あらすじ
「十二年後、次の祭りの日に、ここでまた集まろうよ。みんなで」
山に囲まれた早蕨部村で12歳を迎える6人の少女たちは、未年にのみ行われる祭りの巫女に任命される。それは繁栄と災厄をもたらす「おひつじ様」を迎えるため、村の有力者たちが代々守ってきた慣習だった。祭りの日、彼女たちは慣習に隠された本当の意味を知る――。そして12年後、24歳になった彼女たちは、村の習わしを壊すというかつての約束を果たすため、村に集う。脈々と受け継がれた村の恐るべき慣習と、少女たちの運命が交錯する中、山で異様な死体が発見される。
あなたは、真実に気づくことができるか。衝撃のホラーミステリが幕を開ける!
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Posted by ブクログ
ずっと真っ暗な曇り空のような重苦しい雰囲気。明るいところがないのは、あまり気持ちが振り回されなくて良いかもしれない。最初本格推理小説と思って読み始めて、そうじゃなくてホラーで、でも犯人も確かにいて…これはすごくネタバレなのですが、
綾辻先生のAnotherってことですよね?うーん、怖いのは怖いんだけど、あともう一つ何か欲しかった。とっても雰囲気があった小説なので、閉じた世界観は嫌いではないのだけれど。多分Anotherを知らなければ、興奮するほど楽しめたと思う。
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壮大な物語だった。
"おひつじ様"が実は身近に紛れ込んでいたなんて!
ずっと違和感があったけど、祥子の記憶やみんなとの思い出もあったからあまり深くは考えずに読んじゃったよ…。
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ホラーミステリ。
いやぁおどろかされた!
気づかなかったなぁ、ところどころ違和感はあったけど。
そして私は田舎の因習的な話しが好きなので、楽しかった。
Posted by ブクログ
妖が出てくる類のファンタジーホラー。
と言っても怖さと言うより、切なさが勝る、胸に迫るお話だった。
12歳の6人の少女たちが巫女として参加する12年に一回行われる村の祭りのおぞましい正体に気づき、それをなんとか終わらせようとする12年前と現在のお話が並行して語られる。
途中から”羊”の正体はなんとなく分かる、と言うか最初から明かされていると言えばいるのだけど、それでもラストに向けてどんどん胸がきゅうと高鳴っていくのがすごく良かった。
驚いたのは、いつもの作者の語りとは全然異なっている事。
いつも見せる作者特有の笑いの要素はほとんど感じられず、シリアスの雰囲気をずっと保っていた。
けれど、物語ラストの残酷な中に一筋の希望のさす切なさは、やっぱり作者の物語だと納得できる。
ある意味作者の新境地な、そんなお話。
Posted by ブクログ
呪われた村で起こるホラーミステリー
少女達は呪われた村で力を合わせて戦う
最後まで誰が味方なのか分からないまま、クライマックスまで突き進む
非常にストーリーが練られた作品で、単なるホラーに止まらない面白さが詰まっていた
衰退していく村で、大人達は神頼みしかせず、子供達を生贄にしていく
物語はリアルでは無いのだが、大人の醜さと子供の純粋さを巧みに描いていてスッキリする作品だった
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1991年と2003年の未年。どこからどう見ても怪しい羊を信仰する祭を行う村を舞台に物語は進む。
羊を殺すという約束を果たしに12年ぶりに故郷の村へ帰ってきた5人の少女と残って待っていた少女。彼女達が村で繰り広げる羊、そして村自体との戦いは、スリリングであり、夢中で先の展開を追っていた。
別作品で申し訳ないが、少し似た要素があったので、中学生の頃に読んだAnotherを思い出した。いずれにせよ、非常に面白かった。
Posted by ブクログ
最近は読書をサボっていたので久しぶりに何か読もうかと本屋を物色。
装丁に惹かれて衝動買い。
いや〜良かった!
作品の雰囲気が自分好みだったのもあり満足いく内容でした!
また良い出会いを求めて本屋を覗きます。
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12年毎に山から降りて災禍と祝福をもたらすお羊様。残忍な描写と因習村あるあるの胸糞村人達
そんな中でも輝きを放つ未年生まれの少女達を見ていると眩しすぎるぅぅぅー⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
過去と現在を行き来するように物語が進み。徐々に明かされていく、村に伝わる儀式とお羊様の正体
結末はそこまで驚きは無いにしても、読み終えた後に、もう一度、冒頭を読み返すとなんとも言えない気持ちになってくる。
Posted by ブクログ
ある田舎に纏わる因習ホラー。
長編で読み応えも充実。
12歳と24歳での視点でそれぞれ話が進んでいき、徐々に村の祭事が明らかになっていくストーリーで続きが気になり一気読みであった。
Posted by ブクログ
★3.5
anotherを先に読んでいなければ気づかなかった伏線と展開。最初期に気づいてしまったので「わたし」語りがもうなんともそっち目線で読めてしまい、恐怖は全く感じない。むしろ、胸が苦しい。
パピコ的なものを二人で分けて食べるのに、律子さんが奇数だと可哀想だからと4つ目を買うところで確信。伏線はとても堂々と張ってあるので、叙述で絡め取られることもなく、見切った、とある種の達成感も味わえた。
穢れについて引っかかるのは純潔守るだけでいいのかということ。生理が始まるのはノーカウントなのか…。12歳の無垢な少女が巫女というのは儚さが滲み出ていて演出上功を奏すが、生理をもって大人の女性になるのではというもやもやも個人的には残る。
Posted by ブクログ
因習村の話が好きなのとXでやたらと宣伝されていたので手に取った1冊。
和製ITと言った感じ。
6人の少女たちは各々に魅力があり、
読んでいて楽しかったのだけど
個人的にはもうひと声おどろおどろしさが欲しかった。
Posted by ブクログ
なんとなく途中から最後が予想できたが、最後の最後で座敷童子で済まされて少し残念だった
ただ文章は読みやすくスイスイと読ませてもらった
Posted by ブクログ
村の守り神であるおひつじ様について
その謎のつくりと仕掛け
視覚的な驚異にこだわるあまり
人の内面が疎かになり
じわじわと締めつけられるような
心理的な怖さがなかった。
過去の出来事と重ね合わせながら
物語がすすむため、どうしても
同じようなことの繰り返しになってしまい
核心に辿り着くまでに間延びして
不気味な世界を楽しむというより
ただ文字を追うだけになってしまった…
Posted by ブクログ
おひつじ様の正体は結構序盤で(名前とか)察しがつくんだけど、察しがつく分、数の矛盾にはまったく気づかなくて、あとで言われて気づいた。そして過去編での語り手のモノローグが読み終わった後に見返すと、祥子ちゃんへの嫉妬が見えるのがいい。個人的に赤子を生け贄に差し出すこの村の風習が悪なのは当然として、よく分からないままある日いきなり村が不景気になって職を奪われた人はいるんだろうな……って思うと、なんか居たたまれなくなる。いや、無自覚でも血の上に恩恵を受けていたら報いを受けたんだけど。
Posted by ブクログ
綾辻行人の「Another」を思い起こさせる青春ホラーミステリー。装画も遠田志帆さんと、似た雰囲気を持っている。12年の時を隔てた2つの時代が同時進行し、クライマックスで交錯する構成が面白く「世界でいちばん透きとおった物語」とはまた違った作風を楽しめた。硬派なラノベといった感じの文章も読み易く、これからも注目していきたい作家さん。
Posted by ブクログ
過去作で大きなインパクトを杉井さんの作品ということで注目されていたため、本作を手に取りました。物語の雰囲気はとても好みだっただけに、お話のオチが途中で読めてしまったため少し評価は落ちたかなと思います。
本作の「神様に供物を捧げる風習を持つ村」、「6人の同窓生が集まる」という2つの設定は個人的にはとても好みだったと思います。デスゲーム的な展開を期待することもできれば、6人が協力して戦う的な展開も想像できたため読んでる途中はすごく想像力が掻き立てられて楽しかったかなと思います。ただ、オチが少し弱いというか、「そこが伏線?」というような感想を抱いたので、評価が少し落ちる結果となりました。