杉井光のレビュー一覧
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2です。
2ということは…?と、思わずページをペラペラしかけたけど、そこはがまんがまん。
物語の中にもう一つ物語が。
このスタイル、アンソニー・ホロヴィッツぽくて好き(今、「マーブル館殺人事件」の順番が先頭になってるので、もうすぐ読める!ワクワク)
主人公のいる穏やな世界に反比例するかのような
作中作品の暴力的な描写に少し嫌悪感。
けれどその結末はすごく気になる内容で、
先が気になってしまう複雑な心模様。(ミステリー好き、いや、ミステリ好き人間の葛藤)
なかなか筆の進まない主人公がこの作中作にもまれ、
あがきながらたどり着くラストは良かった。
小説を愛する人たちの
やさしい幕引きだった -
Posted by ブクログ
ネタバレ「楽園ノイズ 7」を読み終えたのちに、本書にたどり着いた。
2013年7月に刊行された蒔田シュンの物語。小説すばるに掲載された5編からなる連作短編集で、刊行から10年以上を経て昨年文庫化されていた。
僕にとって本書は、「楽園ノイズ」の登場人物として既に見知っている人たちの過去に、いったい何があったのかを追体験するものとなってしまった。
著者すらも本書執筆時には考えてもいなかったであろう未来を知ったうえで12年前の“今”を読むと、二重写しになった写真を見ているような感じで、本書を純粋には読めていないと思う。
音楽業界の端っこで便利屋として生きてきた蒔田シュン(30歳)と日本を代表する -
Posted by ブクログ
過去作で大きなインパクトを杉井さんの作品ということで注目されていたため、本作を手に取りました。物語の雰囲気はとても好みだっただけに、お話のオチが途中で読めてしまったため少し評価は落ちたかなと思います。
本作の「神様に供物を捧げる風習を持つ村」、「6人の同窓生が集まる」という2つの設定は個人的にはとても好みだったと思います。デスゲーム的な展開を期待することもできれば、6人が協力して戦う的な展開も想像できたため読んでる途中はすごく想像力が掻き立てられて楽しかったかなと思います。ただ、オチが少し弱いというか、「そこが伏線?」というような感想を抱いたので、評価が少し落ちる結果となりました。
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Posted by ブクログ
7名の若き作家たちのSNS系など令和の時代のアンソロジー。目玉は杉井さんだろうか。「世界でいちばん~」の続編?のような短編で唯一の書き下ろし。他は小説新潮で特集された作品と結城さんの「#真相を~」から1編。目玉の杉井さんが一番のキャリアというのがうむうむ、というところか。全体的にシニカルな作品が多くやはり令和を切り取ることになるとこういった作風が増えるのだろうか。その中で佐原さんの作品は純粋?な青春もので良かった。
浅倉秋成 かわうそをかぶる
Vチューバーを題材にした作品。一番怖かった作品かも。タイトルの良さと2重人格?のような造りがよかった。
大前粟生 まぶしさと悪意
文藝出身ながらエンタ -
購入済み
首輪以外内容覚えてない
メインヒロインが普段から首輪付けてる変人で、更に人に一方的に物を送り付ける変人だということばかりが印象に残り、
話の大半を通じて明かされていく物語の本筋、語り部である「ぼく」に纏わる謎とその解明がさほど話の構築において効力を持たなかった。
主人公が常に外部の事態に巻き込まれ、他者から施しを与えられ、利用されてばかりで、自ら事態を動かすこと、他者に施しを与えて自らの事態に巻き込むというのがなく、舞台である天蓋学園と生徒会の設定を作中キャラから解説される、所詮驚き役以上のものが薄い。
特に物語途中にヒロインがシンボルである首輪を外される場面があるのだが、そこで主人公が見てるだけでなにもしなかった、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家7名によるアンソロジー。
カワウソの妖精・雨露ゆゆというVtuberと交際していると噂された音楽プロデューサー「うみの」が殺害された。ゆゆの活動を続けるべきか否か、視聴者の判断を仰ぐべく配信をすることに…浅倉秋成『かわうそをかぶる』。
動画配信アプリで一躍人気者になった女子高生。若手女性教師は彼女が動画を撮らなくなった訳を探ることに…大前粟生『まぶしさと悪意』。
霊能力者と相談者のマッチングアプリで「幽霊からプッシュ通知が届く」という不具合が起きている。案件を任されたアプリ開発会社の新人社員がアプリをインストールしたところ…新名智『霊感インテグレーション』。
年齢を偽り、マッチングアプリで -
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念企画のアンソロジー第2弾です。本書に対して失礼かもですが、日頃の読書の箸休め(あ、漬物ではなく和物ですね、アンソロジーだけに…)感覚で選書し、するする読めました。
6名の作家が、「神様×本」のテーマに時々謎解きを加え書き下ろした短編集です。内容はいかにも日本人特有ですね。それは、神を否定しないけれども特定宗教を信仰しない「無宗教」からくるのかと…。何にすがるかは人それぞれね、だからこそ関心も楽しみも多岐で、許容範囲も広いんでしょう。
実際に関係する神様も、全知全能の神、キリスト教、日本の神様、本の神様、都合のいい人まで様々で、内容もコメディタッチで