【感想・ネタバレ】さよならピアノソナタ4のレビュー

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言葉を魂の底まで届かせるには血を流すか、歌を流すか。響子の台詞はキザなところもあるけど、ところどころで共感できたり、納得ができたりする。

響子とユーリの会話は噛み合っていて笑った。

最後の、泥棒市場をキーワードに再会を果たすのはロマンティックだった。

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2022年09月17日

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ネタバレ

本作の特徴は、性欲を全く感じない主人公とヒロイン。
1~3巻ではその鈍感さとワガママっぷりに若干イラつく場面もあったが、4巻で二人の関係が動き出した瞬間、そんな事がどうでもよくなる程引き込まれてしまい、深夜に一気に読み込んでしまった。

最終巻の最後の最後まで、二人の関係に特筆すべき進展はない。「心からの願いの百貨店」から帰るラストシーンも、キスすらせずに手を繋いで帰るだけ。
中途半端な恋愛を描くのではなく、徹底的に"甘酸っぱい青春"を描いた事が、青春純愛物語として高い評価を得るに至った要因だろう。

失われた(そもそも存在しない?)甘酸っぱい青春を疑似体験するにはうってつけ。読みながら何度もため息が出ます。

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2015年02月25日

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普通に転がったなら、必ず何処かで致命的な結末を迎えるしかなかったはず。そんな物語に、音楽というこの世で最も強い力が、様々な魔法を起こします。それは時に甘美な奇跡を与え、また時に、悪夢のような悲劇をももたらすのです。
音楽というエッセンスがこの小説に与えている効果は絶大で、驚くほどに馬鹿で鈍感で純粋な主人公が、艱難を乗り越えて奇跡のようなハッピーエンドを手にするのも、要所要所でクリティカルな役割を果たす音楽の力の存在があるからこそ。そしてそれが杉井さんの圧倒的な描写で描かれた音楽だからこそ、不思議な説得力があるのだと思います。

終盤は興奮してまともに文章が頭に入ってこなくて、何度も読みなおさなくてはならなくて苦労してしまいました。とにかく最高です。
その最終和音の余韻の最後の一滴が尽きるまで、味わい尽くしたくなる素敵な本でした。

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2013年05月11日

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ネタバレ

恋と音楽の青春物語最終巻。
緩やかに温かくホッとする終わり方だった。

自分の恋する気持ちを自覚したナオ。
けれど真冬の気持ちがわからないくて、それでもなにかを期待してしまう。
だから、今までよりもずっと関係がぎこちなくなってしまうのだ。
ああ、この感じ。青春だなあ。
恋する気持ちを持て余して、告白したくて、でも出来ない怖さ。
ナオは確かにへたれだ。
けれど、その怖さは実によくわかる。
その一言を告げることがそれまでの関係の終わりを意味する。
その恐ろしさ!
そして、そんな中、先輩の行動と気持ちに振り回されて、そればかりか、真冬が現実にいなくなるかもしれない事態に翻弄される。
物語は苦しく切なく絶望へと転がり落ちようとする。

この場面で、ナオはほんとにへたれだ。
並のライトノベルの主人公ならもっと底力を見せたり、超展開が待っていそうだけど、でも、ここでの展開は、実に等身大だ。
だから、小さな奇蹟から始まったこのお話は、けれど、最後は本当に等身大の高校生の青春物語に回帰していく。
そしてだからこそ、真冬の真意を知った後のナオやバンドの仲間たちの決断に胸が熱くなる。

ラスト、出会いの場所でもあるその場での再会はある意味奇蹟。
けれど、それは二人にとって当然の再会でもあるのだ。
そしてそこまで迷って迷って、ようやく進むことが出来たナオ。
ほんとにあんた遅いよ!(笑)
でも、その再会に祝福を。
心にホッとした安心が広がった。
うん。ほんとによかった。

さて、後日談も楽しみに読みたいな。

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2010年12月08日

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4巻で完結な事にショック。でもダラダラ続くよりいい。
最初にタイトル見た時の好きな感じが最後まで変わらなかった。クラシックもロックも知らなくても楽しめる。爽快な演奏シーン。フェケテリコってバンドの存在の危うさ、切なさ。爽快なストーリー。どこまでもラノベっぽくて大好き。神楽坂先輩のキャラも最高だけど、オヤジの哲朗がたまらない。

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2010年09月17日

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恋と歌と革命の物語も完結。

今までダメオヤジを体現してきたナオミの父親が最後の最後で、父親としての一面を見せます。
それまでのダメっぷりもあってインパクトが強く、おいしい場面を一人でかっさらった感もしますw

ナオミのそれは人としてどうよ?と思う場面も多々ありましたが最後はキレイにまとまって良かった。

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2010年07月10日

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ネタバレ

完結。いや素晴らしかった。
杉井の描く主人公はとことん鈍感で、イライラさせられっぱなしで、もちろん直己もその例に漏れない。それどころか1番ひどいかもしれない。
今回だって千晶の気持ち察しなさすぎだし。ほんと「デリカシーが1グラムでもあったら」と思った。
けれども、それゆえに最後真冬に気持ちを打ち明けるところでのカタルシスは大きかった。

ユーリに啖呵切るところ、テツローが語るところは特に名シーンだったと思う。

これだけの感情のぶつかり合いを読まされて、沸いた感情を上手く言葉に出来ない自分の語彙力を呪う。
陳腐な言い方だけど、感動で涙が出そうになった。
とにかく素晴らしい小説だった。今年読んだライトノベルじゃいまんとこぶっちぎりトップ。

