山白朝子のレビュー一覧

  • 私の頭が正常であったなら

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    蠟庵先生じゃない短編集。どれも喪失の物語で、胸を締め付けられるような息苦しさが常に付きまとっていました(2編ほど毛色の異なるSF短編でしたが。あの小説家は作者なのかな)。だからこそ最後の『おやすみなさい子供たち』がすごく沁みました。
    お気に入りは『首なし鶏、夜をゆく』。タイトルも内容もすごくハマりました。マイク、実在したのか……。

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    2021年06月13日
  • 死者のための音楽

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    ネタバレ

    井戸、鬼、巨鳥の話が個人的に好きだと思いました。
    井戸の中で彼らは今も彷徨っているのでしょうか、自分が普段歩いている地面の下でうごめく影を思い浮かべました。
    鬼の話は、かなりなまなましく感じました。血に濡れたような桜の花弁、鬼の気を引いて異世界へ行ってしまった気弱な弟のことを考えると切ない気持ちになりました。
    最後に、巨大鳥の話。何でも願いが叶うというのも考えものだなあと思ってしまいました。鳥はただ恩返ししたかっただけなのでしょうが。ラストはかなりショックでした。

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    2021年03月08日
  • エムブリヲ奇譚

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    絶妙な非日常感。
    奇妙で不気味な話ばかりだけど、合間に入る耳彦と和泉蠟庵の歯切れのよい会話でクスッと笑えて好きでした。

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    2021年03月05日
  • 私のサイクロプス

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    「エムブリヲ奇譚」を読んだのがだいぶ昔なので内容をあまり覚えていないのですが、耳彦ってこんなに毎回酷い目に遭っていたっけというくらいの仕打ちが延々と続いていました。よく生きているな。
    表題作の「私のサイクロプス」がお気に入り。ラストが残酷でしたが美しかったです。

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    2020年08月11日
  • エムブリヲ奇譚

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    耳彦の話が多かったですね。
    やはり上手い、怪談はかくあるべしというお手本のような作品です。褒めてますからね。最近のホラーは当たりが悪くて(T ^ T)

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    2019年10月07日
  • 死者のための音楽

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    ネタバレ

    様々な時代に跨って描かれる、恐ろしくて切ない物語。
    お気に入りは、表題作の「死者のための音楽」。全編を通して親子の対話で描かれている作品。この世じゃなく、あの世のでもないどこか別の世界で行われているかのような会話に惹き込まれてしまいました。

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    2018年07月22日
  • エムブリヲ奇譚

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    シリーズ第2作『私のサイクロプス』を先に読んでしまったので、本作(第1作)に遡って読んだ。基本的には耳彦と和泉蠟庵の道中記で、第2作のメインメンバーである輪が一話のみ登場する。

    人情味、ユーモア、ホラーのバランスが素晴らしい。
    弱者に対して、ほのかな、あたたかい情愛が積み重なっていく過程を描くのがうまいと思う。
    耳彦と和泉蠟庵の掛け合いも息がぴったりで、クスッと笑える。
    人の交わりの温もりを描く一方で、肉親を犠牲にしてでも生き伸びようとする人の本能も炙り出す。美しさと醜さが同居して、双方を引き立てている。
    「正しい文章」というのとは少し異なり、時々ねじれを感じるが、繊細な感情を汲み取って、は

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    2017年04月19日
  • エムブリヲ奇譚

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    主人公の和泉蠟庵の設定が、方向音痴、わりと空気読(ま)めない、体力は鬼、しかしながら小柄、最終的に禿を気にし始めた時点でもう脳内配役が確定いたしました(……。)
    そして長髪などという全くありがたい設定です。
    大変けしからん。

    耳彦は山田孝之さんが似合いそう。
    濱田岳も合いそうだけれど蠟庵とバランス取れなさそう。

    とはいっても実写じゃなくアニメ向きの話ではある。
    ライトといえばライトか。

    「ラピスラズリ幻想」の構成が好き。
    しかし、繰り返すことはどちらかというと呪いに近いものも感じる。
    それが故の結末なのだろうと思う。
    何かを満たせば何かが満たされない。苦しい。

    「〆」はなんとも言えず後

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    2023年04月16日
  • エムブリヲ奇譚

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    すばらしいです。旅本作家の和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦の二人組が旅先で奇怪な出来事に出会う連作怪異譚。上品で無駄のない筆致でつづられる奇怪で美しい怪異譚は、人が生きる上で生じる様々な暗い感情を悲しく切なく浮かび上がらせる。でも決して暗すぎることはない。マイペースな和泉蠟庵の迷い癖はすでに呪いのようなもので、また、それに付き合う耳彦はお世辞にも立派な人間とは言えず常に弱さをさらけ出している。この二人のとぼけた性格とやり取りが、和やかで優しい余韻を残してくれる。また、二人の存在が怪異譚を閉じずに常に未来に開いてくれている。
    九編ともほんとうに見事な出来で、怖さの質もみな異なり、予想つかない展開もあり、

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    2016年07月03日
  • 死者のための音楽

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    面白かった~。さすがです。乙一さんの別名作品です。
    でもやっぱり乙一さんの色です。独特の空気感です。どの短編も印象的だけど、一番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」かな。恐さと切なさが入り混じった何とも言えないストーリーでした。

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    2014年03月05日
  • 死者のための音楽

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    どの作品も、風景描写と情景の美しさが際立ちました。
    特に「鬼物語」があまりにも美しく、涙が出そうでした。
    読み終わった後のあとがきで初めて、ある作家さんの別名義であると知り…考えたけどわからず調べ、なるほど!!と。言われれば納得。

    美しさ、儚さ、切なさ、何度でも読みたい作品集です。

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    2013年12月15日
  • スコッパーの女

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    山白朝子さんの新刊。前作の小説家についてのお話の続編の短編集です。
    このお話でもなんとも言えない怖さのある小説家が登場します。
    とは言え今回はなんとも心が温まるような静謐さも持ったような話しもありました。
    今回は最初の「終焉を告げる小説家」が好みです。
    こうなんと言うか特殊な能力を持っているのに淡々と大袈裟でなくそっと世界に貢献しているような雰囲気の話しで、読むとこの世界も捨てたもんじゃないなとか思ってしまいます。
    まあ、それ以外も驚きの結末が待っていますけど。

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    2026年06月04日
  • スコッパーの女

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    私は乙一作品は読んだことがなく、中田永一作品から入ったクチで、1人アンソロジーを読んで山白作品おもしろそうだなと手に取ったんだけどこちらやはり面白かった…今更ながら乙一作品も読もうかしら…

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    2026年05月20日
  • スコッパーの女

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    表紙デザインのおどろおどろ感はあまり感じられないが、まぁ面白い。ただちょっとその展開苦しいなぁという感じもあり笑

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    2026年05月15日
  • スコッパーの女

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    装丁からもうワクワクが止まらなかった。
    ゴシックホラーらしい雰囲気たっぷりの表紙と、山白朝子さんの安定した恐怖感が最高の組み合わせ。
    どの作品も「ある作家の経験談」という体裁で書かれており、味わい深い。
    さまざまなタイプの怖さが詰まっていて、つい一気読みして1日で読破してしまった。
    特に表題作「スコッパーの女」は、オチまで含めて本当に面白かった。
    怖さと意外性が絶妙で、さすが山白さんだなと唸らされる一編。
    全体的にクオリティが高くたまらない一冊だった。

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    2026年05月05日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    古いものだと2001年の作品から収録されていて、乙一好きなわりに既読してるのは『階段』だけだった。
    『SEVEN ROOMS』が1番好きだった。実写化してるらしく、観たい。

    山白朝子名義は初読み。
    おもしろいけど乙一の方が好きかも。

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    2026年05月02日
  • Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選

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    セブンルームズを読みてえ!読み返してえ!と探して読んだ本。
    セブンルームズと神の声以外は未読だったので楽しかったです。
    山白名義の旅人の話はもっともっとシリーズで読みたいと思った。乙一は本当にじっとり気持ち悪いのにどこか間抜けで温かさも感じる文章がいいよね。

    WiFi幽霊は、WiFiとAIというイマドキツールからのお話で面白かった。
    昔、calling youではガラケーであんなに心に来る話を書いてたのに。似たようなツールを使ってホラーにしたらこれだよ。いいね。

    夏にホラー読みたいと思って買ったのにもう春だよ。ホラーは気が乗った時にしか読めない。

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    2026年05月01日
  • スコッパーの女

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    ネタバレ

     乙一さんの別名義の1つ、山白朝子名義の新刊である。全5編で200p以下とボリュームは少ない。乙一名義の『さよならに反する現象』を思い出す。

     前書きによると、出版界の風習として、アイデア交換会なるものがあるという。ここに収録された全5編は、乙一さんが収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものだという。まあ乙一さんだけに、嘘でしょうね。

     「終焉を告げる小説家」。詳細には触れないが、彼には【深さ】が見えるという。読者の立場ではありがたくないその能力、作家としては武器になるのかどうか。彼は作家をやめても、その能力で令和の世をしぶとく生きていくだろう。

     「小説講師の

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    2026年04月23日
  • エムブリヲ奇譚

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    ネタバレ

    連作短篇集。
    旅本の作者である和泉蠟庵が、お供(荷物持ち)の耳彦を連れて実際に旅をするのだが、旅先で毎回不思議なことが起こる。

    「エムブリヲ奇譚」が特に気に入った。いっこうに大きくならないが、女の腹の中にいなくても生きていられる胎児。この胎児は耳彦によって結構雑に扱われるのだが、最終的には女の腹へ入れられ、すくすく成長し、やがて産まれる。不気味だけど、心がスっとする気持ちの良い話だった。妊娠を経験して思ったのだけれど、腹の中に宿った時点で、赤子はもう可愛くてしようがないものなのだなぁ。たとえ人間らしい形になっていなくても、可愛いのだ。奇跡だ。

    「地獄」は、本当に救いようがない話だ。こういう

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    2026年04月08日
  • スコッパーの女

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    小説家と小説にまつわる怖い話。
    そもそも「アイデア交換会」なんて本当にあるのか?そこからもう創作なのか?

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    2026年03月23日