山白朝子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ文章を読むと作家の内面を体感できる共感覚を持つ女が、おぞましい内面世界を持つ作家Ωを見つける表題作をはじめ、小説家にまつわる奇妙で不気味なエピソードを描いた、戦慄の短編集。
この本を読み終えた私の手に残ったのは、血の通った人間の感情や狂気が描かれているはずなのに、どこか人工的で温度を持たない不気味さを見事に捉えた感覚である。
ホラーの定番といえば、怪異のもとをたどっていった人間が行方不明になったり命を落としたりするものの、怪異の正体はわからず、正体を探ろうとした人間も巻き添えになって怪異が伝播していくという展開だ。しかし、表題作「スコッパーの女」は、その王道を見事に裏切る。怪異の正体を探ろ -
Posted by ブクログ
セブンルームズを読みてえ!読み返してえ!と探して読んだ本。
セブンルームズと神の声以外は未読だったので楽しかったです。
山白名義の旅人の話はもっともっとシリーズで読みたいと思った。乙一は本当にじっとり気持ち悪いのにどこか間抜けで温かさも感じる文章がいいよね。
WiFi幽霊は、WiFiとAIというイマドキツールからのお話で面白かった。
昔、calling youではガラケーであんなに心に来る話を書いてたのに。似たようなツールを使ってホラーにしたらこれだよ。いいね。
夏にホラー読みたいと思って買ったのにもう春だよ。ホラーは気が乗った時にしか読めない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ乙一さんの別名義の1つ、山白朝子名義の新刊である。全5編で200p以下とボリュームは少ない。乙一名義の『さよならに反する現象』を思い出す。
前書きによると、出版界の風習として、アイデア交換会なるものがあるという。ここに収録された全5編は、乙一さんが収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものだという。まあ乙一さんだけに、嘘でしょうね。
「終焉を告げる小説家」。詳細には触れないが、彼には【深さ】が見えるという。読者の立場ではありがたくないその能力、作家としては武器になるのかどうか。彼は作家をやめても、その能力で令和の世をしぶとく生きていくだろう。
「小説講師の -
Posted by ブクログ
ネタバレ連作短篇集。
旅本の作者である和泉蠟庵が、お供(荷物持ち)の耳彦を連れて実際に旅をするのだが、旅先で毎回不思議なことが起こる。
「エムブリヲ奇譚」が特に気に入った。いっこうに大きくならないが、女の腹の中にいなくても生きていられる胎児。この胎児は耳彦によって結構雑に扱われるのだが、最終的には女の腹へ入れられ、すくすく成長し、やがて産まれる。不気味だけど、心がスっとする気持ちの良い話だった。妊娠を経験して思ったのだけれど、腹の中に宿った時点で、赤子はもう可愛くてしようがないものなのだなぁ。たとえ人間らしい形になっていなくても、可愛いのだ。奇跡だ。
「地獄」は、本当に救いようがない話だ。こういう -
Posted by ブクログ
あぁ、やっぱこれだよ。こういうのが好きなんだ。
決して文学賞にノミネートされるような作品じゃない。
本屋大賞のように、誰にでもおすすめできる本でもない。
けれど、どっぷりと暗黒の深淵を覗き込みたい人には
まるで底なし沼のように引き込まれる作品だ。
『スコッパーの女』山白朝子
小説家が「奇人変人」が多いというのは、よく聞く話。
そんな小説家や出版関係者たちが集う
アイデア交換会(アイデアの原石を交換し合う会)で
収集された奇妙なエピソードを、小説の形にした作品集。
✧
◆終焉を告げる小説家
物事の終焉を【深さ】として見ることができる小説家。
ある日、彼は鏡に映った自分に【深さ】 -
Posted by ブクログ
全体的に期待していたより面白かった。
ただ表題作の『Wi-Fi幽霊(書き下ろし)』だけはイマイチだったかな…。こういうモキュメンタリー的なのは乙一さんには求めていないので、個人的には微妙。表紙もイマイチ。黒単色でシンプルにホラー傑作選のがいい気がする。
あとの作品は傑作選だけあって面白かった。
■乙一名義作品
『階段』
『SEVEN ROOMS』
『神の言葉』
『Wi-Fi幽霊』
■山白朝子名義作品
『鳥とファフロッキーズ現象について』
『〆』
『呵々の夜』
『首なし鶏、夜をゆく』
『子どもを沈める』
-------------------
山白朝子って誰?…と思ったけど、なるほど。
乙 -
Posted by ブクログ
ホラー、ミステリ評論家の千街晶之さんがセレクトした、乙一と山白朝子の傑作選!
階段
SEVEN ROOMS
神の言葉
鳥とファフロッキーズ現象について
〆
呵々の夜
首なし鶏、夜をゆく
子供を沈める
Wi-Fi幽霊
全9作
「階段」と「Wi-Fi幽霊」以外は読んだ事あったけど再読。
でもほぼ内容忘れちゃってるので 初読みみたくめっちゃ楽しめた!
そんななか、「SEVEN ROOMS」だけは めちゃくちゃ衝撃的で印象に残ってたけど、やっぱり今読んでも ひぇ〜〜っ!と強烈なインパクトでした。
1番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」 かな。
ゾッとするけど、優しくてせつなくてうる -