杉井光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「生徒会、きらいになっちゃったんですか?」
いきなり直球。僕は咳き込みそうになる。
「……い、いえ?べつにそういうわけじゃ」
「だって、ここのところちっとも顔を出してくださらないし」
「僕がいてもやることないので……」
「そんなことありませんわ。いてくださるだけで生徒会室が華やぎますもの」
ぬいぐるみでも置いとけよ。
「狐徹もあれでけっこうなさみしがりやなのです。ひかげさんが来てくださらないと」
「会長は、すぐに飽きるんじゃないですか。僕なんて」
「私は飽きたりしませんから!」
美園先輩はいきなり僕の両手を握って顔を寄せてくる。どきりとして後ずさり、トネリコの幹に後頭部をぶつけてしまう。
「ひかげさんなら一日中でも見つめていられます!」頭大丈夫か。
「あー、あのう、姉からメールがきたんです」
「ひなたさんからっ?」美園先輩の顔に朱がさす。
「それで、僕のクラス分けを先輩が仕組んだとかって……」
「きゃあああ」
美園さんはほおを赤らめて目を伏せ、僕の手を握ったまま上下左右に振り回した。
「ひなたさんっ。言っちゃうなんてひどい」
僕はあらためて啞然とする。ほんとだったのかよ。”[P.70]
登場人物のキャラは個性的で好き。
最後の盛り上がり部分が楽しかった。
“キリカはしばらく呆けていた。脱力した手からモバイルが滑り落ちそうだったので、僕は彼女の両手を自分の両手で包み込むように握って、言った。
「いつもやってるゲームだろ。簡単じゃないか」
自分の声が震えないようにと、僕も必死だった。体温が触れあった手から流れ出ていくのがはっきり感じられた。
それでもキリカは動かなかった。唇を嚙むのが彼女の精一杯だった。だから僕は、彼女の首に手を伸ばし、腕章の端に指をかける。小さな肩がびくりと反応する。
「……探偵は、こういうとき——なんの役にも立たないかもしれないけど」
僕は息をはきかけるようにして言うと、腕章のマフラーをたぐって回した。キリカが顔を上げた。もうひとつの役職が刺繍された一枚が、彼女の喉元に戻ってくる。
「キリカは、『会計』だろ?」
ぬくもりが離れる。
キリカは、小鳥の卵でも運ぶようにしてモバイルをそっと手のひらに載せ、ベッドに腰を下ろした。やがて打鍵音が始まる。モバイルの背面、ネットへのアクセスを示すLEDが激しく明滅する。キリカの瞳の表面を、無数の銘柄名と株価が流れ過ぎていく。”[P.264] -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学の先生にすすめられて読んだライトノベル。正直な感想、思っていたよりは面白くなかった。
主人公が終始鬱々としているところが読んでいてつらかったです。ひとりひとりのキャラクター性が濃すぎて何度かおいていかれそうになりました……。
最も納得がいかなかったのは彩夏の死の真相。
ラストの屋上のシーンでは若干心動かされましたが、死ぬことによる解決という手段はどうなのでしょう。罪の意識に耐えられず自殺という手段をとりましたが、個人的には死んで償うよりも生きて償う方がよっぽど覚悟のいることだと思います。
そこは薬によるバッドトリップということで仕方がないのでしょうか?
シリーズを読むかどうかは迷うところです。 -
Posted by ブクログ
彩夏が戻ってきた。冬の事件の後遺症で、僕との過去をみんな忘れて――。ぎこちない関係のまま、僕らが昔通りの園芸部の活動を再開した矢先、僕は生徒会長に呼び出される。「園芸部は廃部にするから」廃部の理由である、設立時のうさんくさい経緯を調べていくうちに、四年前の不可解な生徒死亡事件が浮かび上がる。その容疑者は、テツ先輩だった。口を噤み協力を拒否するテツ先輩とニート探偵団を敵に回しアリスと僕は捜査を始めるが・・・。
ふとしたことで自分との絆が消えてしまっていることを思い出してしまうナルミと、彼に関することで自分が何か忘れてしまっていることを薄々感じとる彩夏。二人のぎこちない関係にもやもや。お互い元々不器用だったからなぁ。大事なものは大事って素直に言わないとダメだなって自分に言い聞かせる巻でした、これに限らず。喧嘩したって仲直りしてさらに仲良くなることもあるでしょうって思う。諦めずに信じられる仲間っていいよね。それにしてもナルミとアリスがくっつくのかなと思ったけど、そうなると彩夏はどうなるんだ?謎。