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2011年03月06日

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 熱い。ホント熱い。
 作中の季節は冬で雪とか降っているのにめちゃ熱い。上手く表現することはできないけれど、この作品で書かれていることは心に深く突き刺さるのだ。少年漫画のような熱さではなく彼らの置かれている状況が青春風景の中に居るからなのだ

 それにしても直巳の鈍感さは何なのだろうか。正直言って読んでいて全力で殴りたくなる程に鈍感である。ようやく相手の想いに気付いてからも全く動けず極度の優柔不断っぷりを披露している点にはもう賞賛さえ贈りたくなる。だからこそこの巻では皆の想いが溢れ出し直巳に心労を負わせることになるのだが。
 直巳は徹底的にぶちのめされる。何度も傷付き涙を流し倒れてしまう。ある意味痛々しくさえもあるのだが(プレゼントの件含め)、因果応報というべきかそれとも巡り合わせというべきか悩む点ではある。クライマックスでは今までにないほどボロボロの状態のフェテケリコがステージに立つ様は読んでいながら「もうやめてくれ!」と言いたくなってしまうほど

 この作品を読んだ事で様々なジャンル、時代の音楽に触れてみたいと思うようになったのは大きなきっかけだったのかもしれない。

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2016年04月05日

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再度、ライブに向けて走り出そうとするフェケテリコだが、真冬の身に異変が!?
真冬の誕生日、ライブ、そして4人の恋の行方は!?
本編完結編。

哲郎め(笑)
神楽坂先輩も千晶も波乱を起こしたけど、それ以上に哲郎なんだよ!
恐らく、神楽坂先輩がシリアスモードになるから哲郎の存在が際立って、バランスが取れて、彼なしでは成り立たなかった最終巻だったと思う。

シナリオが直球だから意外性がないけど、王道感があってよかったかな。
みんな器用そうで不器用、だけど、青春を感じられて、シリーズ通じて楽しませてもらいました。
あと、後日談が1冊あるようなのでそれも楽しませてもらいたい!

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2015年04月04日

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ネタバレ

評価:☆4.5

おかしくて少し切ない、恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガールストーリー、感動の完結編。

まさかのここにきて神楽坂先輩が仕掛けてくるとは思わなかった。もう千晶と同じく見守りポジションになると思ってたから意外だった。先輩にはこういう役回りはして欲しくなかったっていう気持ちもなくはない。自分でも最低だって言ってるしね。

真冬は再び右手を痛めてしまう。今度は心因性のものではなく、無理な弾き方をしたことによるもので、ナオにもどうしようもない。
無理してでも、壊れてでも、直己のために弾くといった真冬に対して「なんで……なんで、そこまで」ってそりゃ酷いよナオ。
屋上での会話や誕生日プレゼントのときは良い感じだったのにどうしてそうなる・・・
プレゼントしたCD、中身だけは持っていたいという千晶に対しても「な、んで……?」とか言っちゃうし、鈍感もこういう展開だと擁護出来ないよなぁ。しかしそんな気持ちに、真冬からもらったカセットで気付くっていうのは切ない・・・。

ここ一番の哲郎の「間に合わせるから!」はグッときた。変なところで父親されると涙腺緩むからやめてくれよ・・・。

真冬は渡米し、二人は少しの間距離を置く。
そしてロマンチックな再会。綺麗な締めだったと思うけど、最後ぐらいはナオから動いて真冬に逢いに行って欲しかったなぁ。

まだ後日談?の短編集もあるようで。そちらも楽しみ。

「中身まで返すわけないでしょ、あたしの宝物なんだから!それくらいわかれバカ!」
「あのときから、……真冬が、好きだった」
「ずっと、待ってたのに」

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2015年01月08日

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真冬との別れが迫り、フェケテリコは岐路に立ちます。そして……

先輩の前バンドの事など、語られなかったことはありますが、それぞれの思いに決着がつき、シリーズの完結編として相応しい作品でした。親父かっこいい

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2011年04月24日

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ネタバレ

気持ち的には★5個つけたいんだけど、直巳君の鈍感ぶりは、ちょっと引っ張り過ぎかなあーと。
その辺は、早めにクリアにして、真冬の右手の問題とか、飛行場で別れて、再会するまでの時間をもっと描いて欲しかったかなと。

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2011年02月04日

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前巻までに問題が噴出し続けて複雑化した主人公とヒロイン3人との関係が、本編最終巻である今巻において多少強引ではあるものの収束に向かっていた。

この作品、全てにおいて主人公である直己が鈍感なことが話の肝になる。ひとつでも気づけば話の展開は大きく変わるだろうし、そもそもこんなこじれたりはしない。対して、ヒロインたちは総じてそれぞれの強さと弱さを示す。それらの混ざり合いが話を膨らませる要素となっている。

題材もストーリーラインもキャラクターも魅力的だったが、あえて言うのであればそれらが完全には混ざりきれてない印象を持った。おそらく主人公には3人の女性を支えきれるだけのキャパがなかったのだろう。まあお話としては当然なのだが。

残るは短編集。補完的な意味合いを持ちつつも、キャラクターが活きているエピソードに期待したい。

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2010年10月29日

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最後のライブに真冬は故障で参加できず、
でもいないはずの真冬の音を聞いて満足しつつ終了。

最後は前日夜に翌日の朝練の約束をして千晶と別れるのに、
それをすっぽかしているかもわからない真冬に会いに行って終了。
一人待ってる千晶を想像するとすごい不憫だと感じてしまった。

そんなこんなで後日談へ。

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

過去最大級に主人公の鈍感さに腹が立った。
無神経すぎるだろう・・・

最終的には想いが通じたから良かったのかもしれないが、結果的に主人公以外のキャラクターの印象が強くなる。
特に、クリスマスライブ当日の哲郎の言動は格好良かった。

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2015年09月08日

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