あらすじ
はじめてのライブを終え少し距離が縮まったナオと真冬は、息つく暇もなく二学期のイベントシーズンを迎える。合唱コンクールに体育祭、そして、フェケテリコ初の単独ステージとなる文化祭。神楽坂率いる民俗音楽部の面々は、ときに敵としてときに仲間としてしのぎを削る。そんな折、真冬の前にひとりのヴァイオリニストが現れる。ジュリアン・フロベール。通称ユーリ。いたいけな女の子みたいな見た目で、真冬に気安く接する彼は、かつて共に演奏旅行をした仲だという。さらに彼の出現を境に真冬の指が動くようになり、ナオの動揺を誘うが――。おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽が織りなす物語、第3弾。
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Posted by ブクログ
読み終わってちょっと感動してしまった。
ラストの真冬の動揺からの流れがジーンと来る。
シリーズ三冊目は、最初、いくつものエピソードの寄せ集めに見えて、実はナオの本当の気持ちと真冬の復活へ道程だった。
そのきっかけは、やっぱりライバル(?)ユーリの登場が大きい。
彼の登場でナオは真冬のことを、彼女の傍にいたいという気持ちを
絶望の中で強く自覚する。
だから、ようやく自分の気持ちに気づけたんだ。遅いよ!(笑)
でも、真冬たちの気持ちにはまだ気づけてないけどね(バカ・笑)
そして、ラストの真冬がピアノを再開した真実と、再び傷ついた彼女を立ち直らせる事の出来た二人の絆。
うん。心が震えた。
よかった。
でも、最後ライブ場面は見てみたかったけど。
それにしても神楽坂先輩がステキすぎる!
もうね、その言動で何度笑いを吹き出させてもらったことか。
いやあ、好きです先輩(爆)
ナオが気持ちを自覚したこと。
真冬が再びピアノを弾けるようになったこと。
そのことで、この巻はまさしくシリーズの『転』の巻だ。
次回、最終巻の結末がもうほんとに楽しみ!
Posted by ブクログ
文化祭で、これから演奏する!というところで終わる。
合唱祭で、上級生を差し置いて一年生の時から優勝するほどだから、響子も凄いけど、優勝は逃せど2位になったのだから、編曲したり、指揮者としてみんなをまとめたり、ナオも十分すぎる才能だと思う。
Posted by ブクログ
最後のライブシーンを敢えて見せないなんて作者はなんて憎たらしいことをするのだろう。
恋愛モノには王道展開とも言える主人公よりもヒロインのことを知っているライバルキャラ登場。これにより直巳の心は大きく揺れ、謎の失意に襲われてしまう。こういった時には更に事態をややこしくするような事件が起きたりものだけれど本作ではそんな展開にならないばかりかライバルであるはずのユーリまでもが直巳に惚れてしまいある意味スッキリした展開に!何でだ!?
正直言って作中に登場する音楽用語や作曲家の名前はさっぱりだったりするのだが、それでも気にならず物語の雰囲気にのめり込めるのは流石だと思う。
ラスト数十ページはまるで最終回のような雰囲気で、このまま終わりだったとしても十分納得できるようなノリだった(そうなってしまったら物足りなく感じてしまうだろうが…)。実際には次巻が最終巻。どのような感動、そして終わり方を魅せてくれるのか非常に楽しみであり、同時に寂しいような気分になってしまう
Posted by ブクログ
少し詰め込みすぎな感じもするが、合唱コンクール、体育祭、文化祭と秋に行われる全てのイベントを網羅しているのが驚いた。
真冬の指が動くきっかけになったのが、最後に明らかにされる展開は良かったと思う。
Posted by ブクログ
評価:☆4.5
おかしくて少し切ない、恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガールストーリー、第3弾。
合唱コンクールに体育祭、そしてフェケテリコ初の単独ステージとなる文化祭。
そんなイベントが押しよせる中、真冬の前にかつて共に演奏旅行をした一人のヴァイオリニスト、ユーリが現れる。
そんなときに真冬の指が動き出して、ナオミは動揺を隠せずに――と言ったところです。
いやもちろん指が動き出したのはユーリのおかげというのはナオの勘違いなわけですがw
ユーリとの仲を誤解されないように必死に弁明しようとする真冬が愛おしくて仕方ない(*´Д`*)
「真冬のために何も出来なくて悔しいのは何故?」
「同じサウンドを奏でられても、ユーリではなく真冬じゃないといけないのは何故?」
そんな分かりきった問いとその答えを見つけるという巻ですが、丁寧な運びだったので退屈感は無かったです。というか「もー早く気付いてよ!この鈍感!」な感じが出まくってる真冬がホントに可愛いんだよねw
真冬とは住む世界が違うことを見せつけながらも、走り続けることを決めたナオ。
それを後押しした千晶の覚悟もカッコよかった。自分は真冬派だけど、脇役に徹する千晶は切ない・・・
物語も残り僅かですがここからどうなるか。まだまだ期待です。
「ナオミは、真冬の、なんなの?」
「同士蛯沢は、『続けたい』と言ったんだ」
「だから、あなたのために、弾きたかった」
「もう決めたんだ。ずっと真冬のそばにいる」
「あなたは、わたしのベーシストでしょ」
Posted by ブクログ
民族音楽研究部の面々が合唱コンクール、体育祭、文化祭ライブと今回は大暴れ。
そこに真冬の旧友ユーリが現れて。
杉井さんの作品はツッコミセンスが好みでいいですね。
主人公のツッコミスキルは高い方がいいと改めて実感しますね。
それと同時に主人公の鈍さとヘタレっぷりはちょっと苦手かな。
それと主人公の父親がいい味を出し過ぎていて最高です(笑)
Posted by ブクログ
今回は文化祭の話。それとナオミと真冬の間に登場する新キャラのヴァイオリニスト「ユーリ」。
ユーリの登場でナオミと真冬の関係も進むのかと思いきや、ナオミはナオミで相変わらず愚鈍さで、真冬もツンツン。
ユーリはユーリでなぜかナオミ側に傾くし。
男性となっているユーリではあるが、容姿や言動から絶対女の子かと思ってたのだけれど、結局最後まで男のままだったw
Posted by ブクログ
合唱コンクールに体育祭に文化祭。
高校生の青春が詰まってるようですね。
扉絵にあるチアの格好についてや、文化祭の演奏がどうだったかとか、肝心な部分が弾かれてる気がする。
Posted by ブクログ
合唱コンクール、体育祭、そして文化祭。それぞれが短編集のように少々独立しているけれど、それを不器用な恋愛が束ねているといった感じ。
少しは成長したが、相変わらずの主人公の鈍感ヘタレぶりには頭が痛い。けれど変なところで冴え、決めるとこではきっちり決めるのが憎らしいです。
それぞれの思いが結実し、ライブへ至る様は胸が熱くなりました。
Posted by ブクログ
主人公のヘタレ具合に終始いらだちを感じつつも、なんとか読み進め最後のライブではまとまりを見せていました。
主人公像としては正直都合がいいなという部分が多々あって、あまり気持ちのよいものではないのですが、それでも一進一退を繰り返してでもなんとか先に進もうという登場人物たちの気持ちは伝わってきました。
ジャンル的な部分の表現は、自分が素人だからということもあるのですが、ちょっと分かりづらい部分もありましたね。曲を流れで説明してるところとか。それは仕方がないのですが、もう少しストンと落ちてくる書き口でもよかったかなと。
やきもちしつつも読み進めてしまうこの感覚は、この作者の特徴なのかもしれません。おそらく完結するであろう次巻に期待します。