あらすじ
ライヴ続きだった一学期も終わり、季節はいよいよ夏。レコーディングに備えて合宿をしようという話が持ち上がり、みんなで水着を買いにいくことに。水着売り場で男が混じるのは恥ずかしいと言ったらなぜか女装させられる羽目に?
宿泊場所は海辺の別荘なので、朝から晩まで海岸遊び――ではなく、屋内にこもってひたすら曲作り。なぜなら別荘にスタジオがついているから!
真夏の太陽にもまぶしい水着姿x4にも背を向けて音楽だけ追いかけ続ける超高純度青春ストーリー、待望の第7弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
真琴はいずれPNOを抜けるつもりなのが何度か描写されている。
ちょっとした出会いから始まったPNOだが、文化祭ライブ、本格的なライブ、アルバム作成と、どんどん影響力が大きくなっていく。
このバンドと、凛子達メンバーはこれからどうなっていくのだろう。
物語は進んでいく
面白くて続きが気になります!!
現実の音楽家もこんな感じなのかな、と思いを巡らせることが出来るストーリーです。主人公は振り回されながらも我が道を進んでいっており、そのこだわりがこの作品の面白さなのかもしれません。様々な思惑がある中、主人公がどう歩みを進めていくのか、今後も気になります。
Posted by ブクログ
表紙の女の子は誰だ、また新キャラ? とは思わなかった。
そう何度も何度も引っかかるものか。さすがに僕にだって学習能力はある。
肩・ヘソも露わな、デコルテラインの綺麗な子。でも、泳いだその眼と頬に浮かんだひとしずくの汗を、もう見逃すものか。
冒頭、“死”について思いをめぐらす不穏なシーンから始まったが、あとはいつもどおりのイチャメチャとツッコミ。
今作の主題はアルバム制作。そして、待望の水着回である。
ああ。第1巻で描かれたあの夏から、せっかく打ちそろった美少女たちが水着姿を披露することもなく一瞬のうちに過ぎ去ってしまったあの夏からようやく1年が経つのか、と感慨深く思ってしまった。
いやぁ、作中じゃ1年だけど刊行年でいえば5年ぶりの夏なんだから嘆息もつきたくなるでしょ。シリーズとしても約2年ぶりの刊行。
杉井センセが「世界でいちばん透きとおった物語」でスマッシュヒット飛ばして続編の注文もこなしてたものだから、本作がいつになったら出るのか、一般文芸に軸足を移してこっちは立ち消え打ち止めになるんじゃないかと気が気じゃなかった。
蓋を開けてみりゃ別作品も同時刊行という悪魔の企画のためにさらに延びてたらしい。新規営業もまあ必要なんだろうけど、既存のファンにもちゃんとエサください。
さて、本題(?)の水着シーンだが、もう、ハーレム最高!!
マコト君、いつもなら言葉で表現しろと言われると途端にしどろもどろになってまともに見れない喋れないのに、今回は冷静にきめ細かく(文字どおり肌理こまかく?)描写している。
まあ、ぜんぶ音楽経由なもんだから、それぞれの視点はエロいはずなのに、視線がまったくエロくないという絶妙さ。
健康的な水着姿の美少女たちを前に何を考えてんだぁっ! て、音楽のことしか考えてないんだよなぁ。
“賢者”ならぬ一読者としては、詩月が試着を考えてた残り4着の水着がいったいどんなモノだったのか、とってもとっても気になってます、はい。
物語中盤のスタジオレコーディングのシーンでは、プロのエンジニアの手を借りながら夢中になって音を録り重ねてゆく真琴が、大好きな玩具を与えられた子供のようで羨ましくもあり、またその後の“スタジオの魔法”があまりにも魅力的だった。
そして後半の音探し。
浜名湖周辺ということだから、ヤマハ(株)のイノベーションセンターがモデルなんだろう。
人から人へ、そしてすべての音を呑み込んでしまうその場所へ。
蒔田シュンが遺した音を求める巡礼にも似たその長くて短い旅は、冒頭のシーンとも呼応して、まるで心の奥底に眠る迷宮に深く潜ってゆくかのような不思議な感覚だった。
次は、あんまり間をあけずに「神曲プロデューサー」を読んでみたいと思っている。
もう12年も前に書かれた物語だが、昨年になって文庫化されていたことがわかった。これも「~透きとおった物語」効果だろうか。
蒔田シュンを主人公とした連作短編集で、海野リカコや窪井拓人とのエピソードが含まれているらしい。
Posted by ブクログ
久々の学園ノイズ。
いやあ相変わらず楽しい。のっけからボケツッコミが炸裂してそうそう作者の物語はやっぱりこれだよねと思った笑
今回はアニメで言うところの水着回なのだけど、嬉し恥ずかしの展開になるかと思いきや、さすがに音楽バカの真琴では何をやっていても音楽の話になっていくんだなあ。
今作を読んでて二つのことを強く思った。
一つはこれってがっつり神曲プロデューサーのエピソードだなあという事。蒔田さん(の影)は前から出て来ていたけれど、ヒロイン海野リカコも登場し、彼の遺した音をめぐるミステリー仕立てになっている。
作者のファンとしてはこういうの良いよね。
もちろんキョウコさんやチアキはさよならピアノソナタだし、作者の物語には同じ時空で繋がっているものがいくつもあって、さよならピアノソナタ、神様にメモ帳、神曲プロデューサー、そして学園ノイズ(あとなんなら楽聖少女も)。
別のお話の中で懐かしいキャラに会えるのは嬉しいものだ。学園ノイズは特にそう。この作品がさよならピアノソナタと神曲プロデューサーを繋いでいる。
もうひとつ思ったのは、もしかしたらこの巻が最終巻かもしれないなという感覚。
真琴はPNOの終わりを予感していて、もしそうならPNOの終わりが物語の終わりじゃないかなと思った。
そしてラストまで読んで、PNOの終わりではなかったけれど、でも、これで最終巻でも良いんじゃないかな?とちょっと思った。いや、もちろんまだまだ続いてくれるのは嬉しいんだけど。なんというかそろそろ作者も終わりに向けて話の準備を始めたように思った。
それにしても真琴は難儀な性格だよなあ。音楽に妥協がないのに、世間体を気にして悩んだりして、でも結局音楽のことに関しては人でなしなのだ。でもだからこそ音楽に関しては信頼できる。それでも真琴が音楽を裏切りそうになる瞬間に、伽耶が言う、そんなのは先輩じゃないです、と言う言葉はなんて強い言葉なんだろうと思う。なかなかひどいことを言ったりするんだけどでも真琴の本質を突いているんだよね。