    2025年12月14日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    短編9作品のうち6作品が既読だった。
    でも読み返してみても怖面白い。

    幽霊話は表題の書き下ろしのみで、基本はリアル犯罪事件に乙一先生らしい不可思議テイストが加えられています。

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    2025年11月18日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ネタバレ

    ホラー短編集。そのうちのいくつかは過去作を再掲してたので「読んだことある本をまた買ってしまった?」と思いかけた。それはさておき、表題作が一番良かった。AIと幽霊という一見相反するようなテーマを融合させた上で恐ろしい話に仕立て上げる作者に敬意を払いたい。

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    2025年10月17日
  • 死者のための音楽

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    短編集。
    表題作は肌に合わなかったが、他は全部気に入った。
    特に、巨鳥と暮らす少女の話が良かったな。
    助けた鳥が、少女を大切に思うあまり、行き過ぎた行動に出ているところは怖くもあり、種族を超えた愛をも感じた。

    また、生き物を廃液で黄金に変えてしまう工場の話は、途中まで神秘的な気配を感じていたが、ラストは欲に塗れた人間の末路という感じで、話の急変ぶりに驚いた。工場が閉鎖する前に大きな黄金を手に入れたいと考えた母親の思考はすぐ読めたものの、彼女を駆り立てた理由には全く気づかず、これもまたびっくりした。憎い相手を消して富も得るとは…人間って強欲だな。

    他にも、井戸の中で暮らす女の話や、行ったこと

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    2025年10月06日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    【鳥とファフロッキーズ現象について】は鳥の恩返しが切なくも、少し温かい気持ちになって思わず涙。【呵々の夜】は怪談話なんだけど、どこかズレてて面白かった。新作は、怖かったけどAIが、主人公のパートナーとして、すごく頼もしく思えた話。 引き続き、乙一関連の書籍は読んでいきたい。

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    2025年09月23日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    ネタバレ

    乙一/山白朝子のホラー短編集。
    非常に久しぶりの、それこそGOTH以来なので20年以上読んでなかったことに衝撃を受けた。

    どことなく残酷な世界だけど、ラストは切ない作品が多いイメージだったが、今作はがっつりと怖い。それも人間的な怖さから、理解不能なモノへの怖さなど、バリエーションも豊富。

    おすすめは「階段」と「Wi-Fi幽霊」。
    「階段」は、どこにでもある階段が非常に怖く思える、目を背けたくなるほどの嫌な話。
    「Wi-Fi幽霊」は、まさかのAIがバディの私立探偵風な作品。
    読後感がいい作品ばかりとは言えないが、手堅いホラーが揃った良い短編集。

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    2025年09月04日