山白朝子のレビュー一覧

  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そ...続きを読む
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。
  • 小説家と夜の境界
     小説家には奇人変人が多い。その奇行ゆえ、トラブルに巻き込まれることも少なくない。そしてトラブルの中には、奇譚としか言えないできごとがあったりもする。
     そんな小説家の経験した奇譚を集めた連作サスペンスホラー短編集。

     物語は、奇譚を蒐集・記録した「私」の視点で描かれる。
             ◇
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  • 私のサイクロプス
    結構なグロさの物語が続くのに、文章の抑制された柔らかさのおかげか、どの作品もどこか切なく懐かしいような余韻が残る。
    耳彦がすっかりいじられ役として定着しているのが楽しい。
    特に好きなのは、昔話のような雰囲気でとても切ない「私のサイクロプス」、途中ハッとする仕掛けがある「死の山」、耳彦と湧水のほのかな...続きを読む
  • 小説家と夜の境界
    面白かった。乙一っぽさを存分に味わう。山白朝子名義で実話怪談のように小説家の話をしていくけど、話してるのも語られてる小説家も乙一のことでは?と感じられて面白い。

    「墓場の小説家」
    小説家は奇人変人だが、自分は別だとのたまうのが乙一らしい。そんな奇人変人を前にして喜ぶ主人公もおかしいのが面白い。
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  • 小説家と夜の境界
    様々な作家の小説ができるまでの苦悩や生活などを短編にした話であっという間に読める本なのにまた再読したいと思わせる文章になっている。あり得ない日常を過ごしてるからなのだろうし、凡人に小説は平凡になるので奇抜な人物しか小説家にはなれないと言っているようにどの作家も知らない世界のような執筆作業をしているの...続きを読む
  • 小説家と夜の境界
    小説家ってへんだなぁ〜。
    初めて小説家の裏側を知れた気がした!!
    これがノンフィクションだったら、
    尚更面白すぎる。

    自分もその物語の世界に入らないと
    小説を書けない小説家を描いた『墓場の小説家』、対談の前に疾走してしまった
    小説家の真意を描いた『小説家、逃げた』、
    彼の書いた小説を読むと霊障が体...続きを読む
  • 小説家と夜の境界
    様々な変わり者の小説家たちの短編集。
    後半の方に行けば行くほど個人的に好みでした!面白いっっ!!特にラストの「精神感応小説家」!
    乙一先生ファンですが、山白朝子先生名義のは初めて読みました。勿体ないことをしていた!他のも読んでみます♪
    しかし、技能実習生の行方不明問題はどうなってるんだろう…
  • 小説家と夜の境界
    あ〜面白かったε- (´ー`*)

    山白朝子が7人の小説家や編集者との会話形式で
    奇妙な体験談を語るという7つのお話。

    なかには作風や容姿など〝あの人をイメージした?“
    なんて作家もいたりして笑
    切ない話もあればゾワっとする話もあり、山白名義の本らしくグロさは少なめだけどゾワゾワしつつ結末が気に...続きを読む
  • 小説家と夜の境界
    めっちゃ面白い。
    なんと乙一さんの別ペンネームとは
    初めて知りました。
    そりゃ面白いし不気味だし最高なわけだ。
    他の作品も読みます。
  • 私の頭が正常であったなら
    乙一氏の別名であると知り、読んでみた。
    とても面白い。
    題名の「私の頭が正常であったなら」
    同じ親としてとても悲しく、共感もでき、特に好き。
  • 小説家と夜の境界
     乙一さんの別名義の1つ、「山白朝子」名義の新刊が並んでいた。山白朝子名義の作品は、色々な意味で「きつい」。描写がきつかったり、設定がきつかったり。今回もきついのを覚悟して読み始めると、山白朝子名義としては異質に感じた。

     全7編、いずれも「作家」が登場するのが特徴である。執筆の流儀は作家によっ...続きを読む
  • 小説家と夜の境界
    本作はジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』を小説家バージョンにしたような作品。小説家してたらこんな不思議な体験しました~を、エッセイのような柔らかいタッチで語ってくれる。ちなみに山白朝子さんは乙一さんの別名義なので、彼の「あとがき」の、あのゆるい感じが好きな人はより楽しんで読む...続きを読む
  • エムブリヲ奇譚
    フォローしている方々が次々に読んでいて、じわじわ読みたくなってきていた乙一さん(山白朝子という筆名もあるんですね!)をついに読む。
    結果、とっても好みだった!奇妙さと切なさが絶妙なバランス。

    『湯煙事変』『顔無し峠』『「さあ、行こう」と少年が言った』の少し温かみのある切なさが、特に好きだった。
    ...続きを読む
  • エムブリヲ奇譚
    作者の前作は正に怪談だったけれど、こちらはお伽噺のような連作集。
    収録作品の中では「地獄」が好き。幽霊よりも、人間の狂気の怖さがいい。しかし、続刊を読むのはいつになることやら。
  • 私のサイクロプス
    旅本作家の和泉蝋庵、荷物持ちの耳彦、版元の娘輪の3人が旅をしながら様々な怪異に遭遇する物語。
    登場人物それぞれ個性があり、3人の関係性も心地よく読んでいて癖になる

    サイクロプスやハユタラス、河童などをモチーフにした物語もあれば、民間伝承や御伽噺の様な、どこかで触れたことがあるような物語もあり、それ...続きを読む
  • 私の頭が正常であったなら
    山白朝子と乙一と中田永一は同一人物だという知識を得て、その3人のアンソロジー本で山白朝子を知ってすごく好みのタイプだと思っていた。
    そう思ってから初めて読んだ彼女(と呼んでもいいのか)の短篇集は、やはりとても好みだった。

    乙一はホラー系で中田永一は恋愛系で山白朝子はミステリ系…みたいなざっくりとし...続きを読む
  • 私の頭が正常であったなら
    ものすごく哀しくて
    ものすごく切ないけど
    ものすごくあたたかい短編集。

    どの話も全部好きだったけど、
    「トランシーバー」「私の頭が正常であったなら」
    が特に良かった。

    さすが乙一。
  • 私の頭が正常であったなら
    たまたま手に取った本だったが、読んでよかった。8つの短編集。忘れっぽい私は短編集だと気に入った話以外、内容が飛んでしまいがちだけど、この本は全て記憶に残っている。
    どの話も残酷だったり悲しい出来事からの展開が多いけど、読み終えた時には小さな光を感じる。何度も涙が出て鼻をグズグズさせながらページをめく...続きを読む
  • エムブリヲ奇譚
    ああ、いいなぁ、これ。

    まるで期待せずに読んだ。
    この人の作品はハマるときはハマる。
    中には「はぁ?」と首をひねりたくなる著書もあるのだが、今作はすべて良い。
    短編集というものは、気に入ったものが1つか2つあればいいかとおもっていたが、9作品のすべてが好きだ。
    これは自分的には結構珍しい。
     
